文字の機能を視覚効果におく。日本語文字は混ぜ書きができる。文字論で述べる表記行動が日本語文字を効果的に使い分けるだけでなく、使いやすく書きやすい文字の選択には書き手のスタイルとなる。文字の言語学で混合文字体系と分類されて、漢字の下位体系に2種、仮名の下位体系に2種を認めている。すなわち音読みと訓読み、片仮名と平仮名である。そこにはもう一つ、ローマ字の仮名体系があるのであるが、それは述べられていない。その説を展開するならば、ローマ字にも2種を少なくとも認めることになる。外国語と略号である。さてその視覚となると現実にはあり得ることで、キーボードを打ち込み、字かな仮名変換で選び、その結果で文字列を作り出す一連の操作は日本語文字の視覚によるものである。手元の入力が平仮名である場合と、いまここのヘボン式ローマ字の音でする場合とをその文字列で再現してみよう。いかに、その文字列が機能的であるか、効果的であるか、たやすく見て取れる。 . . . 本文を読む
源氏が誰にどのように読まれたか。文学研究のいろはである。作品があり、作者がいて、読者がいる。源氏物語を愛読した人は誰であったか。作者はだれか、作品がいつ書かれたか。出版をすればその出版社による奥付があるし、出版物であるから、それを求める読者ということである。源氏は書き写されて人々に読まれた。それを玉上評釈の、源氏物語の捉え方では、女による女のために女の物語であった。女性のための、ということは知れ渡っていたことであろうが、それを読む人は誰であったかとなると、写本というのは書き写す、作品成立の時期とするか、それを写して読む行為であるから、少しずつ時間差がって、それをおこなうにはそれなりの環境があるということである。そうして写されていくあいだに、作者の原本をとどめるものはどれか、その作品のオリジナルはなにかと、本文を探求することになる。原本は作者のつけた書名があって署名入りというわけではないから、考えてみると、五十余帖にもなる物語がよくまとめて伝えられたということになる。そこに源氏本文の研究がある。源氏の本をそうして求めた、いくつか書き写されている本を集めてひとつのものにする、それが河内本系統の書写本と呼ばれる。源光行とその子源親行が協力して、当時乱れに乱れていた源氏物語の本文を正すために作られた、というふうに言われるのだが、源光行によって1236年、嘉禎2年2月3日に始められ、源光行の没後、源親行によって1255年、建長7年7月7日に完成を見たというものである。 . . . 本文を読む
旅行業法がある。施行の最終改正は、昭和二十七年七月十八日法律第二百三十九号である。その目的に、>この法律は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに、その組織する団体の適正な活動を促進することにより、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的とする、とある。登録制度のこと、適正な運営の確保、適正な活動の促進、取引構成の維持、旅行の安全の確保、旅行者の利便を図る、など、6つを挙げている。次いで、旅行業の規定がある。旅行業は報酬を得て、と、その条文で取り決めるのは、なぜかと思いながら、サービス業としてのことかとまずは思う。そしてその、次に掲げる行為を行う事業、とは、>旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービス(以下「運送等サービス」という。)の内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為、である。 . . . 本文を読む