法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

電話番号を知らせない電話連絡網について

2006-07-25 20:27:58 | Weblog
asahi.com 電話番号知らなくても電話連絡網 情報保護意識高まり

 個人情報保護については過剰反応がいわれ,見直しの声もあがり始めたが,記事にあるサービスはこの過剰反応に乗っかろうというもの。
この種のサービスの需要もあるのだろうが,はたして,学級の連絡網として相応しいものかは相当に疑問。利用する場面を誤れば,円満な社会生活を破壊するに十分なサービスのような気がする。緊急事態などに即応できるかといった懸念もある。
記事の「NTTコムの斎藤幸男・担当部長は「学校の利用では割引も検討したい」と話している。」には,正直,ゲンナリ。

個人情報保護「制度の見直し急務」…新聞協会が意見書 YOMIURI ONLINE


「個人情報の保護に関する法律」の関連条文

(第三者提供の制限)
第二十三条  個人情報取扱事業者は,次に掲げる場合を除くほか,あらかじめ本人の同意を得ないで,個人データを第三者に提供してはならない。
一  法令に基づく場合
二  人の生命,身体又は財産の保護のために必要がある場合であって,本人の同意を得ることが困難であるとき。
三  公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって,本人の同意を得ることが困難であるとき。
四  国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって,本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
2  個人情報取扱事業者は,第三者に提供される個人データについて,本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって,次に掲げる事項について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置いているときは,前項の規定にかかわらず,当該個人データを第三者に提供することができる。
一  第三者への提供を利用目的とすること。
二  第三者に提供される個人データの項目
三  第三者への提供の手段又は方法
四  本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること。
3  個人情報取扱事業者は,前項第二号又は第三号に掲げる事項を変更する場合は,変更する内容について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。
4  次に掲げる場合において,当該個人データの提供を受ける者は,前三項の規定の適用については,第三者に該当しないものとする。
一  個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合
二  合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合
三  個人データを特定の者との間で共同して利用する場合であって,その旨並びに共同して利用される個人データの項目,共同して利用する者の範囲,利用する者の利用目的及び当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置いているとき。
5  個人情報取扱事業者は,前項第三号に規定する利用する者の利用目的又は個人データの管理について責任を有する者の氏名若しくは名称を変更する場合は,変更する内容について,あらかじめ,本人に通知し,又は本人が容易に知り得る状態に置かなければならない。

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性別適合手術について

2006-07-25 19:24:55 | Weblog
性同一性障害:2人の性別適合手術に成功 札幌医科大 MSN毎日インタラクティブ

 性同一性障害者の戸籍等の法律上の性別変更には,記事にあるような手術のほか,未婚,子がいない,といった条件をクリアする必要がある(性同一性障害特例法第3条第1項)。身体的性別の変更 即 法律上の性別の変更,とはいかない。
また,戸籍上の名前の変更には,別途,家裁の許可が必要になる(戸籍法第107条の2)。


性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律

(趣旨)
第一条  この法律は,性同一性障害者に関する法令上の性別の取扱いの特例について定めるものとする。

(定義)
第二条  この法律において「性同一性障害者」とは,生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず,心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち,かつ,自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって,そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。

(性別の取扱いの変更の審判)
第三条  家庭裁判所は,性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて,その者の請求により,性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一  二十歳以上であること。
二  現に婚姻をしていないこと。
三  現に子がいないこと。
四  生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五  その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
2  前項の請求をするには,同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。

(性別の取扱いの変更の審判を受けた者に関する法令上の取扱い)
第四条  性別の取扱いの変更の審判を受けた者は,民法 (明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定の適用については,法律に別段の定めがある場合を除き,その性別につき他の性別に変わったものとみなす。
2  前項の規定は,法律に別段の定めがある場合を除き,性別の取扱いの変更の審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない。

(家事審判法 の適用)
第五条  性別の取扱いの変更の審判は,家事審判法 (昭和二十二年法律第百五十二号)の適用については,同法第九条第一項 甲類に掲げる事項とみなす。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 (平成十五年法律第百十一号)第三条第二項 の規定に基づき,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令を次のように定める。

 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 (平成十五年法律第百十一号)第三条第二項 に規定する医師の診断書に記載すべき事項は,当該医師による診断を受けた者に係る次の各号に掲げる事項とし,当該医師は,これに記名押印又は署名しなければならない。

一  住所,氏名及び生年月日
二  生物学的な性別及びその判定の根拠
三  家庭環境,生活歴及び現病歴
四  生物学的な性別としての社会的な適合状況
五  心理的には生物学的な性別とは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち,かつ,自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有すること並びにその判定の根拠
六  医療機関における受診歴並びに治療の経過及び結果
七  他の性別としての身体的及び社会的な適合状況
八  診断書の作成年月日
九  その他参考となる事項

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保釈制度の改善について

2006-07-25 10:13:24 | Weblog
asahi.com 杉浦法相,保釈制度改善に意欲

 保釈の許否の判断に黙秘・否認の事実や供述調書への同意の有無等を考慮するのは,黙秘権(憲法第38条第1項),反対尋問権(同第37条第2項前段)等との関係で問題がある。

 記事には,法相の談話として,「刑事訴訟法上,保釈は(被告の)権利だが,裁判所はなかなか(拘置所の外に)出したがらない。例外と原則が逆転している」とある。いかにも,裁判所に問題があるといった口吻。
しかし,裁判所が保釈を許す決定をするには検察官の意見を聴く必要がある(刑訴法第92条第1項)。ひとり,裁判所の責任というのは,ちょっと・・・(検察庁法第14条参照)。


刑事訴訟法の関連条文

第八十八条  勾留されている被告人又はその弁護人,法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族若しくは兄弟姉妹は,保釈の請求をすることができる。
2  第八十二条第三項の規定は,前項の請求についてこれを準用する。

第八十九条  保釈の請求があつたときは,左の場合を除いては,これを許さなければならない。
一  被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二  被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮にあたる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三  被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮にあたる罪を犯したものであるとき。
四  被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五  被告人が,被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六  被告人の氏名又は住居が判らないとき。

第九十条  裁判所は,適当と認めるときは,職権で保釈を許すことができる。

第九十一条  勾留による拘禁が不当に長くなつたときは,裁判所は,第八十八条に規定する者の請求により,又は職権で,決定を以て勾留を取り消し,又は保釈を許さなければならない。
2  第八十二条第三項の規定は,前項の請求についてこれを準用する。

第九十二条  裁判所は,保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには,検察官の意見を聴かなければならない。
2  検察官の請求による場合を除いて,勾留を取り消す決定をするときも,前項と同様である。但し,急速を要する場合は,この限りでない。

検察庁法の関連条文

第四条  検察官は,刑事について,公訴を行い,裁判所に法の正当な適用を請求し,且つ,裁判の執行を監督し,又,裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは,裁判所に,通知を求め,又は意見を述べ,又,公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。

第十四条  法務大臣は,第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し,検察官を一般に指揮監督することができる。但し,個々の事件の取調又は処分については,検事総長のみを指揮することができる。

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