法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

今後のことを話し合いたかった元夫について

2008-02-26 20:14:39 | Weblog
毎日jp DV防止法違反:元妻に対し面会要求で逮捕,法改正後初--福島

 容疑者,妻に殴るけるの暴力を振るい,本年1月28日に保護命令が出されたとのこと。
記事には,容疑者の供述として,今後のことを話し合いたかった,とある。この言葉,もっと前に出ていたなら・・・。

さて,保護命令に係る改正DV防止法第10条の第2項には「前項本文に規定する場合において,同項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は,被害者の申立てにより,その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため,当該配偶者に対し,命令の効力が生じた日以後,同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間,被害者に対して次の各号に掲げるいずれの行為もしてはならないことを命ずるものとする。」とあり,第1号に「面会を要求すること。」とある。「要求」とあるから,「強要」の程度に至らずとも,保護命令違反になるということだろう。
因みに,保護命令違反の法定刑は,一年以下の懲役又は百万円以下の罰金(DV防止法第29条)。

内閣府 男女共同参画局 配偶者暴力防止法が改正されました


「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の関連条文

 我が国においては,日本国憲法 に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ,人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。
 ところが,配偶者からの暴力は,犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず,被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また,配偶者からの暴力の被害者は,多くの場合女性であり,経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは,個人の尊厳を害し,男女平等の実現の妨げとなっている。
 このような状況を改善し,人権の擁護と男女平等の実現を図るためには,配偶者からの暴力を防止し,被害者を保護するための施策を講ずることが必要である。このことは,女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取組にも沿うものである。
 ここに,配偶者からの暴力に係る通報,相談,保護,自立支援等の体制を整備することにより,配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため,この法律を制定する。

(定義) 
第一条  この法律において「配偶者からの暴力」とは,配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい,配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に,その者が離婚をし,又はその婚姻が取り消された場合にあっては,当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。
2  この法律において「被害者」とは,配偶者からの暴力を受けた者をいう。
3  この法律にいう「配偶者」には,婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み,「離婚」には,婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が,事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする。

(国及び地方公共団体の責務)
第二条  国及び地方公共団体は,配偶者からの暴力を防止するとともに,被害者の自立を支援することを含め,その適切な保護を図る責務を有する。

(被害者の保護のための関係機関の連携協力)
第九条  配偶者暴力相談支援センター,都道府県警察,福祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関その他の関係機関は,被害者の保護を行うに当たっては,その適切な保護が行われるよう,相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。

(苦情の適切かつ迅速な処理)
第九条の二  前条の関係機関は,被害者の保護に係る職員の職務の執行に関して被害者から苦情の申出を受けたときは,適切かつ迅速にこれを処理するよう努めるものとする。

(保護命令)
第十条  被害者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫(被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫をいう。以下この章において同じ。)を受けた者に限る。以下この章において同じ。)が,配偶者からの身体に対する暴力を受けた者である場合にあっては配偶者からの更なる身体に対する暴力(配偶者からの身体に対する暴力を受けた後に,被害者が離婚をし,又はその婚姻が取り消された場合にあっては,当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。第十二条第一項第二号において同じ。)により,配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた者である場合にあっては配偶者から受ける身体に対する暴力(配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後に,被害者が離婚をし,又はその婚姻が取り消された場合にあっては,当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。同号において同じ。)により,その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは,裁判所は,被害者の申立てにより,その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため,当該配偶者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた後に,被害者が離婚をし,又はその婚姻が取り消された場合にあっては,当該配偶者であった者。以下この条,同項第三号及び第四号並びに第十八条第一項において同じ。)に対し,次の各号に掲げる事項を命ずるものとする。ただし,第二号に掲げる事項については,申立ての時において被害者及び当該配偶者が生活の本拠を共にする場合に限る。
一  命令の効力が生じた日から起算して六月間,被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この号において同じ。)その他の場所において被害者の身辺につきまとい,又は被害者の住居,勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと。
二  命令の効力が生じた日から起算して二月間,被害者と共に生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近をはいかいしてはならないこと。
2  前項本文に規定する場合において,同項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は,被害者の申立てにより,その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため,当該配偶者に対し,命令の効力が生じた日以後,同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間,被害者に対して次の各号に掲げるいずれの行為もしてはならないことを命ずるものとする。
一  面会を要求すること。
二  その行動を監視していると思わせるような事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
三  著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
四  電話をかけて何も告げず,又は緊急やむを得ない場合を除き,連続して,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,若しくは電子メールを送信すること。
五  緊急やむを得ない場合を除き,午後十時から午前六時までの間に,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,又は電子メールを送信すること。
六  汚物,動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し,又はその知り得る状態に置くこと。
七  その名誉を害する事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
八  その性的羞恥心を害する事項を告げ,若しくはその知り得る状態に置き,又はその性的羞恥心を害する文書,図画その他の物を送付し,若しくはその知り得る状態に置くこと。
3  第一項本文に規定する場合において,被害者がその成年に達しない子(以下この項及び次項並びに第十二条第一項第三号において単に「子」という。)と同居しているときであって,配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは,第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は,被害者の申立てにより,その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため,当該配偶者に対し,命令の効力が生じた日以後,同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間,当該子の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。),就学する学校その他の場所において当該子の身辺につきまとい,又は当該子の住居,就学する学校その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。ただし,当該子が十五歳以上であるときは,その同意がある場合に限る。
4  第一項本文に規定する場合において,配偶者が被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者(被害者と同居している子及び配偶者と同居している者を除く。以下この項及び次項並びに第十二条第一項第四号において「親族等」という。)の住居に押し掛けて著しく粗野又は乱暴な言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは,第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は,被害者の申立てにより,その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため,当該配偶者に対し,命令の効力が生じた日以後,同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間,当該親族等の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)その他の場所において当該親族等の身辺につきまとい,又は当該親族等の住居,勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。
5  前項の申立ては,当該親族等(被害者の十五歳未満の子を除く。以下この項において同じ。)の同意(当該親族等が十五歳未満の者又は成年被後見人である場合にあっては,その法定代理人の同意)がある場合に限り,することができる。

(管轄裁判所)
第十一条  前条第一項の規定による命令の申立てに係る事件は,相手方の住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所)の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
2  前条第一項の規定による命令の申立ては,次の各号に掲げる地を管轄する地方裁判所にもすることができる。
一  申立人の住所又は居所の所在地
二  当該申立てに係る配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫が行われた地

(保護命令の申立て)
第十二条  第十条第一項から第四項までの規定による命令(以下「保護命令」という。)の申立ては,次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一  配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた状況
二  配偶者からの更なる身体に対する暴力又は配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後の配偶者から受ける身体に対する暴力により,生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時における事情
三  第十条第三項の規定による命令の申立てをする場合にあっては,被害者が当該同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情
四  第十条第四項の規定による命令の申立てをする場合にあっては,被害者が当該親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情
五  配偶者暴力相談支援センターの職員又は警察職員に対し,前各号に掲げる事項について相談し,又は援助若しくは保護を求めた事実の有無及びその事実があるときは,次に掲げる事項
イ 当該配偶者暴力相談支援センター又は当該警察職員の所属官署の名称
ロ 相談し,又は援助若しくは保護を求めた日時及び場所
ハ 相談又は求めた援助若しくは保護の内容
ニ 相談又は申立人の求めに対して執られた措置の内容
2  前項の書面(以下「申立書」という。)に同項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がない場合には,申立書には,同項第一号から第四号までに掲げる事項についての申立人の供述を記載した書面で公証人法 (明治四十一年法律第五十三号)第五十八条ノ二第一項 の認証を受けたものを添付しなければならない。

(迅速な裁判)
第十三条  裁判所は,保護命令の申立てに係る事件については,速やかに裁判をするものとする。

(保護命令事件の審理の方法)
第十四条  保護命令は,口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ,これを発することができない。ただし,その期日を経ることにより保護命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは,この限りでない。
2  申立書に第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がある場合には,裁判所は,当該配偶者暴力相談支援センター又は当該所属官署の長に対し,申立人が相談し又は援助若しくは保護を求めた際の状況及びこれに対して執られた措置の内容を記載した書面の提出を求めるものとする。この場合において,当該配偶者暴力相談支援センター又は当該所属官署の長は,これに速やかに応ずるものとする。
3  裁判所は,必要があると認める場合には,前項の配偶者暴力相談支援センター若しくは所属官署の長又は申立人から相談を受け,若しくは援助若しくは保護を求められた職員に対し,同項の規定により書面の提出を求めた事項に関して更に説明を求めることができる。

(保護命令の申立てについての決定等)
第十五条  保護命令の申立てについての決定には,理由を付さなければならない。ただし,口頭弁論を経ないで決定をする場合には,理由の要旨を示せば足りる。
2  保護命令は,相手方に対する決定書の送達又は相手方が出頭した口頭弁論若しくは審尋の期日における言渡しによって,その効力を生ずる。
3  保護命令を発したときは,裁判所書記官は,速やかにその旨及びその内容を申立人の住所又は居所を管轄する警視総監又は道府県警察本部長に通知するものとする。
4  保護命令を発した場合において,申立人が配偶者暴力相談支援センターの職員に対し相談し,又は援助若しくは保護を求めた事実があり,かつ,申立書に当該事実に係る第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載があるときは,裁判所書記官は,速やかに,保護命令を発した旨及びその内容を,当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センター(当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センターが二以上ある場合にあっては,申立人がその職員に対し相談し,又は援助若しくは保護を求めた日時が最も遅い配偶者暴力相談支援センター)の長に通知するものとする。
5  保護命令は,執行力を有しない。

(即時抗告)
第十六条  保護命令の申立てについての裁判に対しては,即時抗告をすることができる。
2  前項の即時抗告は,保護命令の効力に影響を及ぼさない。
3  即時抗告があった場合において,保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情があることにつき疎明があったときに限り,抗告裁判所は,申立てにより,即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間,保護命令の効力の停止を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は,原裁判所も,この処分を命ずることができる。
4  前項の規定により第十条第一項第一号の規定による命令の効力の停止を命ずる場合において,同条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは,裁判所は,当該命令の効力の停止をも命じなければならない。
5  前二項の規定による裁判に対しては,不服を申し立てることができない。
6  抗告裁判所が第十条第一項第一号の規定による命令を取り消す場合において,同条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは,抗告裁判所は,当該命令をも取り消さなければならない。
7  前条第四項の規定による通知がされている保護命令について,第三項若しくは第四項の規定によりその効力の停止を命じたとき又は抗告裁判所がこれを取り消したときは,裁判所書記官は,速やかに,その旨及びその内容を当該通知をした配偶者暴力相談支援センターの長に通知するものとする。
8  前条第三項の規定は,第三項及び第四項の場合並びに抗告裁判所が保護命令を取り消した場合について準用する。

(保護命令の取消し)
第十七条  保護命令を発した裁判所は,当該保護命令の申立てをした者の申立てがあった場合には,当該保護命令を取り消さなければならない。第十条第一項第一号又は第二項から第四項までの規定による命令にあっては同号の規定による命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した後において,同条第一項第二号の規定による命令にあっては当該命令が効力を生じた日から起算して二週間を経過した後において,これらの命令を受けた者が申し立て,当該裁判所がこれらの命令の申立てをした者に異議がないことを確認したときも,同様とする。
2  前条第六項の規定は,第十条第一項第一号の規定による命令を発した裁判所が前項の規定により当該命令を取り消す場合について準用する。
3  第十五条第三項及び前条第七項の規定は,前二項の場合について準用する。

(第十条第一項第二号の規定による命令の再度の申立て)
第十八条  第十条第一項第二号の規定による命令が発せられた後に当該発せられた命令の申立ての理由となった身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫と同一の事実を理由とする同号の規定による命令の再度の申立てがあったときは,裁判所は,配偶者と共に生活の本拠としている住居から転居しようとする被害者がその責めに帰することのできない事由により当該発せられた命令の効力が生ずる日から起算して二月を経過する日までに当該住居からの転居を完了することができないことその他の同号の規定による命令を再度発する必要があると認めるべき事情があるときに限り,当該命令を発するものとする。ただし,当該命令を発することにより当該配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるときは,当該命令を発しないことができる。
2  前項の申立てをする場合における第十二条の規定の適用については,同条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「第一号,第二号及び第五号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と,同項第五号中「前各号に掲げる事項」とあるのは「第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と,同条第二項中「同項第一号から第四号までに掲げる事項」とあるのは「同項第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」とする。

第二十九条  保護命令に違反した者は,一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

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「終わったはずの事件」に係る捜査共助について

2008-02-25 19:47:50 | Weblog
asahi.com 要請あれば捜査協力 町村官房長官が意向 ロス事件

 「国際捜査共助等に関する法律」第2条は,共助の制限に係る規定。日本の裁判所での無罪確定は共助制限事由のいずれにもあたらない。
しかし,既に無罪が確定している国の捜査機関が,他国の刑事事件の捜査に必要な証拠の提供等をすることについては,二重の危険などとの関係でひっかかりを感じないでもない。
確かに,相互主義の御利益は大きい。しかし,一方で,引き換えとして差し出し,失うものも,決して小さくないような気がする。単純に,他国の主権の発動の問題として片付けてしまってよいものかどうか。
因みに,同条の第2号には,共助制限事由として,「条約に別段の定めがある場合を除き,共助犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において,その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。」とある。


日本国憲法の関連条文

第三十九条  何人も,実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については,刑事上の責任を問はれない。又,同一の犯罪について,重ねて刑事上の責任を問はれない。

刑法の関連条文

(国内犯)
第一条  この法律は,日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2  日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても,前項と同様とする。

(国民の国外犯)
第三条  この法律は,日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
一  第百八条(現住建造物等放火)及び第百九条第一項(非現住建造物等放火)の罪,これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
二  第百十九条(現住建造物等浸害)の罪
三  第百五十九条から第百六十一条まで(私文書偽造等,虚偽診断書等作成,偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第百六十一条の二の罪
四  第百六十七条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第二項の罪の未遂罪
五  第百七十六条から第百七十九条まで(強制わいせつ,強姦,準強制わいせつ及び準強姦,集団強姦等,未遂罪),第百八十一条(強制わいせつ等致死傷)及び第百八十四条(重婚)の罪
六  第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
七  第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
八  第二百十四条から第二百十六条まで(業務上堕胎及び同致死傷,不同意堕胎,不同意堕胎致死傷)の罪
九  第二百十八条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第二百十九条(遺棄等致死傷)の罪
十  第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
十一  第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐,営利目的等略取及び誘拐,身の代金目的略取等,所在国外移送目的略取及び誘拐,人身売買,被略取者等所在国外移送,被略取者引渡し等,未遂罪)の罪
十二  第二百三十条(名誉毀損)の罪
十三  第二百三十五条から第二百三十六条まで(窃盗,不動産侵奪,強盗),第二百三十八条から第二百四十一条まで(事後強盗,昏酔強盗,強盗致死傷,強盗強姦及び同致死)及び第二百四十三条(未遂罪)の罪
十四  第二百四十六条から第二百五十条まで(詐欺,電子計算機使用詐欺,背任,準詐欺,恐喝,未遂罪)の罪
十五  第二百五十三条(業務上横領)の罪
十六  第二百五十六条第二項(盗品譲受け等)の罪

「国際捜査共助等に関する法律」の関連条文

(定義)
第一条  この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  共助 外国の要請により,当該外国の刑事事件の捜査に必要な証拠の提供(受刑者証人移送を含む。)をすることをいう。
二  要請国 日本国に対して共助の要請をした外国をいう。
三  共助犯罪 要請国からの共助の要請において捜査の対象とされている犯罪をいう。
四  受刑者証人移送 条約により刑事手続における証人尋問に証人として出頭させることを可能とするために移送すべきものとされている場合において,刑の執行として拘禁されている者を国際的に移送することをいう。

(共助の制限)
第二条  次の各号のいずれかに該当する場合には,共助をすることはできない。
一  共助犯罪が政治犯罪であるとき,又は共助の要請が政治犯罪について捜査する目的で行われたものと認められるとき。
二  条約に別段の定めがある場合を除き,共助犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において,その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
三  証人尋問又は証拠物の提供に係る要請については,条約に別段の定めがある場合を除き,その証拠が捜査に欠くことのできないものであることを明らかにした要請国の書面がないとき。

(要請の受理及び証拠の送付)
第三条  共助の要請の受理及び要請国に対する証拠の送付は,外務大臣が行う。ただし,条約に基づき法務大臣が共助の要請の受理を行うこととされているとき,又は緊急その他特別の事情がある場合において外務大臣が同意したときは,法務大臣が行うものとする。
2  前項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理及び要請国に対する証拠の送付を行う場合においては,法務大臣は,外務大臣に対し,共助に関する事務の実施に関し,必要な協力を求めることができる。

(外務大臣の措置)
第四条  外務大臣は,共助の要請を受理したときは,次の各号のいずれかに該当する場合を除き,共助要請書又は外務大臣の作成した共助の要請があつたことを証明する書面に関係書類を添付し,意見を付して,これを法務大臣に送付するものとする。
一  要請が条約に基づいて行われたものである場合において,その方式が条約に適合しないと認めるとき。
二  要請が条約に基づかないで行われたものである場合において,日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。

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「タカ様」の出品中止と所有者への返却について

2008-02-23 22:28:25 | Weblog
ネット公売はく製,クマタカか 鹿角市,出品取り下げ - さきがけ on the Web

 金銭執行の場合,原則として,債務者の総財産が責任財産になるが,社会政策的観点や文化政策的観点から,例えば,一定の動産は,民執法第131条やその他法令により差押えが禁止されている。
希少野生動植物種は,民執法の差押禁止動産にはあたらないが,種の保存法により譲渡は原則禁止とされている(第12条参照)。「その他法令」の有無は未確認だが,希少野生動植物種,換価の困難からすれば,通常,責任財産から除外されているのではなかろうか。

さて,記事には,鹿角市は,出品中止にとどまらず,件のはく製を所有者に返却した,とある。当面の措置として出品を中止し,クマタカかどうかを確認,というならまだわかるのだが,それをしないまま返却するというのはちょっとどうかという気がする。鹿角市,日本鳥類保護連盟の指摘に相当慌てたようだ。
因みに,産経には,市は地元の狩猟経験者の話しからクマタカではないと判断した,とある。

環境省 種の保存法の解説

財団法人 日本鳥類保護連盟


民事執行法の関連条文

(差押禁止動産)
第百三十一条  次に掲げる動産は,差し押さえてはならない。
一  債務者等の生活に欠くことができない衣服,寝具,家具,台所用具,畳及び建具
二  債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
三  標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
四  主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具,肥料,労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
五  主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具,えさ及び稚魚その他これに類する水産物
六  技術者,職人,労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
七  実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
八  仏像,位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物
九  債務者に必要な系譜,日記,商業帳簿及びこれらに類する書類
十  債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
十一  債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
十二  発明又は著作に係る物で,まだ公表していないもの
十三  債務者等に必要な義手,義足その他の身体の補足に供する物
十四  建物その他の工作物について,災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具,避難器具その他の備品

(差押禁止動産の範囲の変更)
第百三十二条  執行裁判所は,申立てにより,債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して,差押えの全部若しくは一部の取消しを命じ,又は前条各号に掲げる動産の差押えを許すことができる。
2  事情の変更があつたときは,執行裁判所は,申立てにより,前項の規定により差押えが取り消された動産の差押えを許し,又は同項の規定による差押えの全部若しくは一部の取消しを命ずることができる。
3  前二項の規定により差押えの取消しの命令を求める申立てがあつたときは,執行裁判所は,その裁判が効力を生ずるまでの間,担保を立てさせ,又は立てさせないで強制執行の停止を命ずることができる。
4  第一項又は第二項の申立てを却下する決定及びこれらの規定により差押えを許す決定に対しては,執行抗告をすることができる。
5  第三項の規定による決定に対しては,不服を申し立てることができない。

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,野生動植物が,生態系の重要な構成要素であるだけでなく,自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることにかんがみ,絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全し,もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(責務)
第二条  国は,野生動植物の種(亜種又は変種がある種にあっては,その亜種又は変種とする。以下同じ。)が置かれている状況を常に把握するとともに,絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための総合的な施策を策定し,及び実施するものとする。
2  地方公共団体は,その区域内の自然的社会的諸条件に応じて,絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための施策を策定し,及び実施するよう努めるものとする。
3  国民は,前二項の国及び地方公共団体が行う施策に協力する等絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に寄与するように努めなければならない。

(財産権の尊重等)
第三条  この法律の適用に当たっては,関係者の所有権その他の財産権を尊重し,住民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮し,並びに国土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。

(定義等)
第四条  この法律において「絶滅のおそれ」とは,野生動植物の種について,種の存続に支障を来す程度にその種の個体の数が著しく少ないこと,その種の個体の数が著しく減少しつつあること,その種の個体の主要な生息地又は生育地が消滅しつつあること,その種の個体の生息又は生育の環境が著しく悪化しつつあることその他のその種の存続に支障を来す事情があることをいう。
2  この法律において「希少野生動植物種」とは,次項の国内希少野生動植物種,第四項の国際希少野生動植物種及び次条第一項の緊急指定種をいう。
3  この法律において「国内希少野生動植物種」とは,その個体が本邦に生息し又は生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって,政令で定めるものをいう。
4  この法律において「国際希少野生動植物種」とは,国際的に協力して種の保存を図ることとされている絶滅のおそれのある野生動植物の種(国内希少野生動植物種を除く。)であって,政令で定めるものをいう。
5  この法律において「特定国内希少野生動植物種」とは,次に掲げる要件のいずれにも該当する国内希少野生動植物種であって,政令で定めるものをいう。
一  商業的に個体の繁殖をさせることができるものであること。
二  国際的に協力して種の保存を図ることとされているものでないこと。
6  環境大臣は,前三項の政令の制定又は改廃に当たってその立案をするときは,中央環境審議会の意見を聴かなければならない。

(個体等の所有者等の義務)
第七条  希少野生動植物種の個体若しくはその器官又はこれらの加工品(以下「個体等」と総称する。)の所有者又は占有者は,希少野生動植物種を保存することの重要性を自覚し,その個体等を適切に取り扱うように努めなければならない。

(助言又は指導)
第八条  環境大臣は,希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは,希少野生動植物種の個体等の所有者又は占有者に対し,その個体等の取扱いに関し必要な助言又は指導をすることができる。

(譲渡し等の禁止)
第十二条  希少野生動植物種の個体等は,譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取り(以下「譲渡し等」という。)をしてはならない。ただし,次に掲げる場合は,この限りでない。
一  次条第一項の許可を受けてその許可に係る譲渡し等をする場合
二  特定国内希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をする場合
三  国際希少野生動植物種の器官及びその加工品であって本邦内において製品の原材料として使用されているものとして政令で定めるもの(以下「原材料器官等」という。)並びにこれらの加工品のうち,その形態,大きさその他の事項に関し原材料器官等及びその加工品の種別に応じて政令で定める要件に該当するもの(以下「特定器官等」という。)の譲渡し等をする場合
四  第九条第二号に規定する場合に該当して捕獲等をした国内希少野生動植物種等の個体若しくはその個体の器官又はこれらの加工品の譲渡し等をする場合
五  第二十条第一項の登録を受けた国際希少野生動植物種の個体等又は第二十条の三第一項本文の規定により記載をされた同項の事前登録済証に係る原材料器官等の譲渡し等をする場合
六  希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をする当事者の一方又は双方が国の機関又は地方公共団体である場合であって環境省令で定める場合
七  前各号に掲げるもののほか,希少野生動植物種の保存に支障を及ぼすおそれがない場合として環境省令で定める場合
2  環境大臣は,前項第六号又は第七号の環境省令を定めようとするときは,農林水産大臣及び経済産業大臣に協議しなければならない。

(譲渡し等の許可)
第十三条  学術研究又は繁殖の目的その他環境省令で定める目的で希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をしようとする者(前条第一項第二号から第七号までに掲げる場合のいずれかに該当して譲渡し等をしようとする者を除く。)は,環境大臣の許可を受けなければならない。
2  前項の許可を受けようとする者は,環境省令で定めるところにより,環境大臣に許可の申請をしなければならない。
3  環境大臣は,前項の申請に係る譲渡し等について次の各号のいずれかに該当する事由があるときは,第一項の許可をしてはならない。
一  譲渡し等の目的が第一項に規定する目的に適合しないこと。
二  譲受人又は引取人が適当な飼養栽培施設を有しないことその他の事由により譲受け又は引取りに係る個体等を種の保存のため適切に取り扱うことができないと認められること。
4  第十条第四項の規定は第一項の許可について,同条第九項の規定は第一項の許可を受けて譲受け又は引取りをした者について,前条第二項の規定は第一項の環境省令の制定又は改廃について準用する。この場合において,第十条第九項中「その捕獲等に係る個体」とあるのは,「その譲受け又は引取りに係る個体等」と読み替えるものとする。

(陳列の禁止)
第十七条  希少野生動植物種の個体等は,販売又は頒布をする目的で陳列をしてはならない。ただし,特定国内希少野生動植物種の個体等,特定器官等,第九条第二号に該当して捕獲等をした国内希少野生動植物種等の個体若しくはその個体の器官若しくはこれらの加工品,第二十条第一項の登録を受けた国際希少野生動植物種の個体等又は第二十条の三第一項本文の規定により記載をされた同項の事前登録済証に係る原材料器官等の陳列をする場合その他希少野生動植物種の保存に支障を及ぼすおそれがない場合として環境省令で定める場合は,この限りでない。

(陳列をしている者に対する措置命令)
第十八条  環境大臣は,前条の規定に違反して希少野生動植物種の個体等の陳列をしている者に対し,陳列の中止その他の同条の規定が遵守されることを確保するため必要な事項を命ずることができる。

第五十八条  次の各号のいずれかに該当する者は,一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一  第九条,第十二条第一項,第十五条第一項又は第三十七条第四項の規定に違反した者
二  第十一条第一項,第十四条,第十六条第一項若しくは第二項又は第四十条第二項の規定による命令に違反した者

第五十九条  次の各号のいずれかに該当する者は,六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第十条第四項(第十三条第四項において準用する場合を含む。)又は第三十七条第七項の規定により付された条件に違反した者
二  第十八条,第二十条の三第四項から第六項まで,第三十二条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。),第三十三条の四第二項又は第三十三条の六第四項の規定による命令に違反した者
三  偽りその他不正の手段により登録又は事前登録を受けた者
四  事前登録済証に,事前登録をした事項に適合する原材料器官等以外の原材料器官等について第二十条の三第一項本文に規定する記載をし,又は虚偽の事項を含む同項本文に規定する記載をした者
五  第三十八条第四項の規定に違反した者

第六十二条  次の各号のいずれかに該当する者は,五十万円以下の罰金に処する。
一  第十七条又は第三十九条第五項の規定に違反した者
二  第三十条第一項若しくは第二項又は第三十三条の二の規定による届出をしないで特定国内種事業若しくは特定国際種事業を行い,又は虚偽の届出をした者
三  第三十八条第五項において準用する第三十七条第七項の規定により付された条件に違反した者
四  第三十九条第一項の規定による届出をしないで同項に規定する行為をし,又は虚偽の届出をした者
五  第三十九条第二項の規定による命令に違反した者

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男性性器を具体的・直接的に写した写真を収めた写真集のわいせつ性の如何について

2008-02-20 12:33:05 | Weblog
asahi.com 男性器映る写真集「わいせつでない」 最高裁判決

 ざっと流し読みした際,判決の「いずれも男性性器を直接的,具体的に写し,これを画面の中央に目立つように配置した白黒(モノクローム)の写真である。」にはどきっとしてしまった。「目」を読み落としてしまったのだ。

 さて,最判H11.2.23については,例えば,「性器そのものを強調し性器の描写に重きが置かれていると見ざるを得ない写真が含まれているというのであるから,従前の最高裁判例の趣旨及び下級審裁判例の大勢に従う限り,わいせつな書籍,図画等に該当することになろう。」(判時No1670)といった解説がされていたところ。
 
 今回,第三小法廷は次のとおり判示。

 前記事実関係によれば,本件各写真は,いずれも男性性器を直接的,具体的に写し,これを画面の中央に目立つように配置したものであるというのであり,当該描写の手法,当該描写が画面全体に占める比重,画面の構成などからして,いずれも性器そのものを強調し,その描写に重きを置くものとみざるを得ないというべきである。しかしながら,前記事実関係によれば,メイプルソープは,肉体,性,裸体という人間の存在の根元にかかわる事象をテーマとする作品を発表し,写真による現代美術の第一人者として美術評論家から高い評価を得ていたというのであり,本件写真集は,写真芸術ないし現代美術に高い関心を有する者による購読,鑑賞を想定して,上記のような写真芸術家の主要な作品を1冊の本に収録し,その写真芸術の全体像を概観するという芸術的観点から編集し,構成したものである点に意義を有するものと認められ,本件各写真もそのような観点からその主要な作品と位置付けられた上でこれに収録されたものとみることができる。また,前記事実関係によれば,本件写真集は,ポートレイト,花,静物,男性及び女性のヌード等の写真を幅広く収録するものであり,全体で384頁に及ぶ本件写真集のうち本件各写真(そのうち2点は他の写真の縮小版である。)が掲載されているのは19頁にすぎないというのであるから,本件写真集全体に対して本件各写真の占める比重は相当に低いものというべきであり,しかも,本件各写真は,白黒(モノクローム)の写真であり,性交等の状況を直接的に表現したものでもない。以上のような本件写真集における芸術性など性的刺激を緩和させる要素の存在,本件各写真の本件写真集全体に占める比重,その表現手法等の観点から写真集を全体としてみたときには,本件写真集が主として見る者の好色的興味に訴えるものと認めることは困難といわざるを得ない。
 これらの諸点を総合すれば,本件写真集は,本件通知処分当時における一般社会の健全な社会通念に照らして,関税定率法21条1項4号にいう「風俗を害すべき書籍,図画」等に該当するものとは認められないというべきである。


本判決,性器を直接的・具体的に写したものであっても,全体的考察に依拠して,わいせつ性が否定される場合があることを認めている。

 他方,堀籠裁判官は反対意見の中で次のとおり述べる。

 ある物がわいせつであるかどうかの判断は,社会通念の変化により変化するものであることは認めなければならないが,写真がわいせつであるかどうかについては,少なくとも,男女を問わず,性器が露骨に,直接的に,具体的に画面の中央に大きく配置されている場合には,その写真がわいせつ物に当たることは,刑事裁判実務において確立された運用というべきであり,本件20葉の写真がわいせつ性を有することは,否定することができないと考える。
 
続けて,次のようにも。

 多数意見は,芸術作品とわいせつとの関係について判示した最高裁昭和28年(あ)第1713号同32年3月13日大法廷判決・刑集11巻3号997頁の趣旨に適合するものであるかどうか疑問である。

最判昭和32年3月13日とは,もちろん,チャタレー事件の大法廷判決のこと。この後,わいせつ性の判断方法に関する判例として,全体的考察方法をとることを明らかにした悪徳の栄え事件判決(最判S44.10.15)や四畳半襖の下張り事件判決(最判昭和55.11.28)がある。堀籠裁判官はこれらには触れていない。

最後になったが,税関支署長の輸入禁制品に該当するとの通知処分については,平成11年の最判を引き合いに出しながら,概略,職務上通常尽くすべき注意義務を怠ったものということはできないから,国賠法第1条第1項の適用上,違法の評価を受けるものではないとし,損害賠償請求を棄却した原審の判断を結論において是認した。

判例検索システム 平成20年02月19日 輸入禁制品該当通知取消等請求事件


日本国憲法の関連条文

第二十一条  集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。
2  検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,これを侵してはならない。

国家賠償法の関連条文

第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは,国又は公共団体が,これを賠償する責に任ずる。
2  前項の場合において,公務員に故意又は重大な過失があつたときは,国又は公共団体は,その公務員に対して求償権を有する。

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企業倫理規範として反社会的勢力等に対する毅然とした対応を掲げるホテルについて

2008-02-18 21:57:55 | Weblog
MSN産経ニュース 日教組の宿泊拒否,法違反の疑い濃厚 厚労相

 このホテルのHPには,属する企業グループの企業倫理規範が掲載されている。そこには,「ルールの遵守」として,概略,法令等を遵守し,社会的良識をもって行動し,市民社会の秩序・安全に脅威を与える反社会的勢力等には毅然とした対応をする,とある。

さて,日本中が「裁判による法秩序維持」という司法制度の存在意義を蔑ろにするかのような今回の事件について切歯扼腕している,かどうかはわからないが,舛添厚労相が,本日,衆議院の予算委員会で面白い発言をしている。曰く,「(ホテル側の宿泊拒否は)旅館業法に違反する疑いが濃厚」。
なるほど,旅館業法第5条は,3つの例外事由を除き,原則,宿泊拒否を禁じている。教研集会への会場提供拒否の理由としてホテル側があげた理由は,上記例外のいずれにもあたらないように思われる。独自の考えをもってしても,この宿泊拒否まで正当化するのは難しいのではなかろか。

記事には,港区がホテル側を事情聴取する予定,とある。問題の筋から言えば,旅館業法違反,矮小の感は否めないが,この事情聴取には注目したい。
因みに,宿泊拒否を禁ずる旅館業法第5条に違反した者は5千円以下の罰金に処せられる(旅館業法第11条,13条)。

最後になったが,仮処分を無視した行為の効力の如何については,発行差止仮処分違反の新株発行に係る最判H5.12.16がある。この最判,仮処分命令違反の新株発行は,差止請求権の実効性を担保しようとした法の趣旨を没却するとして,新株発行無効の訴えの無効原因になると断じた。


旅館業法の関連条文

第一条  この法律は,旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により,旅館業の健全な発達を図るとともに,旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進し,もつて公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。

第二条  この法律で「旅館業」とは,ホテル営業,旅館営業,簡易宿所営業及び下宿営業をいう。
2  この法律で「ホテル営業」とは,洋式の構造及び設備を主とする施設を設け,宿泊料を受けて,人を宿泊させる営業で,簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
3  この法律で「旅館営業」とは,和式の構造及び設備を主とする施設を設け,宿泊料を受けて,人を宿泊させる営業で,簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
4  この法律で「簡易宿所営業」とは,宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け,宿泊料を受けて,人を宿泊させる営業で,下宿営業以外のものをいう。
5  この法律で「下宿営業」とは,施設を設け,一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて,人を宿泊させる営業をいう。
6  この法律で「宿泊」とは,寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。

第五条  営業者は,左の各号の一に該当する場合を除いては,宿泊を拒んではならない。
一  宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき。
二  宿泊しようとする者がとばく,その他の違法行為又は風紀を乱す行為をする虞があると認められるとき。
三  宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例で定める事由があるとき。

第七条  都道府県知事は,必要があると認めるときは,営業者その他の関係者から必要な報告を求め,又は当該職員に,営業の施設に立ち入り,その構造設備若しくはこれに関する書類を検査させることができる。
2  当該職員が,前項の規定により立入検査をする場合においては,その身分を示す証票を携帯し,且つ,関係人の請求があるときは,これを呈示しなければならない。

第八条  都道府県知事は,営業者が,この法律若しくはこの法律に基づく処分に違反したとき,又は第三条第二項第三号に該当するに至つたときは,同条第一項の許可を取り消し,又は期間を定めて営業の停止を命ずることができる。営業者(営業者が法人である場合におけるその代表者を含む。)又はその代理人,使用人その他の従業者が,当該営業に関し次に掲げる罪を犯したときも,同様とする。
一  刑法 (明治四十年法律第四十五号)第百七十四条 ,第百七十五条又は第百八十二条の罪
二  風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 (昭和二十三年法律第百二十二号)に規定する罪(同法第二条第四項 の接待飲食等営業に関するものに限る。)
三  売春防止法 (昭和三十一年法律第百十八号)第二章 に規定する罪
四  児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 (平成十一年法律第五十二号)に規定する罪

第十一条  左の各号の一に該当する者は,これを五千円以下の罰金に処する。
一  第五条又は第六条第一項の規定に違反した者
二  第七条第一項の規定による報告をせず,若しくは虚偽の報告をし,又は当該職員の検査を拒み,妨げ,若しくは忌避した者

第十三条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関して,第十条又は第十一条の違反行為をしたときは,行為者を罰する外,その法人又は人に対しても,各本条の罰金刑を科する。

東京都旅館業法施行条例の関連条文

(宿泊を拒むことができる事由)
第五条 法第五条第三号の規定による条例で定める事由は,次のとおりとする。
一 宿泊しようとする者が,泥酔者等で,他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼすおそれがあると認められるとき。
二 宿泊者が他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼす言動をしたとき。

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税額控除導入に係る電子証明書発行の急増について

2008-02-17 21:40:32 | Weblog
電子証明書の発行急増 確定申告の優遇制度で - さきがけ on the Web

 5千円の税額控除,人参に喩えるのは宜しくないのかもしれないが,魅力的に映っているようだ。

さて,記事の税額控除の根拠規定は,租税特別措置法第41条の19の3。
その第3項には「第一項の規定は,個人が,平成十九年分の所得税について同項の規定の適用を受けている場合には,当該個人の平成二十年分の所得税については,適用しない。」とある。よって,この税額控除が受けられるのは,平成19年分又は平成20年分のいずれか1回である。この点は,国税庁のHPや配布のパンフレットにおいても説明がされている。
なお,電子証明書がICカードに格納されている場合,e-Taxの利用にはICカードリーダライタが必要になる。購入となると,それなりの費用がかかる。すべての人が,e-Taxだとまるまる5千円お得,というわけでもなさそうだ。

国税庁 e-Tax で確定申告

公的個人認証サービス対応ICカードリーダライタ普及促進協議会


租税特別措置法の関連条文

(電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除)
第四十一条の十九の三  個人が,平成十九年分又は平成二十年分の所得税につき,行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律 (平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項 の規定により同項 に規定する電子情報処理組織を使用して確定申告書の提出を行う場合において,財務省令で定めるところにより当該確定申告書に記載すべき事項に係る情報(当該個人の電子署名が行われているものに限る。次項において「確定申告情報」という。)と当該電子署名に係る電子証明書とを併せて送信したときは,当該個人のその年分の所得税の額から,五千円を控除する。
2  前項の規定は,同項の規定の適用を受けようとする年分のその年の翌年一月四日から三月十五日まで(当該年分が平成二十年分である場合にあつては,その年の翌年一月五日から三月十五日まで)の間(確定申告書(確定申告期限のあるものに限る。)を提出すべき場合には,当該確定申告書の提出をすることができることとされる日から当該確定申告書に係る確定申告期限までの間)に,同項の規定により送信される確定申告情報と併せて同項の規定の適用を受けようとする旨及び同項の規定による控除を受ける金額に係る情報が送信される場合に限り,適用する。この場合において,同項の規定により控除される金額は,当該金額に係る情報として送信された金額に限るものとする。
3  第一項の規定は,個人が,平成十九年分の所得税について同項の規定の適用を受けている場合には,当該個人の平成二十年分の所得税については,適用しない。
4  この条において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
一  電子署名 電子署名及び認証業務に関する法律 (平成十二年法律第百二号)第二条第一項 に規定する電子署名をいう。
二  電子証明書 電子署名を行つた個人を確認するために用いられる事項が当該個人に係るものであることを証明するために作成された電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)であつて財務省令で定めるものをいう。
5  所得税法第九十二条第二項 の規定は,第一項の規定による控除をすべき金額について準用する。この場合において,同条第二項 中「前項の規定による控除」とあるのは「前項及び租税特別措置法第四十一条の十九の三第一項(電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除)の規定による控除」と,「当該控除をすべき金額」とあるのは「これらの控除をすべき金額の合計額」と読み替えるものとする。
6  その年分の所得税について第一項の規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号 に掲げる所得税の額の計算については,同号 中「第三章 (税額の計算)」とあるのは,「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第四十一条の十九の三第一項(電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除)」とする。
7  第二項から前項までに定めるもののほか,第一項の規定の適用に関し必要な事項は,政令で定める。

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社会福祉法人の合併等の推進について

2008-02-16 19:44:33 | Weblog
時事ドットコム 社会福祉法人の合併推進=都道府県に協議会,経営効率化で-厚労省

 記事には,厚労省は,社会福祉法人の合併等を推進する方針を決めた,とある。
社会福祉法第48条には「社会福祉法人は,他の社会福祉法人と合併することができる。」とある。この規定だけからはなおはっきりしないが,社会福祉法上,社会福祉法人は社会福祉法人以外の法人などとの合併は想定されていないようだ。確かに,事業内容からすれば,営利法人などとの合併には問題がありそうだ。
因みに,社会福祉法人も収益事業をおこなうことはできるが,社会福祉法第26条第1項には「その経営する社会福祉事業に支障がない限り」とある。
また,その公共性に鑑み,社会福祉法人が定款の事業目的に「その他法人の目的達成のために必要な事業」を盛り込むことは適当ではないとされている。

厚労省 社会福祉事業と社会福祉法人制度


社会福祉法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定め,社会福祉を目的とする他の法律と相まつて,福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(以下「地域福祉」という。)の推進を図るとともに,社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り,もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「社会福祉事業」とは,第一種社会福祉事業及び第二種社会福祉事業をいう。
2  次に掲げる事業を第一種社会福祉事業とする。
一  生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)に規定する救護施設,更生施設その他生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業及び生計困難者に対して助葬を行う事業
二  児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)に規定する乳児院,母子生活支援施設,児童養護施設,知的障害児施設,知的障害児通園施設,盲ろうあ児施設,肢体不自由児施設,重症心身障害児施設,情緒障害児短期治療施設又は児童自立支援施設を経営する事業
三  老人福祉法 (昭和三十八年法律第百三十三号)に規定する養護老人ホーム,特別養護老人ホーム又は軽費老人ホームを経営する事業
三の二  障害者自立支援法 (平成十七年法律第百二十三号)に規定する障害者支援施設を経営する事業
四  障害者自立支援法 附則第四十一条第一項 の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同項 に規定する身体障害者更生援護施設を経営する事業
五  障害者自立支援法 附則第五十八条第一項 の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同項 に規定する知的障害者援護施設を経営する事業
六  売春防止法 (昭和三十一年法律第百十八号)に規定する婦人保護施設を経営する事業
七  授産施設を経営する事業及び生計困難者に対して無利子又は低利で資金を融通する事業
3  次に掲げる事業を第二種社会福祉事業とする。
一  生計困難者に対して,その住居で衣食その他日常の生活必需品若しくはこれに要する金銭を与え,又は生活に関する相談に応ずる事業
二  児童福祉法 に規定する児童自立生活援助事業,放課後児童健全育成事業又は子育て短期支援事業,同法 に規定する助産施設,保育所,児童厚生施設又は児童家庭支援センターを経営する事業及び児童の福祉の増進について相談に応ずる事業
三  母子及び寡婦福祉法 (昭和三十九年法律第百二十九号)に規定する母子家庭等日常生活支援事業又は寡婦日常生活支援事業及び同法 に規定する母子福祉施設を経営する事業
四  老人福祉法 に規定する老人居宅介護等事業,老人デイサービス事業,老人短期入所事業,小規模多機能型居宅介護事業又は認知症対応型老人共同生活援助事業及び同法 に規定する老人デイサービスセンター,老人短期入所施設,老人福祉センター又は老人介護支援センターを経営する事業
四の二  障害者自立支援法 に規定する障害福祉サービス事業,相談支援事業又は移動支援事業及び同法 に規定する地域活動支援センター又は福祉ホームを経営する事業
五  身体障害者福祉法 (昭和二十四年法律第二百八十三号)に規定する身体障害者生活訓練等事業,手話通訳事業又は介助犬訓練事業若しくは聴導犬訓練事業,同法 に規定する身体障害者福祉センター,補装具製作施設,盲導犬訓練施設又は視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業及び身体障害者の更生相談に応ずる事業
六  知的障害者福祉法 (昭和三十五年法律第三十七号)に規定する知的障害者の更生相談に応ずる事業
七  障害者自立支援法 附則第四十八条 の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同条 に規定する精神障害者社会復帰施設を経営する事業
八  生計困難者のために,無料又は低額な料金で,簡易住宅を貸し付け,又は宿泊所その他の施設を利用させる事業
九  生計困難者のために,無料又は低額な料金で診療を行う事業
十  生計困難者に対して,無料又は低額な費用で介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)に規定する介護老人保健施設を利用させる事業
十一  隣保事業(隣保館等の施設を設け,無料又は低額な料金でこれを利用させることその他その近隣地域における住民の生活の改善及び向上を図るための各種の事業を行うものをいう。)
十二  福祉サービス利用援助事業(精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある者に対して,無料又は低額な料金で,福祉サービス(前項各号及び前各号の事業において提供されるものに限る。以下この号において同じ。)の利用に関し相談に応じ,及び助言を行い,並びに福祉サービスの提供を受けるために必要な手続又は福祉サービスの利用に要する費用の支払に関する便宜を供与することその他の福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を一体的に行う事業をいう。)
十三  前項各号及び前各号の事業に関する連絡又は助成を行う事業
4  この法律における「社会福祉事業」には,次に掲げる事業は,含まれないものとする。
一  更生保護事業法 (平成七年法律第八十六号)に規定する更生保護事業(以下「更生保護事業」という。)
二  実施期間が六月(前項第十三号に掲げる事業にあつては,三月)を超えない事業
三  社団又は組合の行う事業であつて,社員又は組合員のためにするもの
四  第二項各号及び前項第一号から第九号までに掲げる事業であつて,常時保護を受ける者が,入所させて保護を行うものにあつては五人,その他のものにあつては二十人(政令で定めるものにあつては,十人)に満たないもの
五  前項第十三号に掲げる事業のうち,社会福祉事業の助成を行うものであつて,助成の金額が毎年度五百万円に満たないもの又は助成を受ける社会福祉事業の数が毎年度五十に満たないもの

(福祉サービスの基本的理念)
第三条  福祉サービスは,個人の尊厳の保持を旨とし,その内容は,福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され,又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして,良質かつ適切なものでなければならない。

(地域福祉の推進)
第四条  地域住民,社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は,相互に協力し,福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み,社会,経済,文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように,地域福祉の推進に努めなければならない。

(福祉サービスの提供の原則)
第五条  社会福祉を目的とする事業を経営する者は,その提供する多様な福祉サービスについて,利用者の意向を十分に尊重し,かつ,保健医療サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図るよう創意工夫を行いつつ,これを総合的に提供することができるようにその事業の実施に努めなければならない。

(福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務)
第六条  国及び地方公共団体は,社会福祉を目的とする事業を経営する者と協力して,社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施が図られるよう,福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策,福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

(経営の原則)
第二十四条  社会福祉法人は,社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実,効果的かつ適正に行うため,自主的にその経営基盤の強化を図るとともに,その提供する福祉サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない。

(公益事業及び収益事業)
第二十六条  社会福祉法人は,その経営する社会福祉事業に支障がない限り,公益を目的とする事業(以下「公益事業」という。)又はその収益を社会福祉事業若しくは公益事業(第二条第四項第四号に掲げる事業その他の政令で定めるものに限る。第五十七条第二号において同じ。)の経営に充てることを目的とする事業(以下「収益事業」という。)を行うことができる。
2  公益事業又は収益事業に関する会計は,それぞれ当該社会福祉法人の行う社会福祉事業に関する会計から区分し,特別の会計として経理しなければならない。

(所轄庁)
第三十条  社会福祉法人の所轄庁は,都道府県知事とする。ただし,次の各号に掲げる社会福祉法人の所轄庁は,当該各号に定める者とする。
一  主たる事務所が指定都市の区域内にある社会福祉法人であつてその行う事業が当該指定都市の区域を越えないもの及び第百九条第二項に規定する地区社会福祉協議会である社会福祉法人指定都市の長
二  主たる事務所が中核市の区域内にある社会福祉法人であつてその行う事業が当該中核市の区域を越えないもの中核市の長
2  社会福祉法人でその行う事業が二以上の都道府県の区域にわたるものにあつては,その所轄庁は,前項本文の規定にかかわらず,厚生労働大臣とする。

(申請)
第三十一条  社会福祉法人を設立しようとする者は,定款をもつて少なくとも次に掲げる事項を定め,厚生労働省令で定める手続に従い,当該定款について所轄庁の認可を受けなければならない。
一  目的
二  名称
三  社会福祉事業の種類
四  事務所の所在地
五  役員に関する事項
六  会議に関する事項
七  資産に関する事項
八  会計に関する事項
九  評議員会を置く場合には,これに関する事項
十  公益事業を行う場合には,その種類
十一  収益事業を行う場合には,その種類
十二  解散に関する事項
十三  定款の変更に関する事項
十四  公告の方法
2  設立当初の役員は,定款で定めなければならない。
3  第一項第十二号に掲げる事項中に,残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には,その者は,社会福祉法人その他社会福祉事業を行う者のうちから選定されるようにしなければならない。
4  前条第二項の社会福祉法人に係る第一項の規定による認可の申請は,当該社会福祉法人の主たる事務所の所在地の都道府県知事を経由して行わなければならない。この場合において,当該都道府県知事は,必要な調査をし,意見を付するものとする。

(認可)
第三十二条  所轄庁は,前条第一項の規定による認可の申請があつたときは,当該申請に係る社会福祉法人の資産が第二十五条の要件に該当しているかどうか,その定款の内容及び設立の手続が,法令の規定に違反していないかどうか等を審査した上で,当該定款の認可を決定しなければならない。
(合併)
第四十八条  社会福祉法人は,他の社会福祉法人と合併することができる。

(合併手続)
第四十九条  社会福祉法人が合併するには,理事の三分の二以上の同意及び定款でさらに評議員会の議決を要するものと定められている場合には,その議決がなければならない。
2  合併は,所轄庁の認可を受けなければ,その効力を生じない。
3  第三十一条第四項の規定は合併の認可の申請に,第三十二条の規定は合併の認可にそれぞれ準用する。

第五十条  社会福祉法人は,前条第二項に規定する所轄庁の認可があつたときは,その認可の通知のあつた日から二週間以内に財産目録及び貸借対照表を作成しなければならない。
2  社会福祉法人は,前項の期間内に,その債権者に対し,異議があれば一定の期間内に述べるべき旨を公告し,かつ,判明している債権者に対しては,各別にこれを催告しなければならない。ただし,その期間は,二月を下ることができない。

第五十一条  債権者が,前条第二項の期間内に合併に対して異議を述べなかつたときは,合併を承認したものとみなす。
2  債権者が異議を述べたときは,社会福祉法人は,これに弁済し,若しくは相当の担保を供し,又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む金融機関に相当の財産を信託しなければならない。ただし,合併をしてもその債権者を害するおそれがないときは,この限りでない。

第五十二条  合併により社会福祉法人を設立する場合においては,定款の作成その他社会福祉法人の設立に関する事務は,各社会福祉法人において選任した者が共同して行わなければならない。

(合併の効果)
第五十三条  合併後存続する社会福祉法人又は合併によつて設立した社会福祉法人は,合併によつて消滅した社会福祉法人の一切の権利義務(当該社会福祉法人がその行う事業に関し行政庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

(合併の時期)
第五十四条  社会福祉法人の合併は,合併後存続する社会福祉法人又は合併によつて設立する社会福祉法人の主たる事務所の所在地において登記をすることによつて,その効力を生ずる。

(準用等)
第五十五条  民法第七十条 ,第七十三条から第七十六条まで,第七十七条第二項(届出に関する部分に限る。)及び第七十八条から第八十三条まで(法人の解散及び清算)並びに非訟事件手続法第三十五条第二項 及び第三十六条 から第四十条 まで(法人の清算の監督)の規定は,社会福祉法人の解散及び清算に準用する。この場合において,民法第七十七条第二項 及び第八十三条 中「主務官庁」とあるのは,「所轄庁(社会福祉法第三十条に規定する所轄庁をいう。)」と読み替えるものとする。
2  社会福祉法人の解散及び清算を監督する裁判所は,社会福祉法人の業務を監督する官庁に対し,意見を求め,又は調査を嘱託することができる。
3  前項に規定する官庁は,同項に規定する裁判所に対し,意見を述べることができる。

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無届けの南極点到達等について

2008-02-15 20:10:56 | Weblog
無届け南極入り,環境相が「これを機にアピールを」 YOMIURI ONLINE

 南極地域活動をする手続きとしては,南極地域活動計画の「確認申請」と「届出」の2種類がある。これについては,環境省HPで次のような説明がされている。

●「確認申請」か「届出」か?

 「確認申請」を行うのか「届出」を行うのかは,あなたの南極地域への訪問が許可等を受けているかどうかで異なります。日本以外の環境保護に関する南極条約議定書の締約国で既に確認にあたる許可等を受けている活動に参加する場合は,届出書を提出してください。
 それ以外の場合はすべて,確認申請を行ってください。


記事には,鴨下環境相の「手続きの周知が足りなかった」との談話があるが,南極環境保護法第25条には「国は,南極地域において行為をする者その他の関係者に議定書及びこの法律(これに基づく命令及び環境大臣の定めを含む。)の要旨の周知を図るため,適当な措置をとるものとする。」とある(太字は管理人によるもの)。
因みに,あらためて「適当」を大辞林で引いてみると,「①ある状態・目的・要求などにぴったり合っていること。ふさわしいこと。また,そのさま。相当」,「②その場を何とかつくろう程度であること。いい加減なこと。また,そのさま。」,とある。してみると,周知に係る「適当な措置」は採っていた,という弁も成り立たないわけではないか・・・。

このたびの件,始末書程度の処分にとどまるようだが,いろいろと事情があるようだ。

環境省 南極地域の環境保護

外務省 地球環境 南極条約


「南極地域の環境の保護に関する法律」の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,国際的に協力して南極地域の環境(これに依存し及び関連する生態系並びにこれとともに包括的に保護されるべき南極地域の固有の価値を含む。以下単に「南極地域の環境」という。)の保護を図るため,南極地域活動計画の確認の制度を設けるほか南極地域における行為の制限に関する所要の措置等を講ずることにより環境保護に関する南極条約議定書(同議定書の附属書Iから附属書Vまでを含む。以下「議定書」という。)の的確かつ円滑な実施を確保し,もって人類の福祉に貢献するとともに現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(適用範囲)
第二条  この法律は,日本国民及び日本国の法人並びに日本国内に住所を有する外国人及び日本国内に事務所を有する外国の法人(当該事務所に所属する従業者が当該法人の業務に関し,南極地域活動をし,又は南極地域活動の主宰に関与する場合に限る。)に適用する。

(定義)
第三条  この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  南極地域 南緯六十度以南の陸域(氷棚及びその上空の部分を含む。以下同じ。)及び海域(氷棚の区域については,その下の海中の部分に限る。以下同じ。)をいう。
二  南極地域の固有の価値 南極地域の科学上,歴史上若しくは芸術上の価値又は原生の状態を維持していることの価値をいう。
三  南極地域活動 南極地域においてする科学的調査,観光その他の活動(一定の目的のためにする一連の行為をいう。)をいう。
四  南極地域活動計画 一又は二以上の南極地域活動に係る一の計画をいう。
五  南極特別保護地区 議定書附属書V第三条1又は3の規定により指定された南極特別保護地区であって,環境省令で定めるものをいう。
六  特定活動 南極地域の海域においてする次に掲げる南極地域活動(次に掲げる南極地域活動以外の南極地域活動と一体となって行われるものを除く。)をいう。
イ 南極地域の海域に生息し,又は生育する水産動植物の採捕であって当該採捕を制限し,又は禁止する法令の規定(政令で定めるものに限る。)に反することなく行われるもの及びこれに付随する環境省令で定める行為
ロ 船舶の航行又は航空機の飛行(南極特別保護地区への立入りを除く。)及びこれらに付随する環境省令で定める行為
ハ 科学的調査であってその結果を公表することとされているもの(イに掲げるものを除く。)
七  南極環境構成要素 南極地域の大気,南極地域の水,南極地域に生息し,又は生育する動植物その他の南極地域の環境の構成要素(南極地域の気象その他のこれらの構成要素の現象又は状態を含む。)であって,環境省令で定めるものをいう。
八  南極環境影響 南極地域活動が南極環境構成要素に及ぼす影響をいう。
九  鉱物資源活動 鉱物(石炭,亜炭,石油及び天然ガスを含む。)の探鉱及び採鉱をいう。
十  南極哺乳類 哺乳綱に属する種であってその個体が南極地域に生息するものとして環境省令で定めるものの生きている個体をいう。
十一  南極鳥類 鳥綱に属する種であってその個体が南極地域に生息するものとして環境省令で定めるものの生きている個体をいう。
十二  廃棄物 南極地域の陸域(上空を除く。以下この号において同じ。)において発生し,又は南極地域の陸域に持ち込まれた固形状又は液状の不要物をいう。
十三  南極史跡記念物 議定書附属書V第八条5後段に規定する史跡及び歴史的記念物の一覧表に掲げられた史跡及び歴史的記念物であって,環境省令で定めるものをいう。

(基本的な配慮事項の公表)
第四条  環境大臣は,議定書の的確かつ円滑な実施を図るため,次条第一項に規定する確認を受けて南極地域活動を主宰する者(以下「主宰者」という。)及び南極地域活動の行為者が南極地域の環境の保護のために配慮しなければならない基本的な事項(以下この条において「基本的な配慮事項」という。)を定めて公表するものとする。
2  環境大臣は,基本的な配慮事項を定めようとするときは,文部科学大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。
3  前二項の規定は,基本的な配慮事項の変更について準用する。

(確認に係る南極地域活動以外の南極地域活動の制限)
第五条  何人も,南極地域においては,第七条第一項各号に掲げる要件に該当する旨の環境大臣の確認(次項を除き,以下単に「確認」という。)を受けた南極地域活動計画に含まれる南極地域活動以外の南極地域活動をしてはならない。ただし,特定活動については,この限りでない。
2  議定書の締約国たる外国(以下「締約国」という。)の法令であってこの法律に相当するもの(以下「締約国の相当法令」という。)の規定により当該締約国において前項に規定する確認に類する許可その他の行政処分を受けてする南極地域活動又は当該処分を受けることを要しないとされている南極地域活動については,同項の規定は,適用しない。
3  前項に規定する南極地域活動をしようとする者は,あらかじめ,環境省令で定めるところにより,環境大臣にその旨を届け出なければならない。

(南極地域活動計画の確認の申請)
第六条  南極地域活動計画の確認についての申請(以下この条から第十条までにおいて単に「申請」という。)は,当該南極地域活動計画に含まれる南極地域活動を主宰しようとする者が次に掲げる事項を記載した申請書(以下単に「申請書」という。)を環境大臣に提出して行わなければならない。
一  主宰者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者及び役員の氏名
二  当該南極地域活動計画の目的
三  当該南極地域活動計画に含まれる南極地域活動の行為者の人数
四  当該南極地域活動計画に含まれる南極地域活動の行為者の氏名が確定している場合にあっては,当該氏名
五  当該南極地域活動計画に含まれる南極地域活動の行為者が当該南極地域活動をその業務に関してする法人がある場合にあっては,その名称及び住所並びに代表者の氏名
六  当該南極地域活動計画に含まれる南極地域活動の目的,時期,場所及び実施方法
七  当該南極地域活動計画に含まれる南極地域活動を構成する行為(次条第一項第一号から第三号までに掲げる要件に関連するものに限る。)の詳細な内容及び当該行為の行為者の氏名が確定している場合にあっては,当該氏名
2  南極地域活動を主宰しようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは,確認を受けることができない。
一  この法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ,その執行を終わり,又はその執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
二  法人であって,その役員のうちに前号に該当する者があるもの
3  第一項の規定により申請書を環境大臣に提出する者(以下「申請者」という。)は,当該申請書に係る南極地域活動計画に含まれる南極地域活動の南極環境影響について環境大臣が定めるところにより調査,予測及び評価を行い,その結果を記載した図書を当該申請書とともに環境大臣に提出することができる。
4  申請書の様式,記載要領その他の必要な事項は,環境省令で定める。

(南極地域活動計画の確認の基準)
第七条  環境大臣は,申請に係る南極地域活動計画に含まれるすべての南極地域活動が次の要件に該当すると認めるときは,次条及び第九条に規定する手続に従い確認をするものとする。
一  当該南極地域活動を構成する行為中に第十三条,第十四条第一項,第十六条,第十八条及び第二十条の規定に違反するものがないこと。
二  当該南極地域活動を構成する行為の全部又は一部が第十四条第二項各号に該当する場合には,当該行為の目的が環境省令で定める当該行為の区分ごとに環境省令で定めるもの(科学的調査,教育資料の収集その他これに類する目的に限る。)であり,かつ,当該目的を達成するため必要な限度においてするものであることその他の環境省令で定める条件に適合すること。
三  当該南極地域活動を構成する行為の全部又は一部が南極特別保護地区への立入りに該当する場合には,当該行為が議定書附属書V第六条の指定に係る管理計画に従い南極特別保護地区ごとに環境省令で定める要件に適合すること(当該管理計画が指定されていない南極特別保護地区にあっては,科学的調査のため欠くことができないものであること。)。
四  次項の規定に適合すること。
五  前三号に掲げる南極地域活動のうちその南極環境影響の程度が軽微でないものにあっては,これらの号に規定するところに適合するほか,当該南極環境影響の程度がその時点において国際的に到達されている水準の南極環境影響に関する科学的知見に照らし著しいものとなるおそれがないこと。
2  南極地域活動は,次に掲げるものであってはならない。
一  南極地域の気候の自然な変動に影響を及ぼすおそれのある南極地域活動
二  南極地域の大気の著しい汚染,水質の著しい汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質の著しい悪化を含む。)又は土壌の著しい汚染の原因となるおそれのある南極地域活動
三  南極地域の大気の組成を変化させ,土地(海底を含む。)若しくは氷床の形質を著しく変更し,又は河川,湖沼等の水位若しくは水量に著しい増減を及ぼすおそれのある南極地域活動
四  南極地域に生息し,又は生育する動植物の種について,その種の個体の主要な生息地又は生育地を消滅させるおそれのある南極地域活動,種の存続に支障を来す程度にその種の個体の数を著しく減少させる南極地域活動その他のその種の個体の生息状態又は生育状態に著しく影響を及ぼすおそれのある南極地域活動
五  南極地域の固有の価値であって重要なものを有する地域において,当該価値を著しく減ずるおそれのある南極地域活動

(南極地域活動計画の確認)
第八条  環境大臣は,申請書が提出された場合において,当該申請書に係る南極地域活動計画に含まれる南極地域活動が前条第一項各号に掲げる要件に該当するかどうかの審査を適正に行うため必要があると認めるときは,申請者に対し,相当な期限を付して,書面をもって,次に掲げる措置をとるべきことを命ずることができる。この場合において,当該書面には,当該措置をとるべき理由を付さなければならない。
一  申請書を訂正すること。
二  第六条第三項に規定する図書を提出すること。
三  第六条第三項に規定する図書の記載事項の修正又は補充を行うこと。
2  前項の規定による命令があった場合において,申請者が同項の期限までに当該命令に係る措置をとらないときは,環境大臣は,当該申請を却下しなければならない。
3  環境大臣は,申請書が提出された場合において,申請に係る南極地域活動計画が次の各号に掲げるものに該当すると認めるときは,それぞれ当該各号に定める措置をとらなければならない。
一  それに含まれるすべての南極地域活動が前条第一項各号に掲げる要件に該当する南極地域活動計画 当該南極地域活動計画の確認をし,その旨を書面をもって申請者に通知すること。
二  それに含まれるすべての南極地域活動が前条第一項第一号から第四号までに該当し,かつ,それに含まれる南極地域活動の全部又は一部が同項第五号に掲げる要件に該当しないおそれがあることから締約国の政府並びに日本国内及び日本国外の一般の意見を求める必要がある南極地域活動計画 次条の規定による措置をとる旨及びその理由を書面をもって申請者に通知すること。
三  前二号に掲げるもの以外のもの 当該南極地域活動計画の確認を拒否し,その旨及びその理由を書面をもって申請者に通知すること。
4  環境大臣は,前項の規定による措置をとろうとする場合において必要があると認めるときは,環境省令で定めるところにより,当該南極地域活動計画に含まれる南極地域活動について,南極地域に関し専門の学識経験のある者の意見を聴くことができる。
5  環境大臣は,南極地域の環境を保護するため必要があると認めるときは,その必要の限度において,第三項第一号の規定による確認に係る南極地域活動計画に含まれる南極地域活動(その南極環境影響が極めて軽微なものを除く。)について南極環境構成要素(あらかじめ環境大臣が通知する南極環境影響に係るものに限る。)の観測又は測定を環境省令で定めるところにより行いその結果を環境大臣に報告すること,南極地域において環境大臣の権限を行う職員との間の連絡手段を確保することその他の条件を付することができる。
6  第三項第二号の規定による通知について不服がある者は,行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)に基づく異議申立てをすることができる。
7  申請者は,申請に係る南極地域活動計画について確認をし,又は確認を拒否した旨の通知を受けるまでは,いつでも申請を取り下げることができる。

(主宰者の責務)
第十二条  主宰者は,確認を受けた南極地域活動計画に含まれる自己の主宰する南極地域活動の行為者に対し,少なくとも当該南極地域活動に係る第六条第一項第六号及び第七号の事項について説明し,その他この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないように必要な指導を行わなければならない。

(周知)
第二十五条  国は,南極地域において行為をする者その他の関係者に議定書及びこの法律(これに基づく命令及び環境大臣の定めを含む。)の要旨の周知を図るため,適当な措置をとるものとする。

第三十条  次の各号のいずれかに該当する者は,六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第五条第一項の規定に違反して,確認を受けた南極地域活動計画に定められた南極地域活動(同条第二項に規定する南極地域活動を含む。)をすべきこととされている場所以外の場所に立ち入り,又は当該南極地域活動をすべきこととされている時期以外の時期に当該南極地域活動に係る場所に立ち入り,若しくは残留する行為(前条第三号に該当する行為を除く。)をした者
二  偽りその他不正の手段により確認を受けた者

第三十一条  第五条第三項の規定による届出をしないで同条第二項に規定する南極地域活動をすべきこととされている場所に立ち入った者は,五十万円以下の罰金に処する。

第三十二条  次の各号のいずれかに該当する者は,二十万円以下の罰金に処する。
一  第八条第五項(第九条第六項において準用する場合を含む。)の規定により確認に付された条件に違反した者
二  第十一条第七項の規定に違反した者
三  第二十一条の規定による報告をせず,又は虚偽の報告をした者
四  第二十二条第一項又は第二項の規定による立入検査を拒み,妨げ,若しくは忌避し,又は質問に対して陳述をせず,若しくは虚偽の陳述をした者

第三十三条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し,第二十九条から前条までの違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

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チョコの製造元が気になる人について

2008-02-15 09:37:25 | Weblog
女性記者からチョコ贈られた首相「大丈夫?」「どこ製?」 YOMIURI ONLINE

 食品衛生法第3条第1項には「国,都道府県,地域保健法 (昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項 の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)及び特別区は,教育活動及び広報活動を通じた食品衛生に関する正しい知識の普及,食品衛生に関する情報の収集,整理,分析及び提供,食品衛生に関する研究の推進,食品衛生に関する検査の能力の向上並びに食品衛生の向上にかかわる人材の養成及び資質の向上を図るために必要な措置を講じなければならない。」,第3項には「食品等事業者は,販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため,前項に規定する記録の国,都道府県等への提供,食品衛生上の危害の原因となつた販売食品等の廃棄その他の必要な措置を適確かつ迅速に講ずるよう努めなければならない。」とある。

さて,「彼の国重視の総理にしては・・・」と思わせるようなちょっと危ない発言。だが,この程度に留めておいて良かった。これを超えると,おそらく倍返しでは済まない。
最後になったが,記事からは,チョコがブラックだったかどうかまでは明らかでない。


食品衛生法の関連条文

第一条  この法律は,食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより,飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し,もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。

第二条  国,都道府県,地域保健法 (昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項 の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)及び特別区は,教育活動及び広報活動を通じた食品衛生に関する正しい知識の普及,食品衛生に関する情報の収集,整理,分析及び提供,食品衛生に関する研究の推進,食品衛生に関する検査の能力の向上並びに食品衛生の向上にかかわる人材の養成及び資質の向上を図るために必要な措置を講じなければならない。
2  国,都道府県,保健所を設置する市及び特別区は,食品衛生に関する施策が総合的かつ迅速に実施されるよう,相互に連携を図らなければならない。
3  国は,食品衛生に関する情報の収集,整理,分析及び提供並びに研究並びに輸入される食品,添加物,器具及び容器包装についての食品衛生に関する検査の実施を図るための体制を整備し,国際的な連携を確保するために必要な措置を講ずるとともに,都道府県,保健所を設置する市及び特別区(以下「都道府県等」という。)に対し前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えるものとする。

第三条  食品等事業者(食品若しくは添加物を採取し,製造し,輸入し,加工し,調理し,貯蔵し,運搬し,若しくは販売すること若しくは器具若しくは容器包装を製造し,輸入し,若しくは販売することを営む人若しくは法人又は学校,病院その他の施設において継続的に不特定若しくは多数の者に食品を供与する人若しくは法人をいう。以下同じ。)は,その採取し,製造し,輸入し,加工し,調理し,貯蔵し,運搬し,販売し,不特定若しくは多数の者に授与し,又は営業上使用する食品,添加物,器具又は容器包装(以下「販売食品等」という。)について,自らの責任においてそれらの安全性を確保するため,販売食品等の安全性の確保に係る知識及び技術の習得,販売食品等の原材料の安全性の確保,販売食品等の自主検査の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2  食品等事業者は,販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生の防止に必要な限度において,当該食品等事業者に対して販売食品等又はその原材料の販売を行つた者の名称その他必要な情報に関する記録を作成し,これを保存するよう努めなければならない。
3  食品等事業者は,販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため,前項に規定する記録の国,都道府県等への提供,食品衛生上の危害の原因となつた販売食品等の廃棄その他の必要な措置を適確かつ迅速に講ずるよう努めなければならない。

第五条  販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)の用に供する食品又は添加物の採取,製造,加工,使用,調理,貯蔵,運搬,陳列及び授受は,清潔で衛生的に行われなければならない。

第七条  厚生労働大臣は,一般に飲食に供されることがなかつた物であつて人の健康を損なうおそれがない旨の確証がないもの又はこれを含む物が新たに食品として販売され,又は販売されることとなつた場合において,食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは,薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて,それらの物を食品として販売することを禁止することができる。
2  厚生労働大臣は,一般に食品として飲食に供されている物であつて当該物の通常の方法と著しく異なる方法により飲食に供されているものについて,人の健康を損なうおそれがない旨の確証がなく,食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは,薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて,その物を食品として販売することを禁止することができる。
3  厚生労働大臣は,食品によるものと疑われる人の健康に係る重大な被害が生じた場合において,当該被害の態様からみて当該食品に当該被害を生ずるおそれのある一般に飲食に供されることがなかつた物が含まれていることが疑われる場合において,食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは,薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて,その食品を販売することを禁止することができる。
4  厚生労働大臣は,前三項の規定による販売の禁止をした場合において,厚生労働省令で定めるところにより,当該禁止に関し利害関係を有する者の申請に基づき,又は必要に応じ,当該禁止に係る物又は食品に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認めるときは,薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて,当該禁止の全部又は一部を解除するものとする。
5  厚生労働大臣は,第一項から第三項までの規定による販売の禁止をしたとき,又は前項の規定による禁止の全部若しくは一部の解除をしたときは,官報で告示するものとする。

第八条  厚生労働大臣は,特定の国若しくは地域において採取され,製造され,加工され,調理され,若しくは貯蔵され,又は特定の者により採取され,製造され,加工され,調理され,若しくは貯蔵される特定の食品又は添加物について,第二十六条第一項から第三項まで又は第二十八条第一項の規定による検査の結果次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当数発見されたこと,生産地における食品衛生上の管理の状況その他の厚生労働省令で定める事由からみて次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当程度含まれるおそれがあると認められる場合において,人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して,当該特定の食品又は添加物に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは,薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて,当該特定の食品又は添加物を販売し,又は販売の用に供するために,採取し,製造し,輸入し,加工し,使用し,若しくは調理することを禁止することができる。
一  第六条各号に掲げる食品又は添加物
二  第十条に規定する食品
三  第十一条第一項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物
四  第十一条第一項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
五  第十一条第三項に規定する食品
2  厚生労働大臣は,前項の規定による禁止をしようとするときは,あらかじめ,関係行政機関の長に協議しなければならない。
3  厚生労働大臣は,第一項の規定による禁止をした場合において,当該禁止に関し利害関係を有する者の申請に基づき,又は必要に応じ,厚生労働省令で定めるところにより,当該禁止に係る特定の食品又は添加物に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認めるときは,薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて,当該禁止の全部又は一部を解除するものとする。
4  厚生労働大臣は,第一項の規定による禁止をしたとき,又は前項の規定による禁止の全部若しくは一部の解除をしたときは,官報で告示するものとする。

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自主ガイドラインに基づく発信者情報の開示について

2008-02-14 21:23:57 | Weblog
asahi.com ネット自殺予告,121人中72人保護 警察と業者連携

 日本国憲法第21条第2項後段には「通信の秘密は,これを侵してはならない。」とある。
これを受ける形で,電気通信事業法第4条1項には「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は,侵してはならない。」,第2項には「電気通信事業に従事する者は,在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても,同様とする。」とある。
電気通信事業者がこれに違反して秘密を漏示した場合は,三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処せられる(電気通信事業法第179条第2項)。

記事には,概略,業界団体は警察からの照会に自主ガイドライン(「インターネット上の自殺予告事案への対応に関するガイドライン」のこと)に基づき発信者情報を開示している,とある。
開示は上記の通信の秘密との関係で軋轢が生じる。これに関し,自主ガイドラインは,プロバイダ等が自殺予告に係る警察からの照会に対して発信者情報を開示する行為は,緊急避難(刑法第37条)の要件を満たす限り違法性は阻却されるとし,判断基準の整理等々をおこなっている。
因みに,参考書式として掲げられている警察からの「発信者情報の開示に関する協力依頼(照会)」には,「本照会により開示を受けた情報は,あくまで人命保護の目的で利用するものであり,これ以外の目的で利用することはありません。」とある。

社団法人日本インターネットプロバイダー協会 電気通信関連4団体「インターネット上の自殺予告事案への対応に関するガイドライン(平成17年10月)」


日本国憲法の関連条文

第二十一条  集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。
2  検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,これを侵してはならない。

民法の関連条文

(緊急事務管理)
第六百九十八条  管理者は,本人の身体,名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは,悪意又は重大な過失があるのでなければ,これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

刑法の関連条文

(緊急避難)
第三十七条  自己又は他人の生命,身体,自由又は財産に対する現在の危難を避けるため,やむを得ずにした行為は,これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り,罰しない。ただし,その程度を超えた行為は,情状により,その刑を減軽し,又は免除することができる。
2  前項の規定は,業務上特別の義務がある者には,適用しない。

電気通信事業法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,電気通信事業の公共性にかんがみ,その運営を適正かつ合理的なものとするとともに,その公正な競争を促進することにより,電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し,もつて電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り,公共の福祉を増進することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
一  電気通信 有線,無線その他の電磁的方式により,符号,音響又は影像を送り,伝え,又は受けることをいう。
二  電気通信設備 電気通信を行うための機械,器具,線路その他の電気的設備をいう。
三  電気通信役務 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し,その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいう。
四  電気通信事業 電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送法 (昭和二十五年法律第百三十二号)第五十二条の十第一項 に規定する受託放送役務,有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律 (昭和二十六年法律第百三十五号)第二条 に規定する有線ラジオ放送,有線放送電話に関する法律 (昭和三十二年法律第百五十二号)第二条第一項 に規定する有線放送電話役務,有線テレビジョン放送法 (昭和四十七年法律第百十四号)第二条第一項 に規定する有線テレビジョン放送及び同法第九条 の規定による有線テレビジョン放送施設の使用の承諾に係る事業を除く。)をいう。
五  電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて,第九条の登録を受けた者及び第十六条第一項の規定による届出をした者をいう。
六  電気通信業務 電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務をいう。

(検閲の禁止)
第三条  電気通信事業者の取扱中に係る通信は,検閲してはならない。

(秘密の保護)
第四条  電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は,侵してはならない。
2  電気通信事業に従事する者は,在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても,同様とする。

第百七十九条  電気通信事業者の取扱中に係る通信(第百六十四条第二項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は,二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2  電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは,三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
3  前二項の未遂罪は,罰する。

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