蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

これは現実か、それとも夢なのか、頭の中謎だらけ、 現実なら逃げられない。

2012-04-10 20:59:17 | Hiroya's Note
 千年王國の「狼王ロボ」を見て、チーム・フォルスタッフの
方々と雑談して宮崎神宮までそろそろと歩く。
ちょうどいい塩梅にバスは居たが、宮崎駅までこないやつ。
まあいい、橘通りのバス停まで行って、そこから歩く。
なんとか鹿児島行きの特急に間に合うが、車内の酒と肴が
うまく決まらず、中途半端に列車の中。

 ・・・にしてもなぁ、宮崎から鹿児島の特急きりしまは
「着席追加料」のある「快速電車」の趣だ。
宮崎市内と鹿児島市内の小さい駅は飛ばすけれど、
あとは飛び石、飛び石、これだったら「特急料金」を
それなりにしてもらわないと。

 クタクタの佃煮になって鹿児島中央駅に降り立つと
いつの間にか、雨が降っていた。
路面電車で天文館近くに出て、レム鹿児島に入る。
部屋はまあ機能的、窓際にシャワーとトイレがあるのが
なんとも言えない、けれど全体的に狭め。
なんかなし、動かすと肘を壁や何かにぶつけてしまう。

 天文館に出て、笑笑の食べ飲み放題コースで飲んで食って、
おとなしく宿に戻り、ゴロゴロとまんじりとしない夜。

 翌朝起きて、ご飯食べて、宿を出て、中央公民館まで歩く。

 劇団LOKE「水面のワルツ」を見学しに。

 ひとつひとつがものすごくおしゃれだ。
そして、ものすごくぎゅっとした空間ができている。

このお洒落でぎゅっとした空間から
真ん中に一本しっかりとした軸があって、
この周りですうっとモッシュしながら物語が始まる。
導入部のひとつひとつがなんだか美しい。

 まずはひとつ、「殺人事件」というニュースがあって、
この事件から近いニュース、遠いニュースと
たくさんのニュースを散りばめながら「社会のズレ」を
じっくりと見せていく。
感覚、というものが大きなプールの中にプカプカ浮いている。
そのぷかぷか浮いている感覚で、ある夫婦が旦那さんの
「二重生活」によって家庭が壊れていくさま、
それによって旦那さんが壊れて神経過敏になっていく様子、
生きているすべてが何かに侵食されて崩れていく。

 この崩れをチラッと見せて今度はある閉鎖的な村に
何かを運ぶ男の物語、これまた何かがじわりじわりと。

 次は少し前に起きた列車事故を追っかける記者と
最初の物語に出てきた旦那さんとの因縁めいたおはなし。
ジワリジワリが変に響きやがる。

 そしてその奥さんは子供の通っている
スイミングスクールである女の人に出会い、友だちになる。
それがさらなる崩れにつながるとは知らず。
奥さんは、自分で決めた自分のルールにこだわっていて、
女はそこに付け込んで半ばストーカーまがいのことを始める。

 なんか、その女、旦那さんのアレ、なのかなぁ。
と思わせるくらいひとつひとつの断片があいまいに組み合わさって、
一つの物語が出来るかなぁ、と見せかけて謎の村に何かを運ぶ物語、
それから列車事故のお話と寄せては返す波のように何かがやって来る。

 ・・・「善意」を装った気持ち悪い感情、思い込み、自責の念、
その他ドロドロとした、悪い感情が水となって私たちの心を侵食し、
狡猾さを持ってその心の一番深いところに入り込んでくる。
入り込み方がメタメタに怖くて、気持ち悪いくらいキリキリしてきて、
物語に入れば入るほど物語の中にある「追い詰められ感」を
追体験してしまう、えげつない。

 その中で自分に向き合ってみると
「本当のことなんて誰も、何もわからない」という感覚が湧いてくる。
その湧いてきた感覚が悪いドロドロとしたものを綺麗サッパリ洗い流して
気がつけば一番最初のモッシュ、これは朝の通勤電車の中だったのか。
それにしても、いろんなことが断片的に見手の中に飛び込んで、
今まで起こったすべてはいったい現実なのか、
なんなのか、もしかしたら夢なのかと軽く混乱する。

 ああ、これはQUEENのボヘミアンラプソディを聞いた時とおんなじだ。
この心に湧き上がったものを演劇に起こすとこうなるのか、という見後感。

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