宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(106)-8 百田氏の誤り⑧:岸首相を「総辞職の前日」に襲った「テロリスト」は、元右翼団体にいた人物で安保反対派でない!

2021-10-15 14:42:41 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「日本の復興」の章(385-455頁)  

(106)-8 百田氏の誤り⑧:岸首相を「総辞職の前日」に襲った「テロリスト」は、元右翼団体にいた人物で安保反対派でない!百田氏は虚偽を誘導する点で誤りだ!(418頁)
E-9 百田尚樹『日本国紀』は「こうして岸はデモ隊の襲撃による死を覚悟したが、いささかも信念を曲げることなく、新安保条約を成立させると、1か月後、混乱の責任を取る形で総辞職し、議員をも辞職した。まさに自らの首をかけた決断であった(総辞職の前日、テロリストに刺されて重傷を負っている)」(百田456頁)と述べる。
E-9-2 百田氏の誤り⑧:百田氏は、一方で「日本社会党や日本共産党に踊らされていただけの存在」(百田455-456頁)である安保反対派の「デモ隊の襲撃」について語り、他方で、岸首相は「総辞職の前日、テロリストに刺されて重傷を負っている」と述べる。つまり「デモ隊」と「テロリスト」がともに安保反対派であるかのように述べる。だがこの「テロリスト」は安保反対派でない。百田氏は虚偽を誘導する点で誤りだ。(418頁)
E-9-2-2  この「テロリスト」(犯人)は荒巻退助で元右翼団体にいた人物だ。岸首相を襲撃した理由は、樺美智子への同情や政治的陰謀などと言われ明確でない。しかし安保成立を恨みに思ったわけでない。(418頁)

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オウィディウス(前43-後18)『変身物語』(上)「巻1」(11)「アルゴス」:ユピテルは、イオを白い雌牛に変えた!ユノーは、百の目を持つアルゴスに雌牛を見張らせた!

2021-10-15 13:47:27 | Weblog
(1)ユピテルは、イオを白い雌牛に変えた!
ユピテル(ゼウス)の后(キサキ)ユノー(ヘラ)は、見下ろした広野のさなかに突如黒雲が湧いて、夜のようになったのに驚いた。夫ユピテルがいない。ユノーは「夫の情事」でないかと疑った。妻は天界の頂(イタダキ)から降下し、黒雲に退去を命じた。ユピテルは妻の到着を予知し、イオを白い雌牛に変えた。(39-40頁)
(2)ユノーは、百の目を持つアルゴスに雌牛を見張らせた!
后ユノーが「この牛を私にください」とユピテルに言った。「いやだ」と言えば疑惑を招くとユピテルは思った。(ユノーは姉であり妻だ。)かくてユノーは夫の情婦(雌牛)を頂戴し、アレストルの息子アルゴスに見張らせることにした。このアルゴスは、頭の周囲に百の目を持っていて、そのうちの二つずつが交代で眠るが、残りの目は見張っていて、任務が途切れることがない。(40-41頁)

(3)イオは足で砂に文字を書き、変身の悲しい知らせを父に伝えた!
雌牛にされたイオは、父親イナコスの河の堤に行った。イオは父のあとを追い、姉妹たちの後を追うが、誰も気づかない。言葉は「モー」という鳴き声だけだ。けれどもイオはついに、足で砂に文字を書いて、変身の悲しい知らせを父(河神イナコス)に伝えた。だが嘆くイナコスを、百の目を持つアルゴスが押しのけ、雌牛(イオ)を父親から奪い取った。(41-42頁)
(4)ユピテルは、息子メルクリウスに、アルゴスを殺すよう命じた!
神々の王ユピテルは、イオの苦しみを捨ておけなくなり、息子メルクリウス(ヘルメス;マーキュリー)を呼び、「アルゴスを殺すように」と命じた。メルクリウスは、両の足に翼を装備し、頭に旅行帽を乗せ、「眠りをもたらす魔法の杖」を持って、天空から地上に飛び降りた。メルクリウスは、葦笛を吹き鳴らす。聞き慣れぬ音色と巧みさが気に入り、アルゴスは、メルクリウスを傍らに坐らせた。メルクリウスは葦笛を奏で、アルゴスを眠らそうとしたが、相手は忍び寄る眠気に勝とうと、一生懸命だ。(43頁)


ジョヴァンニ・アンブロージョ・フィジーノ『ヘーラー、ゼウス、牛のイーオー』(1599年)

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