「インゴ・マウラー」展 東京オペラシティアートギャラリー 9/10

東京オペラシティアートギャラリー新宿区西新宿3-20-2
「光の魔術師 インゴ・マウラー」展
7/8-9/18



「光の魔術師」と記されていたので、以前、原美術館で見たエリアソン展のような雰囲気なのかと勝手に思いこんでいましたが、実際にはかなり違いました。ドイツ生まれの照明デザイナー、インゴ・マウラー(1932-)による、主に、近未来系、SFテイストな照明とインスタレーションの並ぶ展覧会です。



まずは、電球をそのまま利用した照明作品のコーナーです。メタリックな素材と、無機質に輝く電球の組み合わせ。そこにマウラーの奇想天外な遊び心が加味されていきます。電球がまるで天使のように羽を生やしている。鵞鳥の羽を使ったシャンデリア、「バース・バース・バース」(1992)には驚きました。一体、どうやってこのような奇抜な照明を考え出すのでしょう。マウラーの頭の中をのぞいてみたいものです。



大きな傘から赤い光のもれる「ヘンリー・ハドソン・ドーム」(2000)と、まるでダイヤをガラスに散りばめたような「LEDのテーブル」(2003)はともに美しい作品でした。ちなみにこれらは、実際にミュンヘンの地下鉄駅やシャネルのショップなどで使われているのだそうです。照明が非日常の空間を演出する。日本の公共施設でマウラーを採用しているところはあるのでしょうか。是非、無機質極まりない東京メトロの地下空間を演出していただきたいと思いました。

照明デザインの展覧会でまさか金魚を見るとは思いもよりません。インスタレーションの「タブロー・シノワ」(1989)です。水流によってクルクルと回転するボードと金魚。正面にその光景が反射していました。水紋の靡く中を金魚が涼し気に泳ぎ回り、光が美しく照らし出される。実は今ひとつコンセプトが分からなかったのですが、ともかくその金魚と光のコラボレーションは素直に美しいと思います。ちなみにこの金魚は、毎日毎日、観客に囲まれていると疲れてしまうので、夜になるとしばしば近くの金魚店へ里帰りするのだそうです。これは金魚たちも大変です。展示の最後まで元気でいてくれることを願います。

 

ミュージアムショップでは販売されていましたが、マウラーの照明は一般の照明店でも手に入れることが出来るようです。お値段はそれなりでしたが、一つ家に置いてみたいと思わせる作品もありました。「カンパリ・ライト」(2001)などが食卓の上を飾っていたらお酒も進みそうです。

照明の世界の奥深さを見ることが出来ました。インテリアなどにご関心のある方には特におすすめしたいと思います。今月18日までの開催です。
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