宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(106)-5 百田氏の誤り⑤:「条文を正しく理解していなかった」、「読んですらいない」との判断に関し、何ら根拠を示さない点で、誤りだ!

2021-10-12 14:21:44 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「日本の復興」の章(385-455頁)  

(106)-5 百田氏の誤り⑤:「条文を正しく理解していなかった」、「読んですらいない」との判断に関し、百田氏が何ら根拠を示さない点で、誤りだ!(416頁)
E-6 百田尚樹『日本国紀』は新安保条約に関し、安保反対側の「デモに参加していた夥しい大学生は新安保条約の条文を正しく理解していなかったばかりか、読んですらいない者が大半で、日本社会党や日本共産党に踊らされていただけの存在だった」(百田455-456頁)と述べる。
E-6-2  百田氏の誤り⑤:「条文を正しく理解していなかった」、「読んですらいない」との判断に関し、百田氏が何ら根拠を示さない点で、誤りだ。無根拠の独断的判断にすぎない。(416頁)
E-6-2-2  (独断的)推定であるなら、賛成派に動員されていた団体・グループも安保条約について「条文を正しく理解していなかったばかりか、読んですらいない者が大半」と主張することも可能だ。(416頁)

E-6-3 同様に安保反対側の「大学生」は「踊らされていただけの存在」との判断に関しても、百田氏が何ら根拠を示さない点で、誤りだ。(416頁)
E-6-3-2 (独断的)推定であるなら、安保賛成側も「踊らされていただけの存在」と主張することが同様に可能だ。(416頁)
E-6-3-3 当時、大学生たちは「学内での安保条約の内容検討会や討論会、街頭での説明など様々な活動」を展開していた。これには多くの証拠・事実がある。安保反対側の「大学生」は「条文を正しく理解していなかった」、「読んですらいない」、「踊らされていただけの存在」との(独断的)推定は、事実としても「誤り」の蓋然性が高い。(416頁)
《感想》1960年の大学進学率は男子13.7%、女子2.5%、男女計8.2%にすぎない。(よくも悪しくも)大学生は学力優秀な「エリート」だ。彼らが「条文を正しく理解していなかった」、「読んですらいない」という百田氏の(独断的)判断が正しい蓋然性は低いというべきだ。

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オウィディウス(前43-後18)『変身物語』(上)「巻1」(8)「ピュトン」:大洪水の後の泥の大地から巨大な蛇ピュトン(Python)が生まれた!弓矢の神アポロンがピュトンを退治した!

2021-10-12 11:02:55 | Weblog
(1)大洪水の後の泥の大地が、日の光と熱気でほてった時、無数の生物種が生まれた!
大洪水の後、名残りの水分が太陽光線に熱せられ、そこから多くの種類の生命が生まれた。水分と熱とが適当に混ぜ合わされると、そこに生命が誕生する。かくて大洪水の後の泥の大地が、日の光と熱気でほてった時、無数の生物種が生まれた。そしてその中から新奇な生物も生まれた。(30-31頁)
(2)巨大な蛇ピュトン(Python)!
かくて大洪水後の大地は不本意ながらあの巨大な蛇ピュトン(Python;英語パイソン・大蛇)を生んだ。怪物はパルナソス山の山腹の広大な場所を、その体でふさいでいた。(31頁)
(3)弓矢の神アポロンが、ピュトンを退治した!
パルナソス山のふもとのデルフォイで、弓矢の神アポロンが、巨大な蛇ピュトンを退治した。この神が、矢筒をほとんど空にして、おびただしい矢を浴びせかけるとピュトンから吹き出した毒血がその傷口をどす黒く染めたという。(31頁)

《参考1》パルナソス山のふもとのデルフォイに、アポロン神殿がある。その神託がデルフォイの神託である。神殿の巫女の口をかりて伝えられる神託(神の預言)は、すべてのギリシア人(ヘレネス)に尊ばれた。
《参考1-2》前5世紀後半、アテネのソクラテスは、デルフォイのアポロン神殿の「ソクラテスより知恵のあるものはいない」という神託を受け、それを確かめるため、知者(ソフィスト)と呼ばれた人々と対話を重ね、知者の「無知」を暴いた。「知者は自分の無知を知らないが、自分は自分の無知を知っている、その点で知者たちより優れている!」かくて「ソクラテスより知恵のあるものはいない」との神託が証明された。ソクラテスは「無知の知」の真理に至った。ソクラテスは自分を「愛知」(フィロソフィア;哲学)する者と呼んだ。

《参考2》伝説によれば、平将門の乱(940年)の討伐で知られる俵藤太(藤原秀郷)は、瀬田唐橋に現れた大蛇(龍王の化身)に頼まれ、琵琶湖岸の三上山(ミカミヤマ)に住む百足(ムカデ)を成敗した。百足(ムカデ)は2、3千本余りの足をもち、三上山を7巻き半するほどだったという。アポロンが成敗したのは大蛇だが、俵藤太の場合は大百足だ。

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