都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
李禹煥 「線より」 東京都現代美術館の特集展示から
東京都現代美術館(江東区三好)
常設展示 第7室 特集展示「李禹煥」
「李禹煥 -線より-」(1973年)
今、東京都現代美術館の常設展示室では、李禹煥(1936~)が特集されています。美術館所蔵の「線より」や「点より」と、詩画集の「東の扉」などが展示されていました。全部で10点ほどはあったでしょうか。
1973年作の「線より」は、青い絵具の幽玄なタッチが印象深い、とても穏やかな表情を見せる作品です。線は上から下へと描かれているはずなのに、何故か、下からゆらゆらと立ち上っているようにも見えます。青い絵具がサーッと透き通っていく過程には、一体どのような意味があるのでしょう。感覚的に美しい上、線の意味を考えさせる作品です。特集展示の中では一番惹かれました。
李は、初めて「もの派」へ理論的支柱を与えた人物としても紹介されますが、その後は激しい批判も呼び、様々な美学的論争を巻き起こしたこともあるそうです。彼の作品は80年代以降、「点より」に代表されるような動きのある作風へと移り変わっていきましたが、「もの派」云々の前提知識がなくとも、作品からは「美」や「意味」を朧げに感じることが出来ます。私は数年前に、葉山の神奈川県立近代美術館で初めて彼の作品に触れ、圧倒的な感銘を受けました。李の作品から生まれる独特の心地よい空気感は、美術館で味わう大きな喜びの一つです。8月まで特集されているそうです。
常設展示 第7室 特集展示「李禹煥」
「李禹煥 -線より-」(1973年)
今、東京都現代美術館の常設展示室では、李禹煥(1936~)が特集されています。美術館所蔵の「線より」や「点より」と、詩画集の「東の扉」などが展示されていました。全部で10点ほどはあったでしょうか。
1973年作の「線より」は、青い絵具の幽玄なタッチが印象深い、とても穏やかな表情を見せる作品です。線は上から下へと描かれているはずなのに、何故か、下からゆらゆらと立ち上っているようにも見えます。青い絵具がサーッと透き通っていく過程には、一体どのような意味があるのでしょう。感覚的に美しい上、線の意味を考えさせる作品です。特集展示の中では一番惹かれました。
李は、初めて「もの派」へ理論的支柱を与えた人物としても紹介されますが、その後は激しい批判も呼び、様々な美学的論争を巻き起こしたこともあるそうです。彼の作品は80年代以降、「点より」に代表されるような動きのある作風へと移り変わっていきましたが、「もの派」云々の前提知識がなくとも、作品からは「美」や「意味」を朧げに感じることが出来ます。私は数年前に、葉山の神奈川県立近代美術館で初めて彼の作品に触れ、圧倒的な感銘を受けました。李の作品から生まれる独特の心地よい空気感は、美術館で味わう大きな喜びの一つです。8月まで特集されているそうです。
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