本人が否定しようが、肯定しようが、誰にも醜聞があります。
ここでは最近の「中国の醜聞」を集めてみました。必要な方のために出典も明示し、あればリンクも用意しています。
どこかがおかしい最近のドイツ。
昨年2015年には、他の国に見られないほど移民・難民を積極的に受け入れたドイツですが、先が読めなかったのか、あるいは難民が多すぎたための視野狭窄症(しやきょうさくしょう)か、一転して難民受け入れの審査を厳しくし、一部では強制送還さえ始めたとのこと。これを当ブログで何回も指摘してきました。
今回はドイツの中国への対応が変わりつつある、というお話。
イギリスのEU離脱の根拠として「EUはドイツ帝国が支配している」というのがありますが、EU側は更なる離脱を出して分裂するのを回避しようと、必死で結束を訴えます。
ドイツ南西部ラインラント・プファルツ州政府は6日、同州が保有するフランクフルト・ハーン空港の株式の82.5%を中国上海市のYiqian Trading Companyに売却すると発表した。:2016年6月8日
最初これを聞いたとき
金の使い道を知らない中国超富裕層の誤った投資ではないか、と思いました。
例によって
- 別の国ではないかと思われるほどひどい経済格差がある中国ですから、13億人にあまねく分配されるべき富がほんの一部の人に渡ったため超富裕層が発生し、世界各地で爆買いが続いています。
- 何度も言いますが、そんな資金は13億の国民にあまねく分配されるべきものだったのです。
- 私は、中国企業が各国の企業や不動産を買収すればするほど「貧困にあえぐ10億人以上の中国人」を思い出してしまうのです。
ところが・・・・・・上記計画は、頓挫してしまったようなのです。
この期限は29日朝、切れました。ハーン空港の売却が挫折する恐れがあります。
ラインラント=プファルツ州は6月初めにはまだ自信満々で中国の買い手を紹介していました。この買い手の信頼性に対する疑問が増えています。いくつもの企業が入っている上海の投資家のオフィスで見つかったのは、営業所ではなく、タイヤ業者でした。野党は解明を求めています。・・・・・・
ニューブルクリンク売却の際にもあやしげな投資会社にひっかりました。今度はハーン空港です。野党は「あやまちから何も学んでいない」と州政府を批判しています。:ZDF(ドイツ)NHKBS1 2016/06/30
ウェブサイトすらなし!ドイツの空港を買収した中国企業の「異常さ」―独メディア
2016年6月28日、独フランクフルト郊外のハーン空港を買収した中国の上海益謙貿易の「異常さ」が現地メディアで報じられている。:2016年06月29日
どうやら
このドイツのフランクフルト・ハーン空港買収劇はうまくいかなかったようです。
なぜドイツ州政府がだまされたのかは、わかりませんが、商いの習慣の違いを見破れなかったのか、それとも「中国企業によるアドバルーン」に過ぎなかったのか。
ドイツの専門家が、中国企業およびその法定代理人を調べた結果、「信用できる」としていたようですが、何でも簡単に偽造する中国ですから、そんな証明書などあてにならないことを知らなかったのでしょう。
アメリカはすでに、中国の偽造や偽装で十分痛い目にあっておりますが、ドイツ企業にはまだ免疫がなかったとみえ、コロリと欺されたのでしょうか。ボチボチ目を覚したほうがよろしかろうと思います。
ただし上記は例外で、中国企業による爆買いが終わる気配は、まだ見られません。
中国企業によるドイツでの買収、勢い止まらず:wsj 2016年5月19日
中国美的のクーカ買収、自由貿易掲げる独首相のジレンマに:REUTERS ロイター 2016年05月20日
いずれも
中国企業がドイツの産業ロボット会社を買収する提案をしたところでしょうが、こちらはドイツの先端技術が漏れてしまう恐れもあり、最近の中国での反中国意識の芽生えを考えると、うまくいかないのではないか、と愚考します。
ただし、次のような意見があることを付け加えておかねばなりません。
ドイツも中国に見切り…不要論まで飛び出す強烈な手のひら返し:2016.01.27 北野幸伯『ロシア政治経済ジャーナル』
半年前の記事ですが、的を射ているように思います。
金を目的として近づいた人は、金がないとみるや去ってしまう、と格言にもあります。
アメリカを「裏切って」いち早くAIIBに参加したのが、今回EU離脱を表明したイギリスと、そしてドイツでしたが、ようやく中国の独善性に気がついたようです。
ひたすらEUの拡大のみを考えていたドイツは、東ヨーロッパやら中国しか眼中になかったのでしょう。
しかしドイツは
中国経済の減速やら、イギリスのEU離脱宣言に始まるEU分裂危機を前にして、ようやく足元を見始めたようです。私は予言者ではないので将来のことはまったくわかりませんが、ドイツが昨年2015年の中国軍事パレードに参加して、「中国の軍国主義と平和志向という偽善」を知って親中路線を再検討し始め、イギリスのEU離脱で「EU結束をより重要視」したため一挙に反中に転じたのではないか、そう見ることもできます。
ドイツやイギリスがアメリカを裏切って、中国に接近し始めたという人がいますが、私はそうではないと見ています。
今まで中国の領土拡大の脅威などなかった遠くの国でしたが、ようやく「そうではなかった」と理解し始めたのです。
中国の経済が減速し株式が暴落、不動産価格も下がっていることなどを総合的に判断して、ドイツは今回のロボット企業買収についても判断を下すことでしょう。どうなるかは私にもわかりません。
さてさて、皆様はどう思われますか。