まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

いやさかに 百々手まつりの 弦の音

2012年02月12日 | 時には日々是日

 今日は風もなくて暖かい一日になった。だから、洗濯物を干したり、お布団も干したりしてから、島の北側にあたる「茂浦:もうら」という集落に出かけた。

 

 朝にはフロントガラスが霜で真っ白になっていたが、9時前になると霜も溶けて問題なく出かけられた。茂浦という集落へは車で行くと10分ほど。でも、歩いて行けば30分から40分はかかる。何年か前には車が動かなくなって、歩いて行ったことがあったが、歩いてもそう、しんどい行程ではなかった。

 

 しわく広島には七つの集落があるが、ここだけは旧来通りに旧正月に百々手まつりが行われる。今年はうるう年にあたるもので、いつもの二月中旬に行われた。

 集会場で準備を整え、朝食をいただいてから、みんなで「塩竃神社」にお参りする。

 

 氏神さんにお参りをすませたら、集会場の裏庭での「ももてまつり」が始まる。この「ももて」という神事は、本来は宮廷などでの新年の儀式で、弓の弦の音で魔除けをしたものと聞く。みんなは自作の捨て矢を数本ずつと、正式の弓矢をまとめて持って行列をする。

 

 この地区担当の、本島正覚院の住職さんの読経が流れる中、弓矢を放って悪魔降伏悪鬼退散を祈願する。

 

 百々手式(ももてしき)は10人の射手が10手(1手は甲矢乙矢の2筋を言う)を射ることから合計百手となるもので、この儀式は祈願等の場合に行なわれることから祭壇を飾り、神通の鏑矢を錦の袋に入れて本尊に安置する。本尊の前には三具足を、盛りものとしては山の芋、麹、餅を置く。親射手2名による奉射に続き、百々手射手が前弓・後弓各々揃って奉射を行う。

 

 弓道の場合には、甲矢(はや)、乙矢(とや)という二本で一組となっていて、この二本だけで最後まで打ち通す。はやととやは、矢羽根の向きが少し違っているし、付け根も反対側についている。

 

  だから、弓道具店では、この「甲矢・乙矢」をセットで売っているが、最近では10本セットというものもあって、案外と簡易なものあるようだ。

 

  で、これが大的で、最初はこれで家内安全とか交通安全などを祈願する。的までの距離は普通は28mだが、ここは、その半分ほどの距離になっている。

 

 これが「ささ」と呼ばれるもので、賞品である。午後からの「金的」に命中すれば、こういう賞品が渡される。これを狙い出すと、みんな眼が真剣になる。

 

 これが金的らしいが、金色ではない・・・。本当は、真ん中の黒的くらいなもの。それを金色で塗るものだけれど・・。

 

  でも、こういうものは見るものではないなぁと思った。なんか、弓を打ちたくなって腕がうずうずしてしまった。でも、一人でやってもおもしろくはないしなぁ・・。

 ということで、明日には山の家に戻らねば・・・。

 

じゃぁ、また、明日、会えるといいね。


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