法律の周辺

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株式会社の診療所開設について

2006-07-30 12:05:20 | Weblog
全国初…株式会社の診療所,横浜にオープン YOMIURI ONLINE

 本特区は,構造改革特別区域法第2条第2項の別表「八 病院等開設会社による病院等開設事業 」にあたる。
本来なら,株式会社の診療所の開設は,医療法第7条第5項により,市長等の許可は得られない。しかし,神奈川県は上記特区の認定を受けているため,営利を目的とする株式会社も,構造改革特別区域法第18条所定の要件を具備して許可を得ることにより,神奈川県をエリアとする診療所の開設が可能となる。

因みに,秋田県と秋田市は,「指定居宅サービス等の事業の人員,設備及び運営に関する基準」等に係る特区として「秋田デイサービス特区」を申請し,平成16年12月認定を受けている。

構造改革特区推進本部 かながわバイオ医療産業特区


構造改革特別区域法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,地方公共団体の自発性を最大限に尊重した構造改革特別区域を設定し,当該地域の特性に応じた規制の特例措置の適用を受けて地方公共団体が特定の事業を実施し又はその実施を促進することにより,教育,物流,研究開発,農業,社会福祉その他の分野における経済社会の構造改革を推進するとともに地域の活性化を図り,もって国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「構造改革特別区域」とは,地方公共団体が当該地域の活性化を図るために自発的に設定する区域であって,当該地域の特性に応じた特定事業を実施し又はその実施を促進するものをいう。
2  この法律において「特定事業」とは,地方公共団体が実施し又はその実施を促進する事業のうち,別表に掲げる事業で,規制の特例措置の適用を受けるものをいう。
3  この法律において「規制の特例措置」とは,法律により規定された規制についての第四章で規定する法律の特例に関する措置及び政令又は主務省令により規定された規制についての政令又は主務省令で規定するこれらの規定の特例に関する措置をいい,これらの措置の適用を受ける場合において当該規制の趣旨に照らし地方公共団体がこれらの措置と併せて実施し又はその実施を促進することが必要となる措置を含むものとする。
4  この法律(第四十三条第一項を除く。)において「地方公共団体」とは,都道府県,市町村(特別区を含む。第四条第三項及び第六項並びに第十九条第一項において同じ。)又は地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第一項の一 部事務組合若しくは広域連合をいう。

(医療法 等の特例)
第十八条  地方公共団体が,その設定する構造改革特別区域における医療の需要の動向その他の事情からみて,医療保険各法(健康保険法 (大正十一年法律第七十号),船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号),国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号),国家公務員共済組合法 (昭和三十三年法律第百二十八号。他の法律において準用し,又は例による場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法 (昭和三十七年法律第百五十二号)をいう。第八項において同じ。)による療養の給付並びに被保険者,組合員又は加入者及び被扶養者の療養並びに老人保健法 (昭和五十七年法律第八十号)による医療,入院時食事療養費に係る療養及び特定療養費に係る療養に該当しないものであって,放射性同位元素を用いて行う陽電子放射断層撮影装置による画像診断その他の厚生労働大臣が定める指針に適合する高度な医療(以下この条において「高度医療」という。)の提供を促進することが特に必要と認めて内閣総理大臣の認定を申請し,その認定を受けたときは,当該認定の日以後は,株式会社から医療法第七条第一項 の規定により当該構造改革特別区域内における当該認定に係る高度医療の提供を目的とする病院又は診療所の開設の許可の申請があった場合において,当該申請が次に掲げる要件のすべてに適合すると認めるときは,都道府県知事(診療所にあっては,その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては,当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)は,同条第五項 の規定にかかわらず,同条第一項 の許可を与えるものとする。
一  当該申請に係る高度医療の提供を行う病院又は診療所の構造設備及びその有する人員が,医療法第二十一条 及び第二十三条 の規定に基づく厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。
二  前号に掲げるもののほか,当該申請に係る高度医療の提供を行う病院又は診療所の構造設備,その有する人員その他の事項が,当該申請に係る範囲の高度医療を提供するために必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
三  当該申請に係る高度医療の提供を行う病院又は診療所を営む事業に係る経理が,当該株式会社の営む他の事業に係る経理と区分して整理されるものであること。
2  前項の規定により医療法第七条第一項 の許可を受けて株式会社が開設する病院又は診療所に対する同法第七条第二項 及び第四項 並びに第二十九条第一項 の規定の適用については,同法第七条第二項 中「病床数」とあるのは「病床数,提供する高度医療(構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十八条第一項の認定に係る同項に規定する高度医療をいう。)の範囲」と,同条第四項中「前三項」とあるのは「前二項」と,「要件」とあるのは「要件並びに構造改革特別区域法第十八条第一項第二号に掲げる要件」と,同法第二十九条第一項中「場合においては」とあるのは「場合,構造改革特別区域法第十八条第一項の規定により第七条第一項の許可を受けた株式会社が開設する病院若しくは診療所の提供する医療が同法第十八条第一項に規定する高度医療に該当しなくなつたと認めて厚生労働大臣が同法第八条第二項の規定により必要な措置を講ずることを求めたにもかかわらずなお適切な措置が講じられなかつた場合において当該病院若しくは診療所の業務を継続することが適当でないと認めるとき,又は同法第十八条第一項第二号に掲げる要件に適合しなくなつたと認める場合は」とする。
3  厚生労働大臣は,第一項の指針を定め,又は変更したときは,遅滞なく,これを公表するものとする。
4  第一項の規定により医療法第七条第一項 の許可を受けて病院又は診療所を開設する株式会社(以下この条及び別表第八号において「病院等開設会社」という。)については,同法第五十一条 ,第六十三条及び第六十四条(これらの規定を同法第六十八条の二第一項 の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。),第六十六条の二(同法第六十四条第一項 及び第二項 に係る部分に限る。),第六十七条(同法第六十八条の二第一項 の規定により読み替えて適用する場合を含み,同法第六十四条第二項 に係る部分に限る。以下この項において同じ。)並びに第七十六条(同法第五十一条第一項 ,第六十三条第一項及び第六十四条第二項に係る部分に限る。)の規定を準用する。この場合において,同法第五十一条第一項 中「医療法人」とあるのは「構造改革特別区域法第十八条第一項の規定により第七条第一項の許可を受けて病院又は診療所を開設する株式会社(以下「病院等開設会社」という。)」と,「毎会計年度」とあるのは「毎事業年度」と,同法第六十三条第一項及び第六十四条第一項中「医療法人の」とあるのは「病院等開設会社が開設する病院若しくは診療所の」と,「,定款若しくは寄附行為」とあるのは「若しくは定款」と,「その運営」とあるのは「その開設する病院若しくは診療所の運営」と,「当該医療法人」とあるのは「当該病院等開設会社」と,同法第六十三条第一項中「その業務」とあり,同法第六十四条第二項中「業務」とあるのは「その開設する病院若しくは診療所の業務」と,同項中「医療法人」とあるのは「病院等開設会社」と,同項及び同条第三項並びに同法第六十七条第一項中「役員」とあるのは「取締役,執行役若しくは監査役」と,同法第七十六条中「医療法人の理事,監事又は清算人」とあるのは「病院等開設会社の取締役,執行役又は監査役」と読み替えるものとする。
5  病院等開設会社が開設する病院又は診療所に関しては,医療法第六十九条第一項 の規定にかかわらず,厚生労働省令で定めるところにより,第一項の規定による同法第七条第一項 の開設の許可又は第二項 の規定により読み替えて適用される同条第二項 の変更の許可の範囲に係る高度医療(次項において「許可に係る高度医療」という。)を提供している旨を広告することができる。
6  病院等開設会社が開設する病院又は診療所の管理者は,許可に係る高度医療以外の医療を提供してはならない。ただし,許可に係る高度医療を提供する上で必要があると認められる場合又は診療上やむを得ない事情があると認められる場合は,この限りでない。
7  厚生労働大臣は,病院等開設会社が開設する病院又は診療所については,健康保険法第六十五条第三項 (同法第八十六条第十二項 において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず,同法第六十三条第三項第一号 の指定又は同法第八十六条第一項第一号 の承認をしないものとする。
8  医療保険者(医療保険各法(国民健康保険法 を除く。)の規定により医療に関する給付を行う政府,健康保険組合,共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。)は,病院等開設会社が開設する病院又は診療所については,健康保険法第六十三条第三項第二号 の指定若しくは船員保険法第二十八条第五項第二号 の指定をし,又は国家公務員共済組合法第五十五条第一項第二号 (私立学校教職員共済法第二十五条 において準用する場合を含む。)の契約若しくは地方公務員等共済組合法第五十七条第一項第二号 の契約を締結してはならない。

医療法の関連条文

第七条  病院を開設しようとするとき,医師法 (昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の四第一項 の規定による登録を受けた者(以下「臨床研修修了医師」という。)及び歯科医師法 (昭和二十三年法律第二百二号)第十六条の四第一項 の規定による登録を受けた者(以下「臨床研修修了歯科医師」という。)でない者が診療所を開設しようとするとき,又は助産師でない者が助産所を開設しようとするときは,開設地の都道府県知事(診療所又は助産所にあつては,その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては,当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。第八条から第九条まで,第十二条,第十五条,第十八条,第二十四条及び第二十七条から第三十条までの規定において同じ。)の許可を受けなければならない。
2  病院を開設した者が,病床数,次の各号に掲げる病床の種別(以下「病床の種別」という。)その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするとき,又は臨床研修修了医師及び臨床研修修了歯科医師でない者で診療所を開設したもの若しくは助産師でない者で助産所を開設したものが,病床数その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするときも,厚生労働省令で定める場合を除き,前項と同様とする。
一  精神病床(病院の病床のうち,精神疾患を有する者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
二  感染症病床(病院の病床のうち,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (平成十年法律第百十四号)第六条第二項 に規定する一類感染症,同条第三項 に規定する二類感染症及び同条第八項 に規定する新感染症の患者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
三  結核病床(病院の病床のうち,結核の患者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
四  療養病床(病院又は診療所の病床のうち,前三号に掲げる病床以外の病床であつて,主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
五  一般病床(病院の病床のうち,前各号に掲げる病床以外のものをいう。以下同じ。)
3  診療所に療養病床を設けようとするとき,又は診療所の療養病床の病床数その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするときは,厚生労働省令で定める場合を除き,当該診療所の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならない。
4  都道府県知事又は保健所を設置する市の市長若しくは特別区の区長は,前三項の許可の申請があつた場合において,その申請に係る施設の構造設備及びその有する人員が第二十一条及び第二十三条の規定に基づく厚生労働省令の定める要件に適合するときは,前三項の許可を与えなければならない。
5  営利を目的として,病院,診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては,前項の規定にかかわらず,第一項の許可を与えないことができる。

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