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学級閉鎖の緩和

2009-08-30 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
学級閉鎖ニュースのオンパレードですが、基準緩和対応も紹介されています。
現実的な検討がはじまったということでしょう。

そもそも3日間とか、4日間とか、何を目的・基準に決めているのかよくわからないまま、対策というよりは批判をされないようとりあえずやっておくかというようなポーズなのかなと思ってしまうような対応ですね。

大臣がここまでこんなにはやく広がったのは想定外とか、「インフルエンザ」という病気がわかっていないのね、、発言もありますし、インフルエンザワクチンの意見交換会でも「ワクチンってなんだかしっている?」と言いたくなるような発言も続いていました(発言や反応をしてもいけないのでじっとたえる)。


新型インフル、学級閉鎖などの基準緩和へ…行事に配慮(読売新聞)

新型インフルエンザ感染者拡大に伴う学級閉鎖や休校の実施基準について、大阪府教委に続き、神戸市教委も緩和したことがわかった。京都市教委も近く、同様の措置を取る。学級閉鎖や休校措置は感染拡大防止に一定の役割を果たしたものの、減った授業時間を確保するため、学校現場では夏休みの短縮を迫られるなど、影響も大きかったためだ。秋には体育祭や文化祭、修学旅行などが目白押しで、今後こうした行事の中止などを最小限に抑える狙いもあるようだ。
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090829-OYO1T00599.htm?from=main2

行事たいせつよね~と、ほーら怖いでしょ!というメディアのあおりとのギャップがなんとも。

(写真:ライオンキングの劇を見損なった編集長)
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3 コメント

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段階的学校閉鎖解除は? (中矢代真美)
2009-08-30 21:17:03
現在新型インフルエンザ感染の日本トップを走っている沖縄の小児科医から単純な疑問です。
今沖縄全県で小児の人工呼吸器管理が可能な病院は7つ、病床は全体で約15床です。いっせいに学校が始まりいっせいに感染が広がったらいっせいに重症患者も発生し、小児科医も人工呼吸器も足りなくなるリスクが高くなります。感染拡大のsurgeをなだらかにし、重症患者の発生の速度を緩やかにする目的での段階的学校閉鎖解除というのは効果的ではないのでしょうか。
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LID の学校閉鎖のレビュー (bloom)
2009-08-31 03:24:13
lancet infectious disease で今月発表された「学級閉鎖の効果」というレビューの抄録を作成してブログ記事にまとめてみました。

http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/62165412.html

論文の URL は以下です。
http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099%2809%2970176-8/abstract

もしかするとこのレビューはもうお読みになっているかも知れませんが、学校閉鎖は効果が確定された手法ではないこと、学校閉鎖単独では効果が薄いこと、社会的・経済的影響を考える必要があること、感染症の重篤度が判断の目安になることなどが書いてあります。

政府が方針を示さずに「地方の流行状況に応じて独自の指針で」といった態度では、正しい学校閉鎖は無理な話であることも分かると思います。
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Unknown (編集部)
2009-09-04 18:02:52
コメント&情報提供ありがとうございます。

蔓延状態ではますます学校閉鎖は意味がない、その他の負荷も大きい(経済的な影響など)、、という指摘がありますね。

別のところできいた提案としては、もともとハイリスク因子のある子どもが把握されているのなら、別室にして(逆隔離)、ビデオカメラで生中継授業とかをしてはどうか?ということがありました。保健室受講みたいなものかな?と想像したのですが。
(そんな設備・数が十分にはないですね)

自分が小学生のときはめいっぱいクラスに生徒がいましたが、今は子どもの数が減り、使わない教室もあるから・・というお話でした(これは地域差があるでしょう)。

何を軸にするのか?とういことでは、先生ご指摘のようにICU入院につながるようなハイリスク因子のある子どもを早期にトリアージできることが重要なのかなと思います。
これと学校閉鎖と関連させるのは現時点ではむずかしそうですが。
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