「カンフー・シスター/麗竜拳」
原題:師妹出馬/奪命女羅刹
英題:The Woman Avenger/Fatal Claws, Deadly Kicks
製作:1980年
●夏光莉と陸一龍は仲睦まじい夫婦であったが、覆面姿の強盗団に襲撃を受けてしまう。夫を殺され、自らも暴行された夏光莉はどうにか一命を取り留めるも、その胸の内には無念さと怒りが渦巻いていた。
助けてくれた尼僧は「復讐など止めなさい」と諌めるが、彼女の悲痛な訴えを聞いて龍拳を伝授することに。それから3年後、厳しい修行に耐え抜いた夏光莉は尼僧と別れ、たった1人で強盗団への仇討ちに乗り出すのだった。
男性に変装し、悪漢に襲われていた史亭根を弟子に迎え入れた彼女は、間借りした道場の主・王圻生に疑いの目を向ける。案の定、彼とその息子である茅敬順は強盗団の一員であり、夏光莉は危険が及ばないようにと史亭根を逃がした。
茅敬順を、初老の何興南を、槍使いの王圻生を次々と仕留めていく夏光莉。しかし敵も黙ってはおらず、続いて戦った鍼の名手・張紀平は彼女を容赦なく追い詰めていく。
もはやこれまでかと思われたその時、謎の女拳士・劉珊が助けに入った。彼女は強盗団の首領・彭剛(ペン・カン)によって父である余松照を殺され、自らも片脚を砕かれたという壮絶な過去の持ち主だった。
夏光莉は劉珊から秘伝の足技を教わり、再び襲いかかってきた張紀平へのリベンジに成功する。だが、最後に立ちはだかった彭剛は恐ろしく強く、自慢の龍拳もこの男にはまったく歯が立たない。
壮絶な死闘の果てに、彼女が見たものとは…!?
またしても前回に続いて更新の間隔が一ヶ月以上も空いてしまい、本当に申し訳ありません。コメントの返信もお待たせしてしまっているので、今後はなんとか以前のペースに戻すよう心掛けたいと思います。
さて、今回は前回に引き続いて再び李作楠(リー・ツォーナン)の監督作をピックアップしてみましょう。本作は『南北腿王』と同様に主演を夏光莉が、ラスボスを彭剛が担当。今回も見事な功夫アクションで作品を彩っていました。
ただし作品としては、賑やかなコメディだった『南北腿王』とは趣向を変えており、血生臭い辻斬りの旅がこれでもかと展開。そのテイストはどちらかというと茅瑛(アンジェラ・マオ)の『破戒』に近い物を感じます。
コメディ功夫片が全盛を極めていた当時としては異質なタイプの作品であり、ストーリーも史亭根の扱いが非常に雑だったりと、練り込み不足な印象を受けてしまいました。
一方、ことアクションに関しては素晴らしい出来となっており、高度な立ち回りがこれでもかと続出! どうやら今回の李作楠監督はストーリーに拘らず、夏光莉のポテンシャルを生かす事に集中していたようです。
本作のアクションはジャッキー映画の影響が強く、コミカルな動作で攻撃を避けていく主人公の姿にはデジャブを感じてしまいます。武術指導が『笑拳』に出演した経験のある彭剛なので、このテイストは恐らく狙ったものなのでしょう。
しかし単なるジャッキーの模倣で終わっていないのが本作のいいところ。しなやかな動きを得意とする夏光莉の長所を上手く引き出しており、その柔軟性に富んだアクションの数々は、ジャッキーでさえ舌を巻きそうな内容に仕上がっていました。
強盗団との戦いはどれも質が高く、ラストバトルでは龍拳が通じない相手に足技で立ち向かうも、相手がさらに奥の手を出してくるというスリリングな展開が繰り広げられています(最後の凄まじいキック連打は必見!)。
奥深いストーリーや趣向を凝らしたギミックこそ無いものの、迫力のアクションシーンで攻めてくる正統派の逸品。…う~ん、やっぱり功夫片時代の李作楠作品はイイなぁ(笑顔
原題:師妹出馬/奪命女羅刹
英題:The Woman Avenger/Fatal Claws, Deadly Kicks
製作:1980年
●夏光莉と陸一龍は仲睦まじい夫婦であったが、覆面姿の強盗団に襲撃を受けてしまう。夫を殺され、自らも暴行された夏光莉はどうにか一命を取り留めるも、その胸の内には無念さと怒りが渦巻いていた。
助けてくれた尼僧は「復讐など止めなさい」と諌めるが、彼女の悲痛な訴えを聞いて龍拳を伝授することに。それから3年後、厳しい修行に耐え抜いた夏光莉は尼僧と別れ、たった1人で強盗団への仇討ちに乗り出すのだった。
男性に変装し、悪漢に襲われていた史亭根を弟子に迎え入れた彼女は、間借りした道場の主・王圻生に疑いの目を向ける。案の定、彼とその息子である茅敬順は強盗団の一員であり、夏光莉は危険が及ばないようにと史亭根を逃がした。
茅敬順を、初老の何興南を、槍使いの王圻生を次々と仕留めていく夏光莉。しかし敵も黙ってはおらず、続いて戦った鍼の名手・張紀平は彼女を容赦なく追い詰めていく。
もはやこれまでかと思われたその時、謎の女拳士・劉珊が助けに入った。彼女は強盗団の首領・彭剛(ペン・カン)によって父である余松照を殺され、自らも片脚を砕かれたという壮絶な過去の持ち主だった。
夏光莉は劉珊から秘伝の足技を教わり、再び襲いかかってきた張紀平へのリベンジに成功する。だが、最後に立ちはだかった彭剛は恐ろしく強く、自慢の龍拳もこの男にはまったく歯が立たない。
壮絶な死闘の果てに、彼女が見たものとは…!?
またしても前回に続いて更新の間隔が一ヶ月以上も空いてしまい、本当に申し訳ありません。コメントの返信もお待たせしてしまっているので、今後はなんとか以前のペースに戻すよう心掛けたいと思います。
さて、今回は前回に引き続いて再び李作楠(リー・ツォーナン)の監督作をピックアップしてみましょう。本作は『南北腿王』と同様に主演を夏光莉が、ラスボスを彭剛が担当。今回も見事な功夫アクションで作品を彩っていました。
ただし作品としては、賑やかなコメディだった『南北腿王』とは趣向を変えており、血生臭い辻斬りの旅がこれでもかと展開。そのテイストはどちらかというと茅瑛(アンジェラ・マオ)の『破戒』に近い物を感じます。
コメディ功夫片が全盛を極めていた当時としては異質なタイプの作品であり、ストーリーも史亭根の扱いが非常に雑だったりと、練り込み不足な印象を受けてしまいました。
一方、ことアクションに関しては素晴らしい出来となっており、高度な立ち回りがこれでもかと続出! どうやら今回の李作楠監督はストーリーに拘らず、夏光莉のポテンシャルを生かす事に集中していたようです。
本作のアクションはジャッキー映画の影響が強く、コミカルな動作で攻撃を避けていく主人公の姿にはデジャブを感じてしまいます。武術指導が『笑拳』に出演した経験のある彭剛なので、このテイストは恐らく狙ったものなのでしょう。
しかし単なるジャッキーの模倣で終わっていないのが本作のいいところ。しなやかな動きを得意とする夏光莉の長所を上手く引き出しており、その柔軟性に富んだアクションの数々は、ジャッキーでさえ舌を巻きそうな内容に仕上がっていました。
強盗団との戦いはどれも質が高く、ラストバトルでは龍拳が通じない相手に足技で立ち向かうも、相手がさらに奥の手を出してくるというスリリングな展開が繰り広げられています(最後の凄まじいキック連打は必見!)。
奥深いストーリーや趣向を凝らしたギミックこそ無いものの、迫力のアクションシーンで攻めてくる正統派の逸品。…う~ん、やっぱり功夫片時代の李作楠作品はイイなぁ(笑顔