法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

稲わら焼却防止の呼びかけについて

2007-09-30 23:27:37 | Weblog
美の国あきたネット 稲わら等の焼却防止について

 秋田では,一昔前,稲刈り後の稲わら焼きによる煙害等が深刻な時期があった。「稲わらスモッグ」などと呼ばれることもあったから,ご存じない方にもどういったものか想像がつくと思う。以前,讃岐うどんのゆで汁の大量排水が環境を破壊しているというニュースがあったが,人生いろいろ,公害もいろいろ。

さて,秋田県公害防止条例第37条の2には「何人も,稲わら,ゴム,合成樹脂その他燃焼の際著しいばい煙を発生する物質を屋外において多量に燃焼させてはならない。ただし,規則で定めるところにより,燃焼させる場合はこの限りでない。」とあり,これを受けるかたちで,同施行規則には,燃焼禁止の例外として「毎年一月一日から九月三十日までの間及び十一月十一日から十二月三十一日までの間において,周辺の生活環境を損なうおそれがない場合に稲わらを燃焼させるとき。」(秋田県公害防止条例施行規則第12条第3号)とある。裏を返せば,10月1日から11月10日までの稲わら焼きは本則どおり禁止である。
最近は特にひどいという話しも聞かなかったので,「何故,今,リーフレットの配布?」と訝しく思ったのだが,どうやら国体の開催が関係しているようだ。確かに,秋田国体の思い出が稲わら焼きによるスモッグ・悪臭等では悲しい。


環境基本法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,環境の保全について,基本理念を定め,並びに国,地方公共団体,事業者及び国民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「環境への負荷」とは,人の活動により環境に加えられる影響であって,環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2  この法律において「地球環境保全」とは,人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行,海洋の汚染,野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって,人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
3  この法律において「公害」とは,環境の保全上の支障のうち,事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。第十六条第一項を除き,以下同じ。),土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって,人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(環境の恵沢の享受と継承等)
第三条  環境の保全は,環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており人類の存続の基盤である限りある環境が,人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ,現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。

(環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等)
第四条  環境の保全は,社会経済活動その他の活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われるようになることによって,健全で恵み豊かな環境を維持しつつ,環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし,及び科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として,行われなければならない。

秋田県公害防止条例の関連条文

(目的)
第一条 この条例は,公害の防止に関し必要な事項を定めることにより,県民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的とする。

(定義)
第二条 この条例において「公害」とは,秋田県環境基本条例(平成九年秋田県条例第六十号)第二条第三項に規定する公害をいう。
2 この条例にいう「生活環境」には,人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。

(県等の責務)
第三条 県,市町村,事業者及び県民は,秋田県環境基本条例第三条に定める基本理念にのつとり,公害の防止が図られるように,それぞれの立場において努めなければならない。

(環境基準)
第八条 知事は,大気の汚染,水質の汚濁,騒音等に係る環境上の条件について,それぞれ,人の健康を保護し,及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。
2 知事は,公害の防止に関する施策を総合的かつ有効適切に講ずることにより,前項の基準が確保されるように努めなければならない。

(燃焼の禁止)
第三十七条の二 何人も,稲わら,ゴム,合成樹脂その他燃焼の際著しいばい煙を発生する物質を屋外において多量に燃焼させてはならない。ただし,規則で定めるところにより,燃焼させる場合はこの限りでない。

(勧告)
第三十七条の三 知事は,前条の規定に違反して燃焼させることにより,周辺の生活環境が損なわれ又は損なわれるおそれがあると認めるときは,当該違反者に対し,燃焼を停止すべきことその他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

(勧告に従わない者の公表)
第八十条の二 知事は,第三十七条の三,第五十四条,第五十八条又は第六十四条に規定する勧告に従わない者があるときは,必要に応じ,その旨を公表することができる。

秋田県公害防止条例施行規則の関連条文

(燃焼禁止の特例)
第十二条 条例第三十七条の二ただし書の規則で定めるところにより燃焼させる場合は,次のとおりとする。
一 風水害等の非常災害のため,燃焼させるとき。
二 農作物の病害虫の防除又は凍霜害の防止のため燃焼させるとき。
三 毎年一月一日から九月三十日までの間及び十一月十一日から十二月三十一日までの間において,周辺の生活環境を損なうおそれがない場合に稲わらを燃焼させるとき。
四 前三号に掲げるもののほか,知事が特に必要があると認めて燃焼させるとき。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

郵便ポストに係る道路占有料の徴収について

2007-09-29 21:09:14 | Weblog
郵便ポストの道路占用料,自治体の7割が徴収・10月から NIKKEI NET

 記事には,多くの自治体は郵便ポストは公益性が高いため道路の占有料を免除してきたとある。言葉尻を捕らえるようで恐縮だが,公益性が高いのは郵便ポストそのものというより郵便事業ではないのか。
改正郵便法第2条には「郵便の業務は,この法律の定めるところにより,郵便事業株式会社(以下「会社」という。)が行う。」とあり,目的規定である同第1条には「この法律は,郵便の役務をなるべく安い料金で,あまねく,公平に提供することによつて,公共の福祉を増進することを目的とする。」とある。
郵政民営化後も郵便事業が公益性の高い事業である点に概ね変わりはないように思うのだが,どうだろうか。

日本郵政 民営化情報


改正郵便法の関連条文

第一条 (この法律の目的)  この法律は,郵便の役務をなるべく安い料金で,あまねく,公平に提供することによつて,公共の福祉を増進することを目的とする。

第二条 (郵便の実施)  郵便の業務は,この法律の定めるところにより,郵便事業株式会社(以下「会社」という。)が行う。

第三条 (郵便に関する料金)  郵便に関する料金は,郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い,かつ,適正な利潤を含むものでなければならない。

第四条 (事業の独占)  会社以外の者は,何人も,郵便の業務を業とし,また,会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて,郵便の業務に従事してはならない。ただし,会社が,契約により公社のため郵便の業務の一部を委託することを妨げない。
2  会社(契約により会社から郵便の業務の一部の委託を受けた者を含む。)以外の者は,何人も,他人の信書(特定の受取人に対し,差出人の意思を表示し,又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。二以上の人又は法人に雇用され,これらの人又は法人の信書の送達を継続して行う者は,他人の信書の送達を業とする者とみなす。
3  運送営業者,その代表者又はその代理人その他の従業者は,その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。ただし,貨物に添付する無封の添え状又は送り状は,この限りでない。
4  何人も,第二項の規定に違反して信書の送達を業とする者に信書の送達を委託し,又は前項に掲げる者に信書(同項ただし書に掲げるものを除く。)の送達を委託してはならない。

第五条 (利用の公平)  何人も,郵便の利用について差別されることがない。

郵便事業株式会社法の関連条文

(会社の目的)
第一条  郵便事業株式会社(以下「会社」という。)は,郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むことを目的とする株式会社とする。

(商号の使用制限)
第二条  会社でない者は,その商号中に郵便事業株式会社という文字を使用してはならない。

(業務の範囲)
第三条  会社は,その目的を達成するため,次に掲げる業務を営むものとする。
一  郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の規定により行う郵便の業務
二  国の委託を受けて行う印紙の売りさばき
三  前二号に掲げる業務に附帯する業務
2  会社は,前項に規定する業務を営むほか,その目的を達成するため,次に掲げる業務を営むことができる。
一  お年玉付郵便葉書等に関する法律(昭和二十四年法律第二百二十四号)第一条第一項に規定するお年玉付郵便葉書等及び同法第五条第一項に規定する寄附金付郵便葉書等の発行
二  前号に掲げる業務に附帯する業務
3  会社は,前二項に規定する業務のほか,前二項に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で,総務大臣の認可を受けて,前二項に規定する業務以外の業務を営むことができる。

(社会貢献業務計画)
第四条  会社は,総務省令で定めるところにより,三事業年度ごとに,三事業年度を一期とする社会貢献業務の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を定め,当該実施計画に係る期間の開始前に,総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも,同様とする。
2  前項の「社会貢献業務」とは,会社が営む次に掲げる業務であって,日本郵政株式会社法(平成十七年法律第九十八号)第六条第一項の規定による社会貢献資金の交付を受けなければ,当該業務に係る役務の水準を著しく低下させることなく当該業務を実施すること(第五号に掲げる業務にあっては,当該業務を実施すること)が困難であると認められるものをいう。
一  郵便法第十八条の規定により無償で交付する郵便葉書及び郵便書簡に係る郵便物に係る業務
二  郵便法第十八条及び第十九条の規定により料金(特殊取扱の料金を含む。)を免除する郵便物に係る業務
三  郵便法第二十二条第一項に規定する第三種郵便物に係る業務のうち,社会福祉の増進に寄与するものであって,総務省令で定めるもの
四  郵便法第二十七条第二号及び第三号に掲げる郵便物に係る業務
五  前条第三項に規定する業務のうち,天災その他非常の災害の被災者の救援又は社会福祉の増進に寄与するものであって,会社以外の者による実施が困難なもの
3  第一項の認可の申請は,日本郵政株式会社を経由して行わなければならない。
4  会社は,第一項の認可を受けたときは,遅滞なく,その実施計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは,その変更後のもの。以下「社会貢献業務計画」という。)を公表しなければならない。
5  会社は,社会貢献業務計画に係る期間の終了後三月以内に,総務省令で定めるところにより,当該社会貢献業務計画の実施状況に関する報告書を総務大臣に提出するとともに,これを公表しなければならない。

道路法の関連条文

(この法律の目的)
第一条  この法律は,道路網の整備を図るため,道路に関して,路線の指定及び認定,管理,構造,保全,費用の負担区分等に関する事項を定め,もつて交通の発達に寄与し,公共の福祉を増進することを目的とする。

(国道の維持,修繕その他の管理)
第十三条  前条に規定するものを除くほか,国道の維持,修繕,公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 (昭和二十六年法律第九十七号)第二条第二項 に規定する災害復旧事業(以下「災害復旧」という。)その他の管理は,政令で指定する区間(以下「指定区間」という。)内については国土交通大臣が行い,その他の部分については都道府県がその路線の当該都道府県の区域内に存する部分について行う。
2  国土交通大臣は,政令で定めるところにより,指定区間内の国道の維持,修繕及び災害復旧以外の管理を当該部分の存する都道府県又は指定市が行うこととすることができる。
3  国土交通大臣は,工事が高度の技術を要する場合,高度の機械力を使用して実施することが適当であると認める場合又は都道府県の区域の境界に係る場合においては,都道府県に代わつて自ら指定区間外の国道の災害復旧に関する工事を行うことができる。この場合においては,国土交通大臣は,あらかじめその旨を当該都道府県に通知しなければならない。
4  第一項の規定により都道府県が維持,修繕,災害復旧その他の管理を行う場合において,その行おうとする国道の修繕又は災害復旧に関する工事が都道府県の区域の境界に係るときは,関係都道府県は,あらかじめ修繕又は災害復旧に関する工事の設計及び実施計画について協議しなければならない。
5  第七条第五項及び第六項前段の規定は,前項の規定による協議が成立しない場合について準用する。
6  前項において準用する第七条第五項及び第六項前段の規定により国土交通大臣が裁定をした場合においては,第四項の規定による協議が成立したものとみなす。

(都道府県道の管理)
第十五条  都道府県道の管理は,その路線の存する都道府県が行う。

(市町村道の管理)
第十六条  市町村道の管理は,その路線の存する市町村が行う。
2  第八条第三項の規定により市町村長が当該市町村の区域をこえて市町村道の路線を認定した場合においては,その道路の管理は,当該路線を認定した市町村長の統轄する市町村が行う。但し,当該路線が他の市町村の市町村道の路線と重複する場合においては,その重複する部分の道路の管理の方法については,関係市町村長がそれぞれ議会の議決を経て協議しなければならない。
3  第七条第五項及び第六項の規定は,前項但書の規定による協議が成立しない場合について準用する。この場合において,これらの規定中「関係都道府県知事」とあるのは「関係市町村長」と,「国土交通大臣」とあるのは「都道府県知事」と,同条第六項中「当該都道府県の議会」とあるのは「当該市町村の議会」と読み替えるものとする。
4  前項において準用する第七条第五項及び第六項の規定により都道府県知事が裁定をした場合においては,第二項但書の規定の適用については,関係市町村長の協議が成立したものとみなす。
5  第二項但書の規定による関係市町村長の協議が成立した場合(前項の規定により関係市町村長の協議が成立したものとみなされる場合を含む。)においては,関係市町村長は,成立した協議の内容を公示しなければならない。

(管理の特例)
第十七条  指定市の区域内に存する国道の管理で第十二条ただし書及び第十三条第一項の規定により都道府県が行うべきもの並びに指定市の区域内に存する都道府県道の管理は,第十二条ただし書,第十三条第一項及び第十五条の規定にかかわらず,当該指定市が行う。
2  指定市以外の市は,第十二条ただし書,第十三条第一項及び第十五条の規定にかかわらず,都道府県に協議し,その同意を得て,当該市の区域内に存する国道の管理で第十二条ただし書及び第十三条第一項の規定により当該都道府県が行うべきもの並びに当該市の区域内に存する都道府県道の管理を行うことができる。
3  前二項の場合におけるこの法律の規定の適用についての必要な技術的読替は,政令で定める。

(道路の占用の許可)
第三十二条  道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物,物件又は施設を設け,継続して道路を使用しようとする場合においては,道路管理者の許可を受けなければならない。
一  電柱,電線,変圧塔,郵便差出箱,公衆電話所,広告塔その他これらに類する工作物
二  水管,下水道管,ガス管その他これらに類する物件
三  鉄道,軌道その他これらに類する施設
四  歩廊,雪よけその他これらに類する施設
五  地下街,地下室,通路,浄化槽その他これらに類する施設
六  露店,商品置場その他これらに類する施設
七  前各号に掲げるものを除く外,道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある工作物,物件又は施設で政令で定めるもの
2  前項の許可を受けようとする者は,左の各号に掲げる事項を記載した申請書を道路管理者に提出しなければならない。
一  道路の占用(道路に前項各号の一に掲げる工作物,物件又は施設を設け,継続して道路を使用することをいう。以下同じ。)の目的
二  道路の占用の期間
三  道路の占用の場所
四  工作物,物件又は施設の構造
五  工事実施の方法
六  工事の時期
七  道路の復旧方法
3  第一項の規定による許可を受けた者(以下「道路占用者」という。)は,前項各号に掲げる事項を変更しようとする場合においては,その変更が道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のないと認められる軽易なもので政令で定めるものである場合を除く外,あらかじめ道路管理者の許可を受けなければならない。
4  第一項又は前項の規定による許可に係る行為が道路交通法第七十七条第一項 の規定の適用を受けるものである場合においては,第二項の規定による申請書の提出は,当該地域を管轄する警察署長を経由して行なうことができる。この場合において,当該警察署長は,すみやかに当該申請書を道路管理者に送付しなければならない。
5  道路管理者は,第一項又は第三項の規定による許可を与えようとする場合において,当該許可に係る行為が道路交通法第七十七条第一項 の規定の適用を受けるものであるときは,あらかじめ当該地域を管轄する警察署長に協議しなければならない。

(道路の占用の許可基準)
第三十三条  道路管理者は,道路の占用が前条第一項各号の一に該当するものであつて道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないものであり,且つ,同条第二項第二号から第七号までに掲げる事項について政令で定める基準に適合する場合に限り,同条第一項又は第三項の許可を与えることができる。
2  前項の規定にかかわらず,前条第一項第五号から第七号までに掲げる工作物,物件又は施設のうち,高速自動車国道又は自動車専用道路の連結路附属地(これらの道路のうち,これらの道路と当該道路以外の交通の用に供する通路その他の施設とを連結する部分で国土交通省令で定める交通の用に供するものに附属する道路の区域内の土地をいう。以下この項において同じ。)に設けられるこれらの道路の通行者の利便の増進に資する施設で,当該連結路附属地をその合理的な利用の観点から継続して使用するにふさわしいと認められ,かつ,前項の規定に基づく政令で定める基準に適合するもののための道路の占用については,同条第一項又は第三項の許可を与えることができる。

(占用料の徴収)
第三十九条  道路管理者は,道路の占用につき占用料を徴収することができる。ただし,道路の占用が国の行う事業で政令で定めるもの及び地方公共団体の行う事業で地方財政法 (昭和二十三年法律第百九号)第六条 に規定する公営企業以外のものに係る場合においては,この限りでない。
2  前項の規定による占用料の額及び徴収方法は,道路管理者である地方公共団体の条例(指定区間内の国道にあつては,政令)で定める。但し,条例で定める場合においては,第三十五条に規定する事業及び全国にわたる事業で政令で定めるものに係るものについては,政令で定める基準の範囲をこえてはならない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

法相が絡まなくても自動的に進むような方法について

2007-09-28 21:21:28 | Weblog
死刑執行「自動的に」,法相発言に野党から批判 NIKKEI NET

 鳩山法相,思い切った発言が続いている。

さて,死刑の執行を法相の命令に係らせるのは,回復困難な極刑であることに鑑み,特に慎重を期そうというもの。
田宮先生の教科書には,死刑執行の手続きにつき,「担当検察庁から執行に関する上申書が法務大臣に提出されると,法務省の担当者があらためて記録など関係書類を精査し,再審・非常上告・恩赦の余地がないかを判断したうえで,法務大臣の命令が出される。」とある。
鳩山法相の言われるとおり死刑の執行が法相の死生観によって左右されるのはおかしいとは思うが,「自動的な執行」には死刑廃止論者ならずとも違和感を覚える。

法務省 鳩山法務大臣初登庁後記者会見の概要(平成19年8月27日)


刑事訴訟法の関連条文

第四百七十五条  死刑の執行は,法務大臣の命令による。
2  前項の命令は,判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し,上訴権回復若しくは再審の請求,非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は,これをその期間に算入しない。

第四百七十六条  法務大臣が死刑の執行を命じたときは,五日以内にその執行をしなければならない。

第四百七十七条  死刑は,検察官,検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上,これを執行しなければならない。
2  検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ,刑場に入ることはできない。

第四百七十八条  死刑の執行に立ち会つた検察事務官は,執行始末書を作り,検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに,これに署名押印しなければならない。

第四百七十九条  死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは,法務大臣の命令によつて執行を停止する。
2  死刑の言渡を受けた女子が懐胎しているときは,法務大臣の命令によつて執行を停止する。
3  前二項の規定により死刑の執行を停止した場合には,心神喪失の状態が回復した後又は出産の後に法務大臣の命令がなければ,執行することはできない。
4  第四百七十五条第二項の規定は,前項の命令についてこれを準用する。この場合において,判決確定の日とあるのは,心神喪失の状態が回復した日又は出産の日と読み替えるものとする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国務大臣の認証に係る助言等について

2007-09-26 22:48:03 | Weblog
福田内閣が正式発足 Sankei Web

 憲法第3条に「天皇の国事に関するすべての行為には,内閣の助言と承認を必要とし,内閣が,その責任を負ふ。」とあり,同第6条に「天皇は,国会の指名に基いて,内閣総理大臣を任命する。」とある。
憲法第71条には「前二条の場合には,内閣は,あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。」とあるから,福田総理の任命につき天皇に助言等を行ったのは安倍内閣。これが安倍内閣最後の職務ということになろうか。
他方,国務大臣の認証につき天皇に助言等を行ったのは安倍内閣ではなく福田総理が1人で構成する内閣と思われる。総理大臣の親任式と国務大臣の認証式は同時に行われたようだが,時間的には総理大臣の親任式の方が先であろう。この場合,憲法第71条により総理大臣の親任式終了の段階で安倍内閣はお役ご免となる。安倍内閣が国務大臣の認証に係る助言等まで行うというのは考えにくい。

国立印刷局 官報 平成19年9月26日付(特別号外 第22号)


日本国憲法の関連条文

第三条  天皇の国事に関するすべての行為には,内閣の助言と承認を必要とし,内閣が,その責任を負ふ。

第六条  天皇は,国会の指名に基いて,内閣総理大臣を任命する。
2  天皇は,内閣の指名に基いて,最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第七条  天皇は,内閣の助言と承認により,国民のために,左の国事に関する行為を行ふ。
一  憲法改正,法律,政令及び条約を公布すること。
二  国会を召集すること。
三  衆議院を解散すること。
四  国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六  大赦,特赦,減刑,刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七  栄典を授与すること。
八  批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九  外国の大使及び公使を接受すること。
十  儀式を行ふこと。

第六十七条  内閣総理大臣は,国会議員の中から国会の議決で,これを指名する。この指名は,他のすべての案件に先だつて,これを行ふ。
2  衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に,法律の定めるところにより,両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき,又は衆議院が指名の議決をした後,国会休会中の期間を除いて十日以内に,参議院が,指名の議決をしないときは,衆議院の議決を国会の議決とする。

第六十八条  内閣総理大臣は,国務大臣を任命する。但し,その過半数は,国会議員の中から選ばれなければならない。
2  内閣総理大臣は,任意に国務大臣を罷免することができる。

第七十条  内閣総理大臣が欠けたとき,又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは,内閣は,総辞職をしなければならない。

第七十一条  前二条の場合には,内閣は,あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

離婚資金の融資について

2007-09-25 20:53:38 | Weblog
離婚資金貸します,大垣共立銀が専用ローン NIKKEI NET

 年金分割制度スタートの影響か,離婚件数が増加に転じたようだ。本商品の発売,この動きもリサーチしてのものだろう。
ただ,本ローンの利用にあたっての公正証書や判決書の提出はちょっときつい。誰だって離婚原因等は知られたくない。

厚労省 人口動態統計速報(平成19年4月分)

厚労省 離婚に関する統計


民法の関連条文

(協議上の離婚)
第七百六十三条  夫婦は,その協議で,離婚をすることができる。

(婚姻の規定の準用)
第七百六十四条  第七百三十八条,第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は,協議上の離婚について準用する。

(離婚の届出の受理)
第七百六十五条  離婚の届出は,その離婚が前条において準用する第七百三十九条第二項の規定及び第八百十九条第一項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ,受理することができない。
2  離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても,離婚は,そのためにその効力を妨げられない。

(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
第七百六十六条  父母が協議上の離婚をするときは,子の監護をすべき者その他監護について必要な事項は,その協議で定める。協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,家庭裁判所が,これを定める。
2  子の利益のため必要があると認めるときは,家庭裁判所は,子の監護をすべき者を変更し,その他監護について相当な処分を命ずることができる。
3  前二項の規定によっては,監護の範囲外では,父母の権利義務に変更を生じない。

(財産分与)
第七百六十八条  協議上の離婚をした者の一方は,相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2  前項の規定による財産の分与について,当事者間に協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,当事者は,家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし,離婚の時から二年を経過したときは,この限りでない。
3  前項の場合には,家庭裁判所は,当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して,分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

(裁判上の離婚)
第七百七十条  夫婦の一方は,次に掲げる場合に限り,離婚の訴えを提起することができる。
一  配偶者に不貞な行為があったとき。
二  配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三  配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四  配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき。
五  その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2  裁判所は,前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても,一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは,離婚の請求を棄却することができる。

(協議上の離婚の規定の準用)
第七百七十一条  第七百六十六条から第七百六十九条までの規定は,裁判上の離婚について準用する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

求人に係る年齢制限の禁止について

2007-09-24 20:25:45 | Weblog
求人の年齢制限を禁止…改正雇用対策法、10月1日に施行 YOMIURI ONLINE

 改正雇用対策法第10条には「事業主は,労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは,労働者の募集及び採用について,厚生労働省令で定めるところにより,その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」とある。
例外的に年齢制限を設けることができるのは6項目(改正雇用対策法施行規則第1条の3第1項参照)。

厚労省のHPには「改正の留意点」として次のようにある。これは改正雇用対策法施行規則第1条の3第2項に基づくもの。

◆ 年齢不問として募集・採用を行うためには事業主が職務に適合する労働者であるか否かを個々人の適性,能力などによって判断することが重要です。このため,職務の内容,職務を遂行するために必要とされる労働者の適性,能力,経験,技能の程度など労働者が応募するに当たり求められる事項をできるだけ明示していただく必要があります。
◆ これにより,労働者側も,募集の内容を応募の前に把握することにより,応募するかどうかの判断が容易になり,求人と求職のミスマッチが解消されます。

厚労省 募集・採用における年齢制限の禁止について


改正雇用対策法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,国が,少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して,雇用に関し,その政策全般にわたり,必要な施策を総合的に講ずることにより,労働市場の機能が適切に発揮され,労働力の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して,労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし,これを通じて,労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに,経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする。
2  この法律の運用に当たつては,労働者の職業選択の自由及び事業主の雇用の管理についての自主性を尊重しなければならず,また,職業能力の開発及び向上を図り,職業を通じて自立しようとする労働者の意欲を高め,かつ,労働者の職業を安定させるための事業主の努力を助長するように努めなければならない。

(事業主の責務)
第六条  事業主は,事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者について,当該労働者が行う求職活動に対する援助その他の再就職の援助を行うことにより,その職業の安定を図るように努めなければならない。

第七条  事業主は,青少年が将来の産業及び社会を担う者であることにかんがみ,その有する能力を正当に評価するための募集及び採用の方法の改善その他の雇用管理の改善並びに実践的な職業能力の開発及び向上を図るために必要な措置を講ずることにより,その雇用機会の確保等が図られるように努めなければならない。

第八条  事業主は,外国人(日本の国籍を有しない者をいい,厚生労働省令で定める者を除く。以下同じ。)が我が国の雇用慣行に関する知識及び求職活動に必要な雇用に関する情報を十分に有していないこと等にかんがみ,その雇用する外国人がその有する能力を有効に発揮できるよう,職業に適応することを容易にするための措置の実施その他の雇用管理の改善に努めるとともに,その雇用する外国人が解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職する場合において,当該外国人が再就職を希望するときは,求人の開拓その他当該外国人の再就職の援助に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(指針)
第九条  厚生労働大臣は,前二条に定める事項に関し,事業主が適切に対処するために必要な指針を定め,これを公表するものとする。

(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第十条  事業主は,労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは,労働者の募集及び採用について,厚生労働省令で定めるところにより,その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

(助言,指導及び勧告)
第三十二条  厚生労働大臣は,この法律の施行に関し必要があると認めるときは,事業主に対して,助言,指導又は勧告をすることができる。

改正雇用対策法施行規則の関連条文

(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第1条の3 法第10条の厚生労働省令で定めるときは,次の各号に掲げるとき以外のときとする。
一 事業主が,その雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをしている場合において当該定年の年齢を下回ることを条件として労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。
二 事業主が,労働基準法(昭和22年法律第49号)その他の法令の規定により特定の年齢の範囲に属する労働者の就業等が禁止又は制限されている業務について当該年齢の範囲の労働者以外の労働者の募集及び採用を行うとき。
三 事業主の募集及び採用における年齢による制限を必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限である場合として次のいずれかに該当するとき。
イ 長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目的として,青少年その他特定の年齢を下回る労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限り,かつ,当該労働者が職業に従事した経験があることを求人の条件としない場合であつて学校(小学校及び幼稚園を除く。),専修学校,職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第15条の6第1項各号に掲げる施設又は同法第27条第1項に規定する職業能力開発総合大学校を新たに卒業しようとする者として又は当該者と同等の処遇で募集及び採用を行うときに限る。)。
ロ 当該事業主が雇用する特定の年齢の範囲の特定の職種の労働者(以下この項において「特定労働者」という。)の数が相当程度少ないものとして厚生労働大臣が定める条件に適合する場合において,当該職種の業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の継承を図ることを目的として,特定労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。
ハ 芸術又は芸能の分野における表現の真実性等を確保するために特定の年齢の範囲の労働者の募集及び採用を行うとき。
ニ 高年齢者の雇用の促進を目的として,特定の年齢以上の高年齢者(60歳以上の者に限る。)である労働者の募集及び採用を行うとき,又は特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用を促進するため,当該特定の年齢の範囲の労働者の募集及び採用を行うとき(当該特定の年齢の範囲の労働者の雇用の促進に係る国の施策を活用しようとする場合に限る。)。
2 事業主は,法第10条に基づいて行う労働者の募集及び採用に当たつては,事業主が当該募集及び採用に係る職務に適合する労働者を雇い入れ,かつ,労働者がその年齢にかかわりなく,その有する能力を有効に発揮することができる職業を選択することを容易にするため,当該募集及び採用に係る職務の内容,当該職務を遂行するために必要とされる労働者の適性,能力,経験,技能の程度その他の労働者が応募するに当たり求められる事項をできる限り明示するものとする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高齢者虐待防止法の見直すべき点について

2007-09-23 14:51:24 | Weblog
asahi.com 高齢者虐待防止,対応に差 立ち入り調査は4自治体のみ

 記事には,法改正で見直すべき点のひとつとして,立入調査権が弱いところがあげられている。
高齢者虐待防止法第11条第1項には「市町村長は,養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認めるときは,介護保険法第百十五条の三十九第二項 の規定により設置する地域包括支援センターの職員その他の高齢者の福祉に関する事務に従事する職員をして,当該高齢者の住所又は居所に立ち入り,必要な調査又は質問をさせることができる。」とあり,次条第1項には「市町村長は,前条第一項の規定による立入り及び調査又は質問をさせようとする場合において,これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは,当該高齢者の住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができる。」とある。現行法でもそれなりの調査は可能のようにも思うが,不足するところがあるようだ。

参考 福井県 高齢者虐待発見チェックリスト


「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,高齢者に対する虐待が深刻な状況にあり,高齢者の尊厳の保持にとって高齢者に対する虐待を防止することが極めて重要であること等にかんがみ,高齢者虐待の防止等に関する国等の責務,高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置,養護者の負担の軽減を図ること等の養護者に対する養護者による高齢者虐待の防止に資する支援(以下「養護者に対する支援」という。)のための措置等を定めることにより,高齢者虐待の防止,養護者に対する支援等に関する施策を促進し,もって高齢者の権利利益の擁護に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「高齢者」とは,六十五歳以上の者をいう。
2  この法律において「養護者」とは,高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等(第五項第一号の施設の業務に従事する者及び同項第二号の事業において業務に従事する者をいう。以下同じ。)以外のものをいう。
3  この法律において「高齢者虐待」とは,養護者による高齢者虐待及び養介護施設従事者等による高齢者虐待をいう。
4  この法律において「養護者による高齢者虐待」とは,次のいずれかに該当する行為をいう。
一  養護者がその養護する高齢者について行う次に掲げる行為
イ 高齢者の身体に外傷が生じ,又は生じるおそれのある暴行を加えること。
ロ 高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置,養護者以外の同居人によるイ,ハ又はニに掲げる行為と同様の行為の放置等養護を著しく怠ること。
ハ 高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
ニ 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
二  養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。
5  この法律において「養介護施設従事者等による高齢者虐待」とは,次のいずれかに該当する行為をいう。
一  老人福祉法 (昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の三 に規定する老人福祉施設若しくは同法第二十九条第一項 に規定する有料老人ホーム又は介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第八条第二十項 に規定する地域密着型介護老人福祉施設,同条第二十四項 に規定する介護老人福祉施設,同条第二十五項 に規定する介護老人保健施設,同条第二十六項 に規定する介護療養型医療施設若しくは同法第百十五条の三十九第一項 に規定する地域包括支援センター(以下「養介護施設」という。)の業務に従事する者が,当該養介護施設に入所し,その他当該養介護施設を利用する高齢者について行う次に掲げる行為
イ 高齢者の身体に外傷が生じ,又は生じるおそれのある暴行を加えること。
ロ 高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。
ハ 高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
ニ 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
ホ 高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。
二  老人福祉法第五条の二第一項 に規定する老人居宅生活支援事業又は介護保険法第八条第一項 に規定する居宅サービス事業,同条第十四項 に規定する地域密着型サービス事業,同条第二十一項 に規定する居宅介護支援事業,同法第八条の二第一項 に規定する介護予防サービス事業,同条第十四項 に規定する地域密着型介護予防サービス事業若しくは同条第十八項 に規定する介護予防支援事業(以下「養介護事業」という。)において業務に従事する者が,当該養介護事業に係るサービスの提供を受ける高齢者について行う前号イからホまでに掲げる行為

(高齢者虐待の早期発見等)
第五条  養介護施設,病院,保健所その他高齢者の福祉に業務上関係のある団体及び養介護施設従事者等,医師,保健師,弁護士その他高齢者の福祉に職務上関係のある者は,高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し,高齢者虐待の早期発見に努めなければならない。
2  前項に規定する者は,国及び地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止のための啓発活動及び高齢者虐待を受けた高齢者の保護のための施策に協力するよう努めなければならない。

(養護者による高齢者虐待に係る通報等)
第七条  養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は,当該高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は,速やかに,これを市町村に通報しなければならない。
2  前項に定める場合のほか,養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は,速やかに,これを市町村に通報するよう努めなければならない。
3  刑法 (明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は,前二項の規定による通報をすることを妨げるものと解釈してはならない。

第八条  市町村が前条第一項若しくは第二項の規定による通報又は次条第一項に規定する届出を受けた場合においては,当該通報又は届出を受けた市町村の職員は,その職務上知り得た事項であって当該通報又は届出をした者を特定させるものを漏らしてはならない。

(通報等を受けた場合の措置)
第九条  市町村は,第七条第一項若しくは第二項の規定による通報又は高齢者からの養護者による高齢者虐待を受けた旨の届出を受けたときは,速やかに,当該高齢者の安全の確認その他当該通報又は届出に係る事実の確認のための措置を講ずるとともに,第十六条の規定により当該市町村と連携協力する者(以下「高齢者虐待対応協力者」という。)とその対応について協議を行うものとする。
2  市町村又は市町村長は,第七条第一項若しくは第二項の規定による通報又は前項に規定する届出があった場合には,当該通報又は届出に係る高齢者に対する養護者による高齢者虐待の防止及び当該高齢者の保護が図られるよう,養護者による高齢者虐待により生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められる高齢者を一時的に保護するため迅速に老人福祉法第二十条の三 に規定する老人短期入所施設等に入所させる等,適切に,同法第十条の四第一項 若しくは第十一条第一項 の規定による措置を講じ,又は,適切に,同法第三十二条 の規定により審判の請求をするものとする。

(立入調査)
第十一条  市町村長は,養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認めるときは,介護保険法第百十五条の三十九第二項 の規定により設置する地域包括支援センターの職員その他の高齢者の福祉に関する事務に従事する職員をして,当該高齢者の住所又は居所に立ち入り,必要な調査又は質問をさせることができる。
2  前項の規定による立入り及び調査又は質問を行う場合においては,当該職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者の請求があるときは,これを提示しなければならない。
3  第一項の規定による立入り及び調査又は質問を行う権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(警察署長に対する援助要請等)
第十二条  市町村長は,前条第一項の規定による立入り及び調査又は質問をさせようとする場合において,これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは,当該高齢者の住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができる。
2  市町村長は,高齢者の生命又は身体の安全の確保に万全を期する観点から,必要に応じ適切に,前項の規定により警察署長に対し援助を求めなければならない。
3  警察署長は,第一項の規定による援助の求めを受けた場合において,高齢者の生命又は身体の安全を確保するため必要と認めるときは,速やかに,所属の警察官に,同項の職務の執行を援助するために必要な警察官職務執行法 (昭和二十三年法律第百三十六号)その他の法令の定めるところによる措置を講じさせるよう努めなければならない。

(養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止等のための措置)
第二十条  養介護施設の設置者又は養介護事業を行う者は,養介護施設従事者等の研修の実施,当該養介護施設に入所し,その他当該養介護施設を利用し,又は当該養介護事業に係るサービスの提供を受ける高齢者及びその家族からの苦情の処理の体制の整備その他の養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止等のための措置を講ずるものとする。

(養介護施設従事者等による高齢者虐待に係る通報等)
第二十一条  養介護施設従事者等は,当該養介護施設従事者等がその業務に従事している養介護施設又は養介護事業(当該養介護施設の設置者若しくは当該養介護事業を行う者が設置する養介護施設又はこれらの者が行う養介護事業を含む。)において業務に従事する養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は,速やかに,これを市町村に通報しなければならない。
2  前項に定める場合のほか,養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は,当該高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は,速やかに,これを市町村に通報しなければならない。
3  前二項に定める場合のほか,養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は,速やかに,これを市町村に通報するよう努めなければならない。
4  養介護施設従事者等による高齢者虐待を受けた高齢者は,その旨を市町村に届け出ることができる。
5  第十八条の規定は,第一項から第三項までの規定による通報又は前項の規定による届出の受理に関する事務を担当する部局の周知について準用する。
6  刑法 の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は,第一項から第三項までの規定による通報(虚偽であるもの及び過失によるものを除く。次項において同じ。)をすることを妨げるものと解釈してはならない。
7  養介護施設従事者等は,第一項から第三項までの規定による通報をしたことを理由として,解雇その他不利益な取扱いを受けない。

(通報等を受けた場合の措置)
第二十四条  市町村が第二十一条第一項から第三項までの規定による通報若しくは同条第四項の規定による届出を受け,又は都道府県が第二十二条第一項の規定による報告を受けたときは,市町村長又は都道府県知事は,養介護施設の業務又は養介護事業の適正な運営を確保することにより,当該通報又は届出に係る高齢者に対する養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止及び当該高齢者の保護を図るため,老人福祉法 又は介護保険法 の規定による権限を適切に行使するものとする。

(公表)
第二十五条  都道府県知事は,毎年度,養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況,養介護施設従事者等による高齢者虐待があった場合にとった措置その他厚生労働省令で定める事項を公表するものとする。

(成年後見制度の利用促進)
第二十八条  国及び地方公共団体は,高齢者虐待の防止及び高齢者虐待を受けた高齢者の保護並びに財産上の不当取引による高齢者の被害の防止及び救済を図るため,成年後見制度の周知のための措置,成年後見制度の利用に係る経済的負担の軽減のための措置等を講ずることにより,成年後見制度が広く利用されるようにしなければならない。

附則

(施行期日)
1  この法律は,平成十八年四月一日から施行する。
(検討)
2  高齢者以外の者であって精神上又は身体上の理由により養護を必要とするものに対する虐待の防止等のための制度については,速やかに検討が加えられ,その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
3  高齢者虐待の防止,養護者に対する支援等のための制度については,この法律の施行後三年を目途として,この法律の施行状況等を勘案し,検討が加えられ,その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本版SOX法による内部統制報告書の作成義務付けについて

2007-09-22 20:40:33 | Weblog
人材サービス各社,財務・法務の派遣拡充 NIKKEI NET

 金融商品取引法第24条の4の4第1項には「第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち,第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは,事業年度ごとに,当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制について,内閣府令で定めるところにより評価した報告書(以下「内部統制報告書」という。)を有価証券報告書(同条第八項の規定により同項に規定する有価証券報告書等に代えて外国会社報告書を提出する場合にあつては,当該外国会社報告書)と併せて内閣総理大臣に提出しなければならない。」とある。
会社法においても内部統制システム(「取締役(執行役)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なもの」)の構築が求められているが,「財務報告」に係るそれは明示されていない(会社法施行規則第100条,同第112条参照)。


金融商品取引法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,企業内容等の開示の制度を整備するとともに,金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め,金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により,有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし,有価証券の流通を円滑にするほか,資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り,もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする。

(財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制の評価)
第二十四条の四の四  第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち,第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは,事業年度ごとに,当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制について,内閣府令で定めるところにより評価した報告書(以下「内部統制報告書」という。)を有価証券報告書(同条第八項の規定により同項に規定する有価証券報告書等に代えて外国会社報告書を提出する場合にあつては,当該外国会社報告書)と併せて内閣総理大臣に提出しなければならない。
2  第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社であつて,前項の規定により内部統制報告書を有価証券報告書と併せて提出しなければならない会社以外の会社(政令で定めるものを除く。)は,同項に規定する内部統制報告書を任意に提出することができる。
3  前二項の規定は,第二十四条第五項において準用する同条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。)のうち政令で定めるものについて準用する。この場合において,第一項中「政令で定めるもの」とあるのは「政令で定めるもの(特定有価証券(第五条第一項に規定する特定有価証券をいう。以下この項において同じ。)の発行者に限る。)」と,「事業年度」とあるのは「当該特定有価証券に係る特定期間(第二十四条第五項において準用する同条第一項に規定する特定期間をいう。)」と,「当該会社の属する企業集団及び当該会社」とあるのは「当該会社が行う資産の運用その他これに類似する事業に係る資産」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。
4  内部統制報告書には,第一項に規定する内閣府令で定める体制に関する事項を記載した書類その他の書類で公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを添付しなければならない。
5  第六条の規定は,第一項又は第二項(これらの規定を第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)及び前項の規定により内部統制報告書及びその添付書類が提出された場合について準用する。この場合において,必要な技術的読替えは,政令で定める。
6  第二十四条第八項,第九項及び第十一項から第十三項までの規定は,報告書提出外国会社が第一項又は第二項の規定による内部統制報告書を提出する場合(外国会社報告書を提出している場合に限る。)について準用する。この場合において,同条第八項中「外国会社(第二十三条の三第四項の規定により有価証券報告書を提出したものを含む。以下「報告書提出外国会社」という。)」とあるのは「外国会社」と,「第一項の規定による有価証券報告書及び第六項の規定によりこれに添付しなければならない書類(以下この条において「有価証券報告書等」という。)」とあるのは「第二十四条の四の四第一項又は第二項(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による内部統制報告書及び同条第四項の規定によりこれに添付しなければならない書類(以下この条において「内部統制報告書等」という。)」と,「外国において開示(当該外国の法令(外国金融商品市場を開設する者その他の内閣府令で定める者の規則を含む。)に基づいて当該外国において公衆の縦覧に供されることをいう。第二十四条の四の七第六項及び第二十四条の五第七項において同じ。)が行われている有価証券報告書等に類する」とあるのは「内部統制報告書等に記載すべき事項を記載した」と,同条第九項中「,当該外国会社報告書に記載されていない事項のうち公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを記載した書類その他」とあるのは「その他」と,同条第十一項中「有価証券報告書等」とあるのは「内部統制報告書等」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。

(訂正内部統制報告書の提出)
第二十四条の四の五  第七条,第九条第一項及び第十条第一項の規定は,内部統制報告書及びその添付書類について準用する。この場合において,第七条中「第四条第一項又は第二項の規定による届出の日以後当該届出がその効力を生ずることとなる日前において,第五条第一項及び第六項の規定による届出書類」とあるのは「内部統制報告書及びその添付書類」と,「届出者」とあるのは「内部統制報告書の提出者」と,「訂正届出書」とあるのは「訂正報告書」と,第九条第一項中「届出者」とあるのは「内部統制報告書の提出者」と,「訂正届出書」とあるのは「訂正報告書」と,第十条第一項中「届出者」とあるのは「内部統制報告書の提出者」と,「訂正届出書の提出を命じ,必要があると認めるときは,第四条第一項又は第二項の規定による届出の効力の停止」とあるのは「訂正報告書の提出」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。
2  第六条の規定は,前項において準用する第七条,第九条第一項又は第十条第一項の規定により内部統制報告書又はその添付書類について訂正報告書が提出された場合について準用する。この場合において,必要な技術的読替えは,政令で定める。
3  第二十四条第八項,第九項及び第十一項の規定は,第一項において読み替えて準用する第七条,第九条第一項又は第十条第一項の規定により外国会社が提出した内部統制報告書の訂正報告書を提出する場合について準用する。この場合において,必要な技術的読替えは,政令で定める。

(賠償責任に関する規定の準用)
第二十四条の四の六  第二十二条の規定は,内部統制報告書(その訂正報告書を含む。)のうちに重要な事項について虚偽の記載があり,又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている場合について準用する。この場合において,同条第一項中「当該有価証券届出書の届出者が発行者である有価証券を募集又は売出しによらないで取得した者」とあるのは,「当該内部統制報告書(その訂正報告書を含む。)の提出者が発行者である有価証券を取得した者」と読み替えるものとするほか,必要な技術的読替えは,政令で定める。

会社法の関連条文

(取締役会の権限等)
第三百六十二条  取締役会は,すべての取締役で組織する。
2  取締役会は,次に掲げる職務を行う。
一  取締役会設置会社の業務執行の決定
二  取締役の職務の執行の監督
三  代表取締役の選定及び解職
3  取締役会は,取締役の中から代表取締役を選定しなければならない。
4  取締役会は,次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一  重要な財産の処分及び譲受け
二  多額の借財
三  支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四  支店その他の重要な組織の設置,変更及び廃止
五  第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5  大会社である取締役会設置会社においては,取締役会は,前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。

(委員会設置会社の取締役会の権限)
第四百十六条  委員会設置会社の取締役会は,第三百六十二条の規定にかかわらず,次に掲げる職務を行う。
一  次に掲げる事項その他委員会設置会社の業務執行の決定
イ 経営の基本方針
ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項
ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
二  執行役等の職務の執行の監督
2  委員会設置会社の取締役会は,前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3  委員会設置会社の取締役会は,第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4  委員会設置会社の取締役会は,その決議によって,委員会設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし,次に掲げる事項については,この限りでない。
一  第百三十六条又は第百三十七条第一項の決定及び第百四十条第四項の規定による指定
二  第百六十五条第三項において読み替えて適用する第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定
三  第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の決定
四  第二百九十八条第一項各号に掲げる事項の決定
五  株主総会に提出する議案(取締役,会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
六  第三百六十五条第一項において読み替えて適用する第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認
七  第三百六十六条第一項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
八  第四百条第二項の規定による委員の選定及び第四百一条第一項の規定による委員の解職
九  第四百二条第二項の規定による執行役の選任及び第四百三条第一項の規定による執行役の解任
十  第四百八条第一項第一号の規定による委員会設置会社を代表する者の決定
十一  第四百二十条第一項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第二項の規定による代表執行役の解職
十二  第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
十三  第四百三十六条第三項,第四百四十一条第三項及び第四百四十四条第五項の承認
十四  第四百五十四条第五項において読み替えて適用する同条第一項の規定により定めなければならないとされる事項の決定
十五  第四百六十七条第一項各号に掲げる行為に係る契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十六  合併契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十七  吸収分割契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十八  新設分割計画(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
十九  株式交換契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
二十  株式移転計画の内容の決定

会社法施行規則の関連条文

(業務の適正を確保するための体制)
第百条  法第三百六十二条第四項第六号 に規定する法務省令で定める体制は,次に掲げる体制とする。
一  取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
二  損失の危険の管理に関する規程その他の体制
三  取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
四  使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
五  当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
2  監査役設置会社以外の株式会社である場合には,前項に規定する体制には,取締役が株主に報告すべき事項の報告をするための体制を含むものとする。
3  監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合には,第一項に規定する体制には,次に掲げる体制を含むものとする。
一  監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
二  前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
三  取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
四  その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

(業務の適正を確保するための体制)
第百十二条  法第四百十六条第一項第一号 ロに規定する法務省令で定めるものは,次に掲げるものとする。
一  監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
二  前号の取締役及び使用人の執行役からの独立性に関する事項
三  執行役及び使用人が監査委員会に報告をするための体制その他の監査委員会への報告に関する体制
四  その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
2  法第四百十六条第一項第一号 ホに規定する法務省令で定める体制は,次に掲げる体制とする。
一  執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
二  損失の危険の管理に関する規程その他の体制
三  執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
四  使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
五  当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

(事業報告の内容)
第百十八条  事業報告は,次に掲げる事項をその内容としなければならない。
一  当該株式会社の状況に関する重要な事項(計算書類及びその附属明細書並びに連結計算書類の内容となる事項を除く。)
二  法第三百四十八条第三項第四号 ,第三百六十二条第四項第六号並びに第四百十六条第一項第一号ロ及びホに規定する体制の整備についての決定又は決議があるときは,その決定又は決議の内容の概要

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

業務縮小に係る危惧について

2007-09-21 20:57:16 | Weblog
asahi.com 国民生活センター,商品テスト外部化へ 直接相談は廃止

 国民生活センターについては,独立行政法人国民生活センター法第10条に業務範囲が定められているほか,消費者基本法第25条に「独立行政法人国民生活センターは,国及び地方公共団体の関係機関,消費者団体等と連携し,国民の消費生活に関する情報の収集及び提供,事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあつせん及び当該苦情に係る相談,消費者からの苦情等に関する商品についての試験,検査等及び役務についての調査研究等,消費者に対する啓発及び教育等における中核的な機関として積極的な役割を果たすものとする。」とある。

記事の内容は,概ね,7月30日付け「国民生活センターの在り方等に関する検討会 中間報告」の中に盛り込まれていたところ。例えば,相談業務の廃止については「消費生活センターの相談業務の支援」に次のような記述があった。

 各地の消費生活センターにおいて,多数の苦情処理が行われているものの,各センターにおける体制に差があることや,消費者トラブルの多様化・複雑化を踏まえれば,単独のセンターで処理することが困難な場合もあり,国民生活センターは中核的機関として,経由相談という形で,消費生活センターの相談を支援していく役割を担っている。今後については,専門家の活用等により専門性が高く難易度の高い案件を処理する能力を高め,経由相談による解決能力の向上を図ることとする。国民生活センターの相談業務としては,難易度の高い案件を処理することに集中するため,国と地方の役割分担も踏まえ,一次的な直接相談については地方の消費生活センターが行うこととして,廃止に向けて検討することとする。なお,これに伴って,消費者トラブルの早期発見機能等が低下しないように,インターネット経由で消費者から寄せられた情報の中から,被害拡大防止等の観点から公益性の高いと思われる案件を抽出し,詳細に情報を把握すると共に,対処策等をホームページ等で広く情報提供する。

厳しい財政事情の下,今後は仲裁機能等の充実・強化に重点を移していく方向のよう。

内閣府 国民生活センターの在り方等に関する検討会


独立行政法人国民生活センター法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,独立行政法人国民生活センターの名称,目的,業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

(名称)
第二条  この法律及び独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項 に規定する独立行政法人の名称は,独立行政法人国民生活センターとする。

(センターの目的)
第三条  独立行政法人国民生活センター(以下「センター」という。)は,国民生活の安定及び向上に寄与するため,総合的見地から,国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うことを目的とする。

(事務所)
第四条  センターは,主たる事務所を神奈川県に置く。

(業務の範囲)
第十条  センターは,第三条の目的を達成するため,次の業務を行う。
一  国民に対して国民生活の改善に関する情報を提供すること。
二  国民生活に関する国民からの苦情,問合せ等に対して必要な情報を提供すること。
三  前二号に掲げる業務に類する業務を行う行政庁,団体等の依頼に応じて国民生活に関する情報を提供すること。
四  国民生活の実情及び動向に関する総合的な調査研究を行うこと。
五  国民生活に関する情報を収集すること。
六  前各号の業務に附帯する業務を行うこと。

(緊急の必要がある場合の内閣総理大臣の要求)
第十二条  内閣総理大臣は,商品の流通又は役務の提供が国民の生命,身体若しくは財産に重大な危害を及ぼし,又は及ぼすおそれがある場合その他の事情が生じた場合において,国民に対して緊急に情報を提供する必要があると認めるときは,センターに対し,第十条第一号及び第二号に掲げる業務に関し必要な措置をとることを求めることができる。
2  センターは,内閣総理大臣から前項の規定による求めがあったときは,正当な理由がない限り,その求めに応じなければならない。

(主務大臣等)
第十三条  センターに係る通則法 における主務大臣,主務省及び主務省令は,それぞれ内閣総理大臣,内閣府及び内閣府令とする。

消費者基本法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ,消費者の利益の擁護及び増進に関し,消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め,国,地方公共団体及び事業者の責務等を明らかにするとともに,その施策の基本となる事項を定めることにより,消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進を図り,もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

(基本理念)
第二条  消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策(以下「消費者政策」という。)の推進は,国民の消費生活における基本的な需要が満たされ,その健全な生活環境が確保される中で,消費者の安全が確保され,商品及び役務について消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保され,消費者に対し必要な情報及び教育の機会が提供され,消費者の意見が消費者政策に反映され,並びに消費者に被害が生じた場合には適切かつ迅速に救済されることが消費者の権利であることを尊重するとともに,消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。
2   消費者の自立の支援に当たつては,消費者の安全の確保等に関して事業者による適正な事業活動の確保が図られるとともに,消費者の年齢その他の特性に配慮されなければならない。
3  消費者政策の推進は,高度情報通信社会の進展に的確に対応することに配慮して行われなければならない。
4  消費者政策の推進は,消費生活における国際化の進展にかんがみ,国際的な連携を確保しつつ行われなければならない。
5  消費者政策の推進は,環境の保全に配慮して行われなければならない。

(国の責務)
第三条  国は,経済社会の発展に即応して,前条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのつとり,消費者政策を推進する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第四条  地方公共団体は,第二条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのつとり,国の施策に準じて施策を講ずるとともに,当該地域の社会的,経済的状況に応じた消費者政策を推進する責務を有する。

(事業者の責務等)
第五条  事業者は,第二条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にかんがみ,その供給する商品及び役務について,次に掲げる責務を有する。
一  消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。
二  消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。
三  消費者との取引に際して,消費者の知識,経験及び財産の状況等に配慮すること。
四  消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め,当該苦情を適切に処理すること。
五  国又は地方公共団体が実施する消費者政策に協力すること。
2  事業者は,その供給する商品及び役務に関し環境の保全に配慮するとともに,当該商品及び役務について品質等を向上させ,その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成すること等により消費者の信頼を確保するよう努めなければならない。

第六条  事業者団体は,事業者の自主的な取組を尊重しつつ,事業者と消費者との間に生じた苦情の処理の体制の整備,事業者自らがその事業活動に関し遵守すべき基準の作成の支援その他の消費者の信頼を確保するための自主的な活動に努めるものとする。

第七条  消費者は,自ら進んで,その消費生活に関して,必要な知識を修得し,及び必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない。
2  消費者は,消費生活に関し,環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。

第八条  消費者団体は,消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明,消費者に対する啓発及び教育,消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動に努めるものとする。

(消費者基本計画)
第九条  政府は,消費者政策の計画的な推進を図るため,消費者政策の推進に関する基本的な計画(以下「消費者基本計画」という。)を定めなければならない。
2  消費者基本計画は,次に掲げる事項について定めるものとする。
一  長期的に講ずべき消費者政策の大綱
二  前号に掲げるもののほか,消費者政策の計画的な推進を図るために必要な事項
3  内閣総理大臣は,消費者基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
4  内閣総理大臣は,前項の規定による閣議の決定があつたときは,遅滞なく,消費者基本計画を公表しなければならない。
5  前二項の規定は,消費者基本計画の変更について準用する。

(法制上の措置等)
第十条  国は,この法律の目的を達成するため,必要な関係法令の制定又は改正を行なわなければならない。
2  政府は,この法律の目的を達成するため,必要な財政上の措置を講じなければならない。

(国民生活センターの役割)
第二十五条  独立行政法人国民生活センターは,国及び地方公共団体の関係機関,消費者団体等と連携し,国民の消費生活に関する情報の収集及び提供,事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあつせん及び当該苦情に係る相談,消費者からの苦情等に関する商品についての試験,検査等及び役務についての調査研究等,消費者に対する啓発及び教育等における中核的な機関として積極的な役割を果たすものとする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

24年ぶりの災害救助法の適用について

2007-09-20 20:51:06 | Weblog
豪雨被害,北秋田市に災害援助法を適用 24年ぶり - さきがけ on the Web

 被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。秋田市の雨もひどかったが,北秋田市はその比ではなかったようだ。

さて,災害救助法施行令第1条第1項には「災害救助法 (昭和二十二年法律第百十八号。以下「法」という。)第二条 に規定する政令で定める程度の災害は,次の各号のいずれかに該当する災害とする。」とあり,その第1号に「当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域(地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては,当該市の区域又は当該市の区の区域とする。以下同じ。)内の人口に応じそれぞれ別表第一に定める数以上の世帯の住家が滅失したこと。」,次いで第2項には「前項第一号から第三号までに規定する住家が滅失した世帯の数の算定に当たつては,住家が半壊し又は半焼する等著しく損傷した世帯は二世帯をもつて,住家が床上浸水,土砂のたい積等により一時的に居住することができない状態となつた世帯は三世帯をもつて,それぞれ住家が滅失した一の世帯とみなす。」とある。
北秋田市のHPによれば,今回の大水害による住宅床上浸水は277件。これを上記第2項に従い3で割れば,本令の適用上,滅失世帯は92.3件という計算に。平成19年8月末日現在の北秋田市の人口は39,355人ということだから,同条第1項別表1の救助要件である「「市町村の区域内の人口30,000人以上50,000人未満」→「住家が滅失した世帯の数60件」」を充足する。

北秋田市 未曾有の大水害 ~ 19・9・17・集中豪雨災害調査  19.9.19現在 ~

美の国あきたネット 災害救助法の適用について


災害救助法の関連条文

第一条  この法律は,災害に際して,国が地方公共団体,日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に,応急的に,必要な救助を行い,災害にかかつた者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする。

第二条  この法律による救助(以下「救助」という。)は,都道府県知事が,政令で定める程度の災害が発生した市町村(特別区を含む。)の区域(地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては,当該市の区域又は当該市の区の区域とする。)内において当該災害にかかり,現に救助を必要とする者に対して,これを行なう。

第二十二条  都道府県知事は,救助の万全を期するため,常に,必要な計画の樹立,強力な救助組織の確立並びに労務,施設,設備,物資及び資金の整備に努めなければならない。

第二十三条  救助の種類は,次のとおりとする。
一  収容施設(応急仮設住宅を含む。)の供与
二  炊出しその他による食品の給与及び飲料水の供給
三  被服,寝具その他生活必需品の給与又は貸与
四  医療及び助産
五  災害にかかつた者の救出
六  災害にかかつた住宅の応急修理
七  生業に必要な資金,器具又は資料の給与又は貸与
八  学用品の給与
九  埋葬
十  前各号に規定するもののほか,政令で定めるもの
2  救助は,都道府県知事が必要があると認めた場合においては,前項の規定にかかわらず,救助を要する者(埋葬については埋葬を行う者)に対し,金銭を支給してこれをなすことができる。
3  救助の程度,方法及び期間に関し必要な事項は,政令でこれを定める。

第三十条  都道府県知事は,救助を迅速に行うため必要があると認めるときは,政令で定めるところにより,その権限に属する救助の実施に関する事務の一部を市町村長が行うこととすることができる。
2  前項の規定により市町村長が行う事務を除くほか,市町村長は,都道府県知事が行う救助を補助するものとする。

第三十一条の二  日本赤十字社は,その使命にかんがみ,救助に協力しなければならない。
2  政府は,日本赤十字社に,政府の指揮監督の下に,救助に関し地方公共団体以外の団体又は個人がする協力(第二十五条の規定による協力を除く。)の連絡調整を行なわせることができる。

第三十二条  都道府県知事は,救助又はその応援の実施に関して必要な事項を日本赤十字社に委託することができる。

第三十六条  国庫は,都道府県が第三十三条の規定により支弁した費用及び第三十四条の規定による補償に要した費用(前条の規定により求償することができるものを除く。)並びに前条の規定による求償に対する支払に要した費用の合計額が政令で定める額以上となる場合において,当該合計額が,地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)に定める当該都道府県の普通税(法定外普通税を除く。以下同じ。)について同法第一条第一項第五号 にいう標準税率(標準税率の定めのない地方税については,同法 に定める税率とする。)をもつて算定した当該年度の収入見込額(以下この条において「収入見込額」という。)の百分の二以下であるときにあつては当該合計額についてその百分の五十を負担するものとし,収入見込額の百分の二をこえるときにあつては左の区分に従つて負担するものとする。この場合において,収入見込額の算定方法については,地方交付税法 (昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条 の定めるところによるものとする。
一  収入見込額の百分の二以下の部分については,その額の百分の五十
二  収入見込額の百分の二をこえ,百分の四以下の部分については,その額の百分の八十
三  収入見込額の百分の四をこえる部分については,その額の百分の九十

第三十七条  都道府県は,前条に規定する費用の支弁の財源に充てるため,災害救助基金を積み立てて置かなければならない。

災害救助法施行令の関連条文

第一条  災害救助法 (昭和二十二年法律第百十八号。以下「法」という。)第二条 に規定する政令で定める程度の災害は,次の各号のいずれかに該当する災害とする。
一  当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域(地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては,当該市の区域又は当該市の区の区域とする。以下同じ。)内の人口に応じそれぞれ別表第一に定める数以上の世帯の住家が滅失したこと。
二  当該市町村の区域を包括する都道府県の区域内において,当該都道府県の区域内の人口に応じそれぞれ別表第二に定める数以上の世帯の住家が滅失した場合であつて,当該市町村の区域内の人口に応じそれぞれ別表第三に定める数以上の世帯の住家が滅失したこと。
三  当該市町村の区域を包括する都道府県の区域内において,当該都道府県の区域内の人口に応じそれぞれ別表第四に定める数以上の世帯の住家が滅失したこと又は当該災害が隔絶した地域に発生したものである等災害にかかつた者の救護を著しく困難とする厚生労働省令で定める特別の事情がある場合であつて,多数の世帯の住家が滅失したこと。
四  多数の者が生命又は身体に危害を受け,又は受けるおそれが生じた場合であつて,厚生労働省令で定める基準に該当すること。
2  前項第一号から第三号までに規定する住家が滅失した世帯の数の算定に当たつては,住家が半壊し又は半焼する等著しく損傷した世帯は二世帯をもつて,住家が床上浸水,土砂のたい積等により一時的に居住することができない状態となつた世帯は三世帯をもつて,それぞれ住家が滅失した一の世帯とみなす。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする