痴人の愛 (新潮文庫)谷崎 潤一郎新潮社このアイテムの詳細を見る |
長らく、静岡の本棚にさらされていた本。
いままで、読む気持ちも起きませんでしたが、最近・日本経済新聞土曜版に、須賀敦子さん、山本五十六さん、世阿弥、などなどが取り上げられ「第四コーナーを回った生き方」としてシリーズ化そています。
谷崎さんんも取り上げられていて、興味が湧いたので、まず・手元の本を手に取った次第です。
「刺青」「卍」から繋がる作品群に属するみたいです。
「春琴抄」「盲目物語」「吉野葛」へ通じる小説だといいます。
一方、
「源氏物語」「細雪」など、日本歴史文化の香りあふれる名作郡もあります。
晩年、「鍵」「少将滋幹の母」「ふうてん老人日記」につながる、「痴人の愛」
読んでいて、呆れてしまう。
まさに愚と、痴の小説でした。
ナオミに夢中になり、裏切られ・騙されても・その魅力、魔性に翻弄される主人公。
終わり方も、本人36歳・ナオミ23歳で、まだまだ・翻弄される同棲生活が続くというフィナーレ。
小林秀雄さんが、いみじくもこの小説について、「社会化されたマゾヒズム」だ!!
そう言っているのも、わかる気がします。
私にとっては、退屈で、理解を超えた物語でした。