感染症診療の原則

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専門家不在会議

2009-05-18 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
疫学調査(接触者調査)は数が増えたら一定のところでやめるのですが、「全症例にやるもんだ」「感染ルートを解明するのだ!」と誤解している人がけっこういます。

インフルエンザはそもそも院内感染でもないかぎりルートなんてわかりませんし、犯人探しと誤解している人も出始めているのでろそろやめ時ではないでしょうか。

『疫学調査』そのものは全体像を知る、今後に生かす意味はあるので、検体や発症日などの情報は後日有効に使われるとおもいます。
でも、今それを調べることが「対策」そのものではないですね。誤解なきよう。


「文部科学省」や「政府」が要請していないことに過剰反応でいろいろなイベントまで中止されていますが、その延長で23日の神戸での学会延期の連絡がきました。

編集長「すっごいイイ(自画自賛の)講演原稿を書いている途中だったのに!」

編集部員A「ほかで使えばいいじゃないですか」

編集長「神戸にもいきたかったのに」(ただのワガママ)

編集部員B「新幹線にのればいつでもいけますよ。行けばいいじゃないですか」

(アマノジャクでへそ曲がりなので『騒動の中心でI'm Fine!を叫ぶ』を考えていたに違いない・・・)

外国はまだ日曜日なので目新しいニュースはありません。本日の日本のニュース。
「専門家の意見を(後で)きかねばらならない」会議を開いて何を話し合っているのか・・・?

◆政府は18日午前、首相官邸で全閣僚出席の新型インフルエンザ対策本部(本部長・首相)の会合を開き、大阪府、兵庫県で死者が出ていないことなどを理由に、「第三段階(感染拡大期)」への引き上げは見送った。

◆麻生首相は冒頭、「現時点で政府として外出や集会の自粛、企業活動の縮小などを一律に要請することは考えていない」と述べ、国民に冷静な対応を呼びかけた。

◆事業者や学校に時差通勤・通学の検討を求めるほか、患者が児童や生徒の場合、市区町村の一部または全域で臨時休校とすることを要請するなど16日の同本部幹事会での確認事項を追認。

◆新型インフルエンザ対策を巡っては、大阪府の橋下徹知事が、弱毒性であることや都市機能のマヒを理由に、季節性インフルエンザと同様までの対策緩和を求めている。これに関し、政府高官は18日朝、「専門家の意見を聞かねばならない。感染症指定の問題もある」と述べ、慎重に対処する方針を示した。
http://mainichi.jp/select/science/news/20090518k0000e010015000c.html

・・・専門家のいない「対策本部会議」ってなんでしょうね。

社員が感染したと発表しちゃった銀行には感染症が専門のドクターが二人いるんですけどね。会議の外でしょうか。同僚70名は突如自宅待機になりました!

休んでみたら「だいじょうぶじゃん」ということがわかって、普段から有給休暇がとりやすくなったりしたら怪我の功名。

「あなたがいなくても世界はまわる」
「その会議はなくても不都合は生じない」

という学習の機会=怪我の功名もあるかと・・・。
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