都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
サム・フランシスの「無題」 東京都現代美術館から

常設展示 第9室
「サム・フランシス -無題- 」(1985年)
東京都現代美術館の中で、最も開放的な場所とは、サム・フランシス(1923~1994)の「無題」のある第9展示室ではないでしょうか。展示室の四面の壁全てに飾られた大きな作品は、カンヴァス上の鮮やかで動的な色彩の魅力と相まって、原初的な生命の息吹を感じさせます。エネルギーがほとばしりながら渦巻いている。あまりにも圧倒的です。
色彩はこの上なく鮮やかです。真っ白なカンヴァス上で大胆に飛び跳ねている色彩は、まるで生命を宿しているかのように動いています。これほど動きを感じさせる作品も珍しいでしょう。大胆な構成と躍動感。動きとともに空間の無限な広がりをも感じさせます。天井から自然光が差し込んでいますが、「光」とも共鳴し合うような作品です。
サム・フランシスは、アメリカの抽象表現主義作家として有名ですが、日本に滞在した経験もあり、水墨画との関連性を指摘する意見もあるそうです。現代美術館では2003年に大規模な個展も開催されました。私は残念ながらその時見損ねてしまったのですが、この「無題」の一点だけでも、十分にその魅力を味わうことが出来ます。この美術館では絶対に外すことの出来ない空間でしょう。私の一推しの作品です。
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