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「山本努 展」 INAXギャラリー2

INAXギャラリー2中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA2階)
「10daysセレクション - 予兆のかたち10 山本努」
8/20-30



光学現象を抒情的に表現(画廊HPより)するという、山本努の個展です。アクリル板を透過した光の三原色が、陽の差し込む森の木立や風の揺らめきなどを軽やかに表現しています。



表現形態こそ、10daysセレクションの一回目を担った松田直樹と全く異なりますが、作品の醸し出す繊細さ自体はそう違っているわけでもありません。松田の持ち手が米であったとしたら、山本のそれはまさに光そのものです。スペースの奥では、赤、青、緑の三原色のライトに照らされた4枚の回転透明アクリル板が、やや抽象的でありながら、心地良い波とも風の流れとも言えるような紋様を描いています。またもう一点、同じく三原色のライトを用いた作品では、樹木図が無数の穴によって表現された「Inter being」が秀逸です。透明アクリル板の穴に光があたり、透かし彫りされたかのような木々の光景が、仄かな色味をもって浮かび上がってきます。キャプションには夕景ともありましたが、朝靄、もしくは雨の後の湿り気に満ちた森などの姿も連想しました。イメージは比較的自由です。

決して派手さはありませんが、しばらく見ていると、いつの間にかその心地良さに浸る自分に気が付きます。また夏の暑いこの季節、どことない涼を感じるインスタレーションです。

今月30日まで開催されています。

*関連エントリ
「松田直樹 展」 INAXギャラリー2
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