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混合診療 11月16日

混合診療解禁へ向けて、政府の動きがあわただしくなってきた。昨日の経済財政諮問会議では、規制改革民間開放推進会議と足並みをそろえ、厚生労働省と対立する形で、混合診療解禁へ向けて小泉総理の鼻息もあらい。総理は尾辻厚生労働大臣に対して、「混合診療のどこが金持ち優遇なのか?厚生労働省はおかしいのでは?」と言い放った。

海外では一般的に用いられている薬でも、日本では未承認薬の場合、それを使用するにあたっては、現行では保険適用される部分も含めて全額自費扱いとなるため、患者は莫大な医療費を負担することになる。推進会議は、特に生死の瀬戸際に立つガン患者の声を例にあげて、混合診療が解禁になれば、未承認薬は自費であっても、入院費をはじめ本来保険適用される部分はそのままで、医療費の跳ね上がりを少しでも抑制することができる、と説明している。

しかし、小泉総理をはじめ、推進会議が狙う混合診療の本丸は、そんな患者思いの生易しいものでは決してないことは明白だ。混合診療導入により、必ずしも公的保険がなくても医療を受けられる形になれば、次の段階として必ず議論の対象にのぼるのが、公的保険の範囲の縮小だ。具体的に言うと、風邪も歯痛も自由診療になってしまい、庶民がおいそれとは病院を受診できなくなるということだ。最終的には、医療保険がカバーする範囲を縮小することで、膨らむ医療費の抑制につなげていこうとするに決まっている。その点については厚生労働省も色気を見せており、この問題をより複雑にしている。

日本医師会は、混合診療の解禁は、民間の医療保険への加入が必然となり、富裕層しか医療が受けられなくなるとして反対している。日本薬剤師会も、国民皆保険制度の崩壊につながるとして、解禁には反対の立場だ。私の職場でも、患者さんを対象とした署名運動を行なったほどだ。

厚生労働省の主張のように、一部の高度先進医療に限り併用を認める「特定療養費制度」の拡充によって、ガンなど高度な治療が必要な患者の経済的負担の軽減をはかることは可能だ。規制改革民間開放推進会議の見せかけの論理に、まんまと騙されてはいけない。

先日、株式会社の学校経営の是非を議論する同推進会議の教育研究部会で、株式会社の学校経営に慎重論の居酒屋「和民」チェーン社長で学校法人郁文館学園の理事長も務める渡辺美樹氏が、推進会議の委員をはずされていたことが発覚した。NPO法人の学校経営には賛成したが、株式会社には慎重論を述べた渡辺氏に対して、内閣府規制改革・民間開放推進室長は、考えを変えるか委員を辞退するかどちらかを選んで欲しいと言ったそうだ。「年内に答申をまとめるには、あえて反対派の委員を入れる必要はない。」と、同室長は言い放っている。

ことほどさように、この規制改革推進会議なるものは、参考意見を傾聴する会議の場などではなく、最初から結論ありきの場になっているということなのである。混合診療導入の是非についても、患者の立場で議論する委員が、果たしてどれほど居るだろうか?議長は、あの、オリックスの宮内氏だ。

混合診療が認められるメリットの一方で、自由診療が青天井になれば、庶民は自由に医療の恩恵を被ることが困難になる。今現在でも、高額を理由にインフルエンザの予防接種を受けられない私には、混合診療の導入が庶民を助けるものになるとは、とても思えない。保険診療の拡充と併せて高度先進医療などにおける混合診療の拡充が、改革の方向だと私は思う。諦めず、国会に働きかけていきたい。
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拉致問題 11月15日

昨日の町村外相の意味深な表現は、いったい何だったんだろうか?町村氏は、昨日確かに、明らかな含み笑いを浮かべていた。それが今日の報告はなんだろう。進展なしの上に、急遽用意されたチャーター機で持ち帰ったものは、なんと横田めぐみさんの遺骨と言われるものだった。これからDNA鑑定をしないことには断定できないが、町村外相は、横田めぐみさんの遺骨と言われるものを持ち帰ることがそんなにうれしかったのかと、私はとても不思議に思う。政府は、はなっから横田めぐみさんが生きてるとは思っていなかったのではないかと想像さえしてしまう。

DNA鑑定の結果、横田めぐみさんではなかったとすれば、北朝鮮の真っ赤な嘘ということになる。しかし、横田めぐみさん本人と断定することは、拉致問題が公となって以降の国家の無作為を証明するようなもので、政権政党としては非常に恥ずかしいこと。平壌宣言以降、一向に進展しない拉致問題に、小泉総理も焦りを隠せないのだろう。わざわざチャーター機を用意して、何を持ち帰るのかと思ったら・・・。なんだか茶番を見ているようだ。これではご両親が、あまりにもお気の毒だ。

金正日は、日本という国家をみくびり馬鹿にしている。もはやこれ以上の事務レベルの協議は無意味だ。金正日に対しては、国連安保理にこの問題を持ち込んで、国際社会の圧力で問題を解決するしかないのではないだろうか。



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