本棚から雑誌をまとめて引っぱり出した。引っ越しに当たってずいぶん処分したから、目当ての号は、ひょっとしたらないかもしれない。そう思うと呼吸が浅くなってくる。
頁を繰っては積み上げていくうちに、ついに見つけることが出来た。しかも、ラグーサの頁にはしおりが挟んであるではないか。
巨大な歯車が、音を立てて回る。当時、この写真を見てひどく感じ入ったことを想い出した。いつかここに、行ってみたい。この場所に立って、この風景を眺めたい。強くそう思っていたのである。
さて、その肝心のラグーサの写真なのだが。
残念ながら、ここにご紹介することが出来ない。見開きで載っているからうまくスキャニング出来ないし、それよりも無断借用することに気が引けるからだ。
17年という月日を超えてよみがえった1枚の写真。ここはその写真家(菅洋志)に敬意を表して、文章だけでしめくくりたい。そして自分がそこに立ったとき、自分の手で撮影してきたいと思う。