「村瀬恭子 海の土の雲のかたち」 タカ・イシイギャラリー

タカ・イシイギャラリー
「村瀬恭子 海の土の雲のかたち」 
11/30~12/21



タカ・イシイギャラリーで開催中の「村瀬恭子 海の土の雲のかたち」を見てきました。

水へ潜り、洞窟を歩き、森を彷徨う少女。

1963年生まれの村瀬恭子は、1989年に愛知県立芸術大学の大学院を修了。その後はドイツへと留学。以来、現地に在住し活動。国内外の美術館やギャラリーで作品を発表してきました。

その村瀬が東京では約3年ぶりとなる個展を開催しています。

展示はいずれも新作のペインティング10点。もちろん主人公は少女です。淡いエメラルドグリーンの波間を歩いて立つ。網を投げて捕まえたのは貝殻か魚なのか。幻想的なモチーフに瑞々しい色彩感覚。それでいて線は驚くほどに繊細。あたかも髪の毛が風に靡くかのように柔らかい。また地とモチーフは時に溶け合って反転する。複雑に組み合っています。

実は3年間の個展もここタカ・イシイでの開催でした。私もその時に惹かれたわけですが、かの展示と比べるとモチーフが際立つ、言わば明瞭になっている印象を受けます。

かつてはもっとシュール、半ば夢の中を覗き込んでいるようなイメージでしたが、今回は比較的ハッキリと描かれた海、貝、魚に少女。構図もシンプル。具象的です。そして作品には統一感があります。空間をぐるりと取り囲むキャンバス。何か一つの物語を紡ぐかのように並んでいる。少女の旅はどこに到達するのか。見ていると追体験しているような気分にもさせられました。

3年ぶりの少女との再会。変わった部分と変わらない部分。興味深いものがありました。

12月21日まで開催されています。

「村瀬恭子 海の土の雲のかたち」 タカ・イシイギャラリー
会期:11月30日(土)~12月21日(土)
休廊:日・月・祝日
時間:12:00~19:00
住所:江東区清澄1-3-2 5階
交通:東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩7分。

*作品図版は、村瀬恭子「Fishing(Morning)」2013年 油彩、色鉛筆、綿布
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