歩いて5,6分の所にあった本屋さんが
閉店したのは10年余り前のことである。
ああ、文化果つる土地になったと
愕然としたものである。
文房具も取り扱う中程度の規模の店で
あった。
週に何回もぶらりと立ち寄って立ち読み
し、何かしら購入していた。
ただ朝刊を見て飛んで行ってもほぼ
まだ入荷していなかった。
注文して手に入れるまで長くかかる。
図書館もすぐ購入を予約するけれど
書店への配慮のためになかなか
入らない。入ってからも順番待ちで
気が抜けかけたころに連絡が来る。
その頃息子から敬老の日のお祝いに
kindleという電子書籍はどうかと言ってきた。
よければ予約するという。
もちろん子供の孫にできるわけがなく
親がお金も出すのだ。
迷ったけれどすぐ入手できるし本棚に
溢れている本も増えないで済む。
買ってくれたのは今の版ではなく
旧版の時代である。
あたらしいものに買い替えたが古い
ものもまだどこかに残している。
入院した時や長い旅行中は本当に
便利で助かっている。
3ヶ月半に及ぶ入院中はベッドの上で
何冊楽しんだことか。
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けさの新聞に書店の「空白地帯」が
どんどん広がり、書店0の市区町村が
全国で26,2%もあるらしい。
わが市にはまだ10分余り歩けば小さい
本屋さんが2軒はあるし、CDやDVDなど
も販売する大きい本屋もある。
沖縄、長野、奈良の3県は書店のない
市町村が半数を超えているという。
当然全国的に書店のないのは村が多く、
89%の村は書店ゼロ。
本屋さんに行っても読みたい本がない。
本屋さんは営業が成り立たなくて
店を閉める。
悪循環だ。