五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2014・5・12

2014-05-13 12:28:13 | 日記
法律事務所勤務のNさんが、去年公演した「パラソル」の劇評をプリントアウトして持ってきてくれる。作家である私が書こうとしていたテーマを深読みしすぎている部分もあるが、全体的には好意的な劇評にこそばいやら勇気づけられるやら。でも、その劇評を読んだことで、あの芝居の原点を思い出す。夏の午後に突然降り出したスコールみたいな雨にカフェの表にあったパラソルに初めて個人的に会ったTさんと閉じ込められたことが、あの芝居を書こうとしたきっかけだった。でも、出来上がってみれば、素敵な女性と閉じ込められた時の嬉しさ?はどこかに消えてしまって、閉じ込められたが故に、そして芝居は原則的にパラソルの中でしかやらないと決めたことで、却って時代と空間を自由に飛び越えて、抽象的なテーマ性を持った芝居が出来ていることに気づく。だったら今回書こうとしている芝居の、パラソルに代わるものは何かと云うと、デンティストだ。一方的にあの診察椅子に拘束し、拘束される女性歯科医師と患者の不思議な関係、そこがスタートだったのだけど、その女性歯科医師に祖母のイメージを重ね合わせたことで、時代設定は戦争中になり、物語は最初予期していたこととは全く違う方角に向かいつつある。そしてその物語にはまだ十代だった頃の母も登場するので、その当時の生活模様を、老老ディナー(自家製ポテトコロッケ、ソーセージとレバーの揚げ物、オニオンスライス、小松菜の芥子和え)をしながら聞こうとするのだけど、もうかなりの部分で記憶が遠くなっていて、歳は取りたくないわねぇと嘆く。でも、焼酎のお湯割りをお代わりしながら、毎日お酒を飲んでいると長生きしないんですってと心配そうな顔になる。お母さん、お酒が美味しいならいいじゃありませんか?そのことで一歳や二歳寿命が縮まったって、91歳はもう普通に長生きです。雨が強く降っていたので電車で帰宅。録画してあったドラマ「×××××」を見た後「YOUは何しに日本へ?」を見る。先日見た二人のデンマーク男子高校生の続編。下手なドラマより断然面白かったし、彼らみたいな旅(即ち人生)がしてみたいと憧れる。
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