法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

いわゆる「大会社」等の社外監査役のこと

2005-04-30 22:05:36 | Weblog
 近藤光男先生の言によれば,監査役制度の変遷は「監査役制度に対する期待と失望の繰り返し」ということになる。

 相次ぐ企業の不祥事を受け,平成13年12月の商法改正で,商法特例法上の大会社(資本金5億円以上又は負債額200億円以上の会社)については,社外監査役が増員されるとともに,資格要件が厳格化された(商特法第18条第1項)。人数は1人以上から半数以上に,資格の方は「就任前に会社・子会社の取締役・執行役・支配人・その他の使用人となったことがない者」とされたわけだ。みなし大会社も右に同じ(同第2条第2項)。

 平成13年には3度もあった商法改正だが,12月改正法は,翌平成14年5月1日から施行された。しかし,上記の社外監査役に関する規定は,人材不足もあろうということで,経過措置(同附則第1条)により,施行日から3年を経過した日から適用,ということになったのだった。3年を経過した日,そう,平成17年5月1日,明日である。
施行は明日からだが,施行後最初に到来する決算期に係る定時総会終結の時まではなお従前の例による,となっている(同附則第10条)。3月決算の会社は,平成18年6月の定時総会までは従前どおり,ということになる。現実には,既に対応済みの会社も多いのではないだろうか。そんな気がする。

 気をつけたいのは,現在国会で審議中の「会社法案」(内閣提出第81号)では,監査役会設置会社の場合,社外監査役は登記事項とされていること(会社法案第911条第3項第18号)。
郵政民営化等々重要法案が目白押しだが,この会社法案,審議が順調に進み,今国会で成立した場合,来年4月1日の施行が有力視されている。さて,どうなるのか。
一緒に提出された「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」(内閣提出第82号)も含め,これから中身を検討しなければならない。それにしても,会社法だけで全979条…。立派なボリュームに,ただただ,涙,涙。                      

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする