カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

瀬戸際外交

2016年07月04日 09時26分18秒 | アジア

瀬戸際外交といえば、誰でも「北朝鮮」を思い出しますが・・・・・・

フィリピンの場合 

  • 2016/06/30正式に就任した大統領ドゥテルテは暴言で知られています。任期は6年。母方の祖母が中国系で本人も中国語がある程度わかるとしていますが、前大統領が20年以上撤退させていた米軍基地を復活させて中国の不気味な海外進出に対抗しようとしたのを、どう受け継ぐかが問題です。
  • 中国系らしく中国との距離を縮める意味で、仲裁裁判所への訴えを取り下げたり、再開した米軍基地を縮小させる道を選ぶかも知れません。
  • まだ就任して間がないのですが、これからは今までのように好き勝手な発言ではなく、責任を伴なうフィリピン大統領としての公式表明になってしまうため、私たちも今まで以上に注目し始めるでしょう。
  • アメリカと中国の狭間(はざま)で、大いに悩んでいるようです。

オーストラリアの場合

  • 2015/10/24首相に就任したターンブル。ターンブルの息子が、中国共産党員の娘と結婚しており、中国に接近することを心配する人がいます。
  • 現在、中国人のオーストラリア不動産買い占めが続き、国内でも論争の種となっています。またオーストラリア北部で、米軍基地の近くにあるダーウィン港中国が99年間リースする契約を結んだことについては、米軍基地を中国に監視させるのか、という声もあるとのこと
  • アメリカと中国の狭間(はざま)で、大いに悩んでいるようです。

台湾の場合 

  • 2016/05/20総統に就任した蔡英文(さい えいぶん)の任期は4年で2期まで。
  • 前の総統馬英九(ば えいきゅう)がかなり中国に接近していたようですが、これを反省して、距離をおこうとしています。どちらにしてもあやうい瀬戸際外交ですね。
  • 不思議なもので、オーストラリア・フィリピンで親中政権が誕生したかと思えば、台湾では逆の方向を歩んでいます。つい先日までは正反対の政権でした(オーストラリア・フィリピンでどちらかと言えば反中、台湾では親中)。わかりませんね(笑)。
  • アメリカと中国の狭間で、大いに悩んでいるようです。

韓国の場合

  • この国は複雑で、自ら北朝鮮と対立しているのに加え、アメリカ製のTHAADミサイルを配備するかどうかについて中国が強烈に反対しています。
  • 長年にわたって韓国は、①-1経済面で中国に、①-2軍事面でアメリカに〔表面的には、あくまでも北朝鮮対策として〕、依存してきました。しかし②-1開放経済をめざしながら②-2共産党による一党独裁弾圧を継続する、というあり得ない路線の矛盾が噴出している中国と同様、韓国のこの選択にも大きなほころびがみられます。
  • 韓国人が、周囲の人との比較・くだらない序列、どうでもいいような隣人同士のケンカが人生での最も重要な目標であるなんて言っているようでは、まるで、国のシステム改善を弾圧によってあきらめさせられた代わりに大目に見てもらえた「偽造・ぱくり・汚職・だまし」で金儲けに邁進する中国人そっくりですぞ。いまどきそんなことをしている場合ではありません。いつでもやめられるはずの視野狭窄(しやきょうさく)症をいつまで続けるつもりですか?
  • アメリカと中国の狭間で、大いに悩んでいるようです。

考えたら、国と国との関係では、「愛国心」という便利な言葉を駆使して、いつも「瀬戸際外交」を続けているのでしょう。

最後にいくつか愛国心」を引用して終わることにします。


愛国心」「愛族心」だけが韓国の至高無上の法則だと言わねばならないだろう。やかましく大声で騒ぎたてるから自由の国かと思えるが、その実、もっとも自由がない国が韓国ではないだろうか? 酒場の雑談で政府を、金泳三を無慈悲にけなして批判してもかまわないが、「ウリナラ」「ウリ民族」を批判したり否定することは絶対許されないのだ。 :P.152  金文学/金明学「韓国民に告ぐ!」祥伝社文庫

この擬似民主国家の姿に、コロリとだまされる人が多い。私たち日本人にも何かを考えさせますね(笑)。


「不思議なことだ、いつの時代においても悪人は自分の下劣な行為に、 宗教や道徳や愛国心のために奉仕したのだという仮面を着せようとつとめている」:クリスティアン・ヨハン・ハインリヒ・ハイネ 

愛国心とは喜んで人を殺し、つまらぬことのために死ぬことだ」:バートランド・ラッセル

押しつけられた愛国心でなく、自然で互いに尊重しあえる愛国心が重要視される時代になれば、国と国とが武力で争うこともなくなりますね。

もちろんこれは、「近隣の2国」を想定し、「そんなことではいけませんよ」とたしなめているつもりです(笑)。 


たとえば、フェイスブックに投稿したのに「いいね!」がつかないと不安になってしまう人が多いのではないだろうか。

アドラー流に言えば、こうした不安感は、「賞罰教育を受けて育った人が、褒めてもらえずに陥る精神状態」ということになるだろう。

そして、実を言えば、本題である「攻撃的な人」の多くも、過剰に褒められたり、思った通りに褒めてもらえなかったりした人々の成れの果てなのである。:〔小倉 広 PRESIDENT 2014年11月3日号

そうです。

  • 「いいね」だけを探し回る投稿マニア
  • 「悪口を言われていないか」不安げに検索するツイッターマニア
  • 「株価の上下」「為替の乱高下」を見つめ続ける心配そうな投資マニア

「スパルタ式の鍛錬」が必ずしもいい人間を育てないと理解した人がたどり着くのが、「人を誉めて育てる」という方針でした。

しかし「賞罰教育」は

  • 教師や親の顔色をうかがって行動する「危うい人間」を育てる
  • 周囲をキョロキョロ見渡し、誉めてくれる人がいなければ素通りする「狡猾(こうかつ)な人間」を育てる
  • 誉めてもらえることだけを目指す「いびつな人間」を育てる

という危うさを秘めています。これを理解した上での「誉める教育」であるかどうか。

場合によっては、「誉めてもらえることを期待して」攻撃的にさえなるでしょう。

つまり「誉めてもらえるか、そうでないか」だけが基準になり「善悪・正邪・好き嫌い・甲乙(優劣)」を自分で判断できない人物になる心配があります。

勧善懲悪のおとぎ話は

  • 乳幼児には必要でしょうが、自分で判断することを求められるようになった子どもには有害、かもしれません。
  • 自分で「善人・悪人」「正義・不正義」を決められず、与えられた基準だけで判断する人間になってしまう恐れがあるからです。

何事も「過ぎる」と危ういのですね。  


愛国心とは、ならず者達の最後の避難所である。(サミュエル・ジョンソン

愛国心は卑怯者の最後の逃げ口上。(サミュエル・ジョンソン

日本語訳の表現は違いますが、同じことを言っています。

今の時代に、「愛国心」を叫ぶ人たち、或いは叫ばせる国、があります。もちろん中国・韓国・北朝鮮のことですね。

言論を弾圧し、自由に発言できない国に限って愛国心がもてはやされていることに、注目したいものです。これに対抗する形で、妙な「愛国心」が日本に芽生えることにも留意しましょう。

健全な

  • 愛国心」は大切であり、自分や家族や郷土を愛する心と、なんら変りがなく、それは「周辺との共存」を前提としています。
  • しかし「自分だけが一番正しい」という尊大な正義感とともに『愛国心』が叫ばれると、それは「周辺との共存」を否定するだけで、破滅的な方向に進むしかないでしょう。
  • 実は「愛国心」のほとんどが、国策として強制されたもので、これが相手側にもまた「愛国心」を惹起(じゃっき)させるため、対立が一層激しくなるものです。
  • 世界中、アメリカとメキシコ、ウクライナとロシア、韓国と中国、トルコとドイツ、などを見渡せばよくわかりますね。しかしそういう人たちには、自分たちの心に「誰かによってかき立てられた愛国心」が原因で相手側に一層の反発を生む、と考える余裕など決してありません。

くれぐれもご注意くださいませ。