宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

『日本人のための軍事学』第5章:完全ステルス性の5世代機F-35!ミサイル迎撃レーザー・電磁砲!サイバー戦!インテリジェンスのプロフェッショナル!核武装!

2021-01-07 23:46:15 | Weblog
※橋爪大三郎(1948-)・折木良一(1950-、自衛隊第3代統合幕僚長)『日本人のための軍事学』2018年、角川新書

第2部 安全保障とは何か  第5章 日本の防衛力整備(117-140頁)
(18)完全ステルス性の5世代機F-35!
R 自衛隊は、現在、4世代機のF-15 を改修している。また2017年に入ってきた完全ステルス性の5世代機F-35を、今後、40数機整備する予定で、そうなると5世代機に更新される。(折木、122頁)
R-2  3世代機がそれこそ束になっても、1機の5世代機にかなわない。(折木、122頁)
R-3 北朝鮮は2世代機くらいなので日本の脅威にならない。(折木、122頁)
R-4 中国は4世代機・5世代機が増えてきている。爆撃機や情報偵察機も格段に近代化されつつある。(折木、122頁)
R-5  5世代機と5世代機の戦いでは「見えないもの同士の戦い」になり、「AWACS」のような早期警戒管制機を増やしたり、機能を向上させたりしないと勝てない。(折木、123頁)

(19)ミサイル迎撃ミサイル、ミサイル迎撃レーザー、電磁砲!
S ミサイル防衛については、「打ち上げ時を狙うイージスシステム」や「落下時に迎撃するTHAAD(サード)ミサイル(終末高高度防衛ミサイル)」は、確実性に疑問がある。
S-2 「ミサイル迎撃レーザー」や「電磁砲」で無効化した方が確実だ。(橋爪、126頁)
S-3 両者とも研究開発は、各国でかなり進んでいる。(折木、126頁)

(20)サイバー戦対応!
T 日本の安全保障体制で今後の弱点は、「サイバー戦対応」だ。防衛省が2014年にサイバー防衛隊を作ったが、規模が小さい。(折木、128頁)

(21)日本は情報処理に弱い!「インテリジェンスのプロフェッショナル」の組織が重要だ!
U 専守防衛では、「先に手出しはできない」ので、国中を“ハリネズミ状態”にして防御しなければならない。そのためには「情報力」があることが大前提だ。(折木、131-132頁)
U-2 日本は情報処理に弱い。アメリカ、ロシア、欧州の国々、イスラエルが情報処理に強い。(折木、132頁)
U-2-2 キリスト教国やユダヤ教国は、「悪魔に魂を売り渡した人」がいると考え、情報の管理に注力する。日本は農耕民族で人を信じ協力する。だから日本は情報処理に弱い。(橋爪、132-134頁)
U-2-3  専門性を超えて「情報を統合化できるインテリジェンスのプロフェッショナル」の組織が重要だ。(橋爪、135-136頁)

(22)日本の核武装は簡単な話でない!
V 日本の核武装は簡単な話でない。(a)日本は技術的に2-3年で核武装できるだろうが、その場合、核実験をする場所がない。(b)核保有を宣言しNPT(核拡散防止条約)を脱退すると、原発の燃料が輸入できなくなる。(b)-2 核燃料サイクルが確立していないので、電力供給がひっ迫する。(折木、138 頁)
V-2 日本の核抑止力を高めるには、非核三原則(持たず、作らず、持ち込ませず)の「持ち込ませず」の原則を変更した方がよい。「『日本にアメリカ軍の核があるかもしれない』と相手が思うだけで、いまより抑止力が高まるだろう」。(折木、138-9 頁)

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アイリアノス『ギリシア奇談集』「笑うべく、かつ異常な恋について」:プラタナスに恋をした!女神の像に熱烈な恋をした!異類婚姻譚(竪琴弾きの女グラウケに「犬」が恋した)!

2021-01-07 10:15:26 | Weblog
※アイリアノス(200A.D.頃)『ギリシア奇談集』(第1~14巻)岩波文庫

第9巻(39)笑うべく、かつ異常な恋について
A  クセルクセスは「プラタナスに恋をした」。Cf. この話は第2巻(14)に詳しい。クセルクセスが荒野で出会った見事な「プラタナスの大樹」に恋をし、見惚れて終日その場を去らず、荒野で宿営した。さらに黄金を飾り、首飾り、腕輪で荘厳(ショウゴン)し、寵姫(チョウキ)に見張りや警護をつけるように「世話係」を残して、そこを去ったという。
《感想A》植物への恋だ。
《感想A-2》Cf. ギリシア神話に、木の精霊ドリュアスの話がある。ドリュアスは、美しい少年に恋すると、緑色の髪のニンフとして姿を現し、相手を誘惑して木の中に取り込み、一晩を過ごす。外では何十年、何百年が経過する。
《感想A-3》樹木信仰は世界各地にある。Ex. キリスト教では「命の木」と「善悪を知る木」(知恵の木;蛇に誘惑されイブが実を食べる)が楽園(エデンの園)の中央に立つ。

B  アテナイの良家の生まれの若者が、市会堂の傍らに立っている「幸運の女神」の像に熱烈な恋をした。初めは、像に抱きつき接吻していたが、やがて思慕の情がつのって狂乱に陥り、市の評議会に「大金で像を買い受けたい」と請願した。しかし通らない。すると神像にリボンを懸け花輪で飾り、高価な装飾品をまとわせ、さめざめと泣いた末、自決した。
《感想B》「幸運の女神」の像に恋をすることはありうる。(a)現実の女性に幻滅したか、(b)現実の女性が年老いることに耐えられないためだ。
《感想B-2》キプロス王ピグマリオンは、自分の刻んだ理想の女性の彫像ガラテアに恋する。女神アフロディーテが彫像に命を与え、ピグマリオンはガラテアを妻にした。
《感想B-3》この場合、ピグマリオンは(b)老いることのない彫像ガラテアの外見(身体)を愛したと同時に、(a)幻滅させる現実界の女性の心と異なる、ガラテアの完全かつ理想界の心(精神)に恋をしたのだ。ピグマリオンの恋は、現実界の恋でなく、イデア界の恋だ。

C 「竪琴弾きの女グラウケ」に「犬」が恋したという話がある。「犬」でなくて「牡羊」(オヒツジ)いや「鵞鳥」であったという説もある。
C-2  キリキアのソロイでは「犬がクセノポンという少年に恋した」。
C-3  スパルタでは「子烏(コガラス)が美少年に恋した」という。
《感想C》「獣姦」の歴史は古い。『出エジプト記』22章19節には「すべて獣を犯す者は、必ず殺さなければならない」とある。
《感想C-2》「異類婚姻譚」は日本にも多い。人間と異類(神・鬼・精霊・動物・植物など)との結婚だ。例(ア)安倍晴明(アベノセイメイ)の母は「葛の葉狐」(クズノハギツネ)だ。(イ)「南総里見八犬伝」は「伏姫」(フセヒメ)と犬「八房」(ヤツフサ)が霊的につながり(伏姫が八房の気に感応し)、八犬士が各地に出生する。(ウ)「鶴の恩返し」は人間の男と鶴の女房の話だ。(エ)「青柳」(アオヤギ)では人間の男が柳の精である女(青柳)と結婚する。(オ)「蛤(ハマグリ)女房」の話もある。

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