デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

親としてのひたむきさ

2006-11-04 07:06:08 | 国際結婚
 昨日放映された番組「泣きながら生きて」を見られた方もいらっしゃると思いますが、これは約10年に及んで追い続けられたドキュメンタリーで、中国人の3人家族が3つの国に別れて住みます。お父さんは娘の学費のために東京で働き、お母さんは上海に残り働きながら娘を育て、その娘は医者になるという夢のために18歳のときにNYに留学します。両親は15年ほど離れて暮らした後(その間会ったのはたった一回だけでした)、今は上海で一緒にまた暮らしており、娘さんはもうすぐ医師になれるというところで番組は終わるので、明るい気持ちで見終ることができました。

 ご両親は非常にさみしい、辛い15年間を過ごしました。お父さんはどんな仕事でもやり(3つの仕事を掛け持ちしていたり)、風呂のないアパートに住んで、夜中に夕食と翌日のお弁当を作っていました。でも泣き言も言わず、ひたすら「父親として子どもを立派に育て上げる義務がある。その義務を果たしたい」と軸がぶれないのです。見ていて、お父さんはひたむきな、美しい目をしているなと思いました。お母さんがNYに行く娘さんを空港まで見送り、別れるまではわりとさばさばした感じだったのに、娘がゲートに向かって歩き出した途端、わっと泣き崩れた姿も印象的でした。彼らは文化大革命の時代に育ったそうですが、耐え忍ぶということをその時期に身に着けたのでしょうか。それとも中国人の持つ、真の強さなのでしょうか。彼らの姿は私には非常に美しく見えました。

 私にはこの番組は将来の私を少し疑似体験させてくれるものでした。いつかは子ども達を留学させたいというのが、私のうちの子ども達の教育上の願いなのですが、一方で、子どもを手放すことに強い怖れを感じています。そして留学させた暁には、二度と私の元に(または私の住む国に)戻ってこない可能性も高いと覚悟しなくてはいけません。13-4歳くらいで彼らをデンマークに送り出せる?そしてもしそのまま彼らがデンマークの学校を選択したら?とときどき考えてしまいます。

 子どもにとってよい教育とは何かということを優先して、ひたすら働き、もっと稼げるところに移動している人は今の日本人には少ないかもしれませんが、例えば日本ではメイドやベビーシッターにフィリピンの女性が多いようですが、彼らは母国に小さな自分の子どもを残して、日本人の他人の子どもの面倒を見るという仕事についているわけです。彼らの心の強さが私にあるのだろうかと自問してしまいます。選択の余地があるかないかという問題なのでしょうか?

 子どもにとっての本当の幸せは何かということを、決断するのも難しいことです。貧しくて高等教育も受けさせられないけれど一緒にいることが幸せなのか、子どものころは離れて互いにさみしい思いをしても、離れて子どもの学費を作ることのほうが最終的には子どもの幸せなのか・・・。

 私がこれから子育てに置いて選択するときに、いつも「私」ではなく、「子ども」を主体として考えて選択していけるでしょうか。私も含めて、自分優先という風潮をしばしば感じることがあります。それも悪いことではないのかもしれませんが、番組の中で出てきた人が言った「親は子どもの踏み台になるもの」という言葉は真実でもあると思いました。

新しい友達!

2006-08-28 14:40:36 | 国際結婚

 ただでさえ日本に住んでいるデンマーク人は少ないのですけど、ブログを通して知り合ったデンマーク人・日本人カップル、そしてほとんどうちの子ども達と同じ年の2人の男の子というご家族のお家にこの週末お邪魔しました。(ブログって本当にすごい~。)

 お家はまだ建てられたばかりの北欧風のお家で、私の憧れのH・ウェグナーのチェアー(座れて嬉しかった!)があり、素敵です。そしておいしいご馳走も用意してくれて(何度聞いてもそのお料理の名前を忘れてしまっているのですが)、すっかり私達一家はヒュッゲなひとときを過ごしてきました。

 でも何より嬉しかったことは、今までずっと同じようなデンマーク人・日本人カップルで小さな子供のいる家族との交流を私は望んでいたのですが、初めてそういうファミリーに出会えたことでした。

 私達だけじゃあまり何もできないけれど、こうして一緒に同じテーマで考えているファミリーとめぐり合って、これからは子どものデンマーク語という目的だけでなく、いろいろな楽しいことを共有していけたらいいなと思っています。そして今まで私が一人で考えたり悩んだりしていたことを、話せる人ができたことをとても嬉しく思っています。

 月並みな言葉ですが、出会いって大切ですね。こういう人との出会い(今回はファミリー丸ごととの出会いですが)、大事にしていきたいと思っています。

番外編:私ったらしょっぱなからデジカメを置き忘れてきたというおっちょこちょいぶりでした。しかもそれを早速送ってくれたというご親切をいただきました。あーん、ありがとうございます!というわけで、無事に写真掲載です。
 

 

ハーフの子ども達 その2

2006-08-04 02:08:17 | 国際結婚
 ハーフの子どもを持って将来彼らがアイデンティティで悩むのではないか、あるいは外見が違うことから異端扱いされるのではないかということを書きましたが、今日はその続きです。

 昨日、幼稚園のあるお母さんと話をしていました。彼女の息子は生まれつき顔や首にかなり目立つ赤い痣があったそうです。レーザーなどで治療中し、今はだいぶ目立たなくなっているのですが、これまで小さかったので全身麻酔での治療だったそうです。彼女の今までの心配や悩み、息子を治療に向かわせることの大変さは相当だったと思います。(その子は割と弱虫くんでやり返せないのだけど、この話を聞いてほんの赤ちゃんだったころから治療にがんばって向かう勇気があったんだ、と見直しちゃいました。そしてその勇気をとても嬉しく思いました。)

 彼女は「これから容姿について子ども達が反応するようになってくるでしょう、まだ年中さんだからあまり気づかないようだけど。そうなったら息子がいじめられるんじゃないか、ってちょっと心配しているのよね」と話してくれたのですが、それを聞いて私は自分の子どもがハーフだからと過剰反応していたのではないか、と思い始めました。

 うちの子ども達はハーフで外見はちょっと日本では珍しいけれど、でも他にも外見が他の子とちょっと違う子もいる、外見だけじゃなくて体の能力が違う子もいる、バックグラウンドの違いもある、そして例えば歯の生え方が変な子もいる(ちなみに私が出っ歯です!)・・・、何もハーフだからと取り立てて騒ぐこともないんじゃないか、と気づいたのです。

 みんな違うのです。そのことを私は忘れていました。子どもは大人より残酷で、足が遅いからいじめられることもあるかもしれませんし、ブスといっていじめられることもあるかもしれません。うちの子ども達の場合は顔がちょっと違っているというだけのことなのでした。なんと大きなことを私は見落としていたのでしょう。

 ただ実際には「ガイジン」と言われることもあるでしょうし、もしかしたら疎外されることもあるでしょう。でもそんなことには決して屈しない、それをまた自分のバネとして生かせるくらいの子どもになるように、私は育てていかなくてはならないのですね。だいたい親が負け犬の気持ちだったら、私が産んだ子どもに対して失礼でもあるわけです。

 でもプーケットで知り合った日本人は、タイ人とのハーフの子どもがどうしても日本の小学校に馴染めずかわいそうな目にあったので、プーケットに引っ越してきたって言ってたっけ・・・。うーん、将来、そこまで追い詰められたりしたら、そのときはまた何か対策を考えなくては、ともやっぱり思ってもいますが・・・。

 とにかく、そういうことで私はちょっと気づき、今までちょっと間違った見方をしていたのかなと思いました。「みんな違って、みんないい」という詩もありますものね。

国際結婚のメリット

2006-07-19 23:53:46 | 国際結婚
 改めて外国人と結婚してよかったと思うことは何だろう?と考えてみました。普段は「国際結婚」などという意識はまったくなくて、普通の夫婦のつもりですし、結婚して5年以上たつ今は、すべてが私にとって当たり前のことになっています。そこでこの機会に改めて考えてみました。


1.やはり外国に行く機会が多い。ただし夫の国、デンマークがダントツ。

 今やデンマークに行っても「海外旅行だわ~」という気分にはなれず、「ただいま、デンマーク」という気分ではありますが。それでも義母に会いに行くという決定的な理由があるため、外国であるデンマークに行く機会は多く、それなりに日本ではできない体験ができたり、楽しい経験ができたりしますね。


2.夫が英語が話せる。

 北欧人にとっては当たり前の英語ですが、やはり夫ができると何かと便利です。旅行中もそうですし、表現でわからないところがあると聞けますし。逆に夫が英語ができないと世界が狭くなっちゃうのではないかな、と思ったりします。

 
3.ニセ日本食が通用する。

 夫にも義母にもそうなのですが、おふくろの味がデンマーク料理ということで、私は日本食と称してかなりあやしいものを作っても問題がないのです。これが日本人だったら味付けの微妙な違いなどが出てくると思いますし、義母に出す食事は気を使うことでしょう。このへんはとても助かっています。


4.物事の見方が広がる。

 世界の情勢の話はうちでは必ずといってもいいほど平行線に終わるのですが(あるいは夫婦喧嘩)、それでも違う背景の文化からの意見は面白いものがあります。また日本人が知らないことや、体験的に持っていないことを夫はヨーロッパ人、北欧人として持っていたりします。最近話したのは旧ユーゴの戦争についてです。夫は身に迫る恐怖を感じたようですが、遠くの日本に育った私はまだそのころは「民族」という意識が育っておらず、あまりぴんと来ないことでした。
それから夫は大人になって日本に住んでから日本の歴史の本など読んだようですので、私よりもちゃんと理解しているところがあって、お勉強になります・・・。


5.日本で常識と思っていたことを疑うようになる。

 「前例がない」「規則ですから」という言葉に疑問を感じなかったのですが、だんだん私も「だからなんですか、変えればいいじゃありませんか、やってみればいいじゃありませんか」と思うようになりました。
ただし、やり過ぎると文句おばさんになってしまうので、注意しています(笑)。あるとき私達の銀行口座の支店が統合されて変更になったことがありました。通達に「新口座の通帳をもらうために平日の銀行営業時間内に○○支店まで来るように」とあり、私は激怒。どうしてそっちが勝手に統合するのにわざわざ交通費をかけて行かなくてはいけないんですか?なぜ郵送してくれないのですか?と息巻いてきたのですが、他の人はおとなしく手続きをしていました・・・。(でもやっぱりこれは銀行のやり方が悪かったと今でも思っていますが。違う銀行が同じように支店名が変わったときには、すべて郵送してくれましたし。)


6.日常生活で2つの文化のいいところ取りができる

 家のインテリアや食器などもデンマークの要素が入ってきますし、子どものおもちゃや本も両国のもの、イベントも両国の混合でより楽しくできる、食べ物も両国のもののおいしいとこ取り、ニュースも夫と私はソースが違うので多様になる、などでしょうか。楽しいこと、面白いことが増えると思います。子どもにとっては言語も増えて、メリットなはずです。子どもは特に楽しいことと思います。聞ける童話の物語も2倍、遊びに行く場所も2倍、お菓子の種類も2倍になりますものね。(でもうちの子たちはラクリスは大嫌い・・・。)


 あとはごく普通の夫婦関係だと思います。結局誰と結婚しても一緒よ~と昔おばさんたちが話していたのを覚えていますが、日本人との結婚であれ、外国人との結婚であれ、結婚の山あり谷ありは一緒だと思いますし、同じ日本人でも価値観の違いは必ず出てくると思います。誰と結婚しても、どこの国の人との結婚であっても、いい面があり、悪い面があるということでしょう。私の場合は外国人と結婚してしまっているので、上に挙げたようなメリットをなるべく見つめて、今後も生活していきたいものです。

外国人の夫が日本で困っていること集

2006-07-19 23:19:10 | 国際結婚
 今度は夫が困っていることを挙げてみようと思います。夫はデンマーク人、在日歴15年(確か)、日本語力も普通は大丈夫といったところです。

1.夫がレストランで普通にオーダーをしているのに、注文の確認や質問がある
  ときは必ず私に話しかけられる。

これはけっこう同席している私も嫌なことなのですが、夫に対してさすがに失礼だなあと思ってしまいます。今は外国人でも日本語ぺらぺらの人もたくさんいるし、日本の文化や歴史に詳しい人もたくさんいるのに、どうしても外国人には日本語が通じないという意識があるのでしょうか・・・。

2.いつも同じ質問をされる。
  「日本語は大丈夫ですか?」・・・(今、日本語で話しているでしょっ!)
  「日本はどのくらいですか?」・・・何百回目の質問
 
これは外国人の場合は仕方がないのかな?やっぱり最初にこういう質問が出るのが世の常なのかもしれません。

3.満員電車

4.日本人の物事の理由のなさ

前例がないのでできない、というのは夫には理解不能です。何かをしてくださいと言われて、夫がどうしてですか?と質問すると「規則ですから」と言われてあとはもうその一点張りなのですが、このへんの理由のなさに夫はよく憤っているようです。
私も夫に会うまではあまり疑問に思ってなかったのですが、今は理由がないのにどうして?と思うこともたびたび出てきました。

5.ちゃんと歩けない日本人

道を歩くときに左側通行を守らない、平気で道の真ん中で立ち止まって通行人の邪魔になっても平気、追い抜かすときに人にぶつかっても平気などという日本人の歩き方を、夫はよく指摘しています。これもまた私も最近はすごく気になるようになってしまいました・・・。(ただし私は酔っ払っている人についてはOK。自分も千鳥足だったりするので。)

6.日本の高速料金

デンマークではもちろん高速は無料です。夫は高速が渋滞していても高い料金を取られることに怒っていて、料金を払うときに「まけてください」なんて言っています。恥ずかしいので、これは止めてほしいです。

7.日本の騒音

たけや~さおだけ~の人に「アンタ、うるさいですよ」と言ったときには私は死にそうになりました。ちゃんと営業許可を取っているのだからと説明して以来、さおだけやさんに直接文句を言うことはなくなり、ほっとしています。
そのほか、選挙の騒音、商店街などで聞こえてくる大きなBGMや放送などに我慢がならない様子です。
(そのくせ、ショウミーを怒る夫の声は大きく、私はそっちのほうの騒音に耐えられないのですが。)


デンマーク住めないかも!?

2006-06-14 14:11:50 | 国際結婚
 かねてから寒いので住みたくないなあと思っていたデンマーク。日本でそれなりに生活のペースができて落ち着いて日々暮らしているので、しばしこのままのんびりやっていきたいと思っています。
 一時デンマークに住んでみたいと思っていたときもありましたが、そのときはデンマーク在住の日本人の人たちと食事をする機会があり、みんなが口をそろえて「来ないほうがいいよ!」とアドバイス(?)をくれたのでした。

 けれどもここに来て、移民に対する政策が非常に厳しくなりつつあるデンマーク。24歳以下のデンマーク人と外国人のカップルはデンマークへの入国が認められないという何年か前にできた法律があります。しかたがないのでスウェーデンに住んで、デンマークに通勤しているカップルのドキュメンタリーをテレビで見たことがあります。

 それだけではないようです。デンマーク在住の日本人の女性から永住権の取得には「デンマーク語と文化などに対する知識のテストがある」と聞いて、ちょっと調べてみました。
・永住権を取得するためには最低7年かかる
・デンマーク語およびデンマークについての試験がある
・外国人と結婚するためには1人につき20㎡以上の居住スペースの確保が必要
・同じく5万5千クローネ以上の貯蓄がなくてはならない

 ということはかなり外国人、特に若くて貯金のあまりない人や、逆に年齢が高く外国語の取得が難しい人などは永住権がもらえないということになります。永住権がなくても滞在することは結婚が認められていれば大丈夫なのでしょうか?
 
 今のところ住む予定のないデンマークですし、現在の条件によればもし夫が転勤などになった場合、なんとか住めると思います。が、もっと厳しくなったら? またうちの子ども達が高校生くらいになってデンマークの学校に行くためにしばらく住みたい場合は?などの問題になると少々先のことなので、デンマークの法律がまたどう変わるのか、今後の展開には注目してしまいます。

 こうなってくるとなんだかデンマークに住みたくなってくるのが人情で、チャンスがあれば2年くらい住むのは悪くないなどと最近は考えているのでした。

家事の分担

2006-06-09 12:27:24 | 国際結婚
 デンマークも2世代前まではほぼ完全に家事・育児は女性の仕事でしたが、1世代前くらいから各家族化が進み、世界的なウーマンリブの流れなどもあって、現在では男女の格差がなくなってきています。

 女性がほぼ100%の割合で仕事を持っていることもあり、家事・育児は男性が「やってあげるもの」ではなく、「当然やるもの」という意識です。夫婦のどちらかが保育園の送り迎えをする、夕食は早く帰ったほうが作る、あるいは得意なほうが作る、その間にもう一方が子どもの面倒を見たり部屋を片付けたりする、そして一方が子どもを寝かせている間にもう一人がお皿を洗う、というようにお互いに自然に役割分担をしているようです。

 私の知っている家族のママのほうはお料理を全くしません。お料理はすべてパパのほうの仕事で、彼はなかなか料理が得意で私もたびたびご馳走になっています。その代わり、食べ終わるとママのほうがさっさとテーブルを片付け、お皿を洗います。また違うカップルは「疲れていたりもするから、お互いができるときにできることをするんだ」と言っていました。

 デンマークでは18歳で親元を出ることが多く、男の子もそれからは自分で料理をする習慣ができます。もっと小さな子供のころからごみ出しや足りないもののお買い物など家の仕事を手伝わせて、自然に何でもできるように躾けていくようです。恐らくそれ以前に、自分のお父さんも家事をやったり弟のおむつを取り替えたりしているのを見て育つので、子ども達は男女が普通に家事・育児に取り組むものと思って育つのでしょう。

 とにかくデンマークの男性には「やってあげている」という意識がないことが非常に大きいと思います。彼らはやって当たり前のことと思っているのです。家族が快適に生活できるようにするためには多くの仕事があり、それを人間として当たり前に思っているようです。またしばしば集まりなどで見受けられるのは、お父さんたちは子ども担当で外で遊ばせ、お母さんたちはゆっくりと家の中でおしゃべりをしているという光景です。

 もちろん例外もあり、すべてのデンマーク男性がこうだというわけではないようです。実際に友達のカップルはすべてが彼女の仕事だと言っていました。ただこういうカップルは日本と比べてかなり少ない稀な例だと思います。

 夫と私もいつも適当に分担して生活しています。特にこれは私、これはあなたと話し合ったことはほとんどないのですが、私たちの場合、すべて正反対の夫婦なのでお互いにやりたい家事が違っているのでスムーズに行っているようです。こんな我が家を見て、日本人の友人は「恵まれているよ」と私に言いますが、私にはこれが普通の感覚です。だって2人一緒にで作っていくと決めた家庭なので、お互いに協力するのが当たり前と思うのですけれどね・・・。

 男女の格差がなくなっても、やっぱり男女差というものがあり、お互いにそこに魅かれているという関係はなかなかいいものだと思っています。

 

私たちの新しい趣味

2006-06-05 22:11:30 | 国際結婚

 この前の日曜日から夫と私の新しい共通の趣味が始まりました。それはデンマーク料理です。写真は子牛肉のハンバーグ、キャベツ添えです。

 前回デンマークに行ったときにお料理の本を2冊買ってありました。私が少しはデンマーク料理を覚えようと買ったのですが、何しろデンマーク語なので夫の協力がないと読めません。それと同時に私が丸1週間お料理するのはうんざりなのですが、かといって子ども達が騒ぐので外食もままならず(行けるお店が限られている)、高くなってしまうし・・・というところに夫が「一緒にお料理しよう!」と提案してきました。誰かと一緒にキッチンで過ごすのは楽しいことだし、外食費と思えば少々材料が高くても割安です。

 でも食品の名前はけっこう難しくて、夫がデンマーク語-英語の辞書を引き、そのあと私が英語-日本語の辞書を引くなど、けっこうひもとくのが大変だったりします。それでもデンマークの食材についての楽しいお勉強になるし、お料理のしかたも日本と違っていて、それも面白い発見です。

 困ったことはこの本のレシピは伝統的なデンマーク料理なので、お肉が塊が多く、日本では手に入りにくいことです。少し早めにメニューを決めて、お肉屋さんに注文しておかなくてはならないものも多いようです。

 それでもこの新しい趣味はけっこう気に入っています。(やっとできあがったお料理をうるさい子ども達とせわしなく食べなくてはいけない点以外は。) のんびりペースで続けて、少しずつレシピが増えたらいいなと思っています。その国を知るには言葉と食べ物、でしょうか?

映画「アンジェラの灰」を見て

2006-06-05 12:21:12 | 国際結婚
 映画「アンジェラの灰」を昨夜夫とDVDで見ました。ロバート・カーライルとエミリー・ワトソンの演技がすばらしく、ストーリーもよかったと思いました。私は原作を読んでいませんが、読んだ夫によるともっと原作は悲しいそうです。

 ときおり夫と話していてふと思うことがあるのですが、この映画を夫が「こんな悲惨なことが重なるなんて・・・」と言っているのを聞くと、デンマークと日本の戦前戦後の温度差があるなあというところです。

 この映画の中で子ども達が次々と亡くなっていったこと、食べるものがないこと、学校に履いて行くちゃんとした靴のないこと、子どもが家計を助けるために働かなくてはならなかったことなどは、1943年生まれの私の母の子ども時代の環境とほぼ重なります。戦中・戦後の悲惨な時代、非常に貧しく苦労した人たちの話は私たち日本人にはファミリアですが(今のティーンエイジャーについては分かりませんが)、ナチスに占領されたとはいえ、国土を焼失し自国民が空襲で殺されたり、戦争で家族や親戚が亡くなった人の少ないデンマークでは、日本ほどの辛い体験がなかったのではないかと思います。

 現在の豊かさからはかけ離れた悲惨だった母の実体験をベースに育った日本人の私と、貧しくはあっても悲惨までは行かなかった義母に育てられたデンマーク人の夫との間に、こういう部分では温度差を感じます。苦労した母の生い立ちが私の基礎の部分に横たわっていることを感じ、この映画が私にとっては私の一部分であり、夫にとっては歴史にくるまれた「物語」として捉えるものであるように思えました。

 時代がずれますが、日本には「おしん」もあったし、原爆や戦争にまつわる話や映画なども豊富です。戦争、貧しさ、悲劇、そういったものを根底に持つ国民であり、そこからものを見ることができる国民だと思います。デンマークではこういったものの見方をする人はもう少し前の世代になるのでしょうか?日本もだんだんこういう視点が薄れてきていると言われています。この映画を見て、夫と私の根底にあるものの違いを感じると同時に、日本人の私の視点を大切にしていきたいと考えました。

疎外感、少々

2006-05-04 23:37:35 | 国際結婚
 昨日の朝つまらないことで夫と喧嘩になりました。あまりにつまらないことなので、理由を書くのははばかられるほどですが。それでほとんど一日中、夫とはほとんど口をきかない状態でした。

 私と話さないものだから、家の中はほぼデンマーク語の一日となっていました。夫は義母と子供たちとデンマーク語で話し、ショウミーがするお返事が日本語なのでそれで話の内容が少しは察せられ、「ショウミーがデンマーク語が話せないのはこういうときに役立つ!」なんてのんきなことを言っている場合じゃありませんでしたが。

 喧嘩している私がいけないのだけど、こうやって言葉がわからないということが、特に非常に近しい間柄の中で言葉がわからないということがちょっとした疎外感になりました。喧嘩中で私も心穏やかではなかったので、思いはややエスカレートし、「この人たちは結局全員血がつながっているんだ・・・」などとますます自分で疎外感を作りだして悲観的な気持ちになってみていました。

 こうなってくるとだんだん私の心の中はすさんできて、デンマークVS日本、ここは日本なのにデンマークにいるたった一人の日本人のような気分になってしまいます。やっぱり私は日本人・・・、私だけが生粋の日本人なのよね、なんて思うわけです。さらに悪いことに子供たちまでもが私の険しい表情からすべてを察して、「ファーがいい~!」とずっと夫にくっついているし・・・。

 これが国際結婚のちょっと痛い部分なのかなと思います。夫と喧嘩になるといきなり心の中で勝手に、国や国民、また文化レベルでの争いに発展するのですね。そして非常に孤独な気分になるのです。まあ、孤独な気分というところは同国人と結婚していても同じなのかもしれませんが。

 でも考えてみれば、逆もまた真なりで、義母は普段私たちが日本語で家族の中で楽しく笑ったり喋ったりしているときに、やっぱり疎外感を感じてしまうことでしょう。義母は孫が日本語しか話さないので、きっと私以上に疎外感を感じることが多いと思います。夫は両方の言葉がわかるので、そこまで感じることはないでしょう。

 大切なことはやっぱり言葉でのコミュニケーションなのですね。それが人と人の間につながりを保ち、疎外感をなくすことができるというわけだと昨日は考えていました。うーん、やっぱり子供たちにはデンマーク語、そして大人になったら英語も身につけさせねば・・・というのが昨日の実感、そして結論というところでしょうか。