都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「三瀬夏之介展」 Bunkamura Gallery Arts&Crafts 9/9
Bunkamura Gallery Arts&Crafts(渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura1階メインロビー)
「三瀬夏之介展 - web UFO - 」
8/28-9/10
MOTアニュアル展での奇想天外な巨大絵巻が記憶に新しい三瀬夏之介の個展です。「Bunkamura Gallery」にあるショップの中で開催されています。(同フロアのカフェ右手奥にも展示があります。)際限なく続くようなマキシマムな絵が、一転してミニマムを意識させる世界へと変わっていました。ぼんやりと浮かぶUFOのシルエットが、あたかも標本化されたように箱へ閉じ込められています。これはもはや絵というよりもオブジェです。

絵のモチーフは、タイトルの通りUFOや、今やすっかり忘れ去られてしまったネッシーでした。それが、約15センチ四方の木枠に収まった和紙の上にへ描かれている。ただしその素材はもはや和紙に見えません。樹脂が丹念に塗り込まれ、もはや陶のような質感すら漂わせています。キラキラと煌めく星に囲まれたUFO。それを、まるでアメーバように広がるエメラルドグリーンの物体が浸食します。またネッシーも同様です。首の突き出したその絵姿から、まるで涙が滴り落ちるようにエメラルドグリーンが垂れている。「web UFO」は、そんな一つずつ解体された幻影が、それこそUFOの形をして集まった作品でした。ただし切り刻まれているのでもう飛べそうもありません。
三瀬と言うと、私の中にはどうしても大きなドローイングのイメージがあるのですが、この個展でも、ミニマムなオブジェ風絵画がたくさん集まって巨大化した作品が展示されていました。それが2メートル四方はあろうかという、まるでタイル壁画のような「奇景」です。縦8枚、横10枚の「陶風和紙」の上へ積み重なった、9重とも、また10重とも見えるような「超高層版五重塔」。それが近代的なビルの並ぶ景色の上へ、あたかも古代からタイムスリップして来たように突き出しています。この塔は夕陽を浴びているのでしょうか。緑から、燃えるような赤へと美しいグラデーションを描いていました。ちなみにこの塔のモチーフは、もう一点、小さなサイズでありながらもさらに屋根の積み重なった作品で拝見出来ます。そちらもまたエメラルドグリーンのドットが浸食していました。
どれも一つずつ手に取って確かめたくなるような作品です。展示会場が二つに分散されていたのが少し残念(特にカフェの奥の展示は目立ちません。案内が不十分です。)でしたが、アニュアル展へ行かれた方は是非おすすめしたいと思います。今日までの開催です。
「三瀬夏之介展 - web UFO - 」
8/28-9/10
MOTアニュアル展での奇想天外な巨大絵巻が記憶に新しい三瀬夏之介の個展です。「Bunkamura Gallery」にあるショップの中で開催されています。(同フロアのカフェ右手奥にも展示があります。)際限なく続くようなマキシマムな絵が、一転してミニマムを意識させる世界へと変わっていました。ぼんやりと浮かぶUFOのシルエットが、あたかも標本化されたように箱へ閉じ込められています。これはもはや絵というよりもオブジェです。

絵のモチーフは、タイトルの通りUFOや、今やすっかり忘れ去られてしまったネッシーでした。それが、約15センチ四方の木枠に収まった和紙の上にへ描かれている。ただしその素材はもはや和紙に見えません。樹脂が丹念に塗り込まれ、もはや陶のような質感すら漂わせています。キラキラと煌めく星に囲まれたUFO。それを、まるでアメーバように広がるエメラルドグリーンの物体が浸食します。またネッシーも同様です。首の突き出したその絵姿から、まるで涙が滴り落ちるようにエメラルドグリーンが垂れている。「web UFO」は、そんな一つずつ解体された幻影が、それこそUFOの形をして集まった作品でした。ただし切り刻まれているのでもう飛べそうもありません。
三瀬と言うと、私の中にはどうしても大きなドローイングのイメージがあるのですが、この個展でも、ミニマムなオブジェ風絵画がたくさん集まって巨大化した作品が展示されていました。それが2メートル四方はあろうかという、まるでタイル壁画のような「奇景」です。縦8枚、横10枚の「陶風和紙」の上へ積み重なった、9重とも、また10重とも見えるような「超高層版五重塔」。それが近代的なビルの並ぶ景色の上へ、あたかも古代からタイムスリップして来たように突き出しています。この塔は夕陽を浴びているのでしょうか。緑から、燃えるような赤へと美しいグラデーションを描いていました。ちなみにこの塔のモチーフは、もう一点、小さなサイズでありながらもさらに屋根の積み重なった作品で拝見出来ます。そちらもまたエメラルドグリーンのドットが浸食していました。
どれも一つずつ手に取って確かめたくなるような作品です。展示会場が二つに分散されていたのが少し残念(特にカフェの奥の展示は目立ちません。案内が不十分です。)でしたが、アニュアル展へ行かれた方は是非おすすめしたいと思います。今日までの開催です。
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