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「雄川愛」展 TARO NASU GALLERY 4/27

TARO NASU GALLERY(東京都港区六本木6-8-14 コンプレックス北館3階)
「雄川愛」展
4/25-5/20

TARO NASU GALLERY(ヴァイスフェルトの一つ上のフロアにあります。)で開催中の雄川愛の個展です。全く未知の作家でしたが、一点勝負の油彩画はなかなか見応えがありました。



画廊HPによれば、雄川がテーマに選んだのは森とのことですが、そこの紹介文にもあるように、それが実在の森としてハッキリと見えてくることは殆どありません。小さな長方形のキャンバスが10枚以上も並んで作り出された、一枚の大きなキャンバス。(若干の凹凸があります。どこかブロック塀のようです。)そこに塗られていたのは、まるでペンキのような質感にて画面に迸っていた、深い緑と黒の油彩でした。それがどこか森の奥の沼地のように、いくつか水しぶきをあげながらひっそりと佇んでいる。もちろん、初めにも書いた通り、それが森ではないもの、例えば抽象的な、それこそリヒターの抽象絵画を思わせるような深淵の入口か、はたまた巨大な怪獣がぽっかりと口を開けて待ち受ける様子にも見えてきます。見る側の心象風景により、何にでも見えてくるような、そんな感覚的な作品でもありました。

ここにアップした作品画像はパンフレットから取り込んだものなので、実物の色彩感とは大きく異なります。(画廊HPのこの画像も違うように思います。)何やら生臭い油彩の味わい。強烈な匂いすら漂いそうな緑の渦。この作品、一点だけの展示ですが、不思議な魅力をたたえた作品かと思いました。来月20日までの開催です。
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