法律の周辺

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中小企業経営承継円滑化法に関する書籍について

2008-10-27 19:17:57 | Weblog
 中小企業経営承継円滑化法は本年10月1日から施行されているが,目玉(?)の遺留分に関する民法の特例に係る第2章(第3条から第11条まで)は来年3月1日からの施行。

さて,銀行法務21の9月増刊号『中小企業事業承継の実務対応~中小企業経営承継円滑化法を踏まえて~』(経済法令研究会)にざっと目を通したところだが,いろいろ教えられるところが多かった。
一例をあげれば,法第4条第1項第2号の「固定合意」に関する事例をあげての解説部分。該合意については,制度目的として,通例,「後継者の会社経営に対するインセンティブの保持」などと説明されるが,株式の価値が下落した場合の効果にまで明確に言及している書籍はあまりないように思うのだが,どうだろう。
編著者の吉岡弁護士は,中小企業庁等によって設立された「事業承継協議会」の「事業承継関連相続法制検討委員会」及び「相続関連事業承継法制等検討委員会」の事務局として事業承継問題の検討に関与された方。記述は,簡にして要を得ている。価格は,消費税込みで1,050円。中小企業経営承継円滑化法の勉強はこれから,という方には有益な本だと思う。

中小企業庁 財務サポート 「事業承継」


「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い,多様な就業の機会を提供すること等により我が国の経済の基盤を形成している中小企業について,代表者の死亡等に起因する経営の承継がその事業活動の継続に影響を及ぼすことにかんがみ,遺留分に関し民法(明治二十九年法律第八十九号)の特例を定めるとともに,中小企業者が必要とする資金の供給の円滑化等の支援措置を講ずることにより,中小企業における経営の承継の円滑化を図り,もって中小企業の事業活動の継続に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「中小企業者」とは,次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一  資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって,製造業,建設業,運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種及び第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
二  資本金の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって,卸売業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
三  資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって,サービス業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
四  資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社及び個人であって,小売業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
五  資本金の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって,その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの

(定義)
第三条  この章において「特例中小企業者」とは,中小企業者のうち,一定期間以上継続して事業を行っているものとして経済産業省令で定める要件に該当する会社(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は同法第六十七条の十一第一項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。)をいう。
2  この章において「旧代表者」とは,特例中小企業者の代表者であった者(代表者である者を含む。)であって,その推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者のうち被相続人の兄弟姉妹及びこれらの者の子以外のものに限る。以下同じ。)のうち少なくとも一人に対して当該特例中小企業者の株式等(株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除く。)又は持分をいう。以下同じ。)の贈与をしたものをいう。
3  この章において「後継者」とは,旧代表者の推定相続人のうち,当該旧代表者から当該特例中小企業者の株式等の贈与を受けた者又は当該贈与を受けた者から当該株式等を相続,遺贈若しくは贈与により取得した者であって,当該特例中小企業者の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。以下同じ。)又は総社員の議決権の過半数を有し,かつ,当該特例中小企業者の代表者であるものをいう。

(後継者が取得した株式等に関する遺留分の算定に係る合意等)
第四条  旧代表者の推定相続人は,そのうちの一人が後継者である場合には,その全員の合意をもって,書面により,次に掲げる内容の定めをすることができる。ただし,当該後継者が所有する当該特例中小企業者の株式等のうち当該定めに係るものを除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の百分の五十を超える数となる場合は,この限りでない。
一  当該後継者が当該旧代表者からの贈与又は当該贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続,遺贈若しくは贈与により取得した当該特例中小企業者の株式等の全部又は一部について,その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しないこと。
二  前号に規定する株式等の全部又は一部について,遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を当該合意の時における価額(弁護士,弁護士法人,公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。),監査法人,税理士又は税理士法人がその時における相当な価額として証明をしたものに限る。)とすること。
2  次に掲げる者は,前項第二号に規定する証明をすることができない。
一  旧代表者
二  後継者
三  業務の停止の処分を受け,その停止の期間を経過しない者
四  弁護士法人,監査法人又は税理士法人であって,その社員の半数以上が第一号又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの
3  旧代表者の推定相続人は,第一項の規定による合意をする際に,併せて,その全員の合意をもって,書面により,次に掲げる場合に後継者以外の推定相続人がとることができる措置に関する定めをしなければならない。
一  当該後継者が第一項の規定による合意の対象とした株式等を処分する行為をした場合
二  旧代表者の生存中に当該後継者が当該特例中小企業者の代表者として経営に従事しなくなった場合

(後継者が取得した株式等以外の財産に関する遺留分の算定に係る合意等)
第五条  旧代表者の推定相続人は,前条第一項の規定による合意をする際に,併せて,その全員の合意をもって,書面により,後継者が当該旧代表者からの贈与又は当該贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続,遺贈若しくは贈与により取得した財産(当該特例中小企業者の株式等を除く。)の全部又は一部について,その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の定めをすることができる。

第六条  旧代表者の推定相続人が,第四条第一項の規定による合意をする際に,併せて,その全員の合意をもって,当該推定相続人間の衡平を図るための措置に関する定めをする場合においては,当該定めは,書面によってしなければならない。
2  旧代表者の推定相続人は,前項の規定による合意として,後継者以外の推定相続人が当該旧代表者からの贈与又は当該贈与を受けた旧代表者の推定相続人からの相続,遺贈若しくは贈与により取得した財産の全部又は一部について,その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の定めをすることができる。

(経済産業大臣の確認)
第七条  第四条第一項の規定による合意(前二条の規定による合意をした場合にあっては,同項及び前二条の規定による合意。以下この条において同じ。)をした後継者は,次の各号のいずれにも該当することについて,経済産業大臣の確認を受けることができる。
一  当該合意が当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るためにされたものであること。
二  申請をした者が当該合意をした日において後継者であったこと。
三  当該合意をした日において,当該後継者が所有する当該特例中小企業者の株式等のうち当該合意の対象とした株式等を除いたものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の百分の五十以下の数であったこと。
四  第四条第三項の規定による合意をしていること。
2  前項の確認の申請は,経済産業省令で定めるところにより,第四条第一項の規定による合意をした日から一月以内に,次に掲げる書類を添付した申請書を経済産業大臣に提出してしなければならない。
一  当該合意の当事者の全員の署名又は記名押印のある次に掲げる書面
イ 当該合意に関する書面
ロ 当該合意の当事者の全員が当該特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るために当該合意をした旨の記載がある書面
二  第四条第一項第二号に掲げる内容の定めをした場合においては,同号に規定する証明を記載した書面
三  前二号に掲げるもののほか,経済産業省令で定める書類
3  第四条第一項の規定による合意をした後継者が死亡したときは,その相続人は,第一項の確認を受けることができない。
4  経済産業大臣は,第一項の確認を受けた者について,偽りその他不正の手段によりその確認を受けたことが判明したときは,その確認を取り消すことができる。

(家庭裁判所の許可)
第八条  第四条第一項の規定による合意(第五条又は第六条第二項の規定による合意をした場合にあっては,第四条第一項及び第五条又は第六条第二項の規定による合意)は,前条第一項の確認を受けた者が当該確認を受けた日から一月以内にした申立てにより,家庭裁判所の許可を受けたときに限り,その効力を生ずる。
2  家庭裁判所は,前項に規定する合意が当事者の全員の真意に出たものであるとの心証を得なければ,これを許可することができない。
3  前条第一項の確認を受けた者が死亡したときは,その相続人は,第一項の許可を受けることができない。

(合意の効力)
第九条  前条第一項の許可があった場合には,民法第千二十九条第一項の規定及び同法第千四十四条において準用する同法第九百三条第一項の規定にかかわらず,第四条第一項第一号に掲げる内容の定めに係る株式等並びに第五条及び第六条第二項の規定による合意に係る財産の価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しないものとする。
2  前条第一項の許可があった場合における第四条第一項第二号に掲げる内容の定めに係る株式等について遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額は,当該定めをした価額とする。
3  前二項の規定にかかわらず,前条第一項に規定する合意は,旧代表者がした遺贈及び贈与について,当該合意の当事者(民法第八百八十七条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により当該旧代表者の相続人となる者(次条第四号において「代襲者」という。)を含む。次条第三号において同じ。)以外の者に対してする減殺に影響を及ぼさない。

(合意の効力の消滅)
第十条  第八条第一項に規定する合意は,次に掲げる事由が生じたときは,その効力を失う。
一  第七条第一項の確認が取り消されたこと。
二  旧代表者の生存中に後継者が死亡し,又は後見開始若しくは保佐開始の審判を受けたこと。
三  当該合意の当事者以外の者が新たに旧代表者の推定相続人となったこと。
四  当該合意の当事者の代襲者が旧代表者の養子となったこと。

(家事審判法の適用)
第十一条  第八条第一項の許可は,家事審判法(昭和二十二年法律第百五十二号)の適用については,同法第九条第一項甲類に掲げる事項とみなす。

(経済産業大臣の認定)
第十二条  次の各号に掲げる者は,当該各号に該当することについて,経済産業大臣の認定を受けることができる。
一  会社である中小企業者(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は同法第六十七条の十一第一項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。) 当該中小企業者における代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い,死亡したその代表者(代表者であった者を含む。)又は退任したその代表者の資産のうち当該中小企業者の事業の実施に不可欠なものを取得するために多額の費用を要することその他経済産業省令で定める事由が生じているため,当該中小企業者の事業活動の継続に支障が生じていると認められること。
二  個人である中小企業者 他の個人である中小企業者の死亡等に起因する当該他の個人である中小企業者が営んでいた事業の経営の承継に伴い,当該他の個人である中小企業者の資産のうち当該個人である中小企業者の事業の実施に不可欠なものを取得するために多額の費用を要することその他経済産業省令で定める事由が生じているため,当該個人である中小企業者の事業活動の継続に支障が生じていると認められること。
2  前項の認定に関し必要な事項は,経済産業省令で定める。

(中小企業信用保険法の特例)
第十三条  中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第三条第一項に規定する普通保険,同法第三条の二第一項に規定する無担保保険又は同法第三条の三第一項に規定する特別小口保険の保険関係であって,経営承継関連保証(同法第三条第一項,第三条の二第一項又は第三条の三第一項に規定する債務の保証であって,前条第一項の認定を受けた中小企業者(以下「認定中小企業者」という。)の事業に必要な資金に係るものをいう。)を受けた認定中小企業者に係るものについての次の表の上欄に掲げる同法の規定の適用については,これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は,同表の下欄に掲げる字句とする。(表は省略)

(株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例)
第十四条  株式会社日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫は,株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)第十一条又は沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)第十九条の規定にかかわらず,認定中小企業者(第十二条第一項第一号に掲げる中小企業者に限る。)の代表者に対し,当該代表者が相続により承継した債務であって当該認定中小企業者の事業の実施に不可欠な資産を担保とする借入れに係るものの弁済資金その他の当該代表者が必要とする資金であって当該認定中小企業者の事業活動の継続に必要なものとして経済産業省令で定めるもののうち別表の上欄に掲げる資金を貸し付けることができる。
2  前項の規定による別表の上欄に掲げる資金の貸付けは,株式会社日本政策金融公庫法又は沖縄振興開発金融公庫法の適用については,それぞれ同表の下欄に掲げる業務とみなす。

(指導及び助言)
第十五条  経済産業大臣は,中小企業者であって,その代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い,従業員数の減少を伴う事業の規模の縮小又は信用状態の低下等によって当該中小企業者の事業活動の継続に支障が生じることを防止するために,多様な分野における事業の展開,人材の育成及び資金の確保に計画的に取り組むことが特に必要かつ適切なものとして経済産業省令で定める要件に該当するものの経営に従事する者に対して,必要な指導及び助言を行うものとする。

(権限の委任)
第十六条  この法律に規定する経済産業大臣の権限は,経済産業省令で定めるところにより,経済産業局長に委任することができる。

附則

(施行期日)
第一条  この法律は,平成二十年十月一日から施行する。ただし,第二章の規定は,公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(相続税の課税についての措置)
第二条  政府は,平成二十年度中に,中小企業における代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い,その事業活動の継続に支障が生じることを防止するため,相続税の課税について必要な措置を講ずるものとする。

(検討)
第三条  政府は,この法律の施行後五年を経過した場合において,この法律の施行の状況について検討を加え,必要があると認めるときは,その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

別表(第十四条関係)は省略

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電子化促進に係る「オンライン利用拡大行動計画」の発表について

2008-09-16 21:34:22 | Weblog
時事ドットコム 電子申請の使い勝手向上へ=行政手続きIT化で計画-政府

 大きな方針転換のようだ。
IT戦略本部の「オンライン利用拡大行動計画」には,記事の,ICカード及び同読み取り機の不要化,手数料の半額化のほか,例えば,「添付書類の削減に向けた方策」として次のようにある。

4 添付書類の削減に向けた方策
(1) 自己保管による添付書類の省略各手続所管府省は,士業者による確認によらない場合であっても,行政機関に提出すべき書類については,申請者本人に対し,一定期間,添付書類を自己保管することを義務付け,行政機関が事後的に添付書類の内容を検証できることを可能とすることにより,その提出を省略できる制度の導入又は拡大を図ることとする。
 その際,申請者が保管義務に違反した場合に講ずべき必要な法令上の措置の在り方について検討する。
 また,一定期間,当該申請等に係る法令に違反する行為がないなど,一定の基準を満たす優良な申請者に対する添付書類の省略の措置については,優先的に検討を行うこととする。
(2) 行政発行の書類のバックオフィス連携
 添付書類として要求されるものの多くは,他の行政機関の発行した証明書等であることから,行政情報を効率的に共同利用できる仕組みができるまでの間の措置として,利用頻度が高い書類について,申請者の求めに応じて,当該申請者に代わって当該行政情報をオンラインにより行政機関相互で個別に提供できるよう,これを実施するための簡易な仕組みについて検討することとする。
 また,バックオフィス連携を実施するに当たっては,申請を受け付けた行政機関が証明書等の発行機関から直接申請者に係る情報を入手することを可能にするため,個人情報の保護の必要性に留意しつつ,必要な制度上の措置について,併せて検討する。
 バックオフィス連携については,地方公共団体とも協力しつつ検討することとする。
(3) オンラインによる提出の拡大
 各手続所管府省は,添付書類のうち,原本性を確認する必要があるが,電子ファイルでは原本性を検証することができない書類など,紙媒体の原本を提出することによらなければ,適切な審査が行えない等目的を達することができないものや,書類を電子ファイル化した場合,データ量が過大となるもの等電子ファイル化になじまない書類を除き,スキャナー等を使用して添付書類を電子ファイル化(PDF 等)したものを送信すれば足りることとする。
(4) 士業者の確認による添付書類の省略
 各手続所管府省は,行政機関において登記における契約書や給付請求における給付額の決定に必要な書類のように審査上不可欠な書類を除き,士業者が本人に代わって申請書等を提出する場合には添付書類の提出の省略を可能とすることとする。


その他いろいろ。この動き,注視したい。

首相官邸 オンライン利用拡大行動計画

首相官邸 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)


不動産登記法の関連条文

(申請の方法)
第十八条  登記の申請は,次に掲げる方法のいずれかにより,不動産を識別するために必要な事項,申請人の氏名又は名称,登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一  法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法
二  申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法

租税特別措置法の関連条文

(電子情報処理組織による登記の申請の場合の登録免許税額の特別控除)
第八十四条の五  登記を受ける者が,平成二十年一月一日から平成二十一年十二月三十一日までの間に,行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第三条第一項 の規定又は不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)第十八条 の規定により電子情報処理組織を使用して次に掲げる登記の申請を行う場合における当該登記に係る登録免許税の額は,当該登記につき登録免許税法 その他登録免許税に関する法令の規定(この条の規定を除く。)により計算した金額から当該金額に百分の十を乗じて算出した金額(当該金額が五千円を超える場合には,五千円)を控除した額とする。
一  不動産の所有権の保存若しくは移転の登記又は抵当権の設定の登記
二  株式会社その他の政令で定める法人の設立の登記

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福祉型信託に係る担い手の拡大について

2008-09-15 17:27:56 | Weblog
毎日jp 敬老の日:75歳以上,人口の1割 70歳以上,2000万人超す--総務省推計

 平成18年の信託法改正の折り,衆議院法務委員会では「来るべき超高齢化社会をより暮らしやすい社会とするため,高齢者や障害者の生活を支援する福祉型の信託について,その担い手として弁護士,NPO等の参入の取扱い等を含め,幅広い観点から検討を行うこと。」,また,参議院法務委員会では「高齢者や障害者の生活を支援する福祉型の信託については,特にきめ細やかな支援の必要性が指摘されていることにも留意しつつ,その担い手として弁護士,社会福祉法人等の参入の取扱いなども含め,幅広い観点から検討を行うこと。」との付帯決議が行われている。

高齢者や障害者の財産管理制度については既に民法の成年後見制度があるが,信託制度には,いわゆる「親亡き後の財産管理」への対処,スキーム策定の柔軟性,といった点で,独自性ないし優位性を認めることができる。その制度限りでは身上監護に対応できないという弱点はあるが,この点は,任意後見契約等の併用により対応することになるのだろう。
ただ,高齢者・障害者の財産管理という場面での今後の福祉型信託の普及というものを考えた場合は,なお解決すべき問題が残されている。信託業法第3条に「信託業は,内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ,営むことができない。」とあり,弁護士などの専門家が「業として」信託契約を締結し,受託者に就任,とは簡単にいかない状況にあるのだ(なお,信託法第2条,同施行令第1条の2参照)。冒頭の附帯決議,そして平成16年の信託業法改正時の同旨の附帯決議は,信託という有用の道具を持ちながら,それが宝の持ち腐れとなることを危惧したものである。
この辺りの議論は,金融審議会金融分科会第二部会で中間論点が整理されるなど,ようやく緒に付いたところ。我が国に広く民事信託が根付くどうかにも係る重要な議論。今後の成り行きを注目したい。

金融庁 中間論点整理~平成16年改正後の信託業法の施行状況及び福祉型の信託について~


信託業法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,信託業を営む者等に関し必要な事項を定め,信託に関する引受けその他の取引の公正を確保することにより,信託の委託者及び受益者の保護を図り,もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「信託業」とは,信託の引受け(他の取引に係る費用に充てるべき金銭の預託を受けるものその他他の取引に付随して行われるものであって,その内容等を勘案し,委託者及び受益者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるものを除く。以下同じ。)を行う営業をいう。
2  この法律において「信託会社」とは,第三条の内閣総理大臣の免許又は第七条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
3  この法律において「管理型信託業」とは,次の各号のいずれかに該当する信託のみの引受けを行う営業をいう。
一  委託者又は委託者から指図の権限の委託を受けた者(委託者又は委託者から指図の権限の委託を受けた者が株式の所有関係又は人的関係において受託者と密接な関係を有する者として政令で定める者以外の者である場合に限る。)のみの指図により信託財産の管理又は処分(当該信託の目的の達成のために必要な行為を含む。以下同じ。)が行われる信託
二  信託財産につき保存行為又は財産の性質を変えない範囲内の利用行為若しくは改良行為のみが行われる信託
4  この法律において「管理型信託会社」とは,第七条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
5  この法律において「外国信託業者」とは,外国の法令に準拠して外国において信託業を営む者(信託会社を除く。)をいう。
6  この法律において「外国信託会社」とは,第五十三条第一項の内閣総理大臣の免許又は第五十四条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
7  この法律において「管理型外国信託会社」とは,第五十四条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
8  この法律において「信託契約代理業」とは,信託契約(当該信託契約に基づく信託の受託者が当該信託の受益権(当該受益権を表示する証券又は証書を含む。)の発行者(金融商品取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二条第五項 に規定する発行者をいう。)とされる場合を除く。)の締結の代理(信託会社又は外国信託会社を代理する場合に限る。)又は媒介を行う営業をいう。
9  この法律において「信託契約代理店」とは,第六十七条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。

(免許)
第三条  信託業は,内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ,営むことができない。

信託法の関連条文

(趣旨)
第一条  信託の要件,効力等については,他の法令に定めるもののほか,この法律の定めるところによる。

(定義)
第二条  この法律において「信託」とは,次条各号に掲げる方法のいずれかにより,特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。
2  この法律において「信託行為」とは,次の各号に掲げる信託の区分に応じ,当該各号に定めるものをいう。
一  次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約
二  次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言
三  次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示
3  この法律において「信託財産」とは,受託者に属する財産であって,信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。
4  この法律において「委託者」とは,次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。
5  この法律において「受託者」とは,信託行為の定めに従い,信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。
6  この法律において「受益者」とは,受益権を有する者をいう。
7  この法律において「受益権」とは,信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。
8  この法律において「固有財産」とは,受託者に属する財産であって,信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。
9  この法律において「信託財産責任負担債務」とは,受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。
10  この法律において「信託の併合」とは,受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。
11  この法律において「吸収信託分割」とは,ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい,「新規信託分割」とは,ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい,「信託の分割」とは,吸収信託分割又は新規信託分割をいう。
12  この法律において「限定責任信託」とは,受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。

(信託の方法)
第三条  信託は,次に掲げる方法のいずれかによってする。
一  特定の者との間で,当該特定の者に対し財産の譲渡,担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法
二  特定の者に対し財産の譲渡,担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
三  特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的,当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

(信託の効力の発生)
第四条  前条第一号に掲げる方法によってされる信託は,委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。
2  前条第二号に掲げる方法によってされる信託は,当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。
3  前条第三号に掲げる方法によってされる信託は,次の各号に掲げる場合の区分に応じ,当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。
一  公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成
二  公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては,その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知
4  前三項の規定にかかわらず,信託は,信託行為に停止条件又は始期が付されているときは,当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。

(受益者指定権等)
第八十九条  受益者を指定し,又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては,受益者指定権等は,受託者に対する意思表示によって行使する。
2  前項の規定にかかわらず,受益者指定権等は,遺言によって行使することができる。
3  前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において,受託者がこれを知らないときは,これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。
4  受託者は,受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは,その者に対し,遅滞なく,その旨を通知しなければならない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。
5  受益者指定権等は,相続によって承継されない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。
6  受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については,同項中「受託者」とあるのは,「受益者となるべき者」とする。

(委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例)
第九十条  次の各号に掲げる信託においては,当該各号の委託者は,受益者を変更する権利を有する。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。
一  委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託
二  委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託
2  前項第二号の受益者は,同号の委託者が死亡するまでは,受益者としての権利を有しない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。

(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)
第九十一条  受益者の死亡により,当該受益者の有する受益権が消滅し,他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は,当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間,その効力を有する。

商法の関連条文

(営業的商行為)
第五百二条  次に掲げる行為は,営業としてするときは,商行為とする。ただし,専ら賃金を得る目的で物を製造し,又は労務に従事する者の行為は,この限りでない。
一  賃貸する意思をもってする動産若しくは不動産の有償取得若しくは賃借又はその取得し若しくは賃借したものの賃貸を目的とする行為
二  他人のためにする製造又は加工に関する行為
三  電気又はガスの供給に関する行為
四  運送に関する行為
五  作業又は労務の請負
六  出版,印刷又は撮影に関する行為
七  客の来集を目的とする場屋における取引
八  両替その他の銀行取引
九  保険
十  寄託の引受け
十一  仲立ち又は取次ぎに関する行為
十二  商行為の代理の引受け
十三  信託の引受け

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抵抗感の強い成人年齢の引き下げについて

2008-09-13 19:37:13 | Weblog
18歳成人に反対69% 内閣府調査,引き下げに抵抗感 - さきがけ on the Web

 国民投票法第3条には「日本国民で年齢満十八年以上の者は,国民投票の投票権を有する。」とあるところ,同附則第3条第1項には「国は,この法律が施行されるまでの間に,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう,選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする。」とある。
第3条第1項の「満十八年以上」は,附則第3条第2項により,法制上の措置が講ぜられるまで「満二十年以上」と読み替えられる。
法制審民法成年年齢部会の第1回会議の配布資料「国民投票法との関係について」には,上記附則に関し,次のようにある。

 この附則を設けた理由については,同法案の国会審議における同法案の提出者の答弁等において,①公職選挙法の選挙年齢を戦後20歳に引き下げた理由として,民法の成年年齢が20歳であることが挙げられており,民法上の判断能力と参政権の判断能力とは一致すべきであること,②公職選挙法の選挙年齢と国民投票の投票権年齢は同じ参政権であることから,一致すべきであること,また,③諸外国においても,成年年齢に合わせて18歳以上の国民に投票権・選挙権を与える例が非常に多いことが挙げられている。

さて,法制審民法成年年齢部会,この世論調査をどう見るだろう。因みに,同じく第1回会議の配布資料「今回の検討の対象について」の中には,次のようにもある。

2 仮に現時点では民法の成年年齢を引き下げるような状況にはないといった結論になった場合,いかなる条件・環境整備(例えば,中学校や高等学校における法教育の徹底等)が整えば,成年年齢を引き下げてよいか,また,それにはどの程度の期間を要するのかということも検討の対象となる。

最後になったが,国民投票法の施行日は平成22年5月18日。

政府広報オンライン 「国民投票法」って何だろう?


「日本国憲法の改正手続に関する法律」の関連条文

(趣旨)
第一条  この法律は,日本国憲法第九十六条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)について,国民の承認に係る投票(以下「国民投票」という。)に関する手続を定めるとともに,あわせて憲法改正の発議に係る手続の整備を行うものとする。

(国民投票の期日)
第二条  国民投票は,国会が憲法改正を発議した日(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第六十八条の五第一項の規定により国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正の発議をし,国民に提案したものとされる日をいう。)から起算して六十日以後百八十日以内において,国会の議決した期日に行う。
2  内閣は,国会法第六十五条第一項の規定により国民投票の期日に係る議案の送付を受けたときは,速やかに,総務大臣を経由して,当該国民投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。
3  中央選挙管理会は,前項の通知があったときは,速やかに,国民投票の期日を官報で告示しなければならない。

(投票権)
第三条  日本国民で年齢満十八年以上の者は,国民投票の投票権を有する。

(投票権を有しない者)
第四条  成年被後見人は,国民投票の投票権を有しない。

(協議会)
第十一条  国民投票広報協議会(以下この節において「協議会」という。)については,国会法に定めるもののほか,この節の定めるところによる。

(協議会の組織)
第十二条  協議会の委員(以下この節において「委員」という。)は,協議会が存続する間,その任にあるものとする。
2  委員の員数は,憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とし,その予備員の員数は,当該発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とする。
3  委員は,各議院における各会派の所属議員数の比率により,各会派に割り当て選任する。ただし,各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て選任した場合には憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が選任されないこととなるときは,各議院において,当該会派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮するものとする。
4  前項の規定は,予備員の選任について準用する。
5  委員に事故のある場合又は委員が欠けた場合は,憲法改正の発議がされた際にその者の属していた議院の議員であった予備員のうちから協議会の会長が指名する者が,その委員の職務を行う。

(会長の権限)
第十三条  協議会の会長は,協議会の議事を整理し,秩序を保持し,協議会を代表する。

(協議会の事務)
第十四条  協議会は,次に掲げる事務を行う。
一  国会の発議に係る日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成
二  第六十五条の憲法改正案の要旨の作成
三  第百六条及び第百七条の規定によりその権限に属する事務
四  前三号に掲げるもののほか憲法改正案の広報に関する事務
2  協議会が,前項第一号,第二号及び第四号の事務を行うに当たっては,憲法改正案及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明に関する記載等については客観的かつ中立的に行うとともに,憲法改正案に対する賛成意見及び反対意見の記載等については公正かつ平等に扱うものとする。

(協議会の議事)
第十五条  協議会は,憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった委員及び当該発議がされた際参議院議員であった委員がそれぞれ七人以上出席しなければ,議事を開き議決することができない。
2  協議会の議事は,出席委員の三分の二以上の多数で決する。

(国民投票公報の印刷及び配布)
第十八条  協議会は,第十四条第一項第一号の国民投票公報の原稿を作成したときは,これを国民投票の期日前三十日までに中央選挙管理会に送付しなければならない。
2  中央選挙管理会は,前項の国民投票公報の原稿の送付があったときは,速やかに,その写しを都道府県の選挙管理委員会に送付しなければならない。
3  都道府県の選挙管理委員会は,前項の国民投票公報の原稿の写しの送付があったときは,速やかに,国民投票公報を印刷しなければならない。この場合においては,当該写しを原文のまま印刷しなければならない。
4  公職選挙法第百七十条第一項本文及び第二項の規定は,国民投票公報の配布について準用する。この場合において,同条第一項中「当該選挙に用うべき選挙人名簿」とあるのは「投票人名簿」と,「選挙の期日前二日」とあるのは「国民投票の期日前十日」と,同条第二項中「選挙人」とあるのは「投票人」と読み替えるものとする。

(国民投票の方法等に関する周知等)
第十九条  総務大臣,中央選挙管理会,都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は,国民投票に際し,国民投票の方法,この法律に規定する規制その他国民投票の手続に関し必要と認める事項を投票人に周知させなければならない。
2  中央選挙管理会は,国民投票の結果を国民に対して速やかに知らせるように努めなければならない。
3  投票人に対しては,特別の事情がない限り,国民投票の当日,その投票権を行使するために必要な時間を与えるよう措置されなければならない。

(投票人名簿)
第二十条  市町村の選挙管理委員会は,国民投票が行われる場合においては,投票人名簿を調製しなければならない。
2  投票人名簿は,政令で定めるところにより,磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。
3  国民投票を行う場合において必要があるときは,投票人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもって投票人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあっては,当該投票人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。第三十二条において同じ。)を用いることができる。
4  投票人名簿の調製については,行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条の規定は,適用しない。
5  第一項の規定により調製された投票人名簿は,当該国民投票に限り,その効力を有する。

(投票人名簿の記載事項等)
第二十一条  投票人名簿には,投票人の氏名,住所,性別及び生年月日等の記載(前条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては,記録)をしなければならない。
2  投票人名簿は,市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には,その投票区ごとに編製しなければならない。
3  前二項に規定するもののほか,投票人名簿の様式その他必要な事項は,政令で定める。

(被登録資格等)
第二十二条  投票人名簿の登録は,国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民(第四条の規定により投票権を有しない者を除く。)で,次のいずれかに該当するものについて行う。
一  国民投票の期日前五十日に当たる日(以下「登録基準日」という。)において,当該市町村の住民基本台帳に記録されている者
二  登録基準日の翌日から十四日以内に当該市町村の住民基本台帳に記録された者であって,登録基準日においていずれの市町村の住民基本台帳にも記録されていないもの(登録基準日後当該住民基本台帳に記録された日までの間に他の市町村の住民基本台帳に記録されたことがある者及び当該住民基本台帳に記録された日においていずれかの市町村の在外投票人名簿に登録されている者を除く。)
2  市町村の選挙管理委員会は,政令で定めるところにより,当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を調査し,その者を投票人名簿に登録するための整理をしておかなければならない。

(登録)
第二十三条  市町村の選挙管理委員会は,中央選挙管理会が定めるところにより,当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を投票人名簿に登録しなければならない。

(縦覧)
第二十四条  市町村の選挙管理委員会は,投票人名簿を調製したときは,中央選挙管理会が定める期間,市役所,町村役場又は当該市町村の選挙管理委員会が指定した場所において,前条の規定により投票人名簿に登録した者の氏名,住所及び生年月日を記載した書面を縦覧に供さなければならない。
2  市町村の選挙管理委員会は,縦覧開始の日前三日までに縦覧の場所を告示しなければならない。

附則

(施行期日)
第一条  この法律は,公布の日から起算して三年を経過した日から施行する。ただし,第六章の規定(国会法第十一章の二の次に一章を加える改正規定を除く。)並びに附則第四条,第六条及び第七条の規定は公布の日以後初めて召集される国会の召集の日から,附則第三条第一項,第十一条及び第十二条の規定は公布の日から施行する。

(法制上の措置)
第三条  国は,この法律が施行されるまでの間に,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう,選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする。
2  前項の法制上の措置が講ぜられ,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加すること等ができるまでの間,第三条,第二十二条第一項,第三十五条及び第三十六条第一項の規定の適用については,これらの規定中「満十八年以上」とあるのは,「満二十年以上」とする。

(憲法改正問題についての国民投票制度に関する検討)
第十二条  国は,この規定の施行後速やかに,憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度に関し,その意義及び必要性の有無について,日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え,必要な措置を講ずるものとする。

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自動車運転過失致死傷容疑での書類送検について

2008-09-12 19:21:47 | Weblog
毎日jp 違法駐車:事故原因に認定,所有者を異例の立件 埼玉

 停車して携帯(電話)はいいとして,何もこんなところに停まらなくてもという御仁をたまに見かける。人の迷惑を考えないというか,想像力が欠けているというか。全く困ったものである。

 自動車運転過失致死傷罪(刑法第211条第2項)は,昨年の通常国会であらたに設けられたもの。
改正前,刑法第211条第2項には「自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は,傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」とあったが,自動車運転による死傷事故の実情等にかんがみ罰則を強化するため,「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」とあらためられた。

軽乗用車を運転して原付きバイクと出合い頭に衝突した男性が自動車運転過失致死傷容疑で現行犯逮捕されたのは当然として,記事には,ワゴン車を違法に駐車していた男性2人も同容疑で書類送検されたとある。自動車運転過失致死傷罪にいう「自動車の運転上必要な注意を怠り」は,運転行為という動態に係る不注意をいうようにも思えるのだが,どうだろう。硬きに過ぎるだろうか。確かに,駐停車禁止区域での駐車は悪質だし,死亡事故は重大。処罰感情としてはわかるのだが・・・。
因みに,道交法では,駐停車禁止区域に違法に駐車した者は,15万円以下の罰金に処せられる(道交法第44条,第45条,第119条の2第1項第1号,同第2項)。
自動車運転過失致死傷罪の法定刑は「七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」だから,道交法のそれとの開きは相当に大きい。


刑法の関連条文

(業務上過失致死傷等)
第二百十一条  業務上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も,同様とする。
2  自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。

道路交通法の関連条文

(停車及び駐車を禁止する場所)
第四十四条  車両は,道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては,法令の規定若しくは警察官の命令により,又は危険を防止するため一時停止する場合のほか,停車し,又は駐車してはならない。ただし,乗合自動車又はトロリーバスが,その属する運行系統に係る停留所又は停留場において,乗客の乗降のため停車するとき,又は運行時間を調整するため駐車するときは,この限りでない。
一  交差点,横断歩道,自転車横断帯,踏切,軌道敷内,坂の頂上付近,勾配の急な坂又はトンネル
二  交差点の側端又は道路のまがりかどから五メートル以内の部分
三  横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
四  安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
五  乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車,トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
六  踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分

(駐車を禁止する場所)
第四十五条  車両は,道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては,駐車してはならない。ただし,公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは,この限りでない。
一  人の乗降,貨物の積卸し,駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
二  道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
三  消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
四  消火栓,指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
五  火災報知機から一メートル以内の部分
2  車両は,第四十七条第二項又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは,その距離)以上の余地がないこととなる場所においては,駐車してはならない。ただし,貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき,若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき,又は傷病者の救護のためやむを得ないときは,この限りでない。
3  公安委員会が交通がひんぱんでないと認めて指定した区域においては,前項本文の規定は,適用しない。

(停車又は駐車の方法)
第四十七条  車両は,人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは,できる限り道路の左側端に沿い,かつ,他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2  車両は,駐車するときは,道路の左側端に沿い,かつ,他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
3  車両は,車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において,停車し,又は駐車するときは,前二項の規定にかかわらず,政令で定めるところにより,当該路側帯に入り,かつ,他の交通の妨害とならないようにしなければならない。

(違法駐車に対する措置)
第五十一条  車両が第四十四条,第四十五条第一項若しくは第二項,第四十七条第二項若しくは第三項,第四十八条若しくは第四十九条の二第二項,第三項若しくは第五項後段の規定に違反して駐車していると認められるとき,又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず,かつ,第四十九条の二第四項の規定に違反していると認められるとき(次条第一項及び第五十一条の四第一項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は,警察官等は,当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し,当該車両の駐車の方法を変更し,若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
2  車両の故障その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは,警察官等は,道路における危険を防止し,その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において,当該車両の駐車の方法を変更し,又は当該車両を移動することができる。
3  第一項の場合において,現場に当該車両の運転者等がいないために,当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは,警察官等は,道路における交通の危険を防止し,又は交通の円滑を図るため必要な限度において,当該車両の駐車の方法の変更その他必要な措置をとり,又は当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。
4  前項の規定により車両の移動をしようとする場合において,当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは,警察官等は,当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
5  前項の報告を受けた警察署長は,駐車場,空地,第三項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所に当該車両を移動することができる。
6  警察署長は,前項の規定により車両を移動したときは,当該車両を保管しなければならない。この場合において,警察署長は,車両の保管の場所の形状,管理の態様等に応じ,当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため,警察署長が当該車両を保管している旨の表示,車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。
7  警察署長は,前項の規定により車両を保管したときは,当該車両の使用者に対し,保管を始めた日時及び保管の場所並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知しなければならない。
8  警察署長は,前項の場合において,当該車両の使用者の氏名及び住所を知ることができないとき,その他当該使用者に当該車両を返還することが困難であると認められるときは,当該車両の所有者に対し,同項に規定する旨を告知しなければならない。
9  警察署長は,前項の場合において,当該車両の所有者の氏名及び住所を知ることができないときは,政令で定めるところにより,当該車両の保管の場所その他の政令で定める事項を公示しなければならない。
10  警察署長は,前項の規定による公示をしたときは,内閣府令で定めるところにより,当該公示の日付及び内容をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
11  第七項から前項までに定めるもののほか,第六項の規定により保管した車両の返還に関し必要な事項は,政令で定める。
12  警察署長は,第六項の規定により保管した車両につき,第八項の規定による告知の日又は第九項の規定による公示の日から起算して一月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において,政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し,その保管に不相当な費用を要するときは,政令で定めるところにより,当該車両を売却し,その売却した代金を保管することができる。
13  警察署長は,前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において,同項に規定する価額が著しく低いときは,当該車両を廃棄することができる。
14  第十二項の規定により売却した代金は,売却に要した費用に充てることができる。
15  第二項,第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動,車両の保管,公示その他の措置に要した費用は,当該車両の運転者等又は使用者若しくは所有者(以下第五十一条の二の二までにおいて「使用者等」という。)の負担とする。
16  警察署長は,前項の規定により運転者等又は使用者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額,納付の期限及び場所を定め,これらの者に対し,文書でその納付を命じなければならない。この場合において,納付すべき金額は,同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは,その定めた額とする。
17  警察署長は,前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは,督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において,警察署長は,負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
18  前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは,警察署長は,地方税の滞納処分の例により,負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は,国税及び地方税に次ぐものとする。
19  納付され,又は徴収された負担金等は,当該警察署の属する都道府県の収入とする。
20  第八項の規定による告知の日又は第九項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお第六項の規定により保管した車両(第十二項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは,当該車両の所有権は,当該警察署の属する都道府県に帰属する。
21  警察署長は,第十二項の規定による車両(道路運送車両法 (昭和二十六年法律第百八十五号)による登録を受けた自動車に限る。以下この項において同じ。)の売却,第十三項の規定による車両の廃棄又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは,政令で定めるところにより,当該車両について,これらの処分等に係る同法 による登録を国土交通大臣又は同法第百五条第一項 若しくは第二項 の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。
22  第六項,第七項及び第九項から第二十項までの規定は,第六項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。この場合において,第七項中「使用者」とあるのは「所有者,占有者その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)」と,第九項中「前項」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項」と,「知ることができない」とあるのは「知ることができず,かつ,当該積載物の所有者以外の者に当該積載物を返還することが困難であると認められる」と,第十一項中「第七項から前項まで」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項及び前二項」と,第十二項中「第八項の規定による告知の日又は」とあるのは「腐敗し,若しくは変質するおそれがあるとき,又は第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する告知の日若しくは」と,「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と,第十五項中「第二項,第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動,」とあるのは「第二十二項において準用する第六項,第七項又は第九項から第十一項までの規定による」と,「運転者等又は使用者若しくは所有者(以下第五十一条の二の二までにおいて「使用者等」という。)」とあるのは「所有者等」と,第十六項中「運転者等又は使用者等」とあるのは「所有者等」と,第二十項中「第八項の規定による」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する」と読み替えるものとする。

第百十九条の二  次の各号のいずれかに該当する行為(第一号及び第二号に掲げる行為にあつては,その行為が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為に該当するとき又はその行為をした場合において車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為をしたときに限る。)をした者は,十五万円以下の罰金に処する。
一  第四十四条(停車及び駐車を禁止する場所),第四十五条(駐車を禁止する場所)第一項若しくは第二項,第四十八条(停車又は駐車の方法の特例)又は第四十九条の二(時間制限駐車区間における駐車の方法等)第三項の規定の違反となるような行為
二  第四十七条(停車又は駐車の方法)第二項若しくは第三項又は第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第一項の規定の違反となるような行為
三  第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第七号の規定に違反する行為
2  過失により前項第一号の罪を犯した者は,十五万円以下の罰金に処する。

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親捜しを理由とする戸籍受付帳の閲覧請求について

2008-09-10 21:27:07 | Weblog
“親捜し”男性の「戸籍受付帳」閲覧,東京家裁は請求却下 YOMIURI ONLINE

 戸籍法第48条第2項には,戸籍に係る届書等の閲覧につき,「利害関係人は,特別の事由がある場合に限り,届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し,又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。」とある。
この請求に対する市町村長の処分に不服がある場合は,審査請求に対する法務局長の裁決を経た後,家裁に不服を申し立てることができる(戸籍法第121条,第124条,第125条参照)。
閲覧が認められるのは「届書その他市町村長の受理した書類」。これには出生証明書等の添付書類も含まれるが(昭和5.5.9民事404号回答,昭和50.1.10民2-151号回答),戸籍受付帳まで含ましめるのは文理上からも無理がある。「利害関係人」,「特別の事由」の解釈にまで踏み込む必要はなさそうだ。
件の男性のお気持ち,わからないではないが・・・。


戸籍法の関連条文

第一条  戸籍に関する事務は,市町村長がこれを管掌する。
2  前項の事務は,地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。

第四十八条  届出人は,届出の受理又は不受理の証明書を請求することができる。
2  利害関係人は,特別の事由がある場合に限り,届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し,又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。
3  第十条第三項及び第十条の三の規定は,前二項の場合に準用する。

第百二十一条  戸籍事件(第百二十四条に規定する請求に係るものを除く。)について,市町村長の処分を不当とする者は,家庭裁判所に不服の申立てをすることができる。

第百二十三条  戸籍事件(次条に規定する請求に係るものを除く。)に関する市町村長の処分については,行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

第百二十四条  第十条第一項又は第十条の二第一項から第五項までの請求(これらの規定を第十二条の二において準用する場合を含む。),第四十八条第二項の規定による請求及び第百二十条第一項の請求について市町村長がした処分に不服がある者は,市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。

第百二十五条  前条の処分の取消しの訴えは,当該処分についての審査請求の裁決を経た後でなければ,提起することができない。

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少し整理しなければならない問題について

2008-09-01 20:36:56 | Weblog
小沢氏「党除籍なら辞職当然」 「改革クラブ」をけん制 - さきがけ on the Web

 なるほど,小沢代表の,概略,比例票は党に投じられたものである以上,党籍を失った者は議員の身分を失うのが当然,は筋が通っている。この考え,徹底していけば,離党,除名,党籍変更で結論を違える理由はないことになるが,より穏健に,除名・党籍変更と離党とで別異に考える人もいるかもしれない。
ここで憲法に目を転じてみよう。第43条第1項には「両議院は,全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」とある。
素直に読めば,ひとたび議員として選ばれた以上,選挙方式のいかんにかかわりなく,議員は全て「全国民を代表する」ものと解すべきであり,党籍を失っても議員たる身分に影響はない,ということになる。
「政党政治の実態を見ない形式論」を言うのは容易いが,憲法の「全国民を代表する」は重い。
公選法改正となれば,この論点,避けては通れない。


日本国憲法の関連条文

第四十三条  両議院は,全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
2  両議院の議員の定数は,法律でこれを定める。

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事業承継の円滑化に係る信託の活用について

2008-08-31 21:59:35 | Weblog
事業承継に信託活用を 中小企業庁が報告書 NIKKEI NET

 平成18年6月に公表された事業承継関連相続法制検討委員会「事業承継ガイドライン. ~中小企業の円滑な事業承継のための手引き~」には,「相続紛争を防止しつつ後継者に事業用資産を集中させる方策」に「その他の手法」として次のようにあった。
因みに,信託法案が国会に提出されたのは平成18年3月13日。継続審議の後,法律として成立したのは同年12月7日。

③後継ぎ遺贈型受益者連続の信託
)概要
いわゆる「後継ぎ遺贈型受益者連続の信託」とは,受益者の死亡により,当該受益者の有する受益権が消滅し,他の者が新たな受益権を取得する旨の定めがある信託のことである。
中小企業の事業承継における活用例としては,企業経営者(=委託者)が,自社株式を信託財産とし,第一次受益者を妻,第二次受益者を妻の死後に事業後継者としたい長男とする後継ぎ遺贈型の受益者連続の信託を設定するようなケースが考えられる。


ひとつの案はわかるが,30年の期間制限には触れられていない(信託法第91条参照)。
後継ぎ遺贈型受益者連続信託については遺留分との関係も気になるが,立法担当者は,信託法には特段の規定はないが,遺留分に係る民法の規定からすれば,減殺の対象になるとしている。

2006年版の中小企業白書によれば,後継者不在で毎年7万社の中小企業が廃業し,それにより20万~35万人の雇用が失われるとか。事業承継問題は喫緊の政策課題だ。

事業承継協議会 事業承継ガイドライン. ~中小企業の円滑な事業承継のための手引き~

中小企業庁 中小企業白書 2006年版


信託法の関連条文

(趣旨)
第一条  信託の要件,効力等については,他の法令に定めるもののほか,この法律の定めるところによる。

(定義)
第二条  この法律において「信託」とは,次条各号に掲げる方法のいずれかにより,特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。
2  この法律において「信託行為」とは,次の各号に掲げる信託の区分に応じ,当該各号に定めるものをいう。
一  次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約
二  次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言
三  次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示
3  この法律において「信託財産」とは,受託者に属する財産であって,信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。
4  この法律において「委託者」とは,次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。
5  この法律において「受託者」とは,信託行為の定めに従い,信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。
6  この法律において「受益者」とは,受益権を有する者をいう。
7  この法律において「受益権」とは,信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。
8  この法律において「固有財産」とは,受託者に属する財産であって,信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。
9  この法律において「信託財産責任負担債務」とは,受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。
10  この法律において「信託の併合」とは,受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。
11  この法律において「吸収信託分割」とは,ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい,「新規信託分割」とは,ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい,「信託の分割」とは,吸収信託分割又は新規信託分割をいう。
12  この法律において「限定責任信託」とは,受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。

(信託の方法)
第三条  信託は,次に掲げる方法のいずれかによってする。
一  特定の者との間で,当該特定の者に対し財産の譲渡,担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法
二  特定の者に対し財産の譲渡,担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
三  特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的,当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

(信託の効力の発生)
第四条  前条第一号に掲げる方法によってされる信託は,委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。
2  前条第二号に掲げる方法によってされる信託は,当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。
3  前条第三号に掲げる方法によってされる信託は,次の各号に掲げる場合の区分に応じ,当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。
一  公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成
二  公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては,その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知
4  前三項の規定にかかわらず,信託は,信託行為に停止条件又は始期が付されているときは,当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。

(委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例)
第九十条  次の各号に掲げる信託においては,当該各号の委託者は,受益者を変更する権利を有する。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。
一  委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託
二  委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託
2  前項第二号の受益者は,同号の委託者が死亡するまでは,受益者としての権利を有しない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。

(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)
第九十一条  受益者の死亡により,当該受益者の有する受益権が消滅し,他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は,当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間,その効力を有する。

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裁判員候補者名簿に登載される確率について

2008-08-26 20:46:56 | Weblog
裁判員候補352人に1人,地域差最大3・6倍…読売試算 YOMIURI ONLINE

 秋田地裁の場合,想定した年間の対象事件数は15件。その8掛けで来年の対象事件は12件。1事件の裁判員候補者数は100人だから,裁判員候補者名簿に登載されるのは1200人。結果,名簿登載の確率は,有権者790人に1人ということのよう。
各紙報道しているが,名簿登載の確率,地裁間で相当ばらつきがあるようだ。地域的特性はもちろん分かるが,最大で3.6倍の開きは大きい。今のところ,是正を求める声は表だってはあがっていないようだが・・・。

ところで,記事には,奈良地裁の談話として,概略,年の途中の新たな名簿作成は避けたい,とある。
裁判員法を覗くと,その第24条第1項に「地方裁判所は,第二十条第一項の規定により通知をした年の次年において,その年に必要な裁判員候補者を補充する必要があると認めたときは,最高裁判所規則で定めるところにより,速やかに,その補充する裁判員候補者の員数をその管轄区域内の市町村に割り当て,これを市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。」とある。12月までに地裁から裁判員候補者名簿に登載された旨の通知がなければ,翌年に裁判員に選任されることは絶対ないということではないようだ。

裁判員制度 ~平成21年5月21日スタート!!~


「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の関連条文

(趣旨)
第一条  この法律は,国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ,裁判員の参加する刑事裁判に関し,裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)及び刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。

(裁判員の選任資格)
第十三条  裁判員は,衆議院議員の選挙権を有する者の中から,この節の定めるところにより,選任するものとする。

(欠格事由)
第十四条  国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八条の規定に該当する場合のほか,次の各号のいずれかに該当する者は,裁判員となることができない。
一  学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に定める義務教育を終了しない者。ただし,義務教育を終了した者と同等以上の学識を有する者は,この限りでない。
二  禁錮以上の刑に処せられた者
三  心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障がある者

(就職禁止事由)
第十五条  次の各号のいずれかに該当する者は,裁判員の職務に就くことができない。
一  国会議員
二  国務大臣
三  次のいずれかに該当する国の行政機関の職員
イ 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)別表第十一指定職俸給表の適用を受ける職員(ニに掲げる者を除く。)
ロ 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(平成十二年法律第百二十五号)第七条第一項に規定する俸給表の適用を受ける職員であって,同表七号俸の俸給月額以上の俸給を受けるもの
ハ 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)別表第一及び別表第二の適用を受ける職員
ニ 防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号。以下「防衛省職員給与法」という。)第四条第一項の規定により一般職の職員の給与に関する法律別表第十一指定職俸給表の適用を受ける職員及び防衛省職員給与法第四条第二項の規定により一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律第七条第一項の俸給表に定める額の俸給(同表七号俸の俸給月額以上のものに限る。)を受ける職員
四  裁判官及び裁判官であった者
五  検察官及び検察官であった者
六  弁護士(外国法事務弁護士を含む。以下この項において同じ。)及び弁護士であった者
七  弁理士
八  司法書士
九  公証人
十  司法警察職員としての職務を行う者
十一  裁判所の職員(非常勤の者を除く。)
十二  法務省の職員(非常勤の者を除く。)
十三  国家公安委員会委員及び都道府県公安委員会委員並びに警察職員(非常勤の者を除く。)
十四  判事,判事補,検事又は弁護士となる資格を有する者
十五  学校教育法に定める大学の学部,専攻科又は大学院の法律学の教授又は准教授
十六  司法修習生
十七  都道府県知事及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)の長
十八  自衛官
2  次のいずれかに該当する者も,前項と同様とする。
一  禁錮以上の刑に当たる罪につき起訴され,その被告事件の終結に至らない者
二  逮捕又は勾留されている者

(辞退事由)
第十六条  次の各号のいずれかに該当する者は,裁判員となることについて辞退の申立てをすることができる。
一  年齢七十年以上の者
二  地方公共団体の議会の議員(会期中の者に限る。)
三  学校教育法第一条,第百二十四条又は第百三十四条の学校の学生又は生徒(常時通学を要する課程に在学する者に限る。)
四  過去五年以内に裁判員又は補充裁判員の職にあった者
五  過去三年以内に選任予定裁判員であった者
六  過去一年以内に裁判員候補者として第二十七条第一項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭したことがある者(第三十四条第七項(第三十八条第二項(第四十六条第二項において準用する場合を含む。),第四十七条第二項及び第九十二条第二項において準用する場合を含む。第二十六条第三項において同じ。)の規定による不選任の決定があった者を除く。)
七  過去五年以内に検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)の規定による検察審査員又は補充員の職にあった者
八  次に掲げる事由その他政令で定めるやむを得ない事由があり,裁判員の職務を行うこと又は裁判員候補者として第二十七条第一項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭することが困難な者
イ 重い疾病又は傷害により裁判所に出頭することが困難であること。
ロ 介護又は養育が行われなければ日常生活を営むのに支障がある同居の親族の介護又は養育を行う必要があること。
ハ その従事する事業における重要な用務であって自らがこれを処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがあるものがあること。
ニ 父母の葬式への出席その他の社会生活上の重要な用務であって他の期日に行うことができないものがあること。

(事件に関連する不適格事由)
第十七条  次の各号のいずれかに該当する者は,当該事件について裁判員となることができない。
一  被告人又は被害者
二  被告人又は被害者の親族又は親族であった者
三  被告人又は被害者の法定代理人,後見監督人,保佐人,保佐監督人,補助人又は補助監督人
四  被告人又は被害者の同居人又は被用者
五  事件について告発又は請求をした者
六  事件について証人又は鑑定人になった者
七  事件について被告人の代理人,弁護人又は補佐人になった者
八  事件について検察官又は司法警察職員として職務を行った者
九  事件について検察審査員又は審査補助員として職務を行い,又は補充員として検察審査会議を傍聴した者
十  事件について刑事訴訟法第二百六十六条第二号の決定,略式命令,同法第三百九十八条から第四百条まで,第四百十二条若しくは第四百十三条の規定により差し戻し,若しくは移送された場合における原判決又はこれらの裁判の基礎となった取調べに関与した者。ただし,受託裁判官として関与した場合は,この限りでない。

(その他の不適格事由)
第十八条  前条のほか,裁判所がこの法律の定めるところにより不公平な裁判をするおそれがあると認めた者は,当該事件について裁判員となることができない。

(準用)
第十九条  第十三条から前条までの規定(裁判員の選任資格,欠格事由,就職禁止事由,辞退事由,事件に関連する不適格事由及びその他の不適格事由)は,補充裁判員に準用する。

(裁判員候補者の員数の割当て及び通知)
第二十条  地方裁判所は,最高裁判所規則で定めるところにより,毎年九月一日までに,次年に必要な裁判員候補者の員数をその管轄区域内の市町村に割り当て,これを市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
2  前項の裁判員候補者の員数は,最高裁判所規則で定めるところにより,地方裁判所が対象事件の取扱状況その他の事項を勘案して算定した数とする。

(裁判員候補者予定者名簿の調製)
第二十一条  市町村の選挙管理委員会は,前条第一項の通知を受けたときは,選挙人名簿に登録されている者の中から裁判員候補者の予定者として当該通知に係る員数の者(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第二十七条第一項の規定により選挙人名簿に同法第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第二十八条の規定により選挙権を有しなくなった旨の表示がなされている者を除く。)をくじで選定しなければならない。
2  市町村の選挙管理委員会は,前項の規定により選定した者について,選挙人名簿に記載(公職選挙法第十九条第三項の規定により磁気ディスクをもって調製する選挙人名簿にあっては,記録)をされている氏名,住所及び生年月日の記載(次項の規定により磁気ディスクをもって調製する裁判員候補者予定者名簿にあっては,記録)をした裁判員候補者予定者名簿を調製しなければならない。
3  裁判員候補者予定者名簿は,磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。

(裁判員候補者予定者名簿の送付)
第二十二条  市町村の選挙管理委員会は,第二十条第一項の通知を受けた年の十月十五日までに裁判員候補者予定者名簿を当該通知をした地方裁判所に送付しなければならない。

(裁判員候補者名簿の調製)
第二十三条  地方裁判所は,前条の規定により裁判員候補者予定者名簿の送付を受けたときは,これに基づき,最高裁判所規則で定めるところにより,裁判員候補者の氏名,住所及び生年月日の記載(次項の規定により磁気ディスクをもって調製する裁判員候補者名簿にあっては,記録。第二十五条及び第二十六条第三項において同じ。)をした裁判員候補者名簿を調製しなければならない。
2  裁判員候補者名簿は,磁気ディスクをもって調製することができる。
3  地方裁判所は,裁判員候補者について,死亡したことを知ったとき,第十三条に規定する者に該当しないと認めたとき,第十四条の規定により裁判員となることができない者であると認めたとき又は第十五条第一項各号に掲げる者に該当すると認めたときは,最高裁判所規則で定めるところにより,裁判員候補者名簿から消除しなければならない。
4  市町村の選挙管理委員会は,第二十一条第一項の規定により選定した裁判員候補者の予定者について,死亡したこと又は衆議院議員の選挙権を有しなくなったことを知ったときは,前条の規定により裁判員候補者予定者名簿を送付した地方裁判所にその旨を通知しなければならない。ただし,当該裁判員候補者予定者名簿を送付した年の次年が経過したときは,この限りでない。

(裁判員候補者の補充の場合の措置)
第二十四条  地方裁判所は,第二十条第一項の規定により通知をした年の次年において,その年に必要な裁判員候補者を補充する必要があると認めたときは,最高裁判所規則で定めるところにより,速やかに,その補充する裁判員候補者の員数をその管轄区域内の市町村に割り当て,これを市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
2  前三条の規定は,前項の場合に準用する。この場合において,第二十二条中「第二十条第一項の通知を受けた年の十月十五日までに」とあるのは「速やかに」と,前条第一項中「した裁判員候補者名簿」とあるのは「追加した裁判員候補者名簿」と,同条第四項ただし書中「送付した年の次年」とあるのは「送付した年」と読み替えるものとする。

(裁判員候補者への通知)
第二十五条  地方裁判所は,第二十三条第一項(前条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による裁判員候補者名簿の調製をしたときは,当該裁判員候補者名簿に記載をされた者にその旨を通知しなければならない。

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株券電子化に係る官民連携について

2008-08-18 21:16:12 | Weblog
株券電子化,官民連携で準備加速 金融庁も点検チーム NIKKEI NET

 「ほふり」(正式名「株式会社証券保管振替機構」)主催の「株券等の電子化に関する説明会」の資料を覗くと,「株式等振替制度への参加手続の日程等」の「7月~9月」には,「同意手続関係書類の提出等」とある。
通常の株券発行会社は,振替制度施行日の1カ月前の日まで,取締役会の決議により,振替機関がその株式を取り扱うことについて同意しておく必要がある(決済合理化法附則第7条第1項,改正振替法第128条第2項。公告については,決済合理化法附則第8条第1項参照)。この同意をおこなわない上場会社は,決済合理化法の施行日をもって上場廃止の扱いとなる。
このほか,端株が存在する発行会社は,決済合理化法の施行日までにこれをなくしておかなければならない。決済合理化法は端株の取り扱いを想定していない。
株券の電子化で,定款の見直しのほか,株式取扱規則の改定も必要になる。株式取扱規則については,全株懇が改定モデルを策定・公表する見込みとか。定款についても,なにがしか示されるものと思われる。

最後になったが,株券をお持ちの方は名義の確認を。証券会社を通じて既に「ほふり」に預託している方は手続きは不要。
「ほふり」に預託していない方でも,本人名義になっていれば,株券電子化にあたっては手続き不要。ただ,売却にあたっては,一旦自身の口座を開設し,当該口座への振替が必要になる。スムーズな売却を望むなら,「ほふり」への預託を検討すべきか。
名義書換未了の場合どうなるかだが,株主名簿上の従前の株主の名前で特別口座が開設される。最悪のケースがどのようなものかは容易に想像がつく。名義書換失念株式の救済方法については,改正振替法第133条第2項を参照。

証券保管振替機構 株券が電子化される?!

証券保管振替機構 株券等の電子化に関する説明会


「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」の関連条文

附則(平成一六年六月九日法律第八八号)

(施行期日)
第一条  この法律は,公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし,第一条中社債等の振替に関する法律第四十八条の表第三十三条の項を削る改正規定,同表第八十九条第二項の項の次に第九十条第一項の項を加える改正規定,同法第百十五条,第百十八条,第百二十一条及び第百二十三条の改正規定,第百二十八条の改正規定(同条を第二百九十九条とする部分を除く。),同法第六章の次に七章を加える改正規定(第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。),第三項及び第四項,第二百五十二条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。),第三項及び第四項に係る部分に限る。),第二百五十三条,第二百六十一条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。),第三項及び第四項に係る部分に限る。),第二百六十二条,第二百六十八条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。),第三項及び第四項に係る部分に限る。)並びに第二百六十九条に係る部分に限る。)並びに同法附則第十九条の表の改正規定(「第百十一条第一項」を「第百十一条」に改める部分に限る。),同法附則第三十三条の改正規定(「同法第二条第二項」を「投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二項」に改める部分に限る。),第二条の規定,第三条の規定(投資信託及び投資法人に関する法律第九条第三項の改正規定を除く。),第四条から第七条までの規定,附則第三条から第二十九条まで,第三十四条(第一項を除く。),第三十六条から第四十三条まで,第四十七条,第五十条及び第五十一条の規定,附則第五十九条中協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第四条の四第一項第三号の改正規定,附則第七十条,第八十五条,第八十六条,第九十五条及び第百九条の規定,附則第百十二条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百二十六条の改正規定,附則第百二十条から第百二十二条までの規定,附則第百二十三条中産業活力再生特別措置法(平成十一年法律第百三十一号)第十二条の八第三項及び第十二条の十一第七項の改正規定,附則第百二十五条の規定並びに附則第百二十九条中会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百五条第四項及び第二百十四条の改正規定は,公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から施行する。

(保管振替利用会社が施行日前に株券を発行しない旨の定めを設ける定款の変更の決議をした場合の手続)
第三条  保管振替機関(前条の規定による廃止前の株券等の保管及び振替に関する法律(以下附則第三十三条までにおいて「旧保振法」という。)第二条第二項に規定する保管振替機関をいう。以下附則第三十三条までにおいて同じ。)において取り扱われている株券(以下附則第三十一条までにおいて「保管振替株券」という。)に係る株式を発行している会社(以下附則第十二条まで及び附則第三十四条において「発行者」という。)が施行日前に株券を発行しない旨の定めを設ける定款の変更の決議をした場合(当該決議について当該発行者が定めた第二条の規定による改正後の商法(以下「新商法」という。)第三百五十一条第二項の一定の日(以下附則第六条までにおいて「効力発生日」という。)が施行日以前である場合に限る。)には,当該発行者は,旧保振法第六条の二の同意を与えた保管振替機関に対し,当該定款の変更をする旨及び効力発生日を通知しなければならない。
2  保管振替機関は,前項の通知を受けた場合には,当該通知を行った発行者に対し,当該発行者の当該通知に係る効力発生日の前日の実質株主(旧保振法第三十条第一項に規定する実質株主をいう。以下附則第二十七条までにおいて同じ。)に係る旧保振法第三十一条第一項に規定する通知事項及び当該保管振替機関において取り扱われている株券に係る株式の質権者に関する事項(当該質権者に係る参加者自己分(旧保振法第十七条第二項第一号の参加者自己分をいう。以下附則第七条までにおいて同じ。)についての旧保振法第十七条第二項に掲げる事項及び顧客預託分(旧保振法第十七条第二項第一号の顧客預託分をいう。)についての旧保振法第十五条第二項に掲げる事項をいう。附則第八条第十一項において同じ。)を,効力発生日以後,直ちに,通知しなければならない。
3  参加者(旧保振法第二条第三項に規定する参加者をいう。以下附則第三十二条までにおいて同じ。)は,前項の保管振替機関から,同項の通知のために必要な事項の報告を求められたときは,直ちに,当該事項を報告しなければならない。
4  第二項の通知を受けた発行者は,直ちに,株主名簿に当該通知を受けた事項を記載し,又は記録しなければならない。
5  前項の発行者は,効力発生日から起算して政令で定める期間を経過する日までの間は,同項の場合を除き,第二項の保管振替機関を株主とする株式について新商法第二百六条第一項の名義書換をしてはならない。

(預託株券に係る株式の帰属)
第四条  株券を発行しない旨の定款の定めを設けた発行者の株式に係る実質株主は,効力発生日において,各自その預託株券(旧保振法第十七条第二項に規定する預託株券をいう。以下附則第十二条までにおいて同じ。)の株式の数に応じた預託株券に係る株式を取得するものとする。

(株券の交付請求の制限)
第五条  株券を発行しない旨の定款の定めを設けた発行者の株式に係る預託株券については,参加者又は顧客(旧保振法第十五条第一項に規定する顧客をいう。以下附則第十三条までにおいて同じ。)は,保管振替機関又は参加者に対し,効力発生日以降は当該預託株券の交付を請求することができない。

(保管振替利用会社の施行日における特例)
第六条  保管振替株券に係る株式について施行日において株券を発行しない旨の定款の定めを設けていない発行者は,当該株式につき施行日を効力発生日とする株券を発行しない旨の定めを設ける定款の変更の決議をしたものとみなす。
2  附則第三条第二項の規定は,前項の発行者について準用する。この場合において,同条第二項の規定中次の表の上欄に掲げる字句は,それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。
3  附則第三条第三項の規定は前項において準用する同条第二項の通知について,同条第四項及び第五項の規定は当該通知を受けた発行者について,それぞれ準用する。この場合において,同項中「効力発生日」とあるのは,「施行日」と読み替えるものとする。
4  附則第四条の規定は第一項の発行者の株式に係る実質株主について,前条の規定は当該発行者の株式に係る預託株券について,それぞれ準用する。この場合において,附則第四条及び前条中「効力発生日」とあるのは,「施行日」と読み替えるものとする。
5  発行者が保管振替株券に係る株式について施行日以前の日を効力発生日とする株券を発行しない旨の定めを設ける定款の変更の決議を施行日の二週間前までにしなかったときは,当該発行者は,施行日において当該保管振替株券は無効となる旨を施行日の二週間前に公告しなければならない。
6  前項の発行者の保管振替株券(保管振替機関に預託されていないものに限る。)に係る株式の質権者が株主名簿への記載又は記録の請求を行った場合には,施行日の二週間前の日から施行日の前日までの間に限り,当該発行者は,当該質権者の氏名及び住所並びに質権者の請求による記載又は記録である旨を株主名簿に記載し,又は記録しなければならない。
7  第一項の規定により定款の変更の決議をしたものとみなされる場合における株券を発行しない旨の定めの設定による変更の登記の申請書には,附則第八十五条の規定による改正後の商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第八十六条の三に規定する書面に代えて,当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。

(保管振替利用会社が振替機関の指定を受けた保管振替機関に対し同意を与えた場合の特例)
第七条  施行日において,保管振替株券に係る株式につき発行者が旧保振法第六条の二の同意を与えた保管振替機関が振替機関(第一条の規定による改正後の社債,株式等の振替に関する法律(以下「新振替法」という。)第二条第二項に規定する振替機関をいう。以下附則第三十四条までにおいて同じ。)であり,当該発行者から施行日の一月前の日(以下附則第十一条までにおいて「同意期限日」という。)までに当該保管振替株券に係る株式につき新振替法第十三条第一項の同意を得ていた場合において,当該保管振替機関の参加者が当該株式につき当該振替機関(以下附則第十条までにおいて「特定振替機関」という。)の直近下位機関(新振替法第二条第八項に規定する直近下位機関をいう。以下この条及び次条において同じ。)であるときは,当該特定振替機関は,当該参加者(以下この条において「特定参加者」という。)の参加者自己分の質権者として参加者口座簿(旧保振法第十七条第一項に規定する参加者口座簿をいう。以下附則第二十六条までにおいて同じ。)に記載又は記録がされていた者(当該特定振替機関を除く。以下この条において「特定質権者」という。)のために振替株式(新振替法第百二十八条第一項に規定する振替株式をいう。以下附則第九条までにおいて同じ。)の振替を行うための口座を開設しなければならない。この場合において,当該口座は,当該特定質権者の新振替法第十二条第一項の申出により開設されたものとみなす。
2  特定振替機関は,施行日において,内閣府令・法務省令で定めるところにより,その備える振替口座簿(新振替法第百二十九条第一項に規定する振替口座簿をいう。以下附則第二十六条までにおいて同じ。)の特定参加者のために開設した口座又は特定質権者のために前項前段の規定により開設した口座に,その参加者口座簿に記載又は記録がされていた当該特定参加者又は当該特定質権者に係る旧保振法第十七条第二項に掲げる事項,旧保振法第三十七条の規定により記載又は記録がされていた事項及び新振替法第百二十九条第三項第六号に掲げる事項を記載し,又は記録しなければならない。
3  特定参加者は,施行日において,その顧客及び当該顧客の預託株券に係る株式の質権者として顧客口座簿(旧保振法第十五条第一項の顧客口座簿をいう。以下附則第二十六条までにおいて同じ。)に記載又は記録がされていた者(当該特定参加者を除く。)のために振替株式の振替を行うための口座を開設しなければならない。この場合において,当該口座は,当該顧客又は当該質権者の新振替法第四十四条第一項の申出により開設されたものとみなす。
4  特定参加者は,施行日において,内閣府令・法務省令で定めるところにより,その備える振替口座簿の顧客又は質権者のために前項前段の規定により開設した口座に,その顧客口座簿に記載又は記録がされていた当該顧客又は当該質権者に係る旧保振法第十五条第二項に掲げる事項,旧保振法第三十七条の規定により記載又は記録がされていた事項及び新振替法第百二十九条第三項第六号に掲げる事項を記載し,又は記録しなければならない。
5  特定参加者は,施行日において,特定振替機関(当該特定参加者の参加者自己分の質権者として参加者口座簿に記載又は記録がされていた者に限る。)のために振替株式の振替を行うための口座を開設しなければならない。この場合において,当該口座は,当該特定振替機関の新振替法第四十四条第一項の申出により開設されたものとみなす。
6  特定参加者は,施行日において,内閣府令・法務省令で定めるところにより,その備える振替口座簿の特定振替機関のために前項前段の規定により開設した口座に,その顧客口座簿に記載又は記録がされていた当該特定振替機関に係る新振替法第百二十九条第三項第四号に掲げる事項を記載し,又は記録する欄(以下この条及び次条において「質権欄」という。)において,当該特定振替機関を質権者とする同号に掲げる事項を記載し,又は記録しなければならない。
7  特定参加者がその顧客の預託株券に係る株式の質権者である場合には,当該特定参加者は,施行日において,特定振替機関に対し,当該特定参加者を質権者とする新振替法第百二十九条第三項第四号に掲げる事項を通知しなければならない。この場合において,当該通知を受けた特定振替機関は,直ちに,当該特定参加者の自己口座(同条第二項第一号に規定する自己口座をいう。)の質権欄において,当該事項を記載し,又は記録しなければならない。
8  振替機関等(新振替法第二条第五項に規定する振替機関等をいう。以下附則第三十四条までにおいて同じ。)が第二項,第四項,第六項又は前項後段の規定に違反して振替口座簿に記載若しくは記録の漏れを生じさせ,又は記載若しくは記録の誤りを生じさせた場合における当該記載若しくは記録の漏れ又は記載若しくは記録の誤りは,新振替法第五十八条に規定する誤記載等とみなす。

第八条  同意期限日までに特定振替機関に対し,保管振替株券に係る株式につき新振替法第十三条第一項の同意を与えた発行者は,同意期限日までに,次に掲げる事項を公告しなければならない。
一  当該発行者が施行日における株主(端株主を含み,株主名簿に記載又は記録がされている質権者の質権の目的である株式の株主及び前条第二項,第四項,第六項又は第七項後段の規定により記載し,又は記録された振替株式(次項において「特定振替株式」という。)の株主を除く。)及び当該質権者(以下この条において「通知対象株主等」という。)について第五項の通知をする旨
二  第四項前段の申出により口座を開設する振替機関等の氏名又は名称及び住所
2  特定振替機関は,施行日において,前項の発行者に対し,特定振替株式の存否,種類及び数並びにその株主を通知しなければならない。
3  参加者は,前項の特定振替機関から,同項の通知のために必要な事項の報告を求められたときは,直ちに,当該事項を報告しなければならない。
4  第二項の通知を受けた同項の発行者(以下この条及び次条において「特定発行者」という。)は,遅滞なく,第一項第二号の振替機関等に対し,通知対象株主等のために振替株式の振替を行うための口座の開設の申出をしなければならない。この場合において,当該口座は,新振替法第百三十三条第一項の特別口座とみなす。
5 5 特定発行者は,施行日後,遅滞なく,当該特定発行者が新振替法第十三条第一項の同意を与えた特定振替機関に対し,次に掲げる事項を通知しなければならない。
一  当該特定発行者の商号及び振替株式の種類(以下この条及び次条において「銘柄」という。)
二  通知対象株主等である加入者(新振替法第二条第三項に規定する加入者をいう。以下この条及び次条において同じ。)の氏名又は名称
三  前項前段の申出により振替機関等が開設した口座
四  加入者ごとの第一号の振替株式の数(次号に掲げるものを除く。)
五  加入者が質権者であるときは,その旨,加入者ごとの質権の目的である第一号の振替株式の数及び当該数のうち株主ごとの数
六  前号の株主の氏名又は名称及び住所
七  加入者が信託の受託者であるときは,その旨並びに第四号及び第五号の数のうち信託財産であるものの数
八  新振替法第百二十九条第三項第七号に掲げる事項のうち,特定発行者が知り得る事項として政令で定める事項
九  第一号の振替株式の総数その他内閣府令・法務省令で定める事項
6  前項の通知を受けた特定振替機関は,直ちに,当該通知に係る振替株式の銘柄について,次に掲げる措置を執らなければならない。
一 一 当該特定振替機関が前項第三号の口座を開設したものである場合には,次に掲げる記載又は記録イ 当該口座の新振替法第百二十九条第三項第三号に掲げる事項を記載し,又は記録する欄における前項第二号の加入者(株主であるものに限る。)に係る同項第四号の数の増加の記載又は記録ロ 当該口座の質権欄における前項第二号の加入者(質権者であるものに限る。)に係る同項第五号の振替株式の数及び当該数のうち株主ごとの数の増加の記載又は記録ハ 当該口座の質権欄における前項第六号に掲げる事項の記載又は記録ニ 当該口座における前項第七号の信託財産であるものの数の増加の記載又は記録ホ 当該口座における前項第八号に掲げる事項の記載又は記録
二  当該特定振替機関が前項第三号の口座を開設したものでない場合には,その直近下位機関であって同項第二号の加入者の上位機関(新振替法第二条第七項に規定する上位機関をいう。)であるものの口座の顧客口座(新振替法第百二十九条第二項第二号に規定する顧客口座をいう。)における当該加入者に係る前項第四号の数と同項第五号の振替株式の数を合計した数の増加の記載又は記録及び当該直近下位機関に対する同項第一号から第八号までに掲げる事項の通知
7  前項の規定は,同項第二号(この項において準用する場合を含む。)の通知を受けた口座管理機関(新振替法第二条第四項に規定する口座管理機関をいう。)について準用する。
8  新振替法第百六十九条の規定は,第五項の通知を受けた特定振替機関について準用する。
9  振替機関等が第六項(第七項において準用する場合を含む。)の規定に違反して振替口座簿に記載若しくは記録の漏れを生じさせ,又は記載若しくは記録の誤りを生じさせた場合における当該記載若しくは記録の漏れ又は記載若しくは記録の誤りは,新振替法第五十八条に規定する誤記載等とみなす。
10  第一項の発行者は,附則第六条第五項の規定にかかわらず,同項の公告をすることを要しない。
11  特定振替機関は,附則第三条第二項の規定による効力発生日が施行日とされた通知及び附則第六条第二項において準用する附則第三条第二項の通知については,前条第二項,第四項,第六項及び第七項後段の規定により記載又は記録をした質権者に関する事項を通知することができない。

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