Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

内痔核(いぼ痔)

2020-03-08 | 医療・病気・いのち
 痔の中で1番多いのが内痔核、いわゆるイボ痔です。イボ痔と言う呼び名からイボができていると思っている人もおられますが、実際はできものではありません。直腸下端の粘膜の下に、細かい静脈が集まっているところ(痔静脈叢)があります。そこに負担がかかり静脈の一部が拡張してしまい、静脈瘤の状態になっているのです。ですから状況により拡張の度合いが変化します。痔主の方は分かると思いますが、日により症状が変化するのです。
 もう手術しかない、と観念して外来を受診される方もおられますが、そのような方でも保存的治療、つまり飲み薬や座薬で症状が軽減し、手術はせずに済むことが少なくありません。症状をコントロールできるなら、手術はせずに薬や生活習慣改善で、痔とうまく付き合っていけばよいと思います。外科を受診したからと言って手術になるわけではありません。また痔と思っていたら別の重大な病気だったということもあります。痔で悩んでいる方は一度は外科外来を訪れてください。
 痔に対して保存的治療を行っても、どうも気になるとか症状がつらい場合に、初めて手術を考えます。手術といってもいくつかの手段がありますが、私はなるべく負担が少ないやり方でするのが良いと思っています。治療方法はある程度医師の好みや経験によって変わってきますので、手術を受ける際は主治医とよく話して、納得したうえで受けてください。