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宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』百田氏の誤り:(9) 戸籍に「新平民」と記載されたというのは俗説!(10) 銀座が「馬車が行きかう街」「煉瓦街」となるのは「十数年後」だ!

2021-01-08 13:47:45 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「明治の夜明け」の章(19-66頁)  

(9)壬申戸籍に「」という記載がされたというのは俗説だ!(48-50頁)
J 百田尚樹『日本国紀』は、「身分制度も改められ・・・・いわゆる『四民平等』となった。ただ、一部地域の戸籍には、やは『』や『元』『元』と記載され、後々までも差別問題として残った」(百田292-293頁)と述べる。
J-2 百田氏の誤り:1871-72年の壬申戸籍に「」という記載がされたというのは俗説だ。実際の記載はすべて「平民」である。ただし役人が勝手に書き込みをした例はある。(全体の1%以下。)

(10)銀座が「馬車が行きかう街」「煉瓦街」となるのは「数年後」でなく、「十数年後」(1882年以降)だ!
K 百田氏は「文明開化」について、「その頃の銀座の風景を描いた絵や版画を見ると、江戸時代からわずか数年後の街並みとはとても思えない。」(百田293頁)と述べる。
K-2 百田氏の誤り:百田氏は (ア)「馬車が行きかう街」と銀座を紹介するが、鉄道馬車は1882年以降。また(イ)「銀座の煉瓦街」が実現するのも1882年以降だ。彼が見た絵や版画の銀座は、明治維新の「数年後」でなく、「十数年後」だ。

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『日本人のための軍事学』第6章:日本の「交戦権」!軍事同盟の5種類!「非武装中立」は、成立しない!「極東集団安全保障」&「東アジア集団安全保障」!

2021-01-08 11:58:37 | Weblog
※橋爪大三郎(1948-)・折木良一(1950-、自衛隊第3代統合幕僚長)『日本人のための軍事学』2018年、角川新書

第2部 安全保障とは何か  第6章 軍事同盟の本質(141-160頁)
(23)日本の「交戦権」!
A  「交戦権」については、日本政府は「必要最小限の自衛のための武力行使は、憲法が禁じる交戦権には当たらない」という解釈をしている。(折木、142-143頁)

(24)軍事同盟の5種類:防衛条約・攻撃条約・不可侵条約・中立条約・協議条約!
B 軍事同盟は広義には5種類ある。
①防衛条約(一般的な軍事同盟、攻守同盟):同盟国への攻撃を自国への攻撃とみなし、反撃する。②攻撃条約:自衛以外の目的で第3国に攻撃する:国際法上、違法とされる。③不可侵条約:同盟国間で武力行使を行わない。④中立条約:同盟国が第3国と戦争中、第3国側につかず中立を保つ。⑤協議条約:危機の際に協議する。(Ex. 冷戦後の米露は協議条約のみの同盟関係だ。)(折木、144-145頁)
B-2  19世紀の英国首相パーマストン子爵ヘンリー・ジョン・テンプルの言葉:「わが英国にとって、永遠の同盟もなければ永遠の敵もない。あるのはただ一つ、永遠の英国の国益のみ。」(折木、146頁)

(25)「非武装中立」は、成立しない!(折木、148-149頁)
C 「非武装中立」は「中立」でなく「無力」だ。
C-2  「軍事力」を持ち、その上で「どちらにも加担しない。その代わり、自分たちにも手を出すな」と言うのが「真の中立」だ。(Ex. 中立のスイスは軍隊を持ち核シェルターも持つ。)
C-3  A国とB国が戦争している時、中立国は、例えばA 国が自国に入ってこようとしたら排除しなければならない。排除しないとA国側についたと見なされる。武力なき中立は、成立しない。

(26)「極東集団安全保障」(ソ・北朝鮮・中・日)&「東アジア集団安全保障」(日・韓・台・比)!
D 冷戦中「極東集団安全保障」がしきりに言われていた時代がある。すなわちソ連、北朝鮮、中国、日本が集団安全保障の体制を組むという話だ。だが(ア)そもそも日米安保条約の破棄はありえない。(イ)また国家体制、価値観、イデオロギーがバラバラだ。(Cf. NATOは「通底するキリスト教の精神」があり、対峙する価値観・体制、守るべき価値観・体制がはっきりしていた。)(ウ)「信頼醸成」を図るにはよいが、ソ連、北朝鮮、中国、日本は「同盟国」になりえない。(折木、152-153頁)
D-2 「東アジア集団安全保障」、すなわちアメリカを中心に日本、韓国、台湾、フィリピンなど東アジア地域の集団安全保障ブロックは可能か?価値観や体制の違いで無理だろう。(ア)中国が、台湾は自分の国の一部だと主張している。また経済的・人的交流が進み台湾は、中国と決定的に対立できない。(イ)フィリピンは、日本や台湾より東南アジアの方を向いている。(ウ)韓国はどこを向いているかというと、同じ民族の北朝鮮であり、中国ではない。(折木、153-154頁)
D-3 東アジア全体の地域集団安全保障はないが、「アメリカを中心にして、日米豪の連携」という可能性はある。(折木、154頁) 
D-4  第2次大戦後に結ばれた軍事同盟のうち、実際に機能しているのは「NATO」の正面と「日米同盟」、「米韓同盟」ぐらいしかない。(折木、154-155頁)

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