Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

本番ふたつ

2006年11月05日 23時34分31秒 | Weblog
今日はたくさん書きます。

毎年この時期はどこも文化祭という名のお祭りで、各市町村は展示や舞台など市民レベルで盛りだくさんの発表の場を設けます。私が教えに行っている団体がある、寝屋川市と門真市もそうで、ここ数日にぎわっています。ただ今年はどちらも同じ日に重なってしまい、寝屋川を午前に、門真を午後に調節してもらってやっと両方が出演できるようになりました。(車で20分ほどだったからよかったけど、これが離れていたらたいへんだった)

午前の寝屋川はみなさん60歳を目前にしてドレミを始めた方ばかりなので、年々上がっているものの歌唱力はそれほどのぞめません。だから毎年、曲や、内容に工夫をします。今年は「赤とんぼ」を歌う前に群読をしたり、最後の「線路は続くよどこまでも」で台詞や動きをいれ、行進しながら退場するという方法をとりました。何度も群読はやめたいと言われましたが、楽しく歌うだけが舞台ではないので押し通しました。今年はハモリも多く、周りを感じる力を育てたいと思い、群読から得るものは多いと考えたからです。最初はまったくそろわず、特に出だしがうまく行かず苦労していましたが、本番はいままでで一番気持ちがそろったと思います。おかげさまで80歳過ぎた人もいますが、課題が多すぎて、去年まで何度も聞いた「暗譜ができない」という言葉、今年は一度も出ませんでした。

後半の「線路は」も、ちょっとした台詞と動きですが、初めての人にとっては「動きながらしゃべる」「絶えず舞台の前がどっちなのか意識する」って難しいんです。いつも稽古の始まる前からみなさんで自主練習されていたので、難しいとは言っていましたがなんなくクリアしました。そういう努力があるから客席のみなさんが喜んでくれる、そう思いました。

普通に唱歌を歌う。普通にブラウスとスカートできれいに歌うは嫌いです。だってそういうのって客席に座っていても、私だったら退屈だし、どれも同じ曲にしか聞こえないから。そうじゃない団体になってほしいと思います。

午後の門真は、今回この団体にとっては、かなり難易度の高い曲にチャレンジしました。そう生誕250年のモーツァルトです。その上、今まで1曲3分×4曲という選曲が多かったのですが、今回はメドレーとは言え、休む暇のない13分。7月に一度、なんとか人前で歌えるところまで持っていき舞台に出ましたが、それで終わるのはいやだったので、最初から11月をメインにできるように考えていました。

ここにもかなり高齢の方もいますし、身体も悪い人もいる。仕事がありなかなか練習にこれない人もいる。でもみなさん可能な限り調整し、生きいきとして練習に参加される。私が「できますよ~これくらい。ちょっと難しいけど大丈夫」と言ったら、本当に大丈夫だと思って練習してしまう。たぶん何度もカセットを聴いて苦労されたと思いますが、それでもこの団体がこれだけの難曲を歌えるようになったのということは、初年度からは想像もできないことです。(だって初年度ハモリはあきらめて現代もんやってたでしょ!)

レベルはいろいろあります。もちろんラベルもいろいろ。
でも、自分たちがどのレベルで、どうやったら自分たちも得るものがあり、楽しむこともでき、そして客席もその気持ちを共有できるかを考えてこれからも舞台出演を考えたいと思います。だからいやな曲も歌うし、しんどい練習や、やりたくない練習もあると思いますが、がんばってください。(と自分にも言っている)

車で送ってくれた寝屋川のほうのピアニストさんと、移動でお昼ご飯食べられないだろうと、おにぎり持ってきてくれたいさやんさん、そして私なしでリハーサルやってくれた門真のほうのピアニストさんどうもありがとうございました。









コメント (2)
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