法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

電子化促進に係る「オンライン利用拡大行動計画」の発表について

2008-09-16 21:34:22 | Weblog
時事ドットコム 電子申請の使い勝手向上へ=行政手続きIT化で計画-政府

 大きな方針転換のようだ。
IT戦略本部の「オンライン利用拡大行動計画」には,記事の,ICカード及び同読み取り機の不要化,手数料の半額化のほか,例えば,「添付書類の削減に向けた方策」として次のようにある。

4 添付書類の削減に向けた方策
(1) 自己保管による添付書類の省略各手続所管府省は,士業者による確認によらない場合であっても,行政機関に提出すべき書類については,申請者本人に対し,一定期間,添付書類を自己保管することを義務付け,行政機関が事後的に添付書類の内容を検証できることを可能とすることにより,その提出を省略できる制度の導入又は拡大を図ることとする。
 その際,申請者が保管義務に違反した場合に講ずべき必要な法令上の措置の在り方について検討する。
 また,一定期間,当該申請等に係る法令に違反する行為がないなど,一定の基準を満たす優良な申請者に対する添付書類の省略の措置については,優先的に検討を行うこととする。
(2) 行政発行の書類のバックオフィス連携
 添付書類として要求されるものの多くは,他の行政機関の発行した証明書等であることから,行政情報を効率的に共同利用できる仕組みができるまでの間の措置として,利用頻度が高い書類について,申請者の求めに応じて,当該申請者に代わって当該行政情報をオンラインにより行政機関相互で個別に提供できるよう,これを実施するための簡易な仕組みについて検討することとする。
 また,バックオフィス連携を実施するに当たっては,申請を受け付けた行政機関が証明書等の発行機関から直接申請者に係る情報を入手することを可能にするため,個人情報の保護の必要性に留意しつつ,必要な制度上の措置について,併せて検討する。
 バックオフィス連携については,地方公共団体とも協力しつつ検討することとする。
(3) オンラインによる提出の拡大
 各手続所管府省は,添付書類のうち,原本性を確認する必要があるが,電子ファイルでは原本性を検証することができない書類など,紙媒体の原本を提出することによらなければ,適切な審査が行えない等目的を達することができないものや,書類を電子ファイル化した場合,データ量が過大となるもの等電子ファイル化になじまない書類を除き,スキャナー等を使用して添付書類を電子ファイル化(PDF 等)したものを送信すれば足りることとする。
(4) 士業者の確認による添付書類の省略
 各手続所管府省は,行政機関において登記における契約書や給付請求における給付額の決定に必要な書類のように審査上不可欠な書類を除き,士業者が本人に代わって申請書等を提出する場合には添付書類の提出の省略を可能とすることとする。


その他いろいろ。この動き,注視したい。

首相官邸 オンライン利用拡大行動計画

首相官邸 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)


不動産登記法の関連条文

(申請の方法)
第十八条  登記の申請は,次に掲げる方法のいずれかにより,不動産を識別するために必要な事項,申請人の氏名又は名称,登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一  法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法
二  申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法

租税特別措置法の関連条文

(電子情報処理組織による登記の申請の場合の登録免許税額の特別控除)
第八十四条の五  登記を受ける者が,平成二十年一月一日から平成二十一年十二月三十一日までの間に,行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第三条第一項 の規定又は不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)第十八条 の規定により電子情報処理組織を使用して次に掲げる登記の申請を行う場合における当該登記に係る登録免許税の額は,当該登記につき登録免許税法 その他登録免許税に関する法令の規定(この条の規定を除く。)により計算した金額から当該金額に百分の十を乗じて算出した金額(当該金額が五千円を超える場合には,五千円)を控除した額とする。
一  不動産の所有権の保存若しくは移転の登記又は抵当権の設定の登記
二  株式会社その他の政令で定める法人の設立の登記

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福祉型信託に係る担い手の拡大について

2008-09-15 17:27:56 | Weblog
毎日jp 敬老の日:75歳以上,人口の1割 70歳以上,2000万人超す--総務省推計

 平成18年の信託法改正の折り,衆議院法務委員会では「来るべき超高齢化社会をより暮らしやすい社会とするため,高齢者や障害者の生活を支援する福祉型の信託について,その担い手として弁護士,NPO等の参入の取扱い等を含め,幅広い観点から検討を行うこと。」,また,参議院法務委員会では「高齢者や障害者の生活を支援する福祉型の信託については,特にきめ細やかな支援の必要性が指摘されていることにも留意しつつ,その担い手として弁護士,社会福祉法人等の参入の取扱いなども含め,幅広い観点から検討を行うこと。」との付帯決議が行われている。

高齢者や障害者の財産管理制度については既に民法の成年後見制度があるが,信託制度には,いわゆる「親亡き後の財産管理」への対処,スキーム策定の柔軟性,といった点で,独自性ないし優位性を認めることができる。その制度限りでは身上監護に対応できないという弱点はあるが,この点は,任意後見契約等の併用により対応することになるのだろう。
ただ,高齢者・障害者の財産管理という場面での今後の福祉型信託の普及というものを考えた場合は,なお解決すべき問題が残されている。信託業法第3条に「信託業は,内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ,営むことができない。」とあり,弁護士などの専門家が「業として」信託契約を締結し,受託者に就任,とは簡単にいかない状況にあるのだ(なお,信託法第2条,同施行令第1条の2参照)。冒頭の附帯決議,そして平成16年の信託業法改正時の同旨の附帯決議は,信託という有用の道具を持ちながら,それが宝の持ち腐れとなることを危惧したものである。
この辺りの議論は,金融審議会金融分科会第二部会で中間論点が整理されるなど,ようやく緒に付いたところ。我が国に広く民事信託が根付くどうかにも係る重要な議論。今後の成り行きを注目したい。

金融庁 中間論点整理~平成16年改正後の信託業法の施行状況及び福祉型の信託について~


信託業法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,信託業を営む者等に関し必要な事項を定め,信託に関する引受けその他の取引の公正を確保することにより,信託の委託者及び受益者の保護を図り,もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「信託業」とは,信託の引受け(他の取引に係る費用に充てるべき金銭の預託を受けるものその他他の取引に付随して行われるものであって,その内容等を勘案し,委託者及び受益者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるものを除く。以下同じ。)を行う営業をいう。
2  この法律において「信託会社」とは,第三条の内閣総理大臣の免許又は第七条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
3  この法律において「管理型信託業」とは,次の各号のいずれかに該当する信託のみの引受けを行う営業をいう。
一  委託者又は委託者から指図の権限の委託を受けた者(委託者又は委託者から指図の権限の委託を受けた者が株式の所有関係又は人的関係において受託者と密接な関係を有する者として政令で定める者以外の者である場合に限る。)のみの指図により信託財産の管理又は処分(当該信託の目的の達成のために必要な行為を含む。以下同じ。)が行われる信託
二  信託財産につき保存行為又は財産の性質を変えない範囲内の利用行為若しくは改良行為のみが行われる信託
4  この法律において「管理型信託会社」とは,第七条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
5  この法律において「外国信託業者」とは,外国の法令に準拠して外国において信託業を営む者(信託会社を除く。)をいう。
6  この法律において「外国信託会社」とは,第五十三条第一項の内閣総理大臣の免許又は第五十四条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
7  この法律において「管理型外国信託会社」とは,第五十四条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。
8  この法律において「信託契約代理業」とは,信託契約(当該信託契約に基づく信託の受託者が当該信託の受益権(当該受益権を表示する証券又は証書を含む。)の発行者(金融商品取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二条第五項 に規定する発行者をいう。)とされる場合を除く。)の締結の代理(信託会社又は外国信託会社を代理する場合に限る。)又は媒介を行う営業をいう。
9  この法律において「信託契約代理店」とは,第六十七条第一項の内閣総理大臣の登録を受けた者をいう。

(免許)
第三条  信託業は,内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ,営むことができない。

信託法の関連条文

(趣旨)
第一条  信託の要件,効力等については,他の法令に定めるもののほか,この法律の定めるところによる。

(定義)
第二条  この法律において「信託」とは,次条各号に掲げる方法のいずれかにより,特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。
2  この法律において「信託行為」とは,次の各号に掲げる信託の区分に応じ,当該各号に定めるものをいう。
一  次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約
二  次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言
三  次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示
3  この法律において「信託財産」とは,受託者に属する財産であって,信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。
4  この法律において「委託者」とは,次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。
5  この法律において「受託者」とは,信託行為の定めに従い,信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。
6  この法律において「受益者」とは,受益権を有する者をいう。
7  この法律において「受益権」とは,信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。
8  この法律において「固有財産」とは,受託者に属する財産であって,信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。
9  この法律において「信託財産責任負担債務」とは,受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。
10  この法律において「信託の併合」とは,受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。
11  この法律において「吸収信託分割」とは,ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい,「新規信託分割」とは,ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい,「信託の分割」とは,吸収信託分割又は新規信託分割をいう。
12  この法律において「限定責任信託」とは,受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。

(信託の方法)
第三条  信託は,次に掲げる方法のいずれかによってする。
一  特定の者との間で,当該特定の者に対し財産の譲渡,担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法
二  特定の者に対し財産の譲渡,担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
三  特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的,当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

(信託の効力の発生)
第四条  前条第一号に掲げる方法によってされる信託は,委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。
2  前条第二号に掲げる方法によってされる信託は,当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。
3  前条第三号に掲げる方法によってされる信託は,次の各号に掲げる場合の区分に応じ,当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。
一  公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成
二  公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては,その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知
4  前三項の規定にかかわらず,信託は,信託行為に停止条件又は始期が付されているときは,当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。

(受益者指定権等)
第八十九条  受益者を指定し,又はこれを変更する権利(以下この条において「受益者指定権等」という。)を有する者の定めのある信託においては,受益者指定権等は,受託者に対する意思表示によって行使する。
2  前項の規定にかかわらず,受益者指定権等は,遺言によって行使することができる。
3  前項の規定により遺言によって受益者指定権等が行使された場合において,受託者がこれを知らないときは,これにより受益者となったことをもって当該受託者に対抗することができない。
4  受託者は,受益者を変更する権利が行使されたことにより受益者であった者がその受益権を失ったときは,その者に対し,遅滞なく,その旨を通知しなければならない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。
5  受益者指定権等は,相続によって承継されない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。
6  受益者指定権等を有する者が受託者である場合における第一項の規定の適用については,同項中「受託者」とあるのは,「受益者となるべき者」とする。

(委託者の死亡の時に受益権を取得する旨の定めのある信託等の特例)
第九十条  次の各号に掲げる信託においては,当該各号の委託者は,受益者を変更する権利を有する。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。
一  委託者の死亡の時に受益者となるべき者として指定された者が受益権を取得する旨の定めのある信託
二  委託者の死亡の時以後に受益者が信託財産に係る給付を受ける旨の定めのある信託
2  前項第二号の受益者は,同号の委託者が死亡するまでは,受益者としての権利を有しない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。

(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)
第九十一条  受益者の死亡により,当該受益者の有する受益権が消滅し,他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は,当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間,その効力を有する。

商法の関連条文

(営業的商行為)
第五百二条  次に掲げる行為は,営業としてするときは,商行為とする。ただし,専ら賃金を得る目的で物を製造し,又は労務に従事する者の行為は,この限りでない。
一  賃貸する意思をもってする動産若しくは不動産の有償取得若しくは賃借又はその取得し若しくは賃借したものの賃貸を目的とする行為
二  他人のためにする製造又は加工に関する行為
三  電気又はガスの供給に関する行為
四  運送に関する行為
五  作業又は労務の請負
六  出版,印刷又は撮影に関する行為
七  客の来集を目的とする場屋における取引
八  両替その他の銀行取引
九  保険
十  寄託の引受け
十一  仲立ち又は取次ぎに関する行為
十二  商行為の代理の引受け
十三  信託の引受け

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抵抗感の強い成人年齢の引き下げについて

2008-09-13 19:37:13 | Weblog
18歳成人に反対69% 内閣府調査,引き下げに抵抗感 - さきがけ on the Web

 国民投票法第3条には「日本国民で年齢満十八年以上の者は,国民投票の投票権を有する。」とあるところ,同附則第3条第1項には「国は,この法律が施行されるまでの間に,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう,選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする。」とある。
第3条第1項の「満十八年以上」は,附則第3条第2項により,法制上の措置が講ぜられるまで「満二十年以上」と読み替えられる。
法制審民法成年年齢部会の第1回会議の配布資料「国民投票法との関係について」には,上記附則に関し,次のようにある。

 この附則を設けた理由については,同法案の国会審議における同法案の提出者の答弁等において,①公職選挙法の選挙年齢を戦後20歳に引き下げた理由として,民法の成年年齢が20歳であることが挙げられており,民法上の判断能力と参政権の判断能力とは一致すべきであること,②公職選挙法の選挙年齢と国民投票の投票権年齢は同じ参政権であることから,一致すべきであること,また,③諸外国においても,成年年齢に合わせて18歳以上の国民に投票権・選挙権を与える例が非常に多いことが挙げられている。

さて,法制審民法成年年齢部会,この世論調査をどう見るだろう。因みに,同じく第1回会議の配布資料「今回の検討の対象について」の中には,次のようにもある。

2 仮に現時点では民法の成年年齢を引き下げるような状況にはないといった結論になった場合,いかなる条件・環境整備(例えば,中学校や高等学校における法教育の徹底等)が整えば,成年年齢を引き下げてよいか,また,それにはどの程度の期間を要するのかということも検討の対象となる。

最後になったが,国民投票法の施行日は平成22年5月18日。

政府広報オンライン 「国民投票法」って何だろう?


「日本国憲法の改正手続に関する法律」の関連条文

(趣旨)
第一条  この法律は,日本国憲法第九十六条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)について,国民の承認に係る投票(以下「国民投票」という。)に関する手続を定めるとともに,あわせて憲法改正の発議に係る手続の整備を行うものとする。

(国民投票の期日)
第二条  国民投票は,国会が憲法改正を発議した日(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第六十八条の五第一項の規定により国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正の発議をし,国民に提案したものとされる日をいう。)から起算して六十日以後百八十日以内において,国会の議決した期日に行う。
2  内閣は,国会法第六十五条第一項の規定により国民投票の期日に係る議案の送付を受けたときは,速やかに,総務大臣を経由して,当該国民投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。
3  中央選挙管理会は,前項の通知があったときは,速やかに,国民投票の期日を官報で告示しなければならない。

(投票権)
第三条  日本国民で年齢満十八年以上の者は,国民投票の投票権を有する。

(投票権を有しない者)
第四条  成年被後見人は,国民投票の投票権を有しない。

(協議会)
第十一条  国民投票広報協議会(以下この節において「協議会」という。)については,国会法に定めるもののほか,この節の定めるところによる。

(協議会の組織)
第十二条  協議会の委員(以下この節において「委員」という。)は,協議会が存続する間,その任にあるものとする。
2  委員の員数は,憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とし,その予備員の員数は,当該発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とする。
3  委員は,各議院における各会派の所属議員数の比率により,各会派に割り当て選任する。ただし,各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て選任した場合には憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が選任されないこととなるときは,各議院において,当該会派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮するものとする。
4  前項の規定は,予備員の選任について準用する。
5  委員に事故のある場合又は委員が欠けた場合は,憲法改正の発議がされた際にその者の属していた議院の議員であった予備員のうちから協議会の会長が指名する者が,その委員の職務を行う。

(会長の権限)
第十三条  協議会の会長は,協議会の議事を整理し,秩序を保持し,協議会を代表する。

(協議会の事務)
第十四条  協議会は,次に掲げる事務を行う。
一  国会の発議に係る日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成
二  第六十五条の憲法改正案の要旨の作成
三  第百六条及び第百七条の規定によりその権限に属する事務
四  前三号に掲げるもののほか憲法改正案の広報に関する事務
2  協議会が,前項第一号,第二号及び第四号の事務を行うに当たっては,憲法改正案及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明に関する記載等については客観的かつ中立的に行うとともに,憲法改正案に対する賛成意見及び反対意見の記載等については公正かつ平等に扱うものとする。

(協議会の議事)
第十五条  協議会は,憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった委員及び当該発議がされた際参議院議員であった委員がそれぞれ七人以上出席しなければ,議事を開き議決することができない。
2  協議会の議事は,出席委員の三分の二以上の多数で決する。

(国民投票公報の印刷及び配布)
第十八条  協議会は,第十四条第一項第一号の国民投票公報の原稿を作成したときは,これを国民投票の期日前三十日までに中央選挙管理会に送付しなければならない。
2  中央選挙管理会は,前項の国民投票公報の原稿の送付があったときは,速やかに,その写しを都道府県の選挙管理委員会に送付しなければならない。
3  都道府県の選挙管理委員会は,前項の国民投票公報の原稿の写しの送付があったときは,速やかに,国民投票公報を印刷しなければならない。この場合においては,当該写しを原文のまま印刷しなければならない。
4  公職選挙法第百七十条第一項本文及び第二項の規定は,国民投票公報の配布について準用する。この場合において,同条第一項中「当該選挙に用うべき選挙人名簿」とあるのは「投票人名簿」と,「選挙の期日前二日」とあるのは「国民投票の期日前十日」と,同条第二項中「選挙人」とあるのは「投票人」と読み替えるものとする。

(国民投票の方法等に関する周知等)
第十九条  総務大臣,中央選挙管理会,都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は,国民投票に際し,国民投票の方法,この法律に規定する規制その他国民投票の手続に関し必要と認める事項を投票人に周知させなければならない。
2  中央選挙管理会は,国民投票の結果を国民に対して速やかに知らせるように努めなければならない。
3  投票人に対しては,特別の事情がない限り,国民投票の当日,その投票権を行使するために必要な時間を与えるよう措置されなければならない。

(投票人名簿)
第二十条  市町村の選挙管理委員会は,国民投票が行われる場合においては,投票人名簿を調製しなければならない。
2  投票人名簿は,政令で定めるところにより,磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。
3  国民投票を行う場合において必要があるときは,投票人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもって投票人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあっては,当該投票人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。第三十二条において同じ。)を用いることができる。
4  投票人名簿の調製については,行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条の規定は,適用しない。
5  第一項の規定により調製された投票人名簿は,当該国民投票に限り,その効力を有する。

(投票人名簿の記載事項等)
第二十一条  投票人名簿には,投票人の氏名,住所,性別及び生年月日等の記載(前条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては,記録)をしなければならない。
2  投票人名簿は,市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には,その投票区ごとに編製しなければならない。
3  前二項に規定するもののほか,投票人名簿の様式その他必要な事項は,政令で定める。

(被登録資格等)
第二十二条  投票人名簿の登録は,国民投票の期日現在で年齢満十八年以上の日本国民(第四条の規定により投票権を有しない者を除く。)で,次のいずれかに該当するものについて行う。
一  国民投票の期日前五十日に当たる日(以下「登録基準日」という。)において,当該市町村の住民基本台帳に記録されている者
二  登録基準日の翌日から十四日以内に当該市町村の住民基本台帳に記録された者であって,登録基準日においていずれの市町村の住民基本台帳にも記録されていないもの(登録基準日後当該住民基本台帳に記録された日までの間に他の市町村の住民基本台帳に記録されたことがある者及び当該住民基本台帳に記録された日においていずれかの市町村の在外投票人名簿に登録されている者を除く。)
2  市町村の選挙管理委員会は,政令で定めるところにより,当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を調査し,その者を投票人名簿に登録するための整理をしておかなければならない。

(登録)
第二十三条  市町村の選挙管理委員会は,中央選挙管理会が定めるところにより,当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を投票人名簿に登録しなければならない。

(縦覧)
第二十四条  市町村の選挙管理委員会は,投票人名簿を調製したときは,中央選挙管理会が定める期間,市役所,町村役場又は当該市町村の選挙管理委員会が指定した場所において,前条の規定により投票人名簿に登録した者の氏名,住所及び生年月日を記載した書面を縦覧に供さなければならない。
2  市町村の選挙管理委員会は,縦覧開始の日前三日までに縦覧の場所を告示しなければならない。

附則

(施行期日)
第一条  この法律は,公布の日から起算して三年を経過した日から施行する。ただし,第六章の規定(国会法第十一章の二の次に一章を加える改正規定を除く。)並びに附則第四条,第六条及び第七条の規定は公布の日以後初めて召集される国会の召集の日から,附則第三条第一項,第十一条及び第十二条の規定は公布の日から施行する。

(法制上の措置)
第三条  国は,この法律が施行されるまでの間に,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう,選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする。
2  前項の法制上の措置が講ぜられ,年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加すること等ができるまでの間,第三条,第二十二条第一項,第三十五条及び第三十六条第一項の規定の適用については,これらの規定中「満十八年以上」とあるのは,「満二十年以上」とする。

(憲法改正問題についての国民投票制度に関する検討)
第十二条  国は,この規定の施行後速やかに,憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度に関し,その意義及び必要性の有無について,日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え,必要な措置を講ずるものとする。

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自動車運転過失致死傷容疑での書類送検について

2008-09-12 19:21:47 | Weblog
毎日jp 違法駐車:事故原因に認定,所有者を異例の立件 埼玉

 停車して携帯(電話)はいいとして,何もこんなところに停まらなくてもという御仁をたまに見かける。人の迷惑を考えないというか,想像力が欠けているというか。全く困ったものである。

 自動車運転過失致死傷罪(刑法第211条第2項)は,昨年の通常国会であらたに設けられたもの。
改正前,刑法第211条第2項には「自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は,傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」とあったが,自動車運転による死傷事故の実情等にかんがみ罰則を強化するため,「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」とあらためられた。

軽乗用車を運転して原付きバイクと出合い頭に衝突した男性が自動車運転過失致死傷容疑で現行犯逮捕されたのは当然として,記事には,ワゴン車を違法に駐車していた男性2人も同容疑で書類送検されたとある。自動車運転過失致死傷罪にいう「自動車の運転上必要な注意を怠り」は,運転行為という動態に係る不注意をいうようにも思えるのだが,どうだろう。硬きに過ぎるだろうか。確かに,駐停車禁止区域での駐車は悪質だし,死亡事故は重大。処罰感情としてはわかるのだが・・・。
因みに,道交法では,駐停車禁止区域に違法に駐車した者は,15万円以下の罰金に処せられる(道交法第44条,第45条,第119条の2第1項第1号,同第2項)。
自動車運転過失致死傷罪の法定刑は「七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」だから,道交法のそれとの開きは相当に大きい。


刑法の関連条文

(業務上過失致死傷等)
第二百十一条  業務上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も,同様とする。
2  自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。

道路交通法の関連条文

(停車及び駐車を禁止する場所)
第四十四条  車両は,道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては,法令の規定若しくは警察官の命令により,又は危険を防止するため一時停止する場合のほか,停車し,又は駐車してはならない。ただし,乗合自動車又はトロリーバスが,その属する運行系統に係る停留所又は停留場において,乗客の乗降のため停車するとき,又は運行時間を調整するため駐車するときは,この限りでない。
一  交差点,横断歩道,自転車横断帯,踏切,軌道敷内,坂の頂上付近,勾配の急な坂又はトンネル
二  交差点の側端又は道路のまがりかどから五メートル以内の部分
三  横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
四  安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
五  乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車,トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
六  踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分

(駐車を禁止する場所)
第四十五条  車両は,道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては,駐車してはならない。ただし,公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは,この限りでない。
一  人の乗降,貨物の積卸し,駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
二  道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
三  消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
四  消火栓,指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
五  火災報知機から一メートル以内の部分
2  車両は,第四十七条第二項又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは,その距離)以上の余地がないこととなる場所においては,駐車してはならない。ただし,貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき,若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき,又は傷病者の救護のためやむを得ないときは,この限りでない。
3  公安委員会が交通がひんぱんでないと認めて指定した区域においては,前項本文の規定は,適用しない。

(停車又は駐車の方法)
第四十七条  車両は,人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは,できる限り道路の左側端に沿い,かつ,他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2  車両は,駐車するときは,道路の左側端に沿い,かつ,他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
3  車両は,車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において,停車し,又は駐車するときは,前二項の規定にかかわらず,政令で定めるところにより,当該路側帯に入り,かつ,他の交通の妨害とならないようにしなければならない。

(違法駐車に対する措置)
第五十一条  車両が第四十四条,第四十五条第一項若しくは第二項,第四十七条第二項若しくは第三項,第四十八条若しくは第四十九条の二第二項,第三項若しくは第五項後段の規定に違反して駐車していると認められるとき,又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず,かつ,第四十九条の二第四項の規定に違反していると認められるとき(次条第一項及び第五十一条の四第一項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は,警察官等は,当該車両の運転者その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し,当該車両の駐車の方法を変更し,若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
2  車両の故障その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは,警察官等は,道路における危険を防止し,その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において,当該車両の駐車の方法を変更し,又は当該車両を移動することができる。
3  第一項の場合において,現場に当該車両の運転者等がいないために,当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは,警察官等は,道路における交通の危険を防止し,又は交通の円滑を図るため必要な限度において,当該車両の駐車の方法の変更その他必要な措置をとり,又は当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。
4  前項の規定により車両の移動をしようとする場合において,当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは,警察官等は,当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
5  前項の報告を受けた警察署長は,駐車場,空地,第三項に規定する場所以外の道路上の場所その他の場所に当該車両を移動することができる。
6  警察署長は,前項の規定により車両を移動したときは,当該車両を保管しなければならない。この場合において,警察署長は,車両の保管の場所の形状,管理の態様等に応じ,当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため,警察署長が当該車両を保管している旨の表示,車輪止め装置の取付けその他の必要な措置を講じなければならない。
7  警察署長は,前項の規定により車両を保管したときは,当該車両の使用者に対し,保管を始めた日時及び保管の場所並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知しなければならない。
8  警察署長は,前項の場合において,当該車両の使用者の氏名及び住所を知ることができないとき,その他当該使用者に当該車両を返還することが困難であると認められるときは,当該車両の所有者に対し,同項に規定する旨を告知しなければならない。
9  警察署長は,前項の場合において,当該車両の所有者の氏名及び住所を知ることができないときは,政令で定めるところにより,当該車両の保管の場所その他の政令で定める事項を公示しなければならない。
10  警察署長は,前項の規定による公示をしたときは,内閣府令で定めるところにより,当該公示の日付及び内容をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
11  第七項から前項までに定めるもののほか,第六項の規定により保管した車両の返還に関し必要な事項は,政令で定める。
12  警察署長は,第六項の規定により保管した車両につき,第八項の規定による告知の日又は第九項の規定による公示の日から起算して一月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において,政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し,その保管に不相当な費用を要するときは,政令で定めるところにより,当該車両を売却し,その売却した代金を保管することができる。
13  警察署長は,前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において,同項に規定する価額が著しく低いときは,当該車両を廃棄することができる。
14  第十二項の規定により売却した代金は,売却に要した費用に充てることができる。
15  第二項,第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動,車両の保管,公示その他の措置に要した費用は,当該車両の運転者等又は使用者若しくは所有者(以下第五十一条の二の二までにおいて「使用者等」という。)の負担とする。
16  警察署長は,前項の規定により運転者等又は使用者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額,納付の期限及び場所を定め,これらの者に対し,文書でその納付を命じなければならない。この場合において,納付すべき金額は,同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは,その定めた額とする。
17  警察署長は,前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは,督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において,警察署長は,負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料を徴収することができる。
18  前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは,警察署長は,地方税の滞納処分の例により,負担金等を徴収することができる。この場合における負担金等の先取特権の順位は,国税及び地方税に次ぐものとする。
19  納付され,又は徴収された負担金等は,当該警察署の属する都道府県の収入とする。
20  第八項の規定による告知の日又は第九項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお第六項の規定により保管した車両(第十二項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは,当該車両の所有権は,当該警察署の属する都道府県に帰属する。
21  警察署長は,第十二項の規定による車両(道路運送車両法 (昭和二十六年法律第百八十五号)による登録を受けた自動車に限る。以下この項において同じ。)の売却,第十三項の規定による車両の廃棄又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは,政令で定めるところにより,当該車両について,これらの処分等に係る同法 による登録を国土交通大臣又は同法第百五条第一項 若しくは第二項 の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。
22  第六項,第七項及び第九項から第二十項までの規定は,第六項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。この場合において,第七項中「使用者」とあるのは「所有者,占有者その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)」と,第九項中「前項」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項」と,「知ることができない」とあるのは「知ることができず,かつ,当該積載物の所有者以外の者に当該積載物を返還することが困難であると認められる」と,第十一項中「第七項から前項まで」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項及び前二項」と,第十二項中「第八項の規定による告知の日又は」とあるのは「腐敗し,若しくは変質するおそれがあるとき,又は第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する告知の日若しくは」と,「費用」とあるのは「費用若しくは手数」と,第十五項中「第二項,第三項又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動,」とあるのは「第二十二項において準用する第六項,第七項又は第九項から第十一項までの規定による」と,「運転者等又は使用者若しくは所有者(以下第五十一条の二の二までにおいて「使用者等」という。)」とあるのは「所有者等」と,第十六項中「運転者等又は使用者等」とあるのは「所有者等」と,第二十項中「第八項の規定による」とあるのは「第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する」と読み替えるものとする。

第百十九条の二  次の各号のいずれかに該当する行為(第一号及び第二号に掲げる行為にあつては,その行為が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為に該当するとき又はその行為をした場合において車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為をしたときに限る。)をした者は,十五万円以下の罰金に処する。
一  第四十四条(停車及び駐車を禁止する場所),第四十五条(駐車を禁止する場所)第一項若しくは第二項,第四十八条(停車又は駐車の方法の特例)又は第四十九条の二(時間制限駐車区間における駐車の方法等)第三項の規定の違反となるような行為
二  第四十七条(停車又は駐車の方法)第二項若しくは第三項又は第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第一項の規定の違反となるような行為
三  第七十五条(自動車の使用者の義務等)第一項第七号の規定に違反する行為
2  過失により前項第一号の罪を犯した者は,十五万円以下の罰金に処する。

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親捜しを理由とする戸籍受付帳の閲覧請求について

2008-09-10 21:27:07 | Weblog
“親捜し”男性の「戸籍受付帳」閲覧,東京家裁は請求却下 YOMIURI ONLINE

 戸籍法第48条第2項には,戸籍に係る届書等の閲覧につき,「利害関係人は,特別の事由がある場合に限り,届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し,又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。」とある。
この請求に対する市町村長の処分に不服がある場合は,審査請求に対する法務局長の裁決を経た後,家裁に不服を申し立てることができる(戸籍法第121条,第124条,第125条参照)。
閲覧が認められるのは「届書その他市町村長の受理した書類」。これには出生証明書等の添付書類も含まれるが(昭和5.5.9民事404号回答,昭和50.1.10民2-151号回答),戸籍受付帳まで含ましめるのは文理上からも無理がある。「利害関係人」,「特別の事由」の解釈にまで踏み込む必要はなさそうだ。
件の男性のお気持ち,わからないではないが・・・。


戸籍法の関連条文

第一条  戸籍に関する事務は,市町村長がこれを管掌する。
2  前項の事務は,地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。

第四十八条  届出人は,届出の受理又は不受理の証明書を請求することができる。
2  利害関係人は,特別の事由がある場合に限り,届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し,又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。
3  第十条第三項及び第十条の三の規定は,前二項の場合に準用する。

第百二十一条  戸籍事件(第百二十四条に規定する請求に係るものを除く。)について,市町村長の処分を不当とする者は,家庭裁判所に不服の申立てをすることができる。

第百二十三条  戸籍事件(次条に規定する請求に係るものを除く。)に関する市町村長の処分については,行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

第百二十四条  第十条第一項又は第十条の二第一項から第五項までの請求(これらの規定を第十二条の二において準用する場合を含む。),第四十八条第二項の規定による請求及び第百二十条第一項の請求について市町村長がした処分に不服がある者は,市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。

第百二十五条  前条の処分の取消しの訴えは,当該処分についての審査請求の裁決を経た後でなければ,提起することができない。

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少し整理しなければならない問題について

2008-09-01 20:36:56 | Weblog
小沢氏「党除籍なら辞職当然」 「改革クラブ」をけん制 - さきがけ on the Web

 なるほど,小沢代表の,概略,比例票は党に投じられたものである以上,党籍を失った者は議員の身分を失うのが当然,は筋が通っている。この考え,徹底していけば,離党,除名,党籍変更で結論を違える理由はないことになるが,より穏健に,除名・党籍変更と離党とで別異に考える人もいるかもしれない。
ここで憲法に目を転じてみよう。第43条第1項には「両議院は,全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」とある。
素直に読めば,ひとたび議員として選ばれた以上,選挙方式のいかんにかかわりなく,議員は全て「全国民を代表する」ものと解すべきであり,党籍を失っても議員たる身分に影響はない,ということになる。
「政党政治の実態を見ない形式論」を言うのは容易いが,憲法の「全国民を代表する」は重い。
公選法改正となれば,この論点,避けては通れない。


日本国憲法の関連条文

第四十三条  両議院は,全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
2  両議院の議員の定数は,法律でこれを定める。

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