都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「天上の舞 飛天の美」 サントリー美術館
サントリー美術館
「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」
2013/11/23~2014/1/13
サントリー美術館で開催中の「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」を見てきました。
半世紀ぶりに大規模な修理事業を展開中の平等院鳳凰堂。現在、2014年の落慶に向けて屋根の吹き替え、及び塗装工事が進んでいるところです。
その平等院から鳳凰堂内の諸天人が東京にお出まし。国宝の「阿弥陀如来坐像光背飛天」や「雲中供養菩薩像」まで。普段、堂内に安置されているため、なかなか近くで見ることの叶わない像ばかり。平等院の言わば秘仏がサントリー美術館に集まりました。
さてこう書き出しながら、本展には一つ、重要なポイントが。タイトルにも堂々と「平等院」とあるように、さも鳳凰堂の飛天のみの展示かと思いがちですが、実際は大きく異なっている。もちろん鳳凰堂の諸像がハイライトであるのは言うまでもありませんが、それ以外にも見るべき点がいくつもあるのです。
それは何か。飛天の系譜を辿っていく。インド、西域、中国、朝鮮、そして日本。ようは各地域における飛天の作例が紹介されています。
「三尊仏」飛鳥時代 7世紀 明日香村教育委員会
というわけで冒頭はガンダーラ地方の「仏伝浮彫」。時代は2世紀頃の作品です。また中国からは東魏~北魏時代、6世紀頃の飛天像も登場。そして鏡です。中でも美しいのは「飛天伽鳥八花鏡」。重文指定を受けた五島美術館の所蔵品です。
「紺紙金地一切経(大般若経 巻第十四)」平安時代 12世紀 中尊寺
また日本からは法隆寺の金堂の天蓋を飾る飛天も。像に鏡に壁画、そして曼荼羅。大和文華館や東京芸大、また奈良博に薬師寺、さらには四天王寺に中尊寺など、国内各地の美術館や寺院から文物がやって来ています。実に多様な飛天の姿を見ることが出来ました。
「阿弥陀二十五菩薩来迎図」鎌倉時代 13~14世紀 福島県立博物館 *展示期間:11/23~12/16
驚くほどに力強い来迎図に出会いました。それが「阿弥陀二十五菩薩来迎図」。福島県立博物館の所蔵、鎌倉時代の作品ですが、ともかくは群れる菩薩に飛天らの躍動感のある姿。往生を迎えた人を迎えに来ているわけですが、もはや押し掛けて来たと言った方が良いのではないと思うほどの動き。大変な迫力です。
そしてラストは平等院鳳凰堂の世界。艶やかな飛天に菩薩像。ほぼ目の高さの位置で見られます。また一部の菩薩像は独立ケースに入れられているため、横からのお姿も確認出来ます。これは貴重です。
そして飛天においては再現展示風に設営されているのもポイントです。ちなみに「阿弥陀如来坐像光背飛天」は寺外初公開とか。状態は思いの外に良好。鍍金も鮮やかです。ここはじっくり楽しみました。
「雲中供養菩薩像 南20」天喜元年 1053年 平等院 *本展非出品
「雲中供養菩薩像」の模造像に触れられるコーナーもありました。こちらは修復後にオリジナルの代役として堂内に安置されるとか。つまり結縁。もちろん像には平等院の住職によって魂が込められています。手で菩薩様を感じる仕掛け。仏像に触れられる機会などなかなかありません。ここは前もって手をきれいにして臨みたいところです。
初めにも触れたように平等院が修理を終えるのは2014年。振り返れば過去、平等院に行ったのは一回きり。しかも小学校の時だったような気がします。また出向きたいものです。
「平等院鳳凰堂ー現世と浄土のあいだ/冨島義幸/吉川弘文館」
会場内は余裕がありました。2014年1月13日まで開催されています。
「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」 サントリー美術館(@sun_SMA)
会期:2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
休館:火曜日。及び年末年始(12/30~1/1)。2014/1/7(火)は開館。
時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00) *12/22(日)、2014/1/12(日)は20時まで開館。12/27(金)および12/28(土)は18時で閉館。
料金:一般1300円、大学・高校生1000円、中学生以下無料。
*ホームページ限定割引券、及び携帯割(携帯/スマホサイトの割引券提示)あり。
場所:港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア3階
交通:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩3分。
「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」
2013/11/23~2014/1/13
サントリー美術館で開催中の「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」を見てきました。
半世紀ぶりに大規模な修理事業を展開中の平等院鳳凰堂。現在、2014年の落慶に向けて屋根の吹き替え、及び塗装工事が進んでいるところです。
その平等院から鳳凰堂内の諸天人が東京にお出まし。国宝の「阿弥陀如来坐像光背飛天」や「雲中供養菩薩像」まで。普段、堂内に安置されているため、なかなか近くで見ることの叶わない像ばかり。平等院の言わば秘仏がサントリー美術館に集まりました。
さてこう書き出しながら、本展には一つ、重要なポイントが。タイトルにも堂々と「平等院」とあるように、さも鳳凰堂の飛天のみの展示かと思いがちですが、実際は大きく異なっている。もちろん鳳凰堂の諸像がハイライトであるのは言うまでもありませんが、それ以外にも見るべき点がいくつもあるのです。
それは何か。飛天の系譜を辿っていく。インド、西域、中国、朝鮮、そして日本。ようは各地域における飛天の作例が紹介されています。
「三尊仏」飛鳥時代 7世紀 明日香村教育委員会
というわけで冒頭はガンダーラ地方の「仏伝浮彫」。時代は2世紀頃の作品です。また中国からは東魏~北魏時代、6世紀頃の飛天像も登場。そして鏡です。中でも美しいのは「飛天伽鳥八花鏡」。重文指定を受けた五島美術館の所蔵品です。
「紺紙金地一切経(大般若経 巻第十四)」平安時代 12世紀 中尊寺
また日本からは法隆寺の金堂の天蓋を飾る飛天も。像に鏡に壁画、そして曼荼羅。大和文華館や東京芸大、また奈良博に薬師寺、さらには四天王寺に中尊寺など、国内各地の美術館や寺院から文物がやって来ています。実に多様な飛天の姿を見ることが出来ました。
「阿弥陀二十五菩薩来迎図」鎌倉時代 13~14世紀 福島県立博物館 *展示期間:11/23~12/16
驚くほどに力強い来迎図に出会いました。それが「阿弥陀二十五菩薩来迎図」。福島県立博物館の所蔵、鎌倉時代の作品ですが、ともかくは群れる菩薩に飛天らの躍動感のある姿。往生を迎えた人を迎えに来ているわけですが、もはや押し掛けて来たと言った方が良いのではないと思うほどの動き。大変な迫力です。
そしてラストは平等院鳳凰堂の世界。艶やかな飛天に菩薩像。ほぼ目の高さの位置で見られます。また一部の菩薩像は独立ケースに入れられているため、横からのお姿も確認出来ます。これは貴重です。
そして飛天においては再現展示風に設営されているのもポイントです。ちなみに「阿弥陀如来坐像光背飛天」は寺外初公開とか。状態は思いの外に良好。鍍金も鮮やかです。ここはじっくり楽しみました。
「雲中供養菩薩像 南20」天喜元年 1053年 平等院 *本展非出品
「雲中供養菩薩像」の模造像に触れられるコーナーもありました。こちらは修復後にオリジナルの代役として堂内に安置されるとか。つまり結縁。もちろん像には平等院の住職によって魂が込められています。手で菩薩様を感じる仕掛け。仏像に触れられる機会などなかなかありません。ここは前もって手をきれいにして臨みたいところです。
初めにも触れたように平等院が修理を終えるのは2014年。振り返れば過去、平等院に行ったのは一回きり。しかも小学校の時だったような気がします。また出向きたいものです。
「平等院鳳凰堂ー現世と浄土のあいだ/冨島義幸/吉川弘文館」
会場内は余裕がありました。2014年1月13日まで開催されています。
「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」 サントリー美術館(@sun_SMA)
会期:2013年11月23日(土・祝)~2014年1月13日(月・祝)
休館:火曜日。及び年末年始(12/30~1/1)。2014/1/7(火)は開館。
時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00) *12/22(日)、2014/1/12(日)は20時まで開館。12/27(金)および12/28(土)は18時で閉館。
料金:一般1300円、大学・高校生1000円、中学生以下無料。
*ホームページ限定割引券、及び携帯割(携帯/スマホサイトの割引券提示)あり。
場所:港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア3階
交通:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩3分。
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