鬼怒川の堤防決壊による大水害のニュースがリアルタイムで
放映されていました。
電信柱にしがみつき、川から怒濤のように流れ込む濁流の中で
必死に助けを求めるおじさんの姿には手に汗を握り
「がんばれ、おじさん」
とテレビに向かって声をかけました。
自衛隊のヘリコプターに助けられたときは拍手をしてしまいました。
そして、命がけで助ける隊員さんの姿に感動しました。
そのほかの方々も自衛隊や警察、消防、海保とあらゆる救助活動によって
次々と救助されました。
日本の迅速な救助活動のすばらしさ、技能の高さに感服しました。
まだ、救助を待ってる方もいますが、もう少しの辛抱です。
がんばって下さい。
被害に遭われた皆さんにはこれからの過酷な生活が待っていると思うと
お気の毒でたまりません。
私が高校生の時、石狩川の堤防が決壊しました。
その頃、水害は毎年の事で、のんびりと堤防まで見に行っていました。
大木が、家の屋根が、馬が流されていきます。
「決壊するぞ-。早く帰れ。」という声と同時に走ったのですが、
後ろから真っ黒な水の塊が迫ってきました。
「ゴー。」という水と一緒に家の中に飛び込みました。
茶の間から母の手が伸び握ったとたん「バリーン」というものすごい音。
振り返ると店の6枚の大判のガラス戸が波にのまれて無くなっていました。
階段に駆け上がると同時に畳がふわっと浮き上がり、波がさらっていきました。
家族は皆無事で、二階の窓から覗いていると、トラックの運転手さんが、
「早く乗れ~。」と声をかけてくれました。
下に降りると胸までの高さの水です。
水をかき分けやっと荷台に飛び乗り脱出。
お隣を見ると、エスという犬が小屋根の上で震えていました。
「運転手さん、犬をのせていい?」と聞くと、
「エンジンが止まったらおしまいだ。急げ。」と。
エスに手を伸ばし抱え、脱出成功。
水のない所まできたらトラックから下ろしてくれて、
「じゃーなー。」と颯爽と走っていった運転手のおじさんは
スーパーマンのようにかっこよかったわ。
お隣のエスはお礼も言わずピユーっとどこかへ逃げちゃった。
恩知らずな犬です。
鬼怒川決壊で夫婦が屋根の上で犬を抱きかかえていた気持ちが
解ります。
水害の報道を見る度、あの時の恐怖がよみがえります。
被災者の皆さん、身体に気をつけ、がんばって下さい。
止まない雨は無い
明けない夜は無い
(お天気博士 倉嶋厚さんの言葉)