功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

GARY OF GOLDEN AGE(04)『ノー・トゥモロー』

2013-10-15 22:21:44 | マーシャルアーツ映画:下
「ノー・トゥモロー」
原題:NO TOMORROW
製作:1998年

●海運会社に勤めるゲイリー・ダニエルズは、あるとき仕事仲間から書類改竄の裏ビジネスを紹介される。この仕事を指示していたのは武器商人のゲイリー・ビジーで、彼は近々大きな取引を控えていた。
その取引とは、数百万ドル相当の兵器を過激派組織に売り込むというもので、中にはプルトニウム核弾頭も含まれているという。パム・グリア率いるFBIの捜査チームは、この不穏な動きをいち早く察知し、密かに潜入捜査官を派遣していた。
 一方、マフィアのマスターPは対立関係にあるビジーに奇襲を仕掛けたが、ゲイリーの機転によってビジーは脱出に成功する。彼を高く評価したビジーは、さっそく自分たちの仲間に引き入れようとするのだが…。
同じ頃、ゲイリーは今の仕事を辞めたいと考えており、娼婦のジョディ・ビアンカ・ワイズと男女の関係を結んでいた。FBI、武器商人、過激派組織、マフィア、そしてゲイリー…。それぞれの思いが交錯する中、遂に取引の日が訪れ、意外な事実が明かされる!

 PMエンターテイメントに帰ってきたゲイリーが、ベテラン俳優陣に囲まれて出演したコンゲーム風味のアクション映画です。様々な勢力が入り乱れるストーリーで、出演もしているマスターPが監督を兼任しています。
彼は序盤から火炎放射器を振りかざして暴れまわり、「これってマスターPの俺様映画!?」と見る者を不安にさせますが、ちゃんとゲイリーを中心にした群像劇として仕上がっていました。
 ストーリーは思ったほど複雑ではなく、マスターPの俺様演出も彼の登場場面のみ。途中でなんとなく読めてしまいますが、潜入捜査官の正体やラストのどんでん返しなど、出来に関しては悪くないといえます(最後のオチはちょっと蛇足かも)。
ところが、どういう訳か本作にはゲイリーの格闘シーンが一切ありません。彼が見せるアクションは銃撃戦やカーチェイスだけで、格闘シーンはパム・グリアとマスターPが1回ずつ披露するのみ。ゲイリーと同じ格闘俳優であるフランク・ザガリーノは、序盤に速攻で爆死してしまいます(苦笑
 ド派手な見せ場はそれなりにあるし(ヘリコプター爆発・炎上しながら着陸する飛行艇などなど)、普通のアクション映画として見るならボチボチの出来なんですが…やっぱりゲイリーの格闘が無いと物足りないよ!(涙
さて、華やかな90年代も終りに近付き、PMエンターテイメントの時代も終焉を迎えつつありました。そこでゲイリーは次なる出演作に、まるで本作での鬱憤を晴らすかのようなマーシャルアーツ・ムービーを選びます。監督の名は…そう、アイザック・フロレンティーン!