何度も何度も読み返す本が何冊もある。手持無沙汰の休日などにふと思い出して探してしまったりする。
なかでも一番古いのは小学生の時読んだ「トムソーヤの冒険」だったりするのだが、今回は10年強続いている本を。
【魯山人味道 (北大路魯山人 平野雅章編/中公文庫)】
芸術家であり美食家として知られた魯山人が残した「味道」に関する理想、理論、思想を記した書物。
非常にわかり易く文章が書かれていてエッセイとしても愉しめるのであります。
鮑(アワビ)やふぐ、洗いづくり等の話に憧れ、蝦蟇(ヒキガエル)や山椒魚(サンショウウオ)の話に拙はちょっと無理・・と思う。
わらびに酢醤油を掛け喰う話や納豆の茶漬け、昆布とろの吸い物、錦木等に親近感を覚え、ちょっとやってみっかと思う。
昆布とろ吸い物や錦木は、ぞんざいにやるなら以下の通りで出来ます。
椀にとろろ昆布と化学調味料を少し入れ、薄口醤油(濃口ダメ)とネギの微塵切り(必須)を加え熱湯をさすだけ。
梅干しを潰して入れるとまた変わった味が愉しめるのよね^^
錦木は、かつおぶしにわさびを混ぜた猫まんまでありますね。
もっとも先生はどれも極上品を使いますが、拙は美食家を目指してないのでこれで充分愉しむことが出来ております^^
「結局、料理は好きでつくる以上の名法はない」と仰るが、これは興味がなければ駄目ということか。
「良いと聞いたら先ずやってみるようでなければ・・」とも書かれてましたよ。
なんだか何事にも通じる成功の条件にようでもありますね。これは自己啓発書としても優秀そうだぞっと。
「山鳥のように素直でありたい。太陽が上がっては目覚め、日が沈んで眠る山鳥のように・・・」
狷介な性格が災いし晩年は孤独の日々を送ったとか負の風評ばかり聞いていたが本書で印象が変わったのであります。
拙も部分部分しか覚えていないので半年も間隔開けば愉しむことが出来ます。
昆布とろの吸い物を昔からなさっていたですと!御宅は美食一族だったのですね。負けました。
ただの猫まんまなら拙宅もやっていたのですが、吸い物は永谷園の松茸だったし^^
私の場合はほとんど内容を忘れていますので、読むたびに新鮮な思いに浸れます。^^
ところで、魯山人先生お奨めのとろろ昆布の吸い物ですが、
我が家では昔からやっております。
ただし、薄口醤油ではなかったためなのか、
やたら醤油の味が勝っていたような気がします。
今度は薄口醤油で試してみたいと思います。