今日は風もなくて暖かい一日になった。だから、洗濯物を干したり、お布団も干したりしてから、島の北側にあたる「茂浦:もうら」という集落に出かけた。
朝にはフロントガラスが霜で真っ白になっていたが、9時前になると霜も溶けて問題なく出かけられた。茂浦という集落へは車で行くと10分ほど。でも、歩いて行けば30分から40分はかかる。何年か前には車が動かなくなって、歩いて行ったことがあったが、歩いてもそう、しんどい行程ではなかった。
しわく広島には七つの集落があるが、ここだけは旧来通りに旧正月に百々手まつりが行われる。今年はうるう年にあたるもので、いつもの二月中旬に行われた。
集会場で準備を整え、朝食をいただいてから、みんなで「塩竃神社」にお参りする。
氏神さんにお参りをすませたら、集会場の裏庭での「ももてまつり」が始まる。この「ももて」という神事は、本来は宮廷などでの新年の儀式で、弓の弦の音で魔除けをしたものと聞く。みんなは自作の捨て矢を数本ずつと、正式の弓矢をまとめて持って行列をする。
この地区担当の、本島正覚院の住職さんの読経が流れる中、弓矢を放って悪魔降伏悪鬼退散を祈願する。
百々手式(ももてしき)は10人の射手が10手(1手は甲矢乙矢の2筋を言う)を射ることから合計百手となるもので、この儀式は祈願等の場合に行なわれることから祭壇を飾り、神通の鏑矢を錦の袋に入れて本尊に安置する。本尊の前には三具足を、盛りものとしては山の芋、麹、餅を置く。親射手2名による奉射に続き、百々手射手が前弓・後弓各々揃って奉射を行う。
弓道の場合には、甲矢(はや)、乙矢(とや)という二本で一組となっていて、この二本だけで最後まで打ち通す。はやととやは、矢羽根の向きが少し違っているし、付け根も反対側についている。
だから、弓道具店では、この「甲矢・乙矢」をセットで売っているが、最近では10本セットというものもあって、案外と簡易なものあるようだ。
で、これが大的で、最初はこれで家内安全とか交通安全などを祈願する。的までの距離は普通は28mだが、ここは、その半分ほどの距離になっている。
これが「ささ」と呼ばれるもので、賞品である。午後からの「金的」に命中すれば、こういう賞品が渡される。これを狙い出すと、みんな眼が真剣になる。
これが金的らしいが、金色ではない・・・。本当は、真ん中の黒的くらいなもの。それを金色で塗るものだけれど・・。
でも、こういうものは見るものではないなぁと思った。なんか、弓を打ちたくなって腕がうずうずしてしまった。でも、一人でやってもおもしろくはないしなぁ・・。
ということで、明日には山の家に戻らねば・・・。
じゃぁ、また、明日、会えるといいね。