デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

私たちの新しい趣味

2006-06-05 22:11:30 | 国際結婚

 この前の日曜日から夫と私の新しい共通の趣味が始まりました。それはデンマーク料理です。写真は子牛肉のハンバーグ、キャベツ添えです。

 前回デンマークに行ったときにお料理の本を2冊買ってありました。私が少しはデンマーク料理を覚えようと買ったのですが、何しろデンマーク語なので夫の協力がないと読めません。それと同時に私が丸1週間お料理するのはうんざりなのですが、かといって子ども達が騒ぐので外食もままならず(行けるお店が限られている)、高くなってしまうし・・・というところに夫が「一緒にお料理しよう!」と提案してきました。誰かと一緒にキッチンで過ごすのは楽しいことだし、外食費と思えば少々材料が高くても割安です。

 でも食品の名前はけっこう難しくて、夫がデンマーク語-英語の辞書を引き、そのあと私が英語-日本語の辞書を引くなど、けっこうひもとくのが大変だったりします。それでもデンマークの食材についての楽しいお勉強になるし、お料理のしかたも日本と違っていて、それも面白い発見です。

 困ったことはこの本のレシピは伝統的なデンマーク料理なので、お肉が塊が多く、日本では手に入りにくいことです。少し早めにメニューを決めて、お肉屋さんに注文しておかなくてはならないものも多いようです。

 それでもこの新しい趣味はけっこう気に入っています。(やっとできあがったお料理をうるさい子ども達とせわしなく食べなくてはいけない点以外は。) のんびりペースで続けて、少しずつレシピが増えたらいいなと思っています。その国を知るには言葉と食べ物、でしょうか?

映画「アンジェラの灰」を見て

2006-06-05 12:21:12 | 国際結婚
 映画「アンジェラの灰」を昨夜夫とDVDで見ました。ロバート・カーライルとエミリー・ワトソンの演技がすばらしく、ストーリーもよかったと思いました。私は原作を読んでいませんが、読んだ夫によるともっと原作は悲しいそうです。

 ときおり夫と話していてふと思うことがあるのですが、この映画を夫が「こんな悲惨なことが重なるなんて・・・」と言っているのを聞くと、デンマークと日本の戦前戦後の温度差があるなあというところです。

 この映画の中で子ども達が次々と亡くなっていったこと、食べるものがないこと、学校に履いて行くちゃんとした靴のないこと、子どもが家計を助けるために働かなくてはならなかったことなどは、1943年生まれの私の母の子ども時代の環境とほぼ重なります。戦中・戦後の悲惨な時代、非常に貧しく苦労した人たちの話は私たち日本人にはファミリアですが(今のティーンエイジャーについては分かりませんが)、ナチスに占領されたとはいえ、国土を焼失し自国民が空襲で殺されたり、戦争で家族や親戚が亡くなった人の少ないデンマークでは、日本ほどの辛い体験がなかったのではないかと思います。

 現在の豊かさからはかけ離れた悲惨だった母の実体験をベースに育った日本人の私と、貧しくはあっても悲惨までは行かなかった義母に育てられたデンマーク人の夫との間に、こういう部分では温度差を感じます。苦労した母の生い立ちが私の基礎の部分に横たわっていることを感じ、この映画が私にとっては私の一部分であり、夫にとっては歴史にくるまれた「物語」として捉えるものであるように思えました。

 時代がずれますが、日本には「おしん」もあったし、原爆や戦争にまつわる話や映画なども豊富です。戦争、貧しさ、悲劇、そういったものを根底に持つ国民であり、そこからものを見ることができる国民だと思います。デンマークではこういったものの見方をする人はもう少し前の世代になるのでしょうか?日本もだんだんこういう視点が薄れてきていると言われています。この映画を見て、夫と私の根底にあるものの違いを感じると同時に、日本人の私の視点を大切にしていきたいと考えました。