購入してそのままになっていた『一問一答 新・会社法』。今日の午後,第2章第7節~第13節の機関の辺り(Q75~Q127)だけだが,ザッと目を通してみた。精読は後日ということで,感想というか,気付いた点を少し。
1 機関の任期
取締役の任期については,Q103の5に,「具体的には,取締役の任期は原則2年としつつ,株式譲渡制限会社については,定款で定めることにより,最長10年まで伸長することができることとしている(会社法332条)。」との記述がある。
会計参与の任期(Q114),監査役の任期(Q119),についても同じような記述ぶりである。
しかし,これは正確とは言えない。ここは,「原則は,選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までで,定款で定めることにより選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長できる」といった書き方をすべきだろう。
条文も添えてあるから問題ないとしても,この種の書籍としては,少し粗っぽい書き方のような気がする。どうだろうか。
もちろん,ある程度の知識がある人にとっては,トラップでも何でもないわけだが・・・。
2 共同代表取締役等の登記の廃止
Q106は,「共同代表取締役,共同代表執行役,共同支配人の登記の制度を廃止したのは,なぜか。」という内容。
例えば,商法第188条は,第2項第9号で,共同代表取締役である旨を登記事項として掲げている。しかし,会社法にはこれにあたるものは存しない(会社法第911条第3項参照)。それもそのはずで,会社法では,共同代表取締役を設置できるとする実体法上の根拠条文が見あたらない(会社法第349条,商法第261条第2項参照)。
要綱も,第2部「株式会社関係」第3「機関関係」3「取締役・取締役会」(7)「取締役等に関する登記」の中でだが,「共同代表取締役,共同代表執行役及び共同支配人の制度は,廃止するものとする。」としていた。
しかし,Q106の4には次のような記述がみられる。
「そこで,会社法では,共同代表制度については,取締役の代表権に対する単なる内部的制限と位置づけ,これを登記事項から削除することとしている。」
この記述は,登記事項からは削除されたが,共同代表を設けること自体は,定款自治の範囲として許容される,と読めないこともない。
考えてみれば,取引上のトラブルの回避ということでは,登記事項から外せば足り,共同代表は認められない,とまでする必要はないようにも思える。
実体法上の根拠条文が削除された以上,定款自治としても認められない,と考えるのが自然だとは思うが・・・。Qの設定の仕方も含め,少し気になる記述ではある。後でキチンと調べてみよう。
1 機関の任期
取締役の任期については,Q103の5に,「具体的には,取締役の任期は原則2年としつつ,株式譲渡制限会社については,定款で定めることにより,最長10年まで伸長することができることとしている(会社法332条)。」との記述がある。
会計参与の任期(Q114),監査役の任期(Q119),についても同じような記述ぶりである。
しかし,これは正確とは言えない。ここは,「原則は,選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までで,定款で定めることにより選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長できる」といった書き方をすべきだろう。
条文も添えてあるから問題ないとしても,この種の書籍としては,少し粗っぽい書き方のような気がする。どうだろうか。
もちろん,ある程度の知識がある人にとっては,トラップでも何でもないわけだが・・・。
2 共同代表取締役等の登記の廃止
Q106は,「共同代表取締役,共同代表執行役,共同支配人の登記の制度を廃止したのは,なぜか。」という内容。
例えば,商法第188条は,第2項第9号で,共同代表取締役である旨を登記事項として掲げている。しかし,会社法にはこれにあたるものは存しない(会社法第911条第3項参照)。それもそのはずで,会社法では,共同代表取締役を設置できるとする実体法上の根拠条文が見あたらない(会社法第349条,商法第261条第2項参照)。
要綱も,第2部「株式会社関係」第3「機関関係」3「取締役・取締役会」(7)「取締役等に関する登記」の中でだが,「共同代表取締役,共同代表執行役及び共同支配人の制度は,廃止するものとする。」としていた。
しかし,Q106の4には次のような記述がみられる。
「そこで,会社法では,共同代表制度については,取締役の代表権に対する単なる内部的制限と位置づけ,これを登記事項から削除することとしている。」
この記述は,登記事項からは削除されたが,共同代表を設けること自体は,定款自治の範囲として許容される,と読めないこともない。
考えてみれば,取引上のトラブルの回避ということでは,登記事項から外せば足り,共同代表は認められない,とまでする必要はないようにも思える。
実体法上の根拠条文が削除された以上,定款自治としても認められない,と考えるのが自然だとは思うが・・・。Qの設定の仕方も含め,少し気になる記述ではある。後でキチンと調べてみよう。