法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

音・におい・動きの商標化について

2008-06-24 20:40:14 | Weblog
音・においを商標に,特許庁検討 2010年の法改正目指す NIKKEI NET

 「標」という字自体,「目じるし」といった意を含んでいる。「におい」「音」で商標というのは,ちょっと違和感がある。

さて,商標法第2条第1項柱書には「この法律で「商標」とは,文字,図形,記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて,次に掲げるものをいう。」とあり,また,現在,特許庁のHPにも次のようにある。

<商標法の保護対象>
 商標法第2条に規定する商標,すなわち,文字,図形,記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって,業として商品を生産し,証明し若しくは譲渡する者がその商品について使用するもの,又は業として役務を提供し若しくは証明する者がその役務について使用するものを保護の対象とします。したがって,においや味,テーマソングのような音は保護の対象とはなりません。


商標を出願する場合,特許電子図書館の商標検索サービスなどで先行商標の有無を調査するのが通例。「におい」「香り」の事前調査では,このサービス,使えないなぁ・・・。

特許庁 商標権に関して 商標とは


商標法の関連条文

(目的)
第一条  この法律は,商標を保護することにより,商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り,もつて産業の発達に寄与し,あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。

(定義等)
第二条  この法律で「商標」とは,文字,図形,記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて,次に掲げるものをいう。
一  業として商品を生産し,証明し,又は譲渡する者がその商品について使用をするもの
二  業として役務を提供し,又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)
2  前項第二号の役務には,小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供が含まれるものとする。
3  この法律で標章について「使用」とは,次に掲げる行為をいう。
一  商品又は商品の包装に標章を付する行為
二  商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為
三  役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し,又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為
四  役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為
五  役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物を含む。以下同じ。)に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為
六  役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為
七  電磁的方法(電子的方法,磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。次号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為
八  商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為
4  前項において,商品その他の物に標章を付することには,商品若しくは商品の包装,役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告を標章の形状とすることが含まれるものとする。
5  この法律で「登録商標」とは,商標登録を受けている商標をいう。
6  この法律において,商品に類似するものの範囲には役務が含まれることがあるものとし,役務に類似するものの範囲には商品が含まれることがあるものとする。

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1 コメント

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Unknown (hanbo)
2008-06-29 10:42:42
 先月発刊の日本工業所有権法学会編『商標の保護』(有斐閣)に,鈴木將文氏の「新しい形態の商標の保護」という論稿が掲載されている。
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