まほろば自然博物館

つれづれに、瀬戸のまほろばから自然の様子や民俗・歴史や見聞きしたおはなしをしたいと思います。

薄氷 報恩講の お声明

2010年01月26日 | 民俗
 今日は・・高松興正寺別院で行われた・・「報恩講」におまいりしてきた。

 「報恩講」というのは、私たちの浄土真宗の開祖「親鸞聖人」さまの御命日の法要やね・・。親鸞さまが亡くなられたのは・・1262年の11月28日だとされているらしい・・。その御命日に法要をするのが本当なんだけれど、全国で一斉にその日にすると大混乱になるし、お寺もお坊さんも・・檀家さんも大変やから・・各地で分散して法要をするようになったらしい・・。

 

 特に・・浄土真宗には・・「真宗十派」といって、西本願寺・東本願寺・仏光寺・興正寺・・などという・・それぞれの流派がある。だから・・昨年の十一月あたりから・・全国でそれぞれぞれに・・報恩講が営まれてきたらしい・・。おそらく・・この高松が最後になるんじゃないのかなぁ・・。

 

 この手前の緑の衣の人が「楽:がく」と呼ばれる人たちで、オーケストラというか、楽団やね。この人たちの楽器の音によって、法中(ほっちゅう)と呼ばれるお坊さんが立ち、歩き、座り、合掌し、礼拝し、読経する・・。時にはこのように「合唱隊」にもなる。正式には・・「お清明(しょうみょう)」という・・節のついたお経を読むのだけれど・・。

 で・・、この・・正面に・・紫の衣に赤い袈裟を着けた方がいるが、これが・・我が派のご門主さま。真宗興正派のご門主・「華園本顕上人」さまという・・。

 


 で・・奈良県からおいでの清教寺の西本先生の御法話・・。「出会い・ふれあい・おつきあい」・・。今回のご法座のテーマ、「見える世界と見えない世界」のお話やったかな・・。

 私たちの目は・・前は見えるが後は見えない。暮らしぶりも・・上は見えるが下は見えない。精神的に・・外面は見えるが内面は見えない。見える世界と見えない世界があるというお話・・。この黒板に書かれた数字は・・親鸞さまが生まれた年と亡くなられた年・・・。

 これから見ても・・90歳のお年ということになるね・・。

 

 で・・いきなり・・なんだこれは・・。

 これは・・ご坊さんのお隣にある・・勝法寺の高松保育園の園児によるお遊戯・・。「雨まき紋次郎」だって・・・。雨を降らさないと野菜が死ぬし、大雨になるとみんなが困るし・・みたいなお話のお遊戯・・。

 

 あと・・まりと殿さまという・・・なつかしい童謡の披露・・・。「てんてんてまりの手がそれて。。」ていう・・あの童謡・・。あと・・「報恩講の歌」とか・・。

 それが終われば・・・おとき。お接待・・・。

 

 今回は・・「しっぽくそば」におにぎりほか・・。しっぽくうどんは得意なんだけれど・・なんとも・・「しっぽくソバ」とはね。でも、文句を言う訳にもいかないもんだから、ありがたくいただくことに・・。普段だと・・・ご飯ものも食べないのだけれど、進められて・・・このおむすびも三個も頂いて・・。しかも・・残っているからと・・おそばも・・頂いて・・。南無阿弥陀仏・・・。

 

 で・・、午後からの・・昼座・・。

 やはり・・別院の法要ていうのは・・格式があるっていうか・・お作法がきちんとしてるというか・・。見事なもんだなぁと思う・・・。本山で行われているお作法・・「厳式」ていうんだろうけれど、お坊さんの立ち振る舞い、雅楽の演奏・・お声明(おしょうみょう)、読経・・・すべてが・・・見事・・・。

 で・・法要が終わったあとで・・・。

 

 ご門主さまのお言葉・・。華園本顕上人・・・ていう方なんだけれど、うちのご門主さまだ。世が世ならば・・天皇陛下みたいな方か・・お殿様みたいな方やろうね・・。今では・・「社長」なんだろうけれど・・。
 
 この社長の訓示を・・幹部一同・・社員一同が・・・承って・・・みたいなことで・・、法要が終わった・・。

 ま。語りつくせない部分はあるのだけれど、今日はここまで。

明日、また、会えるといいね。


 

身を丸め 猿が大根 抱いてゆく

2010年01月26日 | 自然
 先日に、島の周囲にはびこっている・・パンパスグラスのような、オギのような、竹のような植物は何というものか・・・ということを書いたが・・・。

 鐡五郎さんから・・「ダンチク」だと教えてくれた。はじめて聞いた名前だった・・。

 

 最初に・・このさぬき広島にやってきたころには、かわいい植物やなぁと思っていたが、16年もたてば・・・それが・・恐怖にも思えてきた・・・。伐っても切っても・・・払っても、折っても・・猛威をふるって・・どんどんと大きくなってくる。

 

 まだ・・我が家の敷地内までには侵入してきていないが、それも時間の問題かもしれない。この・・我が家の前に広がっているものも、ブロック塀の中だけで勢力を広げて繁殖しているが、それがどうなのかもわからないし、我が家の背後にも幾つかの株が見える・・。

 

 このダンチクは・・関東地方以西の本州~南西諸島から台湾・中国・インドから地中海沿岸にまで分布する大型の多年草の植物で・・・高さ4mほどにもなるらしい。

 瀬戸内の暖地の海岸域に生育して、乾燥にもよく耐え、風にも強いようで、海岸の風衝地に群生していることがあるらしい。竹のような地下茎があって所々から地上茎を出す。茎は竹のように中空であり、丈夫で竹と同様に農業や漁業用の資材として利用された。

 1年目の茎に付く葉は長くて60cmほどになり大きいが、2年目の茎は枝分かれし、1年目のものに比べて小さな葉が密生する。秋に天高く、大きな花穂が形成されるらしい。

 

 ダンチクは「葮竹」と書かれ、イネ科の植物で、学名を「Arundo donax」とか「Giants read」といい、別名を「ヨシタケ」(蘆竹)というらしい。このダンチク(よしたけ)の「ダン」の語源については葭(カ)で、ヨシの意の音の読み違いではないかという。

 で、「葭」の音は、「カ」で、訓は、「あし」「よし」で、「葮」の音は、「タン」「ダン」で、訓は、むくげという木の名であるという。「葭」「葮」をこの様に並べて見た場合、一瞬どっちがどっちなのかその判断に戸惑うことだし、特に字の上手でない人が書いた場合は尚更区別ができなかったんじゃないか・・。 そこで、ある書物に「葭竹(ヨシタケ)」と書いてあったとしても、それを誰かが読み違えて「葮」と読み、「葮竹(ダンチク)」としてしまったものかもしれない・・・。

 島のおじさんが「よしがや」というていたのは、そういうことで考えてみるとあながち間違いではないが、「よしたけ」と「よしがや」では・・大きな違いになるのかも知れない。しかしのかかし・・最近の「暖竹」というのは・・どうかなぁという気にはなった。

 

 英名の「Giants read」ジャイアント・リードは、一般にアシの仲間をリードと呼び、クラリネットやサキソフォンなどの吹き口につける舌(リード)はアシからつくられるらしいが、このダンチクも利用されてきたらしい。また、ステッキや釣りざおをつくるのに利用されることもあるのだとか。

 

じゃぁ、また。

ツイッター

<script type="text/javascript" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>