法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

弁護士による5分程度の回答について

2007-06-30 21:42:54 | Weblog
法テラス電話相談,2日から弁護士が5分ほど直接回答 YOMIURI ONLINE

 法テラスの業務に係る総合法律支援法30条第1項第1号には「次に掲げる情報及び資料を収集して整理し,情報通信の技術を利用する方法その他の方法により,一般の利用に供し,又は個別の依頼に応じて提供すること。」とあり,提供等すべき項目のひとつに「裁判その他の法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資するもの」とある。
しかし,「5分程度で法制度や関係機関を紹介」はいかにも厳しい。この試み,相談件数増加につながるだろうか。

日本司法支援センター 法テラス


総合法律支援法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,内外の社会経済情勢の変化に伴い,法による紛争の解決が一層重要になることにかんがみ,裁判その他の法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに弁護士及び弁護士法人並びに司法書士その他の隣接法律専門職者(弁護士及び弁護士法人以外の者であって,法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者をいう。以下同じ。)のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援(以下「総合法律支援」という。)の実施及び体制の整備に関し,その基本理念,国等の責務その他の基本となる事項を定めるとともに,その中核となる日本司法支援センターの組織及び運営について定め,もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを目的とする。

(基本理念)
第二条  総合法律支援の実施及び体制の整備は,次条から第七条までの規定に定めるところにより,民事,刑事を問わず,あまねく全国において,法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現することを目指して行われるものとする。

(情報提供の充実強化)
第三条  総合法律支援の実施及び体制の整備に当たっては,法による紛争の迅速かつ適切な解決に資するよう,裁判その他の法による紛争の解決のための制度を有効に利用するための情報及び資料のほか,弁護士,弁護士法人及び隣接法律専門職者の業務並びに弁護士会,日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体(隣接法律専門職者が法律により設立を義務付けられている法人及びその法人が法律により設立を義務付けられている法人をいう。以下同じ。)の活動に関する情報及び資料が提供される態勢の充実強化が図られなければならない。

(業務の範囲)
第三十条  支援センターは,第十四条の目的を達成するため,総合法律支援に関する次に掲げる業務を行う。
一  次に掲げる情報及び資料を収集して整理し,情報通信の技術を利用する方法その他の方法により,一般の利用に供し,又は個別の依頼に応じて提供すること。
イ 裁判その他の法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資するもの
ロ 弁護士,弁護士法人及び隣接法律専門職者の業務並びに弁護士会,日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体の活動に関するもの
二  民事裁判等手続において自己の権利を実現するための準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない国民若しくは我が国に住所を有し適法に在留する者(以下「国民等」という。)又はその支払により生活に著しい支障を生ずる国民等を援助する次に掲げる業務
イ 民事裁判等手続の準備及び追行(民事裁判等手続に先立つ和解の交渉で特に必要と認められるものを含む。)のため代理人に支払うべき報酬及びその代理人が行う事務の処理に必要な実費の立替えをすること。
ロ イに規定する立替えに代え,イに規定する報酬及び実費に相当する額を支援センターに支払うことを約した者のため,適当な契約弁護士等にイの代理人が行う事務を取り扱わせること。
ハ 弁護士法 (昭和二十四年法律第二百五号)その他の法律により依頼を受けて裁判所に提出する書類を作成することを業とすることができる者に対し民事裁判等手続に必要な書類の作成を依頼して支払うべき報酬及びその作成に必要な実費の立替えをすること。
ニ ハに規定する立替えに代え,ハに規定する報酬及び実費に相当する額を支援センターに支払うことを約した者のため,適当な契約弁護士等にハに規定する書類を作成する事務を取り扱わせること。
ホ 弁護士法 その他の法律により法律相談を取り扱うことを業とすることができる者による法律相談(刑事に関するものを除く。)を実施すること。
三  国の委託に基づく国選弁護人の選任に関する次に掲げる業務
イ 裁判所若しくは裁判長又は裁判官の求めに応じ,支援センターとの間で国選弁護人の事務を取り扱うことについて契約をしている弁護士(以下「国選弁護人契約弁護士」という。)の中から,国選弁護人の候補を指名し,裁判所若しくは裁判長又は裁判官に通知すること。
ロ イの通知に基づき国選弁護人に選任された国選弁護人契約弁護士にその事務を取り扱わせること。
四  弁護士,弁護士法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないことその他の事情によりこれらの者に対して法律事務の取扱いを依頼することに困難がある地域において,その依頼に応じ,相当の対価を得て,適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせること。
五  被害者等の援助に関する次に掲げる情報及び資料を収集して整理し,情報通信の技術を利用する方法その他の方法により,一般の利用に供し,又は個別の依頼に応じて提供すること。この場合においては,被害者等の援助に精通している弁護士を紹介する等被害者等の援助が実効的に行われることを確保するために必要な措置を講ずるよう配慮すること。
イ 刑事手続への適切な関与及び被害者等が受けた損害又は苦痛の回復又は軽減を図るための制度その他の被害者等の援助に関する制度の利用に資するもの
ロ 被害者等の援助を行う団体その他の者の活動に関するもの
六  国,地方公共団体,弁護士会,日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体,弁護士,弁護士法人及び隣接法律専門職者,裁判外紛争解決手続を行う者,被害者等の援助を行う団体その他の者並びに高齢者又は障害者の援助を行う団体その他の関係する者の間における連携の確保及び強化を図ること。
七  支援センターの業務に関し,講習又は研修を実施すること。
八  前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2  支援センターは,前項の業務のほか,これらの業務の遂行に支障のない範囲内で,第三十四条第一項に規定する業務方法書で定めるところにより,国,地方公共団体,民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三十四条 の法人その他の営利を目的としない法人又は国際機関の委託を受けて,被害者等の援助その他に関し,次の業務を行うことができる。
一  その委託に係る法律事務を契約弁護士等に取り扱わせること。
二  前号の業務に附帯する業務を行うこと。
3  支援センターが前二項の業務として契約弁護士等に取り扱わせる事務については,支援センターがこれを取り扱うことができるものと解してはならない。

(業務の合目的性)
第三十一条  前条第一項第一号,第二号,第四号及び第五号の各業務並びに同条第二項第一号の業務は,その利益を得る者の権利を実現することに資すると認められる限りにおいて行うものとする。

(支援センター等の義務等)
第三十二条  支援センターは,前条に規定する業務が,これを必要とする者にとって利用しやすいものとなるよう配慮するとともに,第三十条第一項第二号及び第三号の各業務については,その統一的な運営体制の整備及び全国的に均質な遂行の実現に努めなければならない。
2  支援センターは,前項に規定する者が高齢者及び障害者等法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供を求めることに困難がある者である場合には,前条に規定する業務が利用しやすいものとなるように特別の配慮をしなければならない。
3  支援センターは,第三十条第一項第一号,第四号及び第五号並びに同条第二項第一号の各業務の運営に当たっては,地方公共団体,弁護士会,日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体,弁護士,弁護士法人及び隣接法律専門職者,裁判外紛争解決手続を行う者,被害者等の援助を行う団体その他の者並びに高齢者又は障害者の援助を行う団体その他の関係する者の総合法律支援に関する取組との連携の下でこれを補完することに意を用いなければならない。
4  支援センターは,地域における業務の運営に当たり,協議会の開催等により,広く利用者その他の関係者の意見を聴いて参考とし,当該地域の実情に応じた運営に努めなければならない。
5  地方公共団体は,支援センターに対して,その地域において行われる第三十条に規定する業務に関し必要な協力をすることができる。
6  支援センターは,業務の運営に当たり,弁護士会及び日本弁護士連合会並びに隣接法律専門職者団体に対して,意見の開陳その他必要な協力を求めることができる。

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国有財産売却に係る新手法の導入について

2007-06-29 21:06:14 | Weblog
国有地売却,用途も審査・財務省方針,転売など防止 NIKKEI NET

 国有地の大量売却に向けた法改正のよう。
現行の国有財産法第29条にも,「普通財産の売払い又は譲与をする場合は,当該財産を所管する各省各庁の長は,その買受人又は譲与を受けた者に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなければならない。ただし,政令で定める場合に該当するときは,この限りでない。」とあるが,これでは不十分ということなのだろう。
因みに,用途指定を要しない場合は国有財産法施行令第16条の7が規定しており,例えば,第2号には,「法律の規定により減額して売払いをするときを除き,売払価格が千万円を超えない財産の売払いをする場合 」などとある。


国有財産法の関連条文

(譲与)
第二十八条  普通財産は,次に掲げる場合においては,譲与することができる。
一  公共団体において維持及び保存の費用を負担した公共用財産の用途を廃止した場合において,当該用途の廃止によつて生じた普通財産をその負担した費用の額が当該用途の廃止時における当該財産の価額に対して占める割合に対応する価額の範囲内において当該公共団体に譲与するとき。
二  公共団体又は私人において公共用財産の用途に代わるべき他の施設をしたためその用途を廃止した場合において,当該用途の廃止によつて生じた普通財産をその負担した費用の額が当該用途の廃止時における当該財産の価額に対して占める割合に対応する価額の範囲内において当該公共団体又は当該私人若しくはその相続人その他の包括承継者に譲与するとき。
三  公共用財産のうち寄附に係るものの用途を廃止した場合において,当該用途の廃止によつて生じた普通財産をその寄附者又はその相続人その他の包括承継者に譲与するとき。ただし,寄附の際特約をした場合を除くほか,寄附を受けた後二十年を経過したものについては,この限りでない。
四  公共団体において火葬場,墓地,ごみ処理施設,し尿処理施設又はと畜場として公共の用に供する普通財産を当該公共団体に譲与するとき。ただし,公共団体における当該施設の経営が営利を目的とし,又は利益をあげる場合においては,この限りでない。

(用途指定の売払い等)
第二十九条  普通財産の売払い又は譲与をする場合は,当該財産を所管する各省各庁の長は,その買受人又は譲与を受けた者に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなければならない。ただし,政令で定める場合に該当するときは,この限りでない。

第三十条  前条の規定によつて用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定して普通財産の売払い又は譲与をした場合において,指定された期日を経過してもなおその用途に供せず,又はその用途に供した後指定された期間内にその用途を廃止したときは,当該財産を所管した各省各庁の長は,その契約を解除することができる。
2  前項の規定により契約を解除した場合において,損害の賠償を求めるときは,各省各庁の長は,その額について財務大臣に協議しなければならない。

(売払代金等の納付)
第三十一条  普通財産の売払代金又は交換差金は,当該財産の引渡前に納付させなければならない。ただし,当該財産の譲渡を受けた者が公共団体又は教育若しくは社会事業を営む団体である場合において,各省各庁の長は,その代金又は差金を一時に支払うことが困難であると認めるときは,確実な担保を徴し,利息を付し,五年以内の延納の特約をすることができる。
2  前項ただし書の規定により延納の特約をしようとする場合において,普通財産の譲渡を受けた者が地方公共団体であるときは,担保を徴しないことができる。
3  第一項ただし書の規定により延納の特約をしようとするときは,各省各庁の長は,延納期限,担保及び利率について,財務大臣に協議しなければならない。
4  第一項ただし書の規定により延納の特約をした場合において,当該財産の譲渡を受けた者のする管理が適当でないと認めるときは,各省各庁の長は,直ちにその特約を解除しなければならない。

国有財産法施行令の関連条文

(用途指定を要しない場合)
第十六条の七  法第二十九条 ただし書の政令で定める場合は,次に掲げる場合とする。
一  競争に付して売払いをする場合
二  法律の規定により減額して売払いをするときを除き,売払価格が千万円を超えない財産の売払いをする場合
三  建物,工作物,船舶若しくは航空機の解体,立木竹の伐採又は機械器具のくず化を条件とする売払い又は譲与をする場合で財務大臣が定める場合
四  法第二条第一項第六号 に掲げる財産の売払いをする場合
五  土地,建物,工作物又は立木竹を特別の縁故がある者に対し売り払い,又は譲与する場合で財務大臣が定める場合
六  前各号に掲げる場合のほか,特別の事情があるため,用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間の指定を要しないものとして財務大臣が定める場合

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強硬手段も辞さない構えについて

2007-06-28 21:40:26 | Weblog
asahi.com 公務員法案週内成立へ 委員会採決省略辞せず 与党方針

 国会法第56条の3を覗くと,第1項に「各議院は,委員会の審査中の案件について特に必要があるときは,中間報告を求めることができる。」とあり,これを受け,第2項に「前項の中間報告があつた案件について,議院が特に緊急を要すると認めたときは,委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。」とある。
記事には,「強硬手段の中間報告」とあるが,強行手段は,議院が特に緊急を要すると認め,議院の会議において審議すること。中間報告を求めること自体が強行手段ではなかろう。
敢えて言うなら,最初から議院での採決を念頭においているという意味で,「中間報告の強行手段化」といったところか。

国会法の関連条文

第五十五条  各議院の議長は,議事日程を定め,予めこれを議院に報告する。
2  議長は,特に緊急の必要があると認めたときは,会議の日時だけを議員に通知して会議を開くことができる。

第五十五条の二  議長は,議事の順序その他必要と認める事項につき,議院運営委員長及び議院運営委員会が選任する議事協議員と協議することができる。この場合において,その意見が一致しないときは,議長は,これを裁定することができる。
2  議長は,議事協議会の主宰を議院運営委員長に委任することができる。
3  議長は,会期中であると閉会中であるとを問わず,何時でも議事協議会を開くことができる。

第五十六条  議員が議案を発議するには,衆議院においては議員二十人以上,参議院においては議員十人以上の賛成を要する。但し,予算を伴う法律案を発議するには,衆議院においては議員五十人以上,参議院においては議員二十人以上の賛成を要する。
2  議案が発議又は提出されたときは,議長は,これを適当の委員会に付託し,その審査を経て会議に付する。但し,特に緊急を要するものは,発議者又は提出者の要求に基き,議院の議決で委員会の審査を省略することができる。
3  委員会において,議院の会議に付するを要しないと決定した議案は,これを会議に付さない。但し,委員会の決定の日から休会中の期間を除いて七日以内に議員二十人以上の要求があるものは,これを会議に付さなければならない。
4  前項但書の要求がないときは,その議案は廃案となる。
5  前二項の規定は,他の議院から送付された議案については,これを適用しない。

第五十六条の二  各議院に発議又は提出された議案につき,議院運営委員会が特にその必要を認めた場合は,議院の会議において,その議案の趣旨の説明を聴取することができる。

第五十六条の三  各議院は,委員会の審査中の案件について特に必要があるときは,中間報告を求めることができる。
2  前項の中間報告があつた案件について,議院が特に緊急を要すると認めたときは,委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。
3  委員会の審査に期限を附けた場合,その期間内に審査を終らなかつたときは,議院の会議においてこれを審議するものとする。但し,議院は,委員会の要求により,審査期間を延長することができる。

第六十一条  各議院の議長は,質疑,討論その他の発言につき,予め議院の議決があつた場合を除いて,時間を制限することができる。
2  議長の定めた時間制限に対して,出席議員の五分の一以上から異議を申し立てたときは,議長は,討論を用いないで,議院に諮らなければならない。
3  議員が時間制限のため発言を終らなかつた部分につき特に議院の議決があつた場合を除いては,議長の認める範囲内において,これを会議録に掲載する。

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銀行代理店の許可件数について

2007-06-27 21:21:42 | Weblog
預金や融資仲介「銀行代理店」,許可は初年度10件 NIKKEI NET

 許可された10件の中に個人3人が含まれている。
許可の基準として,銀行法第52条の38第1項第1号には,「銀行代理業を遂行するために必要と認められる内閣府令で定める基準に適合する財産的基礎を有する者であること。」とある。
銀行法施行規則34条の36第1項は,個人が備えるべき基準として,財産に関する調書等の書面に計上された資産の合計額から負債の合計額を控除した額(純資産額)を300万円以上と定める。

なお,記事によれば,許可を受けた中にまだ営業を始めていない代理店もあるとのこと。
銀行法第52条の57第3号には,許可の失効事由として,「当該許可を受けた日から六月以内に銀行代理業を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において,あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。」とある。


銀行法の関連条文

(許可)
第五十二条の三十六  銀行代理業は,内閣総理大臣の許可を受けた者でなければ,営むことができない。
2  銀行代理業者は,所属銀行の委託を受け,又は所属銀行の委託を受けた銀行代理業者の再委託を受ける場合でなければ,銀行代理業を営んではならない。
3  銀行代理業者は,あらかじめ,所属銀行の許諾を得た場合でなければ,銀行代理業の再委託をしてはならない。

(許可の申請)
第五十二条の三十七  前条第一項の許可を受けようとする者(次条第一項及び第五十二条の四十二第四項において「申請者」という。)は,次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  商号,名称又は氏名
二  法人であるときは,その役員の氏名
三  銀行代理業を営む営業所又は事務所の名称及び所在地
四  所属銀行の商号
五  他に業務を営むときは,その業務の種類
六  その他内閣府令で定める事項
2  前項の申請書には,次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  法人であるときは,定款及び登記事項証明書(これらに準ずるものを含む。)
二  銀行代理業の業務の内容及び方法として内閣府令で定めるものを記載した書類
三  その他内閣府令で定める書類

(許可の基準)
第五十二条の三十八  内閣総理大臣は,第五十二条の三十六第一項の許可の申請があつたときは,申請者が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  銀行代理業を遂行するために必要と認められる内閣府令で定める基準に適合する財産的基礎を有する者であること。
二  人的構成等に照らして,銀行代理業を的確,公正かつ効率的に遂行するために必要な能力を有し,かつ,十分な社会的信用を有する者であること。
三  他に業務を営むことによりその銀行代理業を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼすおそれがあると認められない者であること。
2  内閣総理大臣は,前項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは,その必要の限度において,第五十二条の三十六第一項の許可に銀行代理業の業務の内容その他の事項について条件を付し,及びこれを変更することができる。

(許可の失効)
第五十二条の五十七  銀行代理業者が次の各号のいずれかに該当するときは,第五十二条の三十六第一項の許可は,効力を失う。
一  第五十二条の五十二各号のいずれかに該当することとなつたとき。
二  所属銀行がなくなつたとき。
三  当該許可を受けた日から六月以内に銀行代理業を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において,あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。

銀行法施行規則の関連条文

(財産的基礎)
第三十四条の三十六  法第五十二条の三十八第一項第一号 に規定する内閣府令で定める基準は,第三十四条の三十四第六号に規定する財産に関する調書又は同条第七号に規定する貸借対照表若しくはこれに代わる書面に計上された資産の合計額から負債の合計額を控除した額(次項において「純資産額」という。)が,次の各号に掲げる区分に応じ,当該各号に掲げる額以上であることとする。
一  個人 三百万円
二  法人 五百万円
2  次に掲げる者は,法第五十二条の三十八第一項第一号 に規定する財産的基礎を有するものとみなす。
一  個人(純資産額が負の値でない者に限る。)であつて所属銀行(当該個人が銀行代理業再委託者の再委託を受けて銀行代理業を営む場合は,当該銀行代理業再委託者を含む。)が銀行代理業に係る損害についての保証人(純資産額が前項各号に規定する額以上である者に限る。)の保証を徴している者その他の前項に規定する基準と同等以上の財産的基礎を有していると認められる者
二  地方公共団体

(銀行代理業の許可の審査)
第三十四条の三十七  金融庁長官等は,法第五十二条の三十六第一項 に規定する許可の申請があつた場合において,法第五十二条の三十八第一項 に規定する審査をするときは,次に掲げる事項に配慮するものとする。
一  個人又は法人(外国法人で国内に事務所を有しないものを除く。)であること。
二  前条第一項又は第二項に該当し,かつ,銀行代理業開始後三事業年度を通じて同条第一項又は第二項に該当すると見込まれること。
三  銀行代理業に関する能力を有する者の確保の状況,銀行代理業の業務運営に係る体制等に照らし,次に掲げる要件に該当する等,十分な業務遂行能力を備えていると認められること。
イ 申請者が個人(二以上の事務所で銀行代理業を営む者を除く。)であるときは,その営む銀行代理業の業務に関する十分な知識を有する者であること。ただし,特別銀行代理行為(当座預金の受入れを内容とする契約の締結の代理若しくは媒介又は法第二条第十四項第二号 に掲げる行為(所属銀行が受け入れたその顧客の預金等又は国債を担保として行う貸付契約に係るもの及び事業以外の用に供する資金に係る定型的な貸付契約であつてその契約の締結に係る審査に関与しないものを除く。)をいう。ロにおいて同じ。)を行う場合にあつては,次に掲げる特別銀行代理行為の内容の区分に応じ,それぞれ次に掲げる要件を満たす者であること。
(1) 事業の用に供する資金に係る規格化された貸付商品(資金需要者に関する財務情報の機械的処理のみにより,貸付けの可否及び貸付条件が設定されることがあらかじめ決められている貸付商品をいう。ロ並びに第六号ハ及びニにおいて同じ。)であつてその契約の締結に係る審査に関与しない場合 資金の貸付け業務に一年以上従事した者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者であること(申請者が兼業業務を営まない場合を除く。)。
(2) 法第二条第十四項第二号 に掲げる行為を行わない場合 当座預金業務又は資金の貸付け業務に通算して三年以上従事した者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者であること。
(3) (1)及び(2)以外の場合 資金の貸付け業務に三年以上従事した者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者であること。
ロ 申請者が法人(二以上の事務所で銀行代理業を営む個人を含む。)であるときは,その営む銀行代理業の業務に係る法令等の遵守を確保する業務に係る責任者(当該銀行代理業の業務に関する十分な知識を有するものに限る。)を当該業務を営む営業所又は事務所ごとに,当該責任者を指揮し法令等の遵守の確保を統括管理する業務に係る統括責任者(当該銀行代理業の業務に関する十分な知識を有するものに限る。)を主たる営業所又は事務所の当該業務を統括する部署に(主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所において銀行代理業を営まない法人を除く。),それぞれ配置していること。ただし,特別銀行代理行為を行う場合にあつては,うちそれぞれ一名以上は,次に掲げる特別銀行代理行為の内容の区分に応じ,それぞれ次に掲げる要件を満たす者であること。
(1) 事業の用に供する資金に係る規格化された貸付商品であつてその契約の締結に係る審査に関与しない場合 資金の貸付け業務に一年以上従事した者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者であること(申請者が兼業業務を営まない場合及び申請者が保険会社その他金融庁長官が定めるものである場合を除く。)。
(2) 法第二条第十四項第二号 に掲げる行為を行わない場合 当座預金業務又は資金の貸付け業務に通算して三年以上従事した者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者であること。
(3) (1)及び(2)以外の場合 資金の貸付け業務に三年以上従事した者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者であること。
ハ 法第二条第十四項第一号 及び第三号 に規定する行為を行う場合にあつては,オンライン処理その他の適切な方法により処理する等銀行代理業の業務の態様に応じ必要な事務処理の体制が整備されていること。
ニ 銀行代理業に関する社内規則等を定め,これに基づく業務の運営の検証がされる等,法令等を遵守した運営が確保されると認められること。
ホ 人的構成,資本構成又は組織等により,銀行代理業を的確,公正かつ効率的に遂行することについて支障が生じるおそれがあると認められないこと。
四  申請者が個人であるときは,次のいずれにも該当しないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
ニ 次のいずれかに該当する場合において,その取消しの日(更新の拒否の場合にあつては,当該更新の拒否の処分がなされた日。ヘ及び次号イにおいて同じ。)前三十日以内にその法人の取締役,執行役,会計参与,監査役,理事,監事若しくはこれらに準ずる者又は日本における代表者(法第四十七条第二項 に規定する日本における代表者をいう。ト(1)において同じ。)であつた者でその取消しの日から五年を経過しない者
(1) 法第二十七条 若しくは第二十八条 の規定により法第四条第一項 の免許を取り消され,法第五十二条の十五第一項 の規定により法第五十二条の九第一項 若しくは第二項 ただし書の認可を取り消され,法第五十二条の三十四第一項 の規定により法第五十二条の十七第一項 若しくは第三項 ただし書の認可を取り消され,又は法第五十二条の五十六第一項 の規定により法第五十二条の三十六第一項 の許可を取り消された場合
(2) 長期信用銀行法第十七条 において準用する法第二十七条 若しくは第二十八条 の規定により長期信用銀行法第四条第一項 の免許を取り消され,同法第十七条 において準用する法第五十二条の十五第一項 の規定により長期信用銀行法第十六条の二の二第一項 若しくは第二項 ただし書の認可を取り消され,同法第十七条 において準用する法第五十二条の三十四第一項 の規定により長期信用銀行法第十六条の二の四第一項 若しくは第三項 ただし書の認可を取り消され,又は同法第十七条 において準用する法第五十二条の五十六第一項 の規定により長期信用銀行法第十六条の五第一項 の許可を取り消された場合
(3) 信用金庫法 (昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十九条第一項 において準用する法第二十七条 若しくは第二十八条 の規定により信用金庫法第四条 の免許を取り消され,又は同法第八十九条第三項 において準用する法第五十二条の五十六第一項 の規定により信用金庫法第八十五条の二第一項 の許可を取り消された場合
(4) 労働金庫法 (昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十五条 の規定により同法第六条 の免許を取り消され,又は同法第九十四条第三項 において準用する法第五十二条の五十六第一項 の規定により労働金庫法第八十九条の三第一項 の許可を取り消された場合
(5) 中小企業等協同組合法 (昭和二十四年法律第百八十一号)第百六条第二項 若しくは協同組合による金融事業に関する法律 (昭和二十四年法律第百八十三号)第六条第一項 において準用する法第二十七条 若しくは第二十八条 の規定により解散を命ぜられ,又は協同組合による金融事業に関する法律第六条の五第一項 において準用する法第五十二条の五十六第一項 の規定により協同組合による金融事業に関する法律第六条の三第一項 の許可を取り消された場合
(6) 農業協同組合法第九十二条の四第一項 において準用する法第五十二条の五十六第一項 の規定により農業協同組合法第九十二条の二第一項 の許可を取り消され,又は同法第九十五条の二 の規定により農業協同組合若しくは農業協同組合連合会が解散を命ぜられた場合
(7) 水産業協同組合法第百二十一条の四第一項 において準用する法第五十二条の五十六第一項 の規定により水産業協同組合法第百二十一条の二第一項 の許可を取り消され,又は同法第百二十四条の二 の規定により漁業協同組合,漁業協同組合連合会,水産加工業協同組合若しくは水産加工業協同組合連合会が解散を命ぜられた場合
(8) 農林中央金庫法 (平成十三年法律第九十三号)第九十五条の四第一項 において準用する法第五十二条の五十六第一項 の規定により農林中央金庫法第九十五条の二第一項 の許可を取り消され,又は同法第八十六条 の規定により解散を命ぜられた場合
(9) 貸金業の規制等に関する法律 (昭和五十八年法律第三十二号)第六条第一項 の規定により同法第三条第一項 の登録の更新を拒否され,又は同法第三十七条第一項 の規定により同法第三条第一項 の登録を取り消された場合
(10) 法,長期信用銀行法 ,信用金庫法 ,労働金庫法 ,中小企業等協同組合法 ,協同組合による金融事業に関する法律 ,農業協同組合法 ,水産業協同組合法 ,農林中央金庫法 又は貸金業の規制等に関する法律 に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている(1)から(9)までに規定する免許,許可,認可若しくは登録(当該免許,許可,認可若しくは登録に類するその他の行政処分を含む。以下この号において同じ。)と同種類の免許,許可,認可若しくは登録を取り消され,又は当該免許,許可,認可若しくは登録の更新を拒否された場合
ホ 法第五十二条の十五第一項 の規定により法第五十二条の九第一項 若しくは第二項 ただし書の認可を取り消された場合,法第五十二条の五十六第一項 (長期信用銀行法第十七条 ,信用金庫法第八十九条第三項 ,労働金庫法第九十四条第三項 ,協同組合による金融事業に関する法律第六条の五第一項 ,農業協同組合法第九十二条の四第一項 ,水産業協同組合法第百二十一条の四第一項 及び農林中央金庫法第九十五条の四第一項 において準用する場合を含む。)の規定により法第五十二条の三十六第一項 の許可,長期信用銀行法第十六条の五第一項 の許可,信用金庫法第八十五条の二第一項 の許可,労働金庫法第八十九条の三第一項 の許可,協同組合による金融事業に関する法律第六条の三第一項 の許可,農業協同組合法第九十二条の二第一項 の許可,水産業協同組合法第百二十一条の二第一項 の許可若しくは農林中央金庫法第九十五条の二第一項 の許可を取り消された場合,長期信用銀行法第十七条 において準用する法第五十二条の十五第一項 の規定により長期信用銀行法第十六条の二の二第一項 若しくは第二項 ただし書の認可を取り消された場合又は貸金業の規制等に関する法律第六条第一項 の規定により同法第三条第一項 の登録の更新を拒否され,若しくは同法第三十七条第一項 の規定により同法第三条第一項 の登録を取り消された場合において,その取消しの日から五年を経過しない者
ヘ 法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている法第五十二条の九第一項 若しくは第二項 ただし書若しくは法第五十二条の三十六第一項 若しくは貸金業の規制等に関する法律第三条第一項 と同種類の認可,許可若しくは登録を取り消され,又は当該認可,許可若しくは登録の更新を拒否された場合において,その取消しの日から五年を経過しない者
ト 次に掲げる者であつて,その処分を受けた日から五年を経過しない者
(1) 法第二十七条 若しくは法第五十二条の三十四第一項 の規定により解任を命ぜられた取締役,執行役,会計参与,監査役若しくは日本における代表者又は法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員
(2) 長期信用銀行法第十七条 において準用する法第二十七条 若しくは法第五十二条の三十四第一項 の規定により解任を命ぜられた取締役,執行役,会計参与,会計参与若しくは監査役又は長期信用銀行法第十七条 において準用する法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員
(3) 信用金庫法第八十九条第一項 において準用する法第二十七条 の規定により解任を命ぜられた理事若しくは監事又は信用金庫法第八十九条第三項 において準用する法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員
(4) 労働金庫法第九十五条第一項 の規定により改任を命ぜられた理事若しくは監事又は労働金庫法第九十四条第三項 において準用する法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員
(5) 協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項 において準用する法第二十七条 の規定により解任を命ぜられた理事若しくは監事又は協同組合による金融事業に関する法律第六条の五第一項 において準用する法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員
(6) 農業協同組合法第九十二条の四第一項 において準用する法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員又は農業協同組合法第九十五条第二項 の規定により改選を命ぜられた役員
(7) 水産業協同組合法第百二十一条の四第一項 において準用する法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員又は水産業協同組合法第百二十四条第二項 の規定により改選を命ぜられた役員
(8) 農林中央金庫法第九十五条の四第一項 において準用する法第五十二条の五十六第二項 の規定により解任を命ぜられた役員又は農林中央金庫法第八十六条 の規定により解任を命ぜられた理事,経営管理委員若しくは監事
(9) 法,長期信用銀行法 ,信用金庫法 ,労働金庫法 ,中小企業等協同組合法 ,協同組合による金融事業に関する法律 ,農業協同組合法 ,水産業協同組合法 ,農林中央金庫法 又は貸金業の規制等に関する法律 に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役,執行役,会計参与,監査役又はこれらに準ずる者
チ 法,長期信用銀行法 ,信用金庫法 ,労働金庫法 ,中小企業等協同組合法 ,協同組合による金融事業に関する法律 ,農業協同組合法 ,水産業協同組合法 ,農林中央金庫法 ,貸金業の規制等に関する法律 若しくは出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律 (昭和二十九年法律第百九十五号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し,罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
五  申請者が法人であるときは,次のいずれにも該当しないこと。
イ 前号ニ(1)から(10)までのいずれかに該当する場合において,その取消しの日から五年を経過しない者
ロ 前号チに規定する法律の規定又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し,罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
ハ 役員のうちに前号イからチまでのいずれかに該当する者のある者
六  次のいずれにも該当しないことにより,法第五十二条の三十八第一項第三号 に規定する他に業務を営むことによりその銀行代理業を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼすおそれがあると認められないこと。
イ 兼業業務の内容が法令に抵触するものであること。
ロ 兼業業務の内容が銀行代理業者としての社会的信用を損なうおそれがあること。
ハ 銀行代理業の内容が,事業の用に供するための資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介(所属銀行が受け入れたその顧客の預金等又は国債を担保として行う契約に係るもの及び規格化された貸付商品(貸付けの金額が一千万円を上限とするものに限る。)であつてその契約の締結に係る審査に関与しないものを除く。)であることその他の兼業業務における顧客との間の取引関係に照らして,所属銀行と銀行代理業者の利益が相反する取引が行われる可能性があると認められるものであること(申請者が保険会社その他金融庁長官が定める者である場合を除く。)。
ニ 主たる兼業業務の内容が資金の貸付け,手形の割引,債務の保証又は手形の引受けその他の信用の供与を行う業務(所属銀行と銀行代理業者の利益が相反する取引が行われる可能性があると認められるものでないものを除く。)であるときは,銀行代理業として行う法第二条第十四項第二号 に掲げる行為(所属銀行が受け入れたその顧客の預金等又は国債を担保として行う契約に係るものを除く。)の内容及び方法が,次に掲げる要件のいずれにも該当していないこと。
(1) 貸付資金で購入する物品又は物件を担保として行う貸付契約に係るものであること(事業の用に供するための資金に係るものを除く。)。
(2) 規格化された貸付商品であつてその契約の締結に係る審査に関与するものでないこと。
(3) 兼業業務として信用の供与を行つている顧客に対し,銀行代理業に係る資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介を行うときは,あらかじめ顧客の書面による同意を得て,所属銀行に対し,兼業業務における信用の供与の残高その他の所属銀行が契約の締結の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項を告げることとしていること。
ホ 兼業業務による取引上の優越的地位を不当に利用して,銀行代理業に係る顧客の保護に欠ける行為が行われるおそれがあると認められること。
ヘ その他銀行代理業の内容に照らして兼業業務を営むことが顧客の保護に欠け,又は所属銀行の業務の健全かつ適切な遂行に支障を及ぼす行為が行われるおそれがあると認められること。

(銀行代理業の許可の予備審査)
第三十四条の三十八  法第五十二条の三十六第一項 の規定により銀行代理業の許可を受けようとする者は,法第五十二条の三十七 に定めるところに準じた書面を金融庁長官等に提出して予備審査を求めることができる。

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後見開始等の審判に係る鑑定の省略について

2007-06-27 19:11:11 | Weblog
asahi.com 成年後見の申し立て急増 06年度は3万件超

 家事審判規則第24条には,「家庭裁判所は、後見開始の審判をするには、本人の精神の状況について医師その他適当な者に鑑定をさせなければならない。ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない。」とある。
東京家裁の後見センターでは,本人がいわゆる植物状態にある場合は,上記の「明らかにその必要がない」場合として審判に係る鑑定を不要としている。
知的障害者の鑑定の要否については,判例タイムズの「東京家裁後見センターにおける成年後見制度運用の状況と課題」に次ぎのような記述がある。

 さらに,知的障害者の一部にも鑑定不要の場合を認めてよいか否かが問題となっている。これらの者は少なくとも身体的には植物状態とはいえないからである。私共は,精神遅滞においては,幼少時から知的能力が低く,長期間にわたって改善していないのであるから,確実な資料によりこれが認定できる場合には,その一部について鑑定不要とすることを認めてよいのではないだろうかと考える。後見センターにおいては,療育手帳(東京都では「愛の手帳」)およびその交付の際の判定書(ただし,1度の場合には判定書は不要)又はこれに代わる資料及び現在の状態を示す診断書により,療育手帳交付の際に最重度(1度)とされた者全部及び重度(2度)とされた者の一部について鑑定料の予納を求めず,鑑定を経ずに審判をする場合があることを認めている。


家事審判規則の関連条文

第二十四条 家庭裁判所は,後見開始の審判をするには,本人の精神の状況について医師その他適当な者に鑑定をさせなければならない。ただし,明らかにその必要がないと認めるときは,この限りでない。

第三十条の二 第二十四条及び第二十五条の規定は,保佐開始の審判をする場合について準用する。

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公告の日経離れについて

2007-06-26 21:17:04 | Weblog
asahi.com 東電と三菱商事 決算「公告」の日経掲載やめる

 会社法第939条第3項には,「会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には,電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては,事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として,同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。」とある。
「いずれか」とある以上,電子公告を採用した場合の予備的公告につき,「官報または日経新聞」といった選択的な定め方をすることはできない。

法務省 電子公告制度について


会社法の関連条文

(計算書類の公告)
第四百四十条  株式会社は,法務省令で定めるところにより,定時株主総会の終結後遅滞なく,貸借対照表(大会社にあっては,貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
2  前項の規定にかかわらず,その公告方法が第九百三十九条第一項第一号又は第二号に掲げる方法である株式会社は,前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
3  前項の株式会社は,法務省令で定めるところにより,定時株主総会の終結後遅滞なく,第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を,定時株主総会の終結の日後五年を経過する日までの間,継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては,前二項の規定は,適用しない。
4  証券取引法第二十四条第一項 の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社については,前三項の規定は,適用しない。

(会社の公告方法)
第九百三十九条  会社は,公告方法として,次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
一  官報に掲載する方法
二  時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三  電子公告
2  外国会社は,公告方法として,前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
3  会社又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には,電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては,事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として,同項第一号又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
4  第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は,第一項第一号の方法とする。

(電子公告の公告期間等)
第九百四十条  株式会社又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には,次の各号に掲げる公告の区分に応じ,当該各号に定める日までの間,継続して電子公告による公告をしなければならない。
一  この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告 当該特定の日
二  第四百四十条第一項の規定による公告 同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日
三  公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日
四  前三号に掲げる公告以外の公告 当該公告の開始後一箇月を経過する日
2  外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には,同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間,継続して電子公告による公告をしなければならない。
3  前二項の規定にかかわらず,これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下この章において「公告期間」という。)中公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下この項において同じ。)が生じた場合において,次のいずれにも該当するときは,その公告の中断は,当該公告の効力に影響を及ぼさない。
一  公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は会社に正当な事由があること。
二  公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。
三  会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨,公告の中断が生じた時間及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。

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平成19年度版 暮らしの税情報

2007-06-25 19:50:50 | Weblog
国税庁 平成19年度版 パンフレット「暮らしの税情報」

 国税庁のHPに平成19年度の『暮らしの税情報』がアップされた。今年は例年に比べ早い。


租税特別措置法の関連条文

(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)
第四十一条  居住者が,国内において,住宅の用に供する家屋で政令で定めるもの(以下この項から第九項までにおいて「居住用家屋」という。)の新築若しくは居住用家屋で建築後使用されたことのないもの若しくは建築後使用されたことのある家屋で政令で定めるもの(以下この項から第九項までにおいて「既存住宅」という。)の取得(配偶者その他その者と特別の関係がある者からの取得で政令で定めるもの及び贈与によるものを除く。以下この項において同じ。)又はその者の居住の用に供している家屋で政令で定めるものの増改築等(以下この項,第三項,第四項及び次条において「住宅の取得等」という。)をして,これらの家屋(当該増改築等をした家屋については,当該増改築等に係る部分。以下この項,第三項及び第四項において同じ。)を平成九年一月一日から平成二十年十二月三十一日までの間にその者の居住の用に供した場合(これらの家屋をその新築の日若しくはその取得の日又はその増改築等の日から六月以内にその者の居住の用に供した場合に限る。)において,その者が当該住宅の取得等に係る次に掲げる借入金又は債務(利息に対応するものを除く。次項から第四項まで,第六項及び次条において「住宅借入金等」という。)の金額を有するときは,当該居住の用に供した日の属する年(次項及び次条において「居住年」という。)以後六年間(同日(以下この項,次項及び次条において「居住日」という。)の属する年が平成十一年若しくは平成十二年である場合又は居住日が平成十三年一月一日から同年六月三十日までの期間(次項及び次条において「平成十三年前期」という。)内の日である場合には十五年間とし,居住日が平成十三年七月一日から同年十二月三十一日までの期間(次項及び次条において「平成十三年後期」という。)内の日である場合又は居住日の属する年が平成十四年から平成二十年までの各年である場合には十年間とする。)の各年(当該居住日以後その年の十二月三十一日(その者が死亡した日の属する年又はこれらの家屋が災害により居住の用に供することができなくなつた日の属する年にあつては,これらの日。次項,第三項及び次条において同じ。)まで引き続きその居住の用に供している年に限る。次項及び次条において「適用年」という。)のうち,その者のその年分の所得税に係るその年の所得税法第二条第一項第三十号 の合計所得金額が三千万円以下である年については,その年分の所得税の額から,住宅借入金等特別税額控除額を控除する。
一  当該住宅の取得等に要する資金に充てるために第八条第一項に規定する金融機関,独立行政法人住宅金融支援機構,地方公共団体その他当該資金の貸付けを行う政令で定める者から借り入れた借入金(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地又は当該土地の上に存する権利(以下この項において「土地等」という。)の取得に要する資金に充てるためにこれらの者から借り入れた借入金として政令で定めるものを含む。)及び当該借入金に類する債務で政令で定めるもののうち,契約において償還期間が十年以上の割賦償還の方法により返済することとされているもの
二  建設業法 (昭和二十四年法律第百号)第二条第三項 に規定する建設業者に対する当該住宅の取得等の工事の請負代金に係る債務又は宅地建物取引業法第二条第三号 に規定する宅地建物取引業者,独立行政法人都市再生機構,地方住宅供給公社その他居住用家屋の分譲を行う政令で定める者に対する当該住宅の取得等(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地等の取得として政令で定めるものを含む。)の対価に係る債務(当該債務に類する債務で政令で定めるものを含む。)で,契約において賦払期間が十年以上の割賦払の方法により支払うこととされているもの
三  独立行政法人都市再生機構,地方住宅供給公社その他の政令で定める法人を当事者とする当該既存住宅の取得(当該既存住宅の取得とともにする当該既存住宅の敷地の用に供されていた土地等の取得として政令で定めるものを含む。)に係る債務の承継に関する契約に基づく当該法人に対する当該債務(当該債務に類する債務で政令で定めるものを含む。)で,当該承継後の当該債務の賦払期間が十年以上の割賦払の方法により支払うこととされているもの
四  当該住宅の取得等に要する資金に充てるためにその者に係る使用者(その者が第二十九条第一項に規定する給与所得者等である場合における同項に規定する使用者をいう。以下この号において同じ。)から借り入れた借入金(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地等の取得に要する資金に充てるために当該その者に係る使用者から借り入れた借入金として政令で定めるものを含む。)又はその者に係る使用者に対する当該住宅の取得等(当該住宅の取得等とともにする当該住宅の取得等に係る家屋の敷地の用に供される土地等の取得として政令で定めるものを含む。)の対価に係る債務(これらの借入金又は債務に類する債務で政令で定めるものを含む。)で,契約において償還期間又は賦払期間が十年以上の割賦償還又は割賦払の方法により返済し,又は支払うこととされているもの
2  前項に規定する住宅借入金等特別税額控除額は,次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額(当該金額に百円未満の端数があるときは,これを切り捨てる。)とする。
一  居住年が平成九年又は平成十年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年若しくは翌々年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
(1) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が千万円以下である場合 当該合計額の二パーセントに相当する金額
(2) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が千万円を超え二千万円以下である場合 当該千万円を超える金額の一パーセントに相当する金額に二十万円を加えた金額
(3) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が二千万円を超える場合 当該二千万円を超える金額(当該金額が千万円を超える場合には,千万円)の〇・五パーセントに相当する金額に三十万円を加えた金額
ロ 適用年が居住年から三年目に該当する年以後の各年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
(1) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が二千万円以下である場合 当該合計額の一パーセントに相当する金額
(2) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額が二千万円を超える場合 当該二千万円を超える金額(当該金額が千万円を超える場合には,千万円)の〇・五パーセントに相当する金額に二十万円を加えた金額
二  居住年が平成十一年,平成十二年又は平成十三年である場合(居住年が平成十三年である場合には,その居住日が平成十三年前期内の日である場合に限る。) 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後五年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から六年目に該当する年以後居住年から十年目に該当する年までの各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の〇・七五パーセントに相当する金額
ハ 適用年が居住年から十一年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
三  居住年が平成十三年,平成十四年,平成十五年又は平成十六年である場合(居住年が平成十三年である場合には,その居住日が平成十三年後期内の日である場合に限る。) その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が五千万円を超える場合には,五千万円)の一パーセントに相当する金額
四  居住年が平成十七年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後七年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が四千万円を超える場合には,四千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から八年目又は九年目に該当する年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が四千万円を超える場合には,四千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
五  居住年が平成十八年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後六年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が三千万円を超える場合には,三千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から七年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が三千万円を超える場合には,三千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
六  居住年が平成十九年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後五年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千五百万円を超える場合には,二千五百万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から六年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千五百万円を超える場合には,二千五百万円)の〇・五パーセントに相当する金額
七  居住年が平成二十年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 適用年が居住年又は居住年の翌年以後五年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千万円を超える場合には,二千万円)の一パーセントに相当する金額
ロ 適用年が居住年から六年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千万円を超える場合には,二千万円)の〇・五パーセントに相当する金額
3  居住者が,住宅の取得等をし,かつ,当該住宅の取得等をした居住用家屋若しくは既存住宅又は第一項の増改築等をした家屋を平成十九年一月一日から平成二十年十二月三十一日までの間に同項の定めるところによりその者の居住の用に供した場合において,当該居住の用に供した日の属する年(以下この項において「居住年」という。)以後十五年間の各年(同日以後その年の十二月三十一日まで引き続きその居住の用に供している年に限る。以下この項及び次条において「特例適用年」という。)において当該住宅の取得等に係る住宅借入金等(以下この項及び次条において「特例住宅借入金等」という。)の金額を有するときは,その者の選択により,当該特例適用年における第一項に規定する住宅借入金等特別税額控除額は,前項の規定にかかわらず,次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額(当該金額に百円未満の端数があるときは,これを切り捨てる。)として,この条,次条及び第四十一条の二の二の規定を適用することができる。この場合において,第一項中「六年間(同日(以下この項,次項及び次条において「居住日」という。)の属する年が平成十一年若しくは平成十二年である場合又は居住日が平成十三年一月一日から同年六月三十日までの期間(次項及び次条において「平成十三年前期」という。)内の日である場合には十五年間とし,居住日が平成十三年七月一日から同年十二月三十一日までの期間(次項及び次条において「平成十三年後期」という。)内の日である場合又は居住日の属する年が平成十四年から平成二十年までの各年である場合には十年間とする。)の各年(当該居住日」とあるのは「十五年間の各年(同日」と,第七項中「同項に規定する六年間」とあり,第八項中「第一項に規定する六年間」とあり,及び第九項中「六年間(同項に規定する六年間をいう。)」とあるのは「十五年間」とする。
一  居住年が平成十九年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 特例適用年が居住年又は居住年の翌年以後九年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における特例住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千五百万円を超える場合には,二千五百万円)の〇・六パーセントに相当する金額
ロ 特例適用年が居住年から十年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における特例住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千五百万円を超える場合には,二千五百万円)の〇・四パーセントに相当する金額
二  居住年が平成二十年である場合 次に掲げる場合の区分に応じ,それぞれ次に定める金額
イ 特例適用年が居住年又は居住年の翌年以後九年以内の各年である場合 その年十二月三十一日における特例住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千万円を超える場合には,二千万円)の〇・六パーセントに相当する金額
ロ 特例適用年が居住年から十年目に該当する年以後の各年である場合 その年十二月三十一日における特例住宅借入金等の金額の合計額(当該合計額が二千万円を超える場合には,二千万円)の〇・四パーセントに相当する金額
4  前項に規定する居住者が,二以上の住宅の取得等をし,かつ,これらの住宅の取得等をした同項の居住用家屋若しくは既存住宅又は増改築等をした家屋を同一の年中に第一項の定めるところによりその者の居住の用に供した場合には,前項に規定する選択は,これらの住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額のすべてについてしなければならないものとする。
5  第一項に規定する増改築等とは,当該居住者が所有している家屋につき行う増築,改築その他の政令で定める工事(当該工事と併せて行う当該家屋と一体となつて効用を果たす設備の取替え又は取付けに係る工事を含む。)で当該工事に要した費用の額が百万円を超えるものであることその他の政令で定める要件を満たすものをいう。
6  住宅借入金等には,当該住宅借入金等が無利息又は著しく低い金利による利息であるものとなる場合として政令で定める場合における当該住宅借入金等を含まないものとする。
7  第一項の規定は,居住者が,同項の居住用家屋若しくは既存住宅又は増改築等をした家屋の当該増改築等に係る部分をその居住の用に供した日の属する年分の所得税について第三十一条の三,第三十五条,第三十六条の二,第三十六条の五,第三十七条の五若しくは第三十七条の九の二の規定の適用を受ける場合又はその居住の用に供した日の属する年の前年分若しくは前々年分の所得税についてこれらの規定の適用を受けている場合には,当該居住者の同項に規定する六年間の各年分の所得税については,適用しない。
8  第一項の居住用家屋若しくは既存住宅又は増改築等をした家屋の当該増改築等に係る部分をその居住の用に供した居住者が,当該居住の用に供した日の属する年の翌年又は翌々年中に当該居住の用に供した当該居住用家屋及び既存住宅並びに当該増改築等をした家屋並びにこれらの家屋の敷地の用に供されている土地(当該土地の上に存する権利を含む。)以外の資産(第三十一条の三第二項に規定する居住用財産,第三十五条第一項に規定する資産又は第三十六条の二第一項に規定する譲渡資産に該当するものに限る。)の譲渡をした場合において,その者が当該譲渡につき第三十一条の三,第三十五条,第三十六条の二,第三十六条の五,第三十七条の五又は第三十七条の九の二の規定の適用を受けるときは,当該居住者の第一項に規定する六年間の各年分の所得税については,同項の規定は,適用しない。
9  第一項の規定の適用を受けていた居住者が,その者に係る所得税法第二十八条第一項 に規定する給与等の支払をする者からの転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由に基因してその適用に係る第一項 の居住用家屋若しくは既存住宅又は増改築等をした家屋(当該増改築等に係る部分に限る。)をその者の居住の用に供しなくなつたことにより同項 の規定の適用を受けられなくなつた後,当該家屋を再びその者の居住の用に供した場合における同項 の規定の適用については,同項 に規定する居住年以後六年間(同項 に規定する六年間をいう。)の各年のうち,その者が当該家屋を再び居住の用に供した日の属する年(その年において,当該家屋を賃貸の用に供していた場合には,その年の翌年)以後の各年(同日以後その年の十二月三十一日(その者が死亡した日の属する年又は当該家屋が災害により居住の用に供することができなくなつた日の属する年にあつては,これらの日)まで引き続きその居住の用に供している年に限る。)は,同項 に規定する適用年とみなす。
10  前項の規定は,同項の居住者が,同項の家屋をその居住の用に供しなくなる日までに同項に規定する事由その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(第四十一条の二の二第五項の規定により同項の証明書(これに類するものとして財務省令で定める書類を含む。)の交付を受けている場合には,当該証明書のうち同日の属する年以後の各年分に係るものの添付があるものに限る。)を当該家屋の所在地の所轄税務署長に提出しており,かつ,前項の規定の適用を受ける最初の年分の確定申告書に当該家屋を再びその居住の用に供したことを証する書類その他の財務省令で定める書類(次項において「再居住に関する証明書類」という。)の添付がある場合に限り,適用する。
11  税務署長は,前項の届出書の提出がなかつた場合又は再居住に関する証明書類の添付がない確定申告書の提出があつた場合においても,その提出又は添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは,当該届出書及び再居住に関する証明書類の提出があつた場合に限り,第九項の規定を適用する。
12  第一項の規定は,確定申告書に,同項の規定による控除を受ける金額についてのその控除に関する記載があり,かつ,財務省令で定めるところにより,当該金額の計算に関する明細書,登記事項証明書その他の書類の添付がある場合に限り,適用する。
13  税務署長は,確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても,その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは,当該記載をした書類並びに同項の明細書及び登記事項証明書その他の書類の提出があつた場合に限り,第一項の規定を適用することができる。
14  所得税法第九十二条第二項 の規定は,第一項の規定による控除をすべき金額について準用する。この場合において,同条第二項 中「前項の規定による控除」とあるのは「前項及び租税特別措置法第四十一条第一項(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)の規定による控除」と,「当該控除をすべき金額」とあるのは「これらの控除をすべき金額の合計額」と読み替えるものとする。
15  その年分の所得税について第一項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号 に掲げる所得税の額の計算については,同号 中「第三章 (税額の計算)」とあるのは,「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第四十一条第一項(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)」とする。
16  第三項から前項までに定めるもののほか,第一項の規定の適用に関し必要な事項は,政令で定める。

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年金記録確認第三者委員会令の公布について

2007-06-23 20:57:12 | Weblog
年金支給是非,第三者委が最終決定 菅総務相表明,19日政令決定へ - さきがけ on the Web

 年金記録確認第三者委員会令は22日に公布。即日施行された。
件の政令は組織令。三者委員会が「あっせん」を超える機能,すなわち,年金給付に係る最終決定機能を有する,などと明定しているわけではない。
菅大臣も第三者委員会をして年金給付に係る最終決定機関と述べておられるが,「事実上」という言葉が添えられている。

第三者委員会,25日には初会合とか。参院選が控えているせいか,動きが急である。


国家行政組織法の関連条文

(審議会等)
第八条  第三条の国の行政機関には,法律の定める所掌事務の範囲内で,法律又は政令の定めるところにより,重要事項に関する調査審議,不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。

年金記録確認第三者委員会令

内閣は,国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の規定に基づき,この政令を制定する。

(組織)
第一条 年金記録確認中央第三者委員会(以下「中央委員会」という。)は,委員三十人以内で組織する。
2 年金記録確認地方第三者委員会(以下「地方委員会」という。)は,委員十人以内で組織する。
3 中央委員会及び地方委員会に,特別の事項を調査審議させるため必要があるときは,臨時委員を置くことができる。
4 中央委員会及び地方委員会に,専門の事項を調査させるため必要があるときは,専門委員を置くことができる。

(委員等の任命)
第二条 委員及び臨時委員は,学識経験のある者のうちから,総務大臣が任命する。
2 専門委員は,当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから,総務大臣が任命する。

(委員の任期等)
第三条 委員の任期は,二年とする。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
2 委員は,再任されることができる。
3 臨時委員は,その者の任命に係る当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは,解任されるものとする。
4 専門委員は,その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは,解任されるものとする。
5 委員,臨時委員及び専門委員は,非常勤とする。
6 委員,臨時委員及び専門委員は,職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(委員長)
第四条 中央委員会及び地方委員会に,それぞれ,委員長を置き,委員の互選により選任する。
2 委員長は,会務を総理し,それぞれ,中央委員会又は地方委員会を代表する。
3 委員長に事故があるときは,あらかじめその指名する委員が,その職務を代理する。

(部会)
第五条 中央委員会は,その定めるところにより,部会を置くことができる。
2 部会に属すべき委員,臨時委員及び専門委員は,委員長が指名する。
3 部会に部会長を置き,当該部会に属する委員のうちから,委員長が指名する。
4 部会長は,当該部会の事務を掌理する。
5 部会長に事故があるときは,当該部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が,その職務を代理する。
6 中央委員会は,その定めるところにより,部会の議決をもって中央委員会の議決とすることができる。

(議事)
第六条 中央委員会及び地方委員会は,委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数が出席しなければ,会議を開き,議決することができない。
2 中央委員会及び地方委員会の議事は,委員及び議事に関係のある臨時委員で会議に出席したものの過半数で決し,可否同数のときは,委員長の決するところによる。
3 前二項の規定は,部会の議事について準用する。
4 委員,臨時委員及び専門委員は,自己の利害に関係する議事に参与することができない。

(資料の提出等の要求)
第七条 中央委員会又は地方委員会は,その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは,関係行政機関の長に対し,資料の提出,意見の表明,説明その他必要な協力を求めることができる。

(庶務)
第八条 中央委員会の庶務は,総務省行政評価局行政相談課において処理する。
2 地方委員会の庶務は,当該地方委員会が置かれる各管区行政評価局,沖縄行政評価事務所,行政評価支局又は各行政評価事務所において処理する。

(雑則)
第九条 この政令に定めるもののほか,議事の手続その他中央委員会又は地方委員会の運営に関し必要な事項は,それぞれ,委員長が中央委員会又は地方委員会に諮って定める。

附則

この政令は,公布の日から施行する。

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電子記録債権法の成立について

2007-06-22 13:07:54 | Weblog
手形を電子化,ネット取引も・電子記録債権法が成立 NIKKEI NET

 記事にもあるとおり,電子記録債権法は,電子債権記録機関の公平性・中立性の確保にため兼業を禁止しているが,第61条でも,「電子債権記録機関は,特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。」とその旨明定している。


電子記録債権法の関連条文

(趣旨)
第一条 この法律は,電子記録債権の発生,譲渡等について定めるとともに,電子記録債権に係る電子記録を行う電子債権記録機関の業務,監督等について必要な事項を定めるものとする。

(定義)
第二条 この法律において「電子記録債権」とは,その発生又は譲渡についてこの法律の規定による電子記録(以下単に「電子記録」という。)を要件とする金銭債権をいう。
2 この法律において「電子債権記録機関」とは,第五十一条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。
3 この法律において「記録原簿」とは,債権記録が記録される帳簿であって,磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物として主務省令で定めるものを含む。)をもって電子債権記録機関が調製するものをいう。
4 この法律において「債権記録」とは,発生記録により発生する電子記録債権又は電子記録債権から第四十三条第一項に規定する分割をする電子記録債権ごとに作成される電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。
5 この法律において「記録事項」とは,この法律の規定に基づき債権記録に記録すべき事項をいう。
6 この法律において「電子記録名義人」とは,債権記録に電子記録債権の債権者又は質権者として記録されている者をいう。
7 この法律において「電子記録権利者」とは,電子記録をすることにより,電子記録上,直接に利益を受ける者をいい,間接に利益を受ける者を除く。
8 この法律において「電子記録義務者」とは,電子記録をすることにより,電子記録上,直接に不利益を受ける者をいい,間接に不利益を受ける者を除く。
9 この法律において「電子記録保証」とは,電子記録債権に係る債務を主たる債務とする保証であって,保証記録をしたものをいう。

(電子記録の方法)
第三条 電子記録は,電子債権記録機関が記録原簿に記録事項を記録することによって行う。

(当事者の請求又は官公署の嘱託による電子記録)
第四条 電子記録は,法令に別段の定めがある場合を除き,当事者の請求又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ,することができない。
2 請求による電子記録の手続に関するこの法律の規定は,法令に別段の定めがある場合を除き,官庁又は公署の嘱託による電子記録の手続について準用する。

(請求の当事者)
第五条 電子記録の請求は,法令に別段の定めがある場合を除き,電子記録権利者及び電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは,その相続人その他の一般承継人。第三項において同じ。)双方がしなければならない。
2 電子記録権利者又は電子記録義務者(これらの者について相続その他の一般承継があったときは,その相続人その他の一般承継人。以下この項において同じ。)に電子記録の請求をすべきことを命ずる確定判決による電子記録は,当該請求をしなければならない他の電子記録権利者又は電子記録義務者だけで請求することができる。
3 電子記録権利者及び電子記録義務者が電子記録の請求を共同してしない場合における電子記録の請求は,これらの者のすべてが電子記録の請求をした時に,その効力を生ずる。

(請求の方法)
第六条 電子記録の請求は,請求者の氏名又は名称及び住所その他の電子記録の請求に必要な情報として政令で定めるものを電子債権記録機関に提供してしなければならない。

(電子債権記録機関による電子記録)
第七条 電子債権記録機関は,この法律又はこの法律に基づく命令の規定による電子記録の請求があったときは,遅滞なく,当該請求に係る電子記録をしなければならない。
2 電子債権記録機関は,第五十一条第一項第五号に規定する業務規程(以下この章において単に「業務規程」という。)の定めるところにより,保証記録,質権設定記録若しくは分割記録をしないこととし,又はこれらの電子記録若しくは譲渡記録について回数の制限その他の制限をすることができる。この場合において,電子債権記録機関が第十六条第二項第十五号に掲げる事項を債権記録に記録していないときは,何人も,当該業務規程の定めの効力を主張することができない。

(電子記録の順序)
第八条 電子債権記録機関は,同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録の請求があったときは,当該請求の順序に従って電子記録をしなければならない。
2 同一の電子記録債権に関し同時に二以上の電子記録が請求された場合において,請求に係る電子記録の内容が相互に矛盾するときは,前条第一項の規定にかかわらず,電子債権記録機関は,いずれの請求に基づく電子記録もしてはならない。
3 同一の電子記録債権に関し二以上の電子記録が請求された場合において,その前後が明らかでないときは,これらの請求は,同時にされたものとみなす。

(電子記録の効力)
第九条 電子記録債権の内容は,債権記録の記録により定まるものとする。
2 電子記録名義人は,電子記録に係る電子記録債権についての権利を適法に有するものと推定する。

(電子記録の訂正等)
第十条 電子債権記録機関は,次に掲げる場合には,電子記録の訂正をしなければならない。ただし,電子記録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては,当該第三者の承諾があるときに限る。
一 電子記録の請求に当たって電子債権記録機関に提供された情報の内容と異なる内容の記録がされている場合
二 請求がなければすることができない電子記録が,請求がないのにされている場合
三 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について,記録すべき内容と異なる内容の記録がされている場合
四 電子債権記録機関が自らの権限により記録すべき記録事項について,その記録がされていない場合(一の電子記録の記録事項の全部が記録されていないときを除く。)
2 電子債権記録機関は,第八十六条各号に掲げる期間のうちのいずれかが経過する日までに電子記録が消去されたときは,当該電子記録の回復をしなければならない。この場合においては,前項ただし書の規定を準用する。
3 電子債権記録機関は,前二項の規定により電子記録の訂正又は回復をするときは,当該訂正又は回復後の電子記録の内容と矛盾する電子記録について,電子記録の訂正をしなければならない。
4 電子債権記録機関が第一項又は第二項の規定により電子記録の訂正又は回復をしたときは,その内容を電子記録権利者及び電子記録義務者(電子記録権利者及び電子記録義務者がない場合にあっては,電子記録名義人)に通知しなければならない。
5 前項の規定による通知は,民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって電子記録の請求をした者にもしなければならない。ただし,その者が二人以上あるときは,その一人に対し通知すれば足りる。

(不実の電子記録等についての電子債権記録機関の責任)
第十一条 電子債権記録機関は,前条第一項各号に掲げる場合又は同条第二項に規定するときは,これらの規定に規定する事由によって当該電子記録の請求をした者その他の第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。ただし,電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは,この限りでない。

(意思表示の無効又は取消しの特則)
第十二条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第九十三条ただし書若しくは第九十五条の規定による無効又は同法第九十六条第一項若しくは第二項の規定による取消しは,善意でかつ重大な過失がない第三者(同条第一項及び第二項の規定による取消しにあっては,取消し後の第三者に限る。)に対抗することができない。
2 前項の規定は,次に掲げる場合には,適用しない。
一 前項に規定する第三者が,支払期日以後に電子記録債権の譲渡,質入れ,差押え,仮差押え又は破産手続開始の決定(分割払の方法により支払う電子記録債権の場合には,到来した支払期日に係る部分についてのものに限る。)があった場合におけるその譲受人,質権者,差押債権者,仮差押債権者又は破産管財人であるとき。
二 前項の意思表示の無効又は取消しを対抗しようとする者が個人(当該電子記録において個人事業者(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第二項に規定する事業者である個人をいう。以下同じ。)である旨の記録がされている者を除く。)である場合

(無権代理人の責任の特則)
第十三条 電子記録の請求における相手方に対する意思表示についての民法第百十七条第二項の規定の適用については,同項中「過失」とあるのは,「重大な過失」とする。

(権限がない者の請求による電子記録についての電子債権記録機関の責任)
第十四条 電子債権記録機関は,次に掲げる者の請求により電子記録をした場合には,これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。ただし,電子債権記録機関の代表者及び使用人その他の従業者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは,この限りでない。
一 代理権を有しない者
二 他人になりすました者

(電子債権記録業を営む者の指定)
第五十一条 主務大臣は,次に掲げる要件を備える者を,その申請により,第五十六条に規定する業務(以下「電子債権記録業」という。)を営む者として,指定することができる。
一 次に掲げる機関を置く株式会社であること。
イ 取締役会
ロ 監査役会又は委員会(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第十二号に規定する委員会をいう。)
ハ 会計監査人
二 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された日から五年を経過しない者でないこと。
三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し,罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。
四 取締役,会計参与,監査役又は執行役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらに相当する者
ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
ハ 禁錮(こ)以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ニ 第七十五条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこの項の指定に類する行政処分を取り消された場合において,その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役,会計参与,監査役又は執行役(外国会社における外国の法令上これらに相当する者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者
ホ 第七十五条第一項の規定又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役,会計参与,監査役又は執行役でその処分を受けた日から五年を経過しない者
ヘ この法律,会社法若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し,又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条,第二百六条,第二百八条,第二百八条の三,第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪,暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条,第四十七条,第四十九条若しくは第五十条の罪を犯し,罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ,その刑の執行を終わり,又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
五 定款及び電子債権記録業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が,法令に適合し,かつ,この法律の定めるところにより電子債権記録業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。
六 電子債権記録業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し,かつ,電子債権記録業に係る収支の見込みが良好であると認められること。
七 その人的構成に照らして,電子債権記録業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し,かつ,十分な社会的信用を有すると認められること。
2 主務大臣は,前項の指定をしたときは,その指定した電子債権記録機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。

(指定の申請)
第五十二条 前条第一項の指定を受けようとする者は,次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 商号
二 資本金の額及び純資産額
三 本店その他の営業所の名称及び所在地
四 取締役及び監査役(委員会設置会社にあっては,取締役及び執行役)の氏名
五 会計参与設置会社にあっては,会計参与の氏名又は名称
2 指定申請書には,次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 前条第一項第三号及び第四号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面
二 定款
三 会社の登記事項証明書
四 業務規程
五 貸借対照表及び損益計算書
六 収支の見込みを記載した書類
七 前各号に掲げるもののほか,主務省令で定める書類
3 前項の場合において,定款,貸借対照表又は損益計算書が電磁的記録で作成されているときは,書類に代えて電磁的記録(主務省令で定めるものに限る。)を添付することができる。

(資本金の額等)
第五十三条 電子債権記録機関の資本金の額は,政令で定める金額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める金額は,五億円を下回ってはならない。
3 電子債権記録機関の純資産額は,第一項の政令で定める金額以上でなければならない。

(適用除外)
第五十四条 会社法第三百三十一条第二項ただし書(同法第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。),第三百三十二条第二項(同法第三百三十四条第一項において準用する場合を含む。),第三百三十六条第二項及び第四百二条第五項ただし書の規定は,電子債権記録機関については,適用しない。

(秘密保持義務)
第五十五条 電子債権記録機関の取締役,会計参与(会計参与が法人であるときは,その職務を行うべき社員),監査役,執行役若しくは職員又はこれらの職にあった者は,電子債権記録業に関して知り得た秘密を漏らし,又は盗用してはならない。

(電子債権記録機関の業務)
第五十六条 電子債権記録機関は,この法律及び業務規程の定めるところにより,電子記録債権に係る電子記録に関する業務を行うものとする。

(兼業の禁止)
第五十七条 電子債権記録機関は,電子債権記録業及びこれに附帯する業務のほか,他の業務を営むことができない。

(電子債権記録業の一部の委託)
第五十八条 電子債権記録機関は,主務省令で定めるところにより,電子債権記録業の一部を,主務大臣の承認を受けて,銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。),協同組織金融機関(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)第二条第一項に規定する協同組織金融機関をいう。)その他の政令で定める金融機関をいう。以下同じ。)その他の者に委託することができる。
2 銀行等は,他の法律の規定にかかわらず,前項の規定による委託を受け,当該委託に係る業務を行うことができる。

(業務規程)
第五十九条 電子債権記録機関は,業務規程において,電子記録の実施の方法,第六十二条第一項に規定する口座間送金決済に関する契約又は第六十四条に規定する契約に係る事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。

(電子債権記録機関を利用する者の保護)
第六十条 電子債権記録機関は,当該電子債権記録機関を利用する者の保護に欠けることのないように業務を営まなければならない。

(差別的取扱いの禁止)
第六十一条 電子債権記録機関は,特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。

附則

(施行期日)
第一条 この法律は,公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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議決権行使に係る商品券の進呈について

2007-06-20 21:03:51 | Weblog
議決権行使ならクオカード進呈,会社法抵触と筆頭株主指摘 YOMIURI ONLINE

 件の会社,商品券の進呈は総会後に懇親会や展示会を開けないためと説明しているようだ。
これまでならこれでオーライだったかもしれないが,記事によると,27日開催予定の株主総会には経営陣入れ替えに係る株主提案がなされており,これを巡って現在委任状争奪戦が行われているとのこと。
会社の説明に嘘偽りはないのかもしれないが,「李下に冠を正さず」の諺もある。もう少し慎重であるべきだった。
いずれにしても,本ケース,「株式会社は,何人に対しても,株主の権利の行使に関し,財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。」という会社法第120条第1項に違反しているように思われる。事と次第によっては,決議取消しの訴えの提起というのもないではない(同第831条第1項第1号)。

株式会社クオカード QUOカードとは?


会社法の関連条文

(株主の権利の行使に関する利益の供与)
第百二十条  株式会社は,何人に対しても,株主の権利の行使に関し,財産上の利益の供与(当該株式会社又はその子会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。
2  株式会社が特定の株主に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは,当該株式会社は,株主の権利の行使に関し,財産上の利益の供与をしたものと推定する。株式会社が特定の株主に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において,当該株式会社又はその子会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも,同様とする。
3  株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは,当該利益の供与を受けた者は,これを当該株式会社又はその子会社に返還しなければならない。この場合において,当該利益の供与を受けた者は,当該株式会社又はその子会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは,その返還を受けることができる。
4  株式会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは,当該利益の供与をすることに関与した取締役(委員会設置会社にあっては,執行役を含む。以下この項において同じ。)として法務省令で定める者は,当該株式会社に対して,連帯して,供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。ただし,その者(当該利益の供与をした取締役を除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は,この限りでない。
5  前項の義務は,総株主の同意がなければ,免除することができない。

(株主総会等の決議の取消しの訴え)
第八百三十一条  次の各号に掲げる場合には,株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては,株主等,設立時株主,設立時取締役又は設立時監査役)は,株主総会等の決議の日から三箇月以内に,訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより取締役,監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役,監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み,当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)となる者も,同様とする。
一  株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し,又は著しく不公正なとき。
二  株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
三  株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって,著しく不当な決議がされたとき。
2  前項の訴えの提起があった場合において,株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても,裁判所は,その違反する事実が重大でなく,かつ,決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは,同項の規定による請求を棄却することができる。

会社法施行規則の関連条文

(利益の供与に関して責任をとるべき取締役等)
第二十一条  法第百二十条第四項 に規定する法務省令で定める者は,次に掲げる者とする。
一  利益の供与(法第百二十条第一項 に規定する利益の供与をいう。以下この条において同じ。)に関する職務を行った取締役及び執行役
二  利益の供与が取締役会の決議に基づいて行われたときは,次に掲げる者
イ 当該取締役会の決議に賛成した取締役
ロ 当該取締役会に当該利益の供与に関する議案を提案した取締役及び執行役
三  利益の供与が株主総会の決議に基づいて行われたときは,次に掲げる者
イ 当該株主総会に当該利益の供与に関する議案を提案した取締役
ロ イの議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。)
ハ イの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは,当該取締役会の決議に賛成した取締役
ニ 当該株主総会において当該利益の供与に関する事項について説明をした取締役及び執行役

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