Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

テアターアンデアウィーン「ウィーンフィル&バレンボイム」6.4.2008

2008年04月06日 21時04分14秒 | Weblog
テアターアンデアウィーンでウィーンフィルとバレンボイムのピアノ(指揮も)で、ベートーヴェンのコンチェルトを聴いてきました。今回の旅行でウィーンフィルを座って聞くことはないだろうと思っていたので(値段も高いし、手に入らない)このテアターアンデアウィーンでのコンサートを偶然まだチケットが残っている時期に目に入ったのはラッキーでした。

前半は「まぁ、手馴れた曲だし、こんなもんで・・・」って感じでした。それでも、このバレンボイムはじめ、ウィーンフィルのおっさんたちの雰囲気はとてもよくって、合わせしながらガンガン曲作っていってる風でした。

後半はもう圧巻。これは初めて聞く曲なのですが、もしかしたら相当ピアニストのテクニックが必要なコンチェルトではないか?と思いました。それくらい難しそうな曲なんですが、ピアニストとウィーンフィルの息がぴたっと合って、とてもよかったです。会場も飽きることなく拍手してました。(前半と出来が全然ちゃうやんか!と言いたくなりましたけど)

私が歌以外を聞きに行く時は、たいていベートヴェンかシューベルトなんで、完全趣味です。なので、楽しく聞いてます。例えば、今回も最初の3番だったと思いますが、ベートーヴェンの短いモチーフが「かえるのうた」みたいに、追いかけっこしてくれるところなんか、面白くって、ちょうどその後バイオリンがずっと「ゲコゲコゲコゲコ」と言っていたし、指揮者はフォルテで(ピアノに座ったまま)手足を伸ばしてまるでカエルが飛んでるみたいだし、笑いそうになりました。

となりのフランス語を話す、息子(12歳くらい)・お父さん・息子の順で座っていた家族なんですが、お父さんが音楽大好きでピアノの先生か何かで、たぶん息子はピアノをやっていて将来を託されているんでしょうね。息子が真剣に聞いているのに、お父さん興奮して「ほら次はあのメロディーだ」なんてひそひそ話す。息子は迷惑顔…。その上お父さんは、ピアノのカデンツァだけ息子のためにビデオ撮影して、それ以外のところは、かっこいい部分は指揮までしてしまう始末。あまりのほほえましさに注意はせずにいましたが、そのうち息子が「お父さん静かに!」と注意をいれる始末。一人盛り上がっているお父さんが恥ずかしかったんでしょうね、きっと。

午後からコニーとタンデムをして、ちょうどお酒の話になり、彼女も最近よく飲んでいるということを聞き、途中でワインをあけての授業となりました。辛口ワインでしたが、おいしかったです。気分のいい日曜になりました。

Wiener Philharmoniker
Daniel Barenboim Klavier & Musikalische Leitung

Programm
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Andante Cantabile aus op. 97 (orchestriert von Franz Liszt)
Klavierkonzert Nr. 3 c-Moll, op. 37 (1803)
Klavierkonzert Nr. 4 G-Dur, op. 58 (1807)
コメント (5)
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国立歌劇場「夢遊病の女」5.4.2008

2008年04月06日 06時13分48秒 | Weblog
「夢遊病の女」というベッリーニの名作なんですが、「高い音だけ出せるのが特徴である、とあるテノール」に全部ぶち壊されました。残念です。

最後の有名なアリアは、ソプラノ歌手がとてもいい雰囲気を出して、今日のオペラで、やっと初めて観客を引き込んでいました。なのに、(アリア集などではカットされている)テノール歌手の合いの手の部分で、「頼むからあんたの声でぶち壊すのはやめてくれ」と頼みたくなるくらいの幼稚な歌い方でございました。本当にいやになります。

演出は現代的な演出で、要所要所とてもいい部分がありました。「あ~そう持ってきますか!」と何度かうならせてもらいました。でも要所要所「やりすぎ」な所もあり、そのさじ加減が、難しいなぁと思いながら見ていました。

例えば、最後のソプラノのアリアはゆっくりした、半ば夢遊病で、泣き悲しんでいる部分と、目が覚めて喜ぶ部分とあるんですが、このゆっくりと早い部分のあいだの、ほんの少しの時間に、ソプラノが舞台から消え、幕が降り、その後まく前に真っ赤なベルベットドレスで出て来て歌う。その後もう一度幕が開き、合唱が前に出ていて、天井から(なんでゴミが落ちてくるんだ?と思ったが)バラの花が落ちてくる。私にはこのどれもが「やりすぎ」でした。白いネグリジェのまま、男性に抱きかかえられ、周りに祝福されるではダメなのか?演出がほんの少し欲張ってしまった結果ですね、きっと。1幕の最後に雪が降るのがよかったので、その対比で考えてしまったのかしれませんが、多すぎました。演出がうるさすぎると、歌が殺されてしまうので、それは残念だなぁと思いました。

いいのを聞いても、よくないのを聞いても、帰りにこーひー飲みたいなぁ、アイス食べたいなぁと思っちゃいます。で、気持ちはアイスだったんですが、外へ出たとたんに、「寒っ!」と震えるくらいでしたので、くじけました。明日はお昼のコンサートなのできっと…!


指揮Pier Giorgio Morandi
Inszenierung,
B・nenbild und Licht: Marco Arturo Marelli
Kost・e: Dagmar Niefind-Marelli
Choreinstudierung: Janko Kastelic

Graf Rodolfo: In-Sung Sim
Teresa: Aura Twarowska
Amina: Patrizia Ciofi
Elvino: Antonino Siragusa
Lisa: Simina Ivan
Alessio: Eijiro Kai
Notar: Johann Reinprecht
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