くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

朝飯考察

2006-06-18 13:31:47 | エッセイ

 モーローとしながらも、ポットに湯を沸かす。
 トースターにパンを放り込む。
「ふああ、あ...」といった音声を発しながら、ベーコンを取り出す。フライパンに並べて火に掛ける。このあたりで、だいぶ意識がはっきりとしてくる。

Asameshi1280

 朝の風景である。すべてはルーティン化していて、自動的に身体が動いている。
(こういう作業、今まで何回くらいやったのかな)
 ふと、埒もないことを思う。
(えっと、一人暮らしを始めたのが、だいたい20年前だろ。その半分はちゃんと朝飯を作ってたとして、え~、10年間か)
 そこから計算を始めようとするが、すぐにバカの壁に突き当たる。
(まあ、正確なところは、今日は別にいっか。何も正確である必要はないからな...)
 それにしても、と埒もない思いは続く。
(いろんな朝飯があったわけだよなあ、うむ。こうやってベーコンが焼ける匂いを嗅げば、やはりキャンプの朝を想い出さずにはいられないものなあ)
 焼けたパンにバターをなすりつけ、皿にのせる。自らの脂にまみれたベーコンを、フライパンから引き上げる。
(キャンプの朝飯は、間違いなく美味い飯だな。風に吹かれて、朝日を浴びて。ありゃあ、数ある朝飯の中でもダントツだ!)
 今やすっかり目が覚め、
『美味い朝飯とはいかにして食ったものであるか』
的な考察に夢中になってくる。作業が止まってしまったのを見て、細君が黙って続きを引き受ける。
(あとは旅館、民宿の朝飯。あれもキャンプの朝飯に、勝るとも劣らないね)
 

 つづく 

追:この記事は『不埒な天国~Paradiso Irragionevole~ 』
“Burro di Beppino Ocelli”、
『ブログ人のトラ場』“朝ごはん、ちゃんと食べてる?あなたの理想の朝食は?”にトラックバック