法律の周辺

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情報開示姿勢の不足する企業名の公表について

2006-07-03 14:13:00 | Weblog
東証,「開示姿勢不足の上場企業」公表へ NIKKEI NET

 説明会に一度も参加しない = 取り組み不十分,という判断。これも,一種の外観法理か。

 東証の「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則」の「適時開示に関する宣誓書」に係る第4条の4の第2文には「この場合において,当該上場会社は,当該宣誓書及び添付書類を当取引所が公衆の縦覧に供することに同意するものとする。」とあるが,これを根拠に取り組みが不十分な企業名を公表することは困難のように思われる。少なくとも,宣誓書自体には,公表を受忍するような文言は見あたらない。

今回の通知,取り組みへの努力を促す効果を持つほか,企業名公表を可とする根拠となるものであろう。あるいは,規則改訂等の手続までとるのかどうか。

なお,委員会設置会社以外の大会社は,「業務の適正を確保するための体制」,いわゆる「内部統制システム」の基本方針を,会社法施行後最初におこなわれる取締役会の終結の時までに決議する必要がある(経過措置政令第14条)。
「内部統制は,証券市場に対する情報開示とコーポレート・ガバナンスの中核として,両者を接続する概念として位置づけられるべきものである。」とは中東教授のお言葉(『ジュリスト』No.1315のP48)。至言である。

東証HP 適時開示に係る宣誓書・有価証券報告書等の適正性に関する確認書

東証HP 上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則


会社法の関連条文

(業務の執行)
第三百四十八条  取締役は,定款に別段の定めがある場合を除き,株式会社(取締役会設置会社を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。
2  取締役が二人以上ある場合には,株式会社の業務は,定款に別段の定めがある場合を除き,取締役の過半数をもって決定する。
3  前項の場合には,取締役は,次に掲げる事項についての決定を各取締役に委任することができない。
一  支配人の選任及び解任
二  支店の設置,移転及び廃止
三  第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合を含む。)に掲げる事項
四  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
五  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
4  大会社においては,取締役は,前項第四号に掲げる事項を決定しなければならない。

(取締役会の権限等)
第三百六十二条  取締役会は,すべての取締役で組織する。
2  取締役会は,次に掲げる職務を行う。
一  取締役会設置会社の業務執行の決定
二  取締役の職務の執行の監督
三  代表取締役の選定及び解職
3  取締役会は,取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4  取締役会は,次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一  重要な財産の処分及び譲受け
二  多額の借財
三  支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四  支店その他の重要な組織の設置,変更及び廃止
五  第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5  大会社である取締役会設置会社においては,取締役会は,前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。

(委員会設置会社の取締役会の権限)
第四百十六条  委員会設置会社の取締役会は,第三百六十二条の規定にかかわらず,次に掲げる職務を行う。
一  次に掲げる事項その他委員会設置会社の業務執行の決定
イ 経営の基本方針
ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項
ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
二  執行役等の職務の執行の監督
2  委員会設置会社の取締役会は,前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3  委員会設置会社の取締役会は,第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4  委員会設置会社の取締役会は,その決議によって,委員会設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし,次に掲げる事項については,この限りでない。
一  第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定
二  第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定
三  第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定
四  第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
五  株主総会に提出する議案(取締役,会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
六  第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認
七  第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
八  第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職
九  第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任
十  第四百八条第一項第一号の規定による委員会設置会社を代表する者の決定
十一  第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職
十二  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
十三  第四百三十六条第三項,第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認
十四  第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定
十五  第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十六  合併契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十七  吸収分割契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十八  新設分割計画(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十九  株式交換契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十  株式移転計画の内容の決定

「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う経過措置を定める政令」の関連条文

(取締役会の権限等に関する規定の適用除外)
第十四条  新株式会社については,会社法第三百六十二条第五項の規定は,施行日以後最初に開催される取締役会の終結の時までは,適用しない。

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赤坂御用地への不時着について

2006-07-03 09:43:16 | Weblog
日テレ番組のパラシュート,強風で赤坂御用地に不時着 YOMIURI ONLINE

 おそれ多いことである。世が世なら,武勇伝では済まされない ^^; 。

宮内庁HP 皇居など皇室の関連施設


国有財産法

(国有財産の分類及び種類)
第三条  国有財産は,これを行政財産と普通財産とに分類する。
2  行政財産とは,次に掲げる種類の財産をいう。
一  公用財産 国において国の事務,事業又はその職員(国家公務員宿舎法 (昭和二十四年法律第百十七号)第二条第二号 の職員をいう。)の住居の用に供し,又は供するものと決定したもの
二  公共用財産 国において直接公共の用に供し,又は供するものと決定したもの
三  皇室用財産 国において皇室の用に供し,又は供するものと決定したもの
四  企業用財産 国において国の企業又はその企業に従事する職員の住居の用に供し,又は供するものと決定したもの
3  普通財産とは,行政財産以外の一切の国有財産をいう。
4  第二項第四号の国の企業については,政令でこれを定める。

(処分等の制限)
第十八条  行政財産は,これを貸し付け,交換し,売り払い,譲与し,信託し,若しくは出資の目的とし,又はこれに私権を設定することができない。ただし,行政財産である土地について,その用途又は目的を妨げない限度において,国が地方公共団体若しくは政令で定める法人と一棟の建物を区分して所有するためこれらの者に当該土地を貸し付け,又は地方公共団体若しくは政令で定める法人がその経営する鉄道,道路その他政令で定める施設の用に供する場合においてこれらの者のために当該土地に地上権を設定するときは,この限りでない。
2  前項の規定に違反する行為は,無効とする。
3  行政財産は,その用途又は目的を妨げない限度において,その使用又は収益を許可することができる。
4  地方公共団体,特別の法律により設立された法人のうち政令で定めるもの又は地方道路公社が行政財産を道路,水道又は下水道の用に供する必要がある場合において,第一項ただし書の地上権の設定又は前項の許可をするときは,これらの者に当該行政財産を無償で使用させ,又は収益させることができる。
5  第三項の規定による許可を受けてする行政財産の使用又は収益については,借地借家法 (平成三年法律第九十号)の規定は,適用しない。

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