宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

《過ぎ去った》のは《世界》である!「第一次的に歴史的なものは・・・・かつて現存していた現存在である」!ハイデガー『存在と時間』「第1部」「第2編」「第5章」「第73節」(その2)

2020-04-18 16:52:52 | Weblog
※ハイデガー(1889-1976)『存在と時間』(1927)「第1部 現存在を時間性へむかって解釈し、存在への問いの超越的地平として時間を究明する」「第2編 現存在と時間性」「第5章 時間性と歴史性」「第73節 歴史の通俗的理解と現存在の経歴(Geschehen)」(その2)

(3)「歴史」は「経歴的性格」を持つ!
H「歴史」の通俗的理解における「四つの語義」は、「いずれも出来事の《主体》としての人間に関係している。」(379頁)
H-2 つまり「歴史」と呼ばれる「これらの出来事」(※「四つの語義」に対応する出来事)は「経歴的性格」を持つ。(379頁)
H-3 「歴史が現存在の存在に属し、そしてこの存在が時間性にもとづいている」。(379頁)

《参考1》「経歴」についてハイデガーは言う。われわれは「伸張せる自己伸張(伸び拡げられつつおのれを伸び拡げる)(※つまり現存在の時間性)に特有の動態」を「現存在の経歴(Geschehen)」となづける。(375頁)
《参考1-2》「現存在の《連関》(※《生の連関》)へむけられた問いは、現存在の経歴(Geschehen)をたずねる存在論的な問題である。」(375頁)
《参考1-3》「この(※現存在の)経歴の構造とそれの実存論的=時間的可能条件を露呈すること」が、「歴史性の存在論的理解」の獲得という意味をもつ。(375頁)
《参考1-4》「現存在の経歴」の分析は、「現存在の誰れ」への問い、つまり「自己の常住性(Die Ständigkeit des Selbst)」=「(自立性 Selbständigkeit)」への問いに立ち帰る。(375頁)

(3)-2 《過ぎ去った》のは《配慮的な世界内存在的な現存在によって使用されていたところの、その世界》である!
I これから、「歴史の概念において《過去》が占めている注目すべき優位」を一層鮮やかに示して、「歴史性の根本的構成」を提示するための準備とする。(379頁)
I-2 「博物館に保存されている家具のような骨董品」を例としてとり上げよう。「この存在者は過ぎ去ってはいない(※今、存在する)のに、われわれはどういう権利があって、それを歴史的と呼ぶのであろうか」。(380頁)
I-3 「何が《過ぎ去った》のであろうか。それはほかでもない。《それら(※存在者、道具、Ex. 家具のような骨董品)がかつて一定の道具立ての連関に所属し、その内部で用にそなわる物として出会い、配慮的な世界内存在的な現存在によって使用されていたところの、その世界》が、《過ぎ去った》のだ。」(380頁)
I-4 「この世界は、もはやない。」(380頁)

(3)-3 「第一次的に歴史的なものは・・・・かつて現存していた(da-gewesen)現存在である」!
J 「世界がもはやない」とは、どういうことか?(380頁)
J-2 「世界の存在は、世界内存在として事実的に存在している実存する現存在の様態で存在する。」(380頁)
J-3 そして「現存在は決して《過去になる》ことができない。・・・・現存在が本質上決して客体的(もしくは用具的)に存在しないからだ。現存在はその存在において実存するものだからだ。」(380頁)
J-4 「もはや実存していない現存在は、存在論的に厳密な意味では、過去になっている(vergangen)のではなく、かつて現存していた(da-gewesen)のである。」(380-1頁)
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