第３戦クィーンズランド16

さて最終日　正直言うとだんだんレースも飽きてくる。日本ではこんなにレース自体ないし、あってもアマチュアレースは１デイが当たり前だから、３日間は長い。って言うか普通の人は３日も連続で休めないだろう？つくづくオーストラリアは豊かだなぁと思う。
レースは今日も１０時からだが、リバースグリッドなので１４番手からのスタートとなる。後ろは速い連中なのでいかに最初のラップのうちに前の遅い連中を抜くかがカギだ。

第３戦クィーンズランド17

最初の１周目と２周目で何台か抜いたが、最終コーナーの立ち上がりで、３速にギヤが入らず一瞬アクセルが遅れる。３速に入ったその瞬間後続車に弾き飛ばされ、壁に激突、５０ｃｍは浮きあがったよ（ある野郎は身長ぐらい飛んだといっていたが、うそつけ！）と周りの人が言うが覚えていない。再度走りだすが左リアのロッドが曲がっていてジエンド。レース終了後ニュース１０の連中が嬉しそうにやってきてまたもインタビュータイム。１回リハーサルの後、ポーズまで指定された。一発でうまくインタビューをこなせてほっとした。観客は車と一緒に写真撮らせろというし、アナウンサー気分で「何があったんだ？どうしてこうなったんだ？」とか聞いてくるし、普通はこういう時にはそっとしておくだろ？こいつらクラッシュ好きだが隠そうともしない。

第３戦クィーンズランド18

ハイウェイではアニマル禁止とあったが本当に馬が走っているとは。次のレースはまた４時半からだ。もう誰とも話したくないので車に戻ってこの参戦記を書いている。
これでレース３は最後尾からのスタートとますます厳しくなった。

第３戦クィーンズランド19

完璧にレースには飽きていたしモチベーションは落ちていたが、モプロの連中が必死になって車を直してくれたので出走が可能となった。彼らのスキルはかなり高いし、たいがいのものはすべてその場で直してしまう。部品も日本のようにすぐに新品に交換しない、なるべく交換しないで使える物はベンダーで延ばして使う。DIYの国ならではだ。
もはや失うものはないし。前の車を抜くだけだ。

第３戦クィーンズランド20

スタート前のフォーメーションラップ、リアでガタガタ言っているが、気にしない。ちゃんと直ってると自己暗示する。Ｋエンジンの連中が前にいるのだが何人かドリフトしながらタイヤを暖めている奴がいた。元Ｖ８のドライバーもいるらしいが、こいつらやっぱりうまい（のか？）。レベル的には宮川やすおさんくらいだ。

第３戦クィーンズランド21

さてスタート、微妙に高速コーナーでついて行けない。多分ぶつけた左リアのキャンバー不足だ。何とか７～８台を抜いたがとうとう５周目くらいでコースアウト、すぐに復帰したが、３つくらい順位を落とした。ペースは上がらなかったが、何とか粘って、前のジェイムスハリガンに追いついてきた。最終コーナーで飛び込んでインをさす。その瞬間エンジンが止まった。そのまま惰性でピットイン、バッテリーケーブルが抜けていた。バッテリー液も飛び散っていてひどい異臭がした。修理をした時に、バッテリーを固定するのを忘れていたのだ！オーガナイザーのポールがやってきて何度も謝る。第３レースを走れただけでも満足だから気にしないでといっておいた。

第３戦クィーンズランド22

相変わらずレースは荒れて、前の車に乗り上げる奴がいたり、ノーブレーキでコーナーに飛び込んで前の車を弾き出すやつがいたりで見ている方はおもしろい。テールトゥノーズだから、誰かがシフトミスすると必ず追突される。で、多重玉突きも起こったりした。おかしいよ、君達は！
まだ700km走っていないのに１０年落ち以下だよ。日本に持って帰ってこれるのかなぁ。

第３戦クィーンズランド23

ドライバーの何人かはhans system を使っていて絶対に必要だよと勧めてくれるが、確かに必要性は感じる。今回痛み止めを２人にあげた。

第３戦クィーンズランド24

レース後ビデオを見たり、シーダーの親父の話などを総合すると、あることが解ってきた。路面は日本よりかなりスリッピーだがタイヤのコンパウンドは柔ら書くタイヤの剛性は低い。スプリングはこのタイヤには柔らかすぎる。四輪ドリフトで侵入してアウト側にはらむのもかまわずフラットアウトする。まるでスキッドカートだ。滑らせるのは当たり前。立ち上がりで外側リアタイヤをダートに落とすのも当たり前。侵入速度も、コーナリング速度も、脱出速度も俺より速い。タイムにしてわずか１秒半だが、とてつもない差に感じる。

第３戦クィーンズランド25

その日のニュースによると３日間で１５万人がきたが、日本人が一人だけいた。一緒にいたカメラマンのイギリスの男性と、友達の応援にきたらしい。その彼女が夕食に招いてくれた。彼女のルームメイト（台湾人女性とイギリス人男性）らとアパートでカレーを食べた。ほかに中国人３人もいるのだがしかし彼女らはすぐに仲間内でで広東語で話すので嫌われている。台湾の子は"Chinese,they should be killed."と小声でつぶやいた。こ、こわい。きんちゃんどうよ、これ。インターナショナルな世界なんだか何だかなぁ。あぁ、俺は日本でいいや、と思いはじめた。

第３戦クィーンズランド26

帰り道行動でもクラッシュ現場を見た。この車の前は完全になくなっていたが、ドライバーはぴんぴんしていた。あぁ、感覚が麻痺してきた。

第３戦クィーンズランド27

夜中、Ｆ１がやっていた。佐藤琢磨は入賞圏外だった。朝６時に空港に向かう。４日間いてやっと耳が英語になれてきて話すこともストレスじゃなくなってきたが、ある種のあきらめとともに、今日また日本に帰る。

第３戦クィーンズランドおまけ１

前の型のファードファルコン。後ろがＣＬＳそっくり。ミラーが取れてるんですけど。

第３戦クィーンズランドおまけ2

これは何でしょう。警察の車です。後ろの荷台は家畜用ではなくて酔っ払いをいれるためのものだそうです。暴れないようにわざと狭くしてあります。

第３戦クィーンズランドおまけ３

これで練習しているんです。あまりのかわいさにびっくりしました。キャリアの浅い子が乗っているのかと思いましたが、みんなおっさんでびっくり。エンジンやブレーキなどのパーツはフォーミュラホールデンと一緒だそうです。
タイヤは何とＡ０３２Ｒ、こんなところで余生を過ごしていたのね。でもエクシージと同じ速さで走ります。
超ミニチュアでかわいい。レース好きなＡＺらしい。