法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

五輪担当相の設置について

2006-08-31 20:17:10 | Weblog
asahi.com 五輪担当相を置いてほしい 石原知事が「陳情

 無任所大臣ということか(内閣法第3条第2項参照)。
しかし,北京から8年後に同じアジアで開催というのは誰がどう考えても厳しい。国費の無駄遣いにならなければいいが・・・。

 それにしても,未だ総裁選に立候補も表明していない人に「総裁選に勝ったら,担当相を置いてほしい」とは,せっかちな話し。


日本国憲法の関連

第六十六条  内閣は,法律の定めるところにより,その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2  内閣総理大臣その他の国務大臣は,文民でなければならない。
3  内閣は,行政権の行使について,国会に対し連帯して責任を負ふ。

第六十八条  内閣総理大臣は,国務大臣を任命する。但し,その過半数は,国会議員の中から選ばれなければならない。
2  内閣総理大臣は,任意に国務大臣を罷免することができる。

内閣法の関連条文

第二条  内閣は,国会の指名に基づいて任命された首長たる内閣総理大臣及び内閣総理大臣により任命された国務大臣をもつて,これを組織する。
2  前項の国務大臣の数は,十四人以内とする。ただし,特別に必要がある場合においては,三人を限度にその数を増加し,十七人以内とすることができる。

第三条  各大臣は,別に法律の定めるところにより,主任の大臣として,行政事務を分担管理する。
2  前項の規定は,行政事務を分担管理しない大臣の存することを妨げるものではない。

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養子の斡旋に係る運用指針について

2006-08-30 10:24:30 | Weblog
養子あっせんに「指針」…厚労省,金銭トラブル多発で YOMIURI ONLINE

 運用指針は,養親から徴収できる費用は実費のみとした。自ずと,営利の意義もあぶり出される。今後は,罰則の適用もあり得るだろう(児童福祉法第60条)。

 しかし,実費の例示としてあげられた「養親の研修や面接,カウンセリングなどの費用」「実母の出産費用」などを見ると,いろいろ問題はありそう。
詳細はわからないものの,「実母の出産費用」などは,出生前からの養子縁組契約を前提としていると読めないこともない。これだと,出産費用の中身を膨らませていけば,人身売買と変わりがなくなってしまう。このような契約やそのあっせんは公序に反するということはないか。

 この種の指針は行為規範として重要な意義を持つ。早めの公表をお願いしたいもの。


児童福祉法の関連条文

第三十四条  何人も,次に掲げる行為をしてはならない。
一  身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為
二  児童にこじきをさせ,又は児童を利用してこじきをする行為
三  公衆の娯楽を目的として,満十五歳に満たない児童にかるわざ又は曲馬をさせる行為
四  満十五歳に満たない児童に戸々について,又は道路その他これに準ずる場所で歌謡,遊芸その他の演技を業務としてさせる行為
四の二  児童に午後十時から午前三時までの間,戸々について,又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売,配布,展示若しくは拾集又は役務の提供を業務としてさせる行為
四の三  戸々について,又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売,配布,展示若しくは拾集又は役務の提供を業務として行う満十五歳に満たない児童を,当該業務を行うために,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 (昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第四項 の接待飲食等営業,同条第六項 の店舗型性風俗特殊営業及び同条第九項 の店舗型電話異性紹介営業に該当する営業を営む場所に立ち入らせる行為
五  満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為
六  児童に淫行をさせる行為
七  前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し,刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に,情を知つて,児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知つて,他人に児童を引き渡す行為
八  成人及び児童のための正当な職業紹介の機関以外の者が,営利を目的として,児童の養育をあつせんする行為
九  児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて,これを自己の支配下に置く行為
2  児童養護施設,知的障害児施設,知的障害児通園施設,盲ろうあ児施設,肢体不自由児施設又は児童自立支援施設においては,それぞれ第四十一条から第四十三条の三まで及び第四十四条に規定する目的に反して,入所した児童を酷使してはならない。

第六十条  第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は,十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
2  第三十四条第一項第一号から第五号まで又は第七号から第九号までの規定に違反した者は,三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
3  第三十四条第二項の規定に違反した者は,一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
4  児童を使用する者は,児童の年齢を知らないことを理由として,前三項の規定による処罰を免れることができない。ただし,過失のないときは,この限りでない。
5  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関して,第一項から第三項までの違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,当該各項の罰金刑を科する。
6  第二項(第三十四条第一項第七号及び第九号の規定に違反した者に係る部分に限る。)の罪は,刑法第四条の二 の例に従う。

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パソコンの発火について

2006-08-30 08:39:29 | Weblog
アップル製ノート,国内でも出火事故・経産省,原因究明求める NIKKEI NET

 夏場は,落雷や発熱など,PCの利用には何かと気を遣う季節。しかし,火を噴くとは・・・。
こうなると,「PC使っても,家焼くな」だ。

経済産業省 ノートPC搭載リチウムイオン電池の不具合への対処について(第2報)


消費生活用製品安全法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生の防止を図るため,特定製品の製造及び販売を規制するとともに,消費生活用製品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進し,もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。

(危害防止命令)
第三十一条  主務大臣は,次の各号に掲げる事由により一般消費者の生命又は身体について危害が発生するおそれがあると認める場合において,当該危害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは,当該各号に規定する者に対し,販売した当該特定製品の回収を図ることその他当該特定製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の拡大を防止するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
一  特定製品の製造,輸入又は販売の事業を行う者が第四条第一項の規定に違反して特定製品を販売したこと。
二  届出事業者がその届出に係る型式の特定製品で技術基準に適合しないものを製造し,輸入し,又は販売したこと(第十一条第一項ただし書の規定の適用を受けて製造し,又は輸入した場合を除く。)。

(緊急命令)
第八十二条  主務大臣は,消費生活用製品の欠陥により一般消費者の生命又は身体について重大な危害が発生し,又は発生する急迫した危険がある場合において,当該危害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは,政令で定める場合を除き,必要な限度において,その製品の製造又は輸入の事業を行う者に対し,その製造又は輸入に係るその製品の回収を図ることその他その製品による一般消費者の生命又は身体に対する重大な危害の拡大を防止するために必要な応急の措置をとるべきことを命ずることができる。

(報告の徴収)
第八十三条  主務大臣は,この法律を施行するため必要があると認めるときは,政令で定めるところにより,消費生活用製品の製造,輸入又は販売の事業を行う者に対し,その業務の状況(届出事業者に対しては業務又は経理の状況)に関し報告をさせることができる。
2  主務大臣は,この法律を施行するため必要があると認めるときは,国内登録検査機関に対し,その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。

(立入検査)
第八十四条  主務大臣は,この法律を施行するため必要があると認めるときは,その職員に,消費生活用製品の製造,輸入又は販売の事業を行う者の事務所,工場,事業場,店舗又は倉庫に立ち入り,消費生活用製品,帳簿,書類その他の物件を検査させることができる。
2  主務大臣は,この法律を施行するため必要があると認めるときは,その職員に,国内登録検査機関の事務所又は事業所に立ち入り,業務の状況又は帳簿,書類その他の物件を検査させることができる。
3  前二項の規定により職員が立入検査をする場合においては,その身分を示す証明書を携帯し,関係者に提示しなければならない。
4  主務大臣は,必要があると認めるときは,機構に,第一項又は第二項の規定による立入検査を行わせることができる。
5  主務大臣は,前項の規定により機構に立入検査を行わせる場合には,機構に対し,当該立入検査の場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
6  機構は,前項の指示に従つて第四項に規定する立入検査を行つたときは,その結果を主務大臣に報告しなければならない。
7  第四項の規定により機構の職員が立入検査をする場合においては,その身分を示す証明書を携帯し,関係者に提示しなければならない。
8  第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

消費生活用製品安全法施行令の関連条文

(報告の徴収)
第八条  法第八十三条第一項 の規定により主務大臣が消費生活用製品(特定製品を除く。以下この項において同じ。)の製造又は輸入の事業を行う者に対し報告をさせることができる事項は,その製造又は輸入に係る消費生活用製品の種類,数量,製造又は保管若しくは販売の場所,主たる販売先並びに当該消費生活用製品の使用に伴い発生した危害及びその再発の防止のために講じた措置に関する事項その他当該消費生活用製品の製造又は輸入の業務に関する事項とする。
2  法第八十三条第一項 の規定により主務大臣が特定製品の製造又は輸入の事業を行う者に対し報告をさせることができる事項は,その製造又は輸入に係る特定製品の種類(届出事業者にあつては,型式),数量,製造又は保管若しくは販売の場所,検査記録の内容,主たる販売先並びに当該特定製品の使用に伴い発生した危害及びその再発の防止のために講じた措置に関する事項その他当該特定製品の製造又は輸入の業務に関する事項(届出事業者にあつては,法第六条第四号 の措置に関する事項を含む。)とする。
3  法第八十三条第一項 の規定により主務大臣が消費生活用製品の販売の事業を行う者に対し報告をさせることができる事項は,その販売に係る消費生活用製品の種類,数量,保管又は販売の場所,購入先及び主たる販売先に関する事項その他当該消費生活用製品の販売の業務に関する事項とする。

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被告人を接見室まで連れて行くのに約30分かかる拘置所について

2006-08-29 23:29:10 | Weblog
「接見できなかったのは違法」10万円支払い命令 東京地裁判決 Sankei Web

 受付から接見まで29分。いかに東京拘置所の規模が大きいとは言っても,これはないのではないか。
中村裁判長の「接見までの時間がかかり過ぎ。職員の事務手続きの不手際か,拘置所の体制に問題があったと言わざるを得ない」はもっとも。
時差式で昼休みをとるという発想がないのも不思議。


日本国憲法の関連条文

第三十四条  何人も,理由を直ちに告げられ,且つ,直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ,抑留又は拘禁されない。又,何人も,正当な理由がなければ,拘禁されず,要求があれば,その理由は,直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

刑事訴訟法の関連条文

第三十九条  身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は,弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては,第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し,又は書類若しくは物の授受をすることができる。
2  前項の接見又は授受については,法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で,被告人又は被疑者の逃亡,罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。
3  検察官,検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は,捜査のため必要があるときは,公訴の提起前に限り,第一項の接見又は授受に関し,その日時,場所及び時間を指定することができる。但し,その指定は,被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

「一般職の職員の勤務時間,休暇等に関する法律」の関連条文

(休憩時間)
第九条  各省各庁の長は,第六条第二項若しくは第三項,第七条又は前条の規定により勤務時間を割り振る場合には,人事院規則の定めるところにより,休憩時間を置かなければならない。

(休息時間)
第八条  各省各庁の長は,できる限り,おおむね四時間の連続する正規の勤務時間ごとに,十五分の休息時間を置かなければならない。この場合において,休息時間は,正規の勤務時間の始め又は終わりに置いてはならない。
2  休息時間は,正規の勤務時間に含まれるものとし,これを与えられなかった場合においても,繰り越されることはない。

「人事院規則一五―一四(職員の勤務時間,休日及び休暇)」の関連条文

(趣旨)
第一条  職員の勤務時間,休日及び休暇に関する事項については,別に定めるもののほか,この規則の定めるところによる。

(休憩時間)
第七条  各省各庁の長は,おおむね毎四時間の連続する正規の勤務時間(勤務時間法第十三条第一項に規定する正規の勤務時間をいう。以下同じ。)の後に,三十分以上の休憩時間を置かなければならない。
2  各省各庁の長は,勤務時間法第六条第二項の規定により勤務時間を割り振る場合において,前項の規定によると能率を阻害すると認めるときは,同項の規定にかかわらず,次に掲げる基準に適合するように休憩時間を置くことができる。
一  正午から午後一時までの時間帯において,連続する正規の勤務時間が五時間三十分を超えることとなる前に三十分以上の休憩時間を置くこと。
二  前号の休憩時間の終わる時刻から連続する正規の勤務時間が五時間三十分を超えることとなる前に三十分以上の休憩時間を置くこと。
3  前項の規定は,勤務時間法第六条第三項の規定により勤務時間を割り振る場合について準用する。この場合において,前項第二号中「前号の休憩時間の終わる時刻から」とあるのは,「午後五時から午後七時までの時間帯において,」と読み替えるものとする。
4  職員は,休憩時間を自由に利用することができる。

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政党ビラを配布するためのマンションへの立ち入りについて

2006-08-28 16:44:52 | Weblog
asahi.com マンションへの政党ビラまき,被告に無罪判決 東京地裁

 記事には,「判決は,明確な「立ち入り禁止」の警告に従わずに立ち入れば住居侵入罪にあたるとした(後略)」とある。ここが重要。住居侵入罪(刑法第130条)の保護法益につき,いわゆる「新住居権説」に立ち,住居権者ないし管理権者の意思を重視すればそうなるのだろう。
今後,「関係者以外の方の一切の立ち入りを禁止します」といった類の張り紙が増えるかもしれない。

 おやっと思ったのは,「警察で事情を聴かれ,帰宅しようとすると「住民男性によって住居侵入容疑で現行犯逮捕されている」と説明を受け,そのまま23日間,身柄拘束された。」という部分。
逮捕とは,普通,短時間ではあるにせよ,身柄の拘束を伴うものではないのか。だからこそ,現行犯逮捕の場合は捜査機関への引き渡しが規定されている(刑訴法第214条)。
住民男性の「見とがめ」をもって現行犯逮捕というのはいくら何でも無理がある。

 本件で「おまえは既に逮捕されている」と言われても,私なら納得しないだろう。


刑事訴訟法の関連条文

第二百十一条  前条の規定により被疑者が逮捕された場合には,第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。

第二百十二条  現に罪を行い,又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
2  左の各号の一にあたる者が,罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは,これを現行犯人とみなす。
一  犯人として追呼されているとき。
二  贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
三  身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
四  誰何されて逃走しようとするとき。

第二百十三条  現行犯人は,何人でも,逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

第二百十四条  検察官,検察事務官及び司法警察職員以外の者は,現行犯人を逮捕したときは,直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。

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国の訴訟体制の強化について

2006-08-27 20:46:27 | Weblog
国の訴訟体制強化へ,相次ぐ敗訴で専門スタッフ増員 YOMIURI ONLINE

 強化すべきは訴訟体制より,政策判断そのものでは・・・。

 さて,国にとって最良の訴訟対策は,国に辛(から)い判事を退任させることだろうか。冗談である(憲法第78条ほか参照)。

 しかし,こんな話しもある。
昔,公務員の労働基本権に一定の理解を示していた某国の裁判所が,短期間にその方針を転換し,公務員の争議行為の全面禁止は憲法違反ではないとの立場を取るに至ったとのこと。
背景に,公務員の労働基本権に寛容な裁判所の態度に危機感を抱いた政権与党の暗躍,もっとはっきり言うと,政治的意図をもって,ハト派判事の退官 → タカ派判事の任命,がおこなわれたということがあるらしい。
某国(亡国)なのでどこかはわからないが,怖い話しである。法原理機関(部門)も何もあったものではない。某国(亡国)の話しである。


日本国憲法の関連条文

第六条  天皇は,国会の指名に基いて,内閣総理大臣を任命する。
2  天皇は,内閣の指名に基いて,最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第二十八条  勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は,これを保障する。

第七十六条  すべて司法権は,最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2  特別裁判所は,これを設置することができない。行政機関は,終審として裁判を行ふことができない。
3  すべて裁判官は,その良心に従ひ独立してその職権を行ひ,この憲法及び法律にのみ拘束される。

第七十八条  裁判官は,裁判により,心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては,公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は,行政機関がこれを行ふことはできない。

第七十九条  最高裁判所は,その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し,その長たる裁判官以外の裁判官は,内閣でこれを任命する。
2  最高裁判所の裁判官の任命は,その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し,その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し,その後も同様とする。
3  前項の場合において,投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは,その裁判官は,罷免される。
4  審査に関する事項は,法律でこれを定める。
5  最高裁判所の裁判官は,法律の定める年齢に達した時に退官する。
6  最高裁判所の裁判官は,すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は,在任中,これを減額することができない。

第八十条  下級裁判所の裁判官は,最高裁判所の指名した者の名簿によつて,内閣でこれを任命する。その裁判官は,任期を十年とし,再任されることができる。但し,法律の定める年齢に達した時には退官する。
2  下級裁判所の裁判官は,すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は,在任中,これを減額することができない。

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学校施設使用の許否に係る裁量権の逸脱について

2006-08-26 22:43:04 | Weblog
賠償命令:教組集会の学校施設使用,不許可は違法 都に支払い命じる--地裁 / 東京 MSN毎日インタラクティブ

 公物管理権による集会の自由(憲法第21条第1項)の制限の問題。

 学校という公共施設の主要な設置目的は「教育」にある。「集会」ではない。
しかし,本来的目的ではないとしても,その集会が教育的意義を有するものであるなら,学校管理上支障があるような場合は格別,そうでない限り,使用を許可すべきである(学校教育法第85条参照)。
この点,下記本年2月の最判は,学校教育法第85条の学校教育上の支障がある場合とは,「物理的支障がある場合に限られるものではなく,教育的配慮の観点から,児童,生徒に対し精神的悪影響を与え,学校の教育方針にもとることとなる場合も含まれ,現在の具体的な支障がある場合だけでなく,将来における教育上の支障が生ずるおそれが明白に認められる場合も含まれる。」とした。

 記事には,「集会の案内書に,新たに導入される予定の障害児教育の方針に反対する記述があるとして許可しなかった。」とある。
詳細はわからないが,本判決,集会の主要な目的は新方針反対とは別にあり,「学校の教育方針にもとることとなる場合」などにはあたらないと判断したのであろう。

 いずれにしても,集会の自由の重要性に鑑みれば,使用の許否を管理権者の自由裁量のように考えるのは問題である。

判例検索システム 平成18年02月07日 損害賠償請求

判例検索システム 平成8年03月15日 国家賠償


日本国憲法の関連条文

第二十一条  集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。
2  検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,これを侵してはならない。

学校教育法の関連条文

第八十五条  学校教育上支障のない限り,学校には,社会教育に関する施設を附置し,又は学校の施設を社会教育その他公共のために,利用させることができる。

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法テラスの電話番号の公表について

2006-08-25 21:45:10 | Weblog
法テラスが電話番号公表/10月2日から相談受け付け - さきがけonTheWeb

 コールセンターの電話番号は以下のとおり。

 法制度や関係機関に関する情報提供 (0570)078374
 犯罪被害者支援 (0570)079714

それぞれ,「お悩みなし」「泣くことないよ」の語呂合わせとか。「悩み無用」は発毛の方。

法テラス(日本司法支援センター):平成18年10月業務開始!


総合法律支援法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,内外の社会経済情勢の変化に伴い,法による紛争の解決が一層重要になることにかんがみ,裁判その他の法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに弁護士及び弁護士法人並びに司法書士その他の隣接法律専門職者(弁護士及び弁護士法人以外の者であって,法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者をいう。以下同じ。)のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援(以下「総合法律支援」という。)の実施及び体制の整備に関し,その基本理念,国等の責務その他の基本となる事項を定めるとともに,その中核となる日本司法支援センターの組織及び運営について定め,もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを目的とする。

(この章の目的)
第十三条  日本司法支援センター(以下「支援センター」という。)の組織及び運営については,この章の定めるところによる。

(支援センターの目的)
第十四条  支援センターは,総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うことを目的とする。

(法人格)
第十五条  支援センターは,法人とする。

(事務所)
第十六条  支援センターは,主たる事務所を東京都に置く。
2  支援センターは,前項の主たる事務所のほか,地域の実情,業務の効率性その他の事情を勘案して必要な地に,事務所を置くことができる。

(資本金)
第十七条  支援センターの資本金は,設立に際し,政府が出資する金額とする。
2  支援センターは,必要があるときは,法務大臣の認可を受けて,その資本金を増加することができる。
3  政府及び地方公共団体(以下「政府等」という。)は,前項の規定により支援センターがその資本金を増加するときは,支援センターに出資することができる。
4  政府等は,前項の規定により支援センターに出資するときは,土地,建物その他の土地の定着物(以下「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。
5  前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は,出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6  前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は,政令で定める。
7  政府等以外の者は,支援センターに出資することができない。

(名称の使用制限)
第十八条  支援センターでない者は,日本司法支援センターという名称を用いてはならない。

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会計参与導入の状況について

2006-08-24 10:02:52 | Weblog
「会計参与」中小企業300社導入・経理の信頼性向上狙う NIKKEI NET

 やはり,顧問税理士等の横すべりが多いのだろうか。

 会計参与の導入,会計参与が関わった計算書類の信頼性の向上,その信頼性を担保とした融資商品等の開発は,相互に作用し合いながら進展していくのだろう。

 ご存じのとおり,会計参与の設置は任意(会社法第326条第2項。なお,同第327条第2項,同第477条第6項等参照)。ただ,特例有限会社は会計参与を設置できない(整備法第17条)。会計参与設置のメリット多しとなれば,特例有限会社から通常の株式会社への移行も進むと思われる。

 なお,会計参与の計算書類等を作成する際の規範として日本公認会計士協会ほかの「中小企業の会計に関する指針」がある。

日本公認会計士協会 中小企業の会計に関する指針


会社法の関連条文

(株主総会以外の機関の設置)
第三百二十六条  株式会社には,一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
2  株式会社は,定款の定めによって,取締役会,会計参与,監査役,監査役会,会計監査人又は委員会を置くことができる。

(取締役会等の設置義務等)
第三百二十七条  次に掲げる株式会社は,取締役会を置かなければならない。
一  公開会社
二  監査役会設置会社
三  委員会設置会社
2  取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)は,監査役を置かなければならない。ただし,公開会社でない会計参与設置会社については,この限りでない。
3  会計監査人設置会社(委員会設置会社を除く。)は,監査役を置かなければならない。
4  委員会設置会社は,監査役を置いてはならない。
5  委員会設置会社は,会計監査人を置かなければならない。

(会計参与の権限)
第三百七十四条  会計参与は,取締役と共同して,計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書,臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。この場合において,会計参与は,法務省令で定めるところにより,会計参与報告を作成しなければならない。
2  会計参与は,いつでも,次に掲げるものの閲覧及び謄写をし,又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。
一  会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは,当該書面
二  会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは,当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3  会計参与は,その職務を行うため必要があるときは,会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め,又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4  前項の子会社は,正当な理由があるときは,同項の報告又は調査を拒むことができる。
5  会計参与は,その職務を行うに当たっては,第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。
6  委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については,第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と,第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。

(会計参与の報告義務)
第三百七十五条  会計参与は,その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは,遅滞なく,これを株主(監査役設置会社にあっては,監査役)に報告しなければならない。
2  監査役会設置会社における前項の規定の適用については,同項中「株主(監査役設置会社にあっては,監査役)」とあるのは,「監査役会」とする。
3  委員会設置会社における第一項の規定の適用については,同項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と,「株主(監査役設置会社にあっては,監査役)」とあるのは「監査委員会」とする。

(取締役会への出席)
第三百七十六条  取締役会設置会社の会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては,その職務を行うべき社員。以下この条において同じ。)は,第四百三十六条第三項,第四百四十一条第三項又は第四百四十四条第五項の承認をする取締役会に出席しなければならない。この場合において,会計参与は,必要があると認めるときは,意見を述べなければならない。
2  会計参与設置会社において,前項の取締役会を招集する者は,当該取締役会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては,その期間)前までに,各会計参与に対してその通知を発しなければならない。
3  会計参与設置会社において,第三百六十八条第二項の規定により第一項の取締役会を招集の手続を経ることなく開催するときは,会計参与の全員の同意を得なければならない。

(株主総会における意見の陳述)
第三百七十七条  第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは,会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては,その職務を行うべき社員)は,株主総会において意見を述べることができる。
2  委員会設置会社における前項の規定の適用については,同項中「取締役」とあるのは,「執行役」とする。

(会計参与による計算書類等の備置き等)
第三百七十八条  会計参与は,次の各号に掲げるものを,当該各号に定める期間,法務省令で定めるところにより,当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。
一  各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては,二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては,同項の提案があった日)から五年間
二  臨時計算書類及び会計参与報告 臨時計算書類を作成した日から五年間
2  会計参与設置会社の株主及び債権者は,会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は,いつでも,会計参与に対し,次に掲げる請求をすることができる。ただし,第二号又は第四号に掲げる請求をするには,当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。
一  前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは,当該書面の閲覧の請求
二  前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三  前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは,当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四  前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3  会計参与設置会社の親会社社員は,その権利を行使するため必要があるときは,裁判所の許可を得て,当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし,同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには,当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。

(会計参与の報酬等)
第三百七十九条  会計参与の報酬等は,定款にその額を定めていないときは,株主総会の決議によって定める。
2  会計参与が二人以上ある場合において,各会計参与の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは,当該報酬等は,前項の報酬等の範囲内において,会計参与の協議によって定める。
3  会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては,その職務を行うべき社員)は,株主総会において,会計参与の報酬等について意見を述べることができる。

(費用等の請求)
第三百八十条  会計参与がその職務の執行について会計参与設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは,当該会計参与設置会社は,当該請求に係る費用又は債務が当該会計参与の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き,これを拒むことができない。
一  費用の前払の請求
二  支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
三  負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては,相当の担保の提供)の請求

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誤発注に係る賠償請求について

2006-08-23 22:05:24 | Weblog
みずほ証券 誤発注賠償請求 YOMIURI ONLINE

 東証は,昨年12月のプレスリリースで,「注文取消の指示が,当取引所において受け付けられなかった点につきましては,当取引所システムの不具合によるものであることが判明いたしました。」とはしていたが,同時に,その不具合は「例外的状況において生ずる不具合」としていた。
東証の論法は,「例外的状況において生ずる不具合」 → 重過失なし → 取引参加者規程により免責,ということか。

 記事には,「西室社長は22日の会見で「我々に大きな損害が発生すれば,(システム開発を担当した)富士通と損害賠償の話をすることがあり得る」と述べており 云々」とある。
富士通のシステム開発を考慮不十分とする東証としては,訴訟になった場合,富士通に対する訴訟告知を検討することになろう。

東証 投資家及び関係の皆様へ -12月8日のジェイコム(株)株式の注文取消処理に係る株式・CB売買システムの不具合について-

判例検索シシテム 昭和45年10月22日 家賃金等本訴並びに反訴請求


民事訴訟法の関連条文

(補助参加)
第四十二条  訴訟の結果について利害関係を有する第三者は,当事者の一方を補助するため,その訴訟に参加することができる。

(補助参加の申出)
第四十三条  補助参加の申出は,参加の趣旨及び理由を明らかにして,補助参加により訴訟行為をすべき裁判所にしなければならない。
2  補助参加の申出は,補助参加人としてすることができる訴訟行為とともにすることができる。

(補助参加についての異議等)
第四十四条  当事者が補助参加について異議を述べたときは,裁判所は,補助参加の許否について,決定で,裁判をする。この場合においては,補助参加人は,参加の理由を疎明しなければならない。
2  前項の異議は,当事者がこれを述べないで弁論をし,又は弁論準備手続において申述をした後は,述べることができない。
3  第一項の裁判に対しては,即時抗告をすることができる。

(補助参加人の訴訟行為)
第四十五条  補助参加人は,訴訟について,攻撃又は防御の方法の提出,異議の申立て,上訴の提起,再審の訴えの提起その他一切の訴訟行為をすることができる。ただし,補助参加の時における訴訟の程度に従いすることができないものは,この限りでない。
2  補助参加人の訴訟行為は,被参加人の訴訟行為と抵触するときは,その効力を有しない。
3  補助参加人は,補助参加について異議があった場合においても,補助参加を許さない裁判が確定するまでの間は,訴訟行為をすることができる。
4  補助参加人の訴訟行為は,補助参加を許さない裁判が確定した場合においても,当事者が援用したときは,その効力を有する。

(補助参加人に対する裁判の効力)
第四十六条  補助参加に係る訴訟の裁判は,次に掲げる場合を除き,補助参加人に対してもその効力を有する。
一  前条第一項ただし書の規定により補助参加人が訴訟行為をすることができなかったとき。
二  前条第二項の規定により補助参加人の訴訟行為が効力を有しなかったとき。
三  被参加人が補助参加人の訴訟行為を妨げたとき。
四  被参加人が補助参加人のすることができない訴訟行為を故意又は過失によってしなかったとき。

(訴訟告知)
第五十三条  当事者は,訴訟の係属中,参加することができる第三者にその訴訟の告知をすることができる。
2  訴訟告知を受けた者は,更に訴訟告知をすることができる。
3  訴訟告知は,その理由及び訴訟の程度を記載した書面を裁判所に提出してしなければならない。
4  訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても,第四十六条の規定の適用については,参加することができた時に参加したものとみなす。

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